導入事例

清掃や温度チェックをカミナシで電子化。衛生記録を見える化し、社内コミュニケーションが活性化

作成者: カミナシ編集部|Nov 28, 2021 4:39:00 PM

ダンデライオン・チョコレート・ジャパンについて

こだわりの「Bean to Bar」の製法でチョコレートを製造

── Dandelion Chocolate Japan株式会社(以下、ダンデライオン・チョコレート・ジャパン)について教えてください。

山形様:ダンデライオン・チョコレートは米・サンフランシスコ発祥のBean to Bar チョコレート専門店です。2010年、トッド・マソニス、キャメロン・リングの二人の起業家によって創業され、2015年に日本法人であるダンデライオン・チョコレート・ジャパンが設立されました。2016年には、日本国内初のファクトリー「ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前」をオープン。その後、伊勢外宮店、表参道店をオープンし、現在、日本国内に3店舗を構えています。

ダンデライオン・チョコレートの特徴は、「Bean to Bar」の製法を採用していることです。カカオ豆のロースティング(焙煎)から摩砕、テンパリング、成形、包装といった製造工程を、一貫して行うことで、産地毎の個性を活かしたフレーバーを作り出しています。

▲カカオ豆のロースティング(焙煎)の様子

導入前の課題

「ファクトリーにいなければ記録が確認できない」という状況を変えたかった

── カミナシ導入前の課題を教えてください。

辻様:2021年6月のHACCP完全義務化に向けて、ファクトリー内の衛生管理を見直すなかで、紙の帳票に関するいくつかの課題が浮き彫りになりました。

もともと、ダンデライオン・チョコレートは、日本法人でも「できるだけ紙は使用しない」という方針のもと、積極的にITサービスを活用して、さまざまな管理業務を行なっていました。とはいえ、ファクトリーでは、紙の帳票のほうが使い勝手が良いこともあり、清掃チェックや冷蔵庫の温度チェックなど、いくつかの管理には紙の帳票が残っていました。

しかし、紙の帳票には「離れた場所から記録内容を確認できない」というデメリットがあります。私は製造部門の責任者ですが、業務で外出することも多いため、ファクトリーに出向かなければ記録内容が確認できない状況は、非常に不便でした。

また、紙の帳票の管理では、清掃作業にバラつきを生んでしまうという課題もありました。紙の帳票に「清掃済み」と記録されていたとしても、どの箇所を、どれくらいキレイにしたかは、その日の清掃担当者によって微妙に異なります。清掃作業をより適正化・標準化していくためにも、新たな管理方法を確立する必要がありました。

▲Dandelion Chocolate Japan株式会社 製造部門ディレクター 辻様

選定理由

第一印象で「これは使えそう…」と確信。すぐにカミナシを導入

── どのような経緯からカミナシの導入を決めたのでしょうか。

山形様:カミナシを知ったのは社内のメンバーからの紹介でした。その後、カミナシさんが主催するセミナーに参加して、「これは使えそうだな…」と興味を持ちました。

今や、バックオフィス業務や社内コミュニケーションなどにITサービスを利用するのは一般的です。私たちも人事系や経理系のSaaSやチャットツールなどを、日常的に利用しています。しかし、カミナシのように製造現場の業務効率化やHACCP対応に役立つITサービスは非常に少ないです。私自身、そうしたITサービスを以前からリサーチしていたのですが、なかなか出会うことができなかったので、カミナシのコンセプトにはとても魅力を感じて導入を即決しました。

辻様:分かりやすいUIも導入の決め手でした。ITサービスを導入する際には、「誰でも使いやすい」が重要なポイントです。管理者側から押し付けるように、トップダウンで導入を決めても、いずれ利用されなくなります。その点、カミナシはユーザーフレンドリーであるため、現場レベルでサービスを浸透させやすいのではないかと期待しました。

導入の成果

カミナシ導入の最大の成果は「現場の見える化」だった

── 現在、カミナシをどのように活用されていますか。

辻様:現在、製造装置・器具の清掃チェック、冷蔵庫の温度チェック、スタッフの体調管理などにカミナシを活用しています。

特に、利用する頻度が多いのが冷蔵庫の温度チェックです。就業前、終業後の1日2回、ファクトリーに備え付けられている10台ほどの冷蔵庫の温度をカミナシで記録しています。

また、清掃チェックでは、清掃した箇所をタブレットのカメラで撮影しています。これで、以前は難しかった、清掃作業の具体的な状況の記録が可能になっています。写真で清掃状況が記録されていれば、管理者側もファクトリーのスタッフへの指示や指摘をしやすいため、清掃作業の適正化・標準化が進んでいます。

── カミナシの導入により、どのような効果が生まれているでしょうか。

山形様:衛生記録が「見える化」したのが、最も大きな効果です。私たちのファクトリーでは、以前からHACCPに準じた衛生管理を行なっていましたが、いくつかの管理に紙の帳票を用いていたため、それらの記録内容を包括的に把握するのが難しい状況でした。

しかし、カミナシの活用により、衛生記録がデータとして一元化され、カミナシ上で容易に閲覧できるようになりました。これにより、管理者は離れた場所からでも記録内容を確認できるようになりましたし、社内では部門間のコミュニケーションが促進されています。

例えば、私はコーポレート部門のスタッフのため、カミナシを導入するまで、ファクトリーのスタッフが具体的にどのような仕事をしているのかを、詳しく把握できませんでした。しかし、カミナシを活用することで、ファクトリーの業務内容が可視化され、部門間での連携をスムーズに行えるようになりました。

辻様:また、カミナシの活用はファクトリー内のコミュニケーションも円滑化させています。蔵前のファクトリーには3つのチームが設けられているのですが、この3チームは毎月、それぞれのチームの製造装置・器具の衛生状況を相互にチェックしあって、清掃作業などに関するアドバイスを出し合っています。現在、この作業にカミナシを活用しているのですが、写真などのデータをもとにチェックを行うため、より具体的なアドバイスが出せるようになっており、チーム間でより良いコミュニケーションが生まれています。

▲店舗に併設されているファクトリーでは冷蔵庫等の温度管理にカミナシを活用

現場の声

カミナシの活用により、誰でも正しい清掃作業ができるようになった

── ファクトリーの皆様からの評価はいかがでしょうか。

今井様:私は、実際に業務のなかでカミナシを利用していますが、周囲のスタッフからもカミナシは好評です。

特に、誰でも正しい記録作業が行える点は、非常に優れていると思います。清掃作業や温度チェックは複数の手順を踏むため、入社間もないスタッフなどは、その手順を覚えるだけでも多少の手間がかかります。しかし、現在はカミナシの表示に従って記録作業を行えば、正しい手順で清掃作業や温度チェックを完了できるため、手順を覚えるといった手間は不要になりました。

また、カミナシの活用で、記録作業の抜け漏れも大幅に減ったと感じています。特に、12月〜3月の繁忙期の時期には、忙しさから記録作業が後回しになりがちです。しかし、カミナシは、アラートを表示して抜け漏れを防ぐこともできるため、繁忙期でも適切に衛生管理を行うことができます。

▲Dandelion Chocolate Japan株式会社 製造担当 今井様

今後の展望

「ヒヤリハット事例」など、多様な活用法を検討中

── それでは最後に、カミナシの活用について、今後の展望をお聞かせください。

辻様:今後はカミナシをHACCP対応以外の領域にも活用していきたいです。例えば、ファクトリーにおけるヒヤリハット事例をカミナシに集約して、社内で共有する活用法を検討しています。そのヒヤリハット事例をもとに各チームでミーティングや対策を行えば、事故のリスクをより低減できると考えています。

また、現在は、カミナシを作業マニュアルとして用いるアイデアも持ち上がっています。カミナシはタブレットで撮影した写真をテンプレートに組み込めるので、多様な使い方ができるのが嬉しいです。

そして、そうした改善を重ねながら、より働きやすく、生産性の高いファクトリーを作っていくのが目標です。カミナシさんは、サービスの機能改善に積極的なベンダーで、「共にサービスを作っている」という感覚があります。今後も、お互いに情報を共有しながら、共に成長していきたいですね。

── 辻様、山形様、今井様、本日はありがとうございました!

▲(左より)Dandelion Chocolate Japan株式会社 山形様、今井様、辻様