株式会社第一興商
- 業種
- サービス業
- 導入規模
- 1,001名以上
- 利用目的
- ペーパーレス, 臨店
業務の効率化が進みにくかったフランチャイズ管理にカミナシを導入
臨店業務や報告作業を大幅に効率化し、年間約1,000時間の業務時間を削減
業務用通信カラオケDAMの開発を手がけるほか、カラオケボックスを中心とした直営店舗約700店を展開する株式会社第一興商は、フランチャイズ店舗の管理業務効率化を目的に、カミナシを導入。
約5,000枚以上の紙の管理帳票をデジタル化し、フランチャイズ店舗やSV(スーパーバイザー)の業務負荷軽減を進めた。その結果、SVの臨店業務(SVがフランチャイズ店舗に店舗の運営状況の確認や本部の指示を伝えるために訪問する業務)の時間は50%削減され、フランチャイズ店舗における帳票管理の手間も削減された。FC事業部の横山靖彦氏、奥山順也氏、森島順氏の3名にカミナシ導入の経緯や効果について聞いた。
導入前の課題
- フランチャイズ契約期間中に運用、保管が必要な紙帳票が膨大な量に
- フランチャイズ管理をするSV(スーパーバイザー)の業務負荷が高い状態であった
- 紙帳票の回覧、郵送のため本部に届くまでタイムラグがあるなどで臨店の状況が確認できず、本部管理者が遠方にいるSVに都度状況を確認する手間が発生
導入後の効果
- フランチャイズ店舗運営において、紙帳票の運用、保管が不要になり、付帯業務の削減に成功
- SVの臨店業務にかかる時間が1日から半日に短縮
- SVの臨店業務後、即時に報告書が提出されるため、本部管理者はフランチャイズ店舗の状況をスムーズに把握可能に
紙の帳票がフランチャイズ事業の効率化を阻害。本部とSVの業務負荷を高めていた
業務用通信カラオケDAMを展開し、カラオケボックスを中心とした直営店舗約700店を運営する第一興商。年間の売上高は1,281億円(2023年3月期/連結)、従業員数はアルバイトを含める10,000名以上にものぼり、カラオケ業界最大級の規模を誇る。近年では、業務効率化や省人化にも注力し、全国の事業所に約1,000台のタブレットを配置するなど、各種業務のデジタル化を進めている。
カミナシの導入も、そうした取り組みの一つに位置付けられる。同社でカミナシの導入を主導したのは営業統括本部 FC事業部。全国に62店舗(2023年6月1日現在)※を展開するフランチャイズチェーン「カラオケ CLUB DAM」の営業管理や店舗開発などを担当する部署だ。なぜ、他部署に先駆けてFC事業部がカミナシの導入を担ったのか。そこには、フランチャイズ店舗の管理ならではの課題があった。営業統括本部FC事業部営業推進一課の課長である横山氏は当時の課題を説明する。
「フランチャイズ店舗には、月に一回、担当のSVが訪問して、運営指導やミーティングを実施します。この業務のことを臨店業務と呼ぶのですが、その際に使用する紙の帳票が業務効率の低下を招いていました。フランチャイズ店舗へ臨店したSVが、店舗の状況や指導内容などを紙の帳票に記録し、フランチャイズ本部へ帳票を提出、フランチャイズ契約期間の間保管を行います。この帳票をまとめたファイルが次第に積み重なり、事務所内の書庫を埋め尽くしつつありました。また、紙の帳票への記録やファイリングの作業も煩雑で、少なくない手間になっていました。これまで、FC事業部では業務改善による効率化に取り組んできましたが、契約の都合上、運営指導の記録などをフランチャイズ本部に保管しなければならず、紙の帳票に起因する問題だけは、なかなか解決できずにいました」
さらに、紙の帳票はSVの業務効率も低下させていた。SVは臨店業務の際、所定のチェックリストや通達文書を印刷して各店舗に持参していたほか、臨店後にはチェックリストに記入した内容をExcelに転記し、さらに報告書にまとめて書類を郵送して上長に報告するなど、数多くの付帯業務をこなさなければならなかった。こうした業務はSVの業務負荷を高めており、臨店業務には1店舗につき丸一日を要したほか、付帯業務のために残業が発生することもたびたびあった。
※一部、直営店舗を含む
事前に試算した業務削減効果は約600時間/年。費用対効果が決め手になり、導入を決定
フランチャイズ事業の効率化を模索していた第一興商のFC事業部は、IT製品による紙の帳票のデジタル化を検討し始めた。そうしたなか、とある展示会でカミナシの存在を知る。展示会に参加していた営業統括本部FC事業部業務管理課のリーダーである奥山氏は、カミナシの第一印象を振り返る。
「展示会でカミナシのHACCP対応用のフォーマットを目にして、これはいい仕組みだなと思いました。フォームやチェック項目を柔軟に設計できるし、フランチャイズ店舗の管理業務にも応用できそうだと直感しましたね。それで展示会のあとに、カミナシを導入した場合の費用対効果を試算することにしました」
その結果、算出されたカミナシによる業務削減効果は約660時間/年。賃金換算すれば、導入費用を大きく上回る数字だった。これが決め手となり、FC事業部はカミナシの導入を決定。全国のフランチャイズ店舗にカミナシを導入するプロジェクトを立ち上げた。
全国への展開時にはシステムの定着を促す各種取り組みも実施している。例えば、既存のチェックリストなどをそのままデジタル化するのではなく、○×形式や選択形式など、SVがタブレットに入力しやすい設問形式でフォームを作成した。また、操作方法の説明会を実施。FC事業部が中心となり、取り組みの目的と達成したいこと、カミナシの利用方法についてSVに丁寧なレクチャーを行った。
こうした取り組みが功を奏し、運用定着は加速。リリース当初には数多く届いていた問い合わせは次第に減り、2、3ヶ月後にはほぼゼロに。これには、奥山氏も「当初は定着に半年ほどかかると見ていましたが、予想以上にスムーズでした」と手応えを感じているという。
臨店業務に要する時間が1日から半日に。本部の管理業務も効率化し、年間約1,000時間の削減効果に
現在、FC事業部はSVが臨店業務の際に利用する「SV臨店報告書」をカミナシで運用している。従来、SV臨店報告書は、5枚の紙の帳票で構成されていたが、現在はカミナシで一つのフォーマットにまとめられた。また、本部がSV臨店報告書とは別に、フランチャイズ店舗への指導資料を印刷してしていた通達文書なども、カミナシ上で共有されるようになった。こうした取り組みにより、第一興商では約5,000枚/年の用紙が削減されている。営業統括本部FC事業部 業務管理課のリーダーである森島氏は、こうした活用による業務効率化の効果を説明する。
「フランチャイズ店舗管理については、臨店時の指導内容などをカミナシ上で確認できるため、紙の帳票を保管する必要がなくなりました。ファイリングなどに要していた手間は削減され、これ以上社内にファイルが増えることもありません。さらに、SV側については、臨店後の業務も大幅に効率化しました。以前は、紙の帳票に記録した内容をExcelに転記するなどの作業が必要でしたが、その作業が不要になったため、以前は準備から完了まで一日換算の臨店業務が、約半日換算で完了できるようになりました。」
森島氏は、紙の帳票はSVから報告を受ける本部管理者にとっても悩みの種だったと話す。従来、本部管理者がフランチャイズ店舗の臨店状況を把握するには、SVからの報告を待たなければいけなかったが、煩雑な業務が報告までのタイムラグを発生させており、本部から電話で都度確認するなど、お互いの情報共有にストレスを感じていた。しかし、現在では、カミナシに臨店業務の内容が記録されるため、本部管理者はほぼリアルタイムで店舗臨店の状況を把握できるようになった。横山氏は「本部管理者がSVに臨店書類の状況を確認する業務が発生していたが、SVとの連絡(電話・メール)がうまく取れず、書類提出の確認ができない、臨店書類の回覧先が多く、上長の押印取得に手間と時間が掛かる、完成した臨店書類の郵送にSVが手間取り、本部に書類が到着するまで時間が掛かる等々、月内に本部管理者が臨店書類を確認できないことも度々ありました。カミナシを利用することで、SVが臨店した後、すぐに報告書がカミナシ上で確認ができます。本部もSVも、業務効率が上がりストレスが減ったのではないでしょうか。」
フランチャイズ店舗、SV、本部管理者と、幅広い領域の業務を効率化したことにより、カミナシは事前の想定以上の効果を発揮。導入検討時には年間約660時間の業務時間削減を見込んでいたが、現在の業務時間の削減効果は年間約1,000時間に及んでいる。
導入成功のポイントは「自社の業務を見直して、
活用イメージを明確にすること」
今後、FC事業部はフランチャイズ店舗の幅広い業務にカミナシの活用を検討している。衛生管理や清掃チェック、従業員の健康チェック、業務マニュアルなど、紙の帳票を用いている業務にはできる限りカミナシを活用し、さらなる業務効率化を推進する。最後に、カミナシの活用ポイントについて尋ねると、奥山氏は「導入前に自社での活用イメージを明確にすること」と答えた。自社のどのような業務にカミナシを適用するのかを事前に想定しておくことが、導入成功の秘訣なのだという。
「導入前には、毎日の仕事のなかで面倒だと感じている業務を思い浮かべる。そして、その業務にカミナシを活用したら、どのように楽になるのかをイメージすることが、導入への第一歩だと思います。当社の場合も、当初はHACCP対応のツールとしてカミナシを知りましたが、その機能をフランチャイズ店舗管理に転用しました。カミナシはシステムの柔軟性が高く、さまざまな現場で活用できると思うので、現在の業務に課題を感じている企業にはぜひ導入をおすすめします」
今回のカミナシ導入はコロナ禍の最中に行われた。感染拡大に伴う休業や営業時間の短縮など、コロナ禍はカラオケ業界にとって逆風の時期。しかし、そうした谷間の時期を利用して、第一興商はシステム導入を推進し、大幅な業務効率化に成功した。まさに逆境をバネにして組織を強化した好事例と言えるだろう。
現場のこだわりポイント
アットホームなカラオケ店に
第一興商がフランチャイズ展開をしているカラオケCLUB DAMは、
お客様に楽しい時間を楽しんでもらえるような工夫を運営に組み込
んでいる。お客様のご来店時にお部屋までご案内をする、他店には
ない工夫を凝らしたメニュー開発など、アットホームなサービスを
心がけている。
※本内容は2023年6月現在のものになります。
※各サービスの仕様・デザイン等は改良のため予告なく一部変更することがあります。
※記載の会社名、各種名称等は、弊社および各社の商標または登録商標です。
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