ルートインジャパン株式会社
- 業種
- サービス業
- 導入規模
- 10,000名以上
- 利用目的
- ペーパーレス, HACCP対応, 現場の業務効率化, 監査業務の効率化
多店舗展開における「品質管理業務の標準化」を目指しカミナシを導入
1年半で約13万枚の紙の帳票を削減し、グループ全体の業務効率化を推進
国内最大級のホテル事業者であるルートイングループの中核企業・ルートインジャパン株式会社は、多店舗展開における「品質管理業務の標準化」を目指しカミナシを導入。店舗の現場業務で利用していた紙の帳票のデジタル化を通じて、少人化ならびに業務負荷の削減を推進した。この取り組みを通じて同社は1年半で約13万枚の紙の帳票を削減し、ファイリングや差し替え作業などの付随業務を大幅に削減。さらに、店舗運営以外の業務にもカミナシを活用。全国に約360ある施設の監査にカミナシを利用し、本社部門やエリアマネージメントの業務効率化・標準化を実現している。
導入前の課題
- 店舗の運営管理及びレストランの衛生管理などに年間約30万枚の紙帳票を使用。ペーパーレス化が急務に
- ファイリングや差し替えなど、紙帳票の利用にに付随した管理業務の負荷があり、現場業務を圧迫
- 店舗スタッフや責任者の店舗管理業務の標準化が課題
導入後の効果
- 導入から1年半で約13万枚の紙帳票を削減
- 紙帳票の管理や店舗スタッフの業務指導に関する業務負荷が軽減
- 施設運営において現場だけでなく監査部門でも活用、業務の標準化や人材育成など、様々な業務への活用を見込む
現場業務で年間30万枚に及ぶ紙の帳票を利用。業務の標準化と生産性向上のためにデジタル化が急務だった
ルートインジャパン株式会社は、全国に約360施設のホテルや飲食店、ゴルフ施設などを展開する国内最大級のホテル事業者であるルートイングループの中核企業。従業員数約17,000名、運営ホテル約330店舗、ホテル総客室数約58,000室を誇るルートイングループのホテル事業を運営・管理・企画している。ホテルブランドとしては、ビジネスタイプの「ホテルルートイン」、観光タイプの「ルートイングランティア」、シティタイプの「アークホテル」、リゾートタイプの「グランヴィリオホテル」の4つを展開。2025年までに事業計画を含め、全国500店舗展開を目指している。
ルートイングループの強みは、独自の出店戦略にある。駅前ではなく、ロードサイドを中心に施設を展開し、無料駐車場や大浴場などを設けることで、自動車利用客のニーズを取り込み、新たな顧客層を開拓。ビジネスパーソンを中心に厚い支持を受けている。
「教え合う雰囲気」を醸成し、システム展開を加速。半年間で約330店舗に導入を完了
カミナシの某飲食チェーンへの導入を報じる記事に興味を持った蛭間氏は、製品資料などを収集し、機能や活用事例などを精査。現場業務への導入効果が期待できたことから、経営層にカミナシを提案した。経営層の回答は「最優先でカミナシを導入するように」。クラウドサービスで、速やかに導入、多くの店舗に利用を展開できる点が高い評価を得た。300店舗以上の現場業務の効率化を目指しているルートイングループにとって、カミナシはまさに最適のデジタルツールだった。
こうして導入を決めたルートイングループはプロジェクトチームを組成し、カミナシの導入を進めていく。各店舗での利用定着に向け、紙の帳票を利用している既存業務をリストアップして、優先順位を決めながらデジタル化を推進。その結果、店舗責任者が利用する施設管理表や、レストランの衛生管理表など、比較的簡易的な帳票からデジタル化が進められた。
また、カミナシの導入に並行して各店舗へのタブレットの導入も行われている。フロントやレストランの厨房にタブレットを設置し、スタッフがいつでもカミナシを利用できる環境を整備した。ホテルルートインGrand東京東陽町を含む都内2店舗で支配人を務める大室氏は、タブレット導入に当初は不安を抱えていたと話す。
「当店舗には18歳から65歳まで、幅広い年齢層のスタッフが在籍しています。そのなかには、デジタル機器に馴染みの薄いスタッフもいるため、当初はタブレット導入が不安でした。スタッフ自身がタブレットを使いこなせるかも気がかりでしたし、操作方法をレクチャーするために私たち責任者層の業務負担が増えるのではないかという懸念もありました。そのため、タブレットの導入時には『いかに教え合う雰囲気を作るか』に注力しています。スタッフ同士で教え合う雰囲気を作れば、皆で足並みを揃えて操作に慣れていけますし、責任者層の業務負担が増えることもありません。当店舗ではデジタル機器が得意なスタッフが率先して他のスタッフへの指導役をしてくれたため、想定よりもスムーズに導入を進めることができました」
タブレットとの同時導入に多少の戸惑いは見られたものの、簡易的で身近な紙の帳票からデジタル化を進めたことや、スタッフ間で教え合う体制の構築により、カミナシの展開は着実に進行。半年で約330店舗すべてのホテルにカミナシの導入を完了することができた。
施設運営スタッフ、マネージャー、本社部門など、カミナシを用いて様々な業務領域で効率化が実現
現在、ルートイングループでは、フロントやレストランなどのさまざまな現場業務にカミナシが活用されている。その一つが、レストランの衛生管理。従来は紙の帳票で行っていたHACCP対応の衛生管理をカミナシに移行した。これにより、衛生管理表のファイリングや差し替えなどの付随業務が効率化され、店舗で保管していたファイルの数も削減されている。
また、最近では本社部門でもカミナシの展開が進んでいる。関東地区の総支配人を務める北村氏は、監査部門でのカミナシの活用について説明する。
「本社の監査部門は、施設への監査業務にカミナシを利用しています。以前は紙の帳票だったチェック表をカミナシでデジタル化し、タブレットに入力する形で監査業務を実施。データを出力して、経営層への報告書にまとめています。監査部門は10名程度で約330店舗の監査を担当しているため、以前から監査基準の公平さと即時報告が求められている部門でした。現在では、チェック表の持ち運びが不要になったほか、報告時の集計作業なども効率化されたことで、大幅な業務効率化が実現しています。」カミナシでの帳票の設計と活用により、数値化された基準や規則に基づく公平な監査の実施ができるほか、紙に出力された規則やマニュアルも持ち運ぶことなく容易に確認ができるようになったという。また、実態確認をしては、その時点の現場、現物を、容易に写真で記録に残せる環境も整ったことで、業務効率化を実現している。
こうした幅広い活用により、ルートイングループでは1年間で約13万枚の紙の帳票が削減され、グループ全体で業務効率化が進みつつある。また、カミナシの現場業務への定着により、業務標準化も進んでいる。カミナシはフォーマット内に画像付きのマニュアルを表示できるのが特徴。そのため、業務に習熟していないスタッフでも適正に衛生管理や施設管理などが行える。これは責任者による業務指導の負担も軽減しており、スタッフの即戦力化を後押ししている。
サービス品質の向上や人材育成にカミナシの活用を見込む
今後、ルートイングループではカミナシを利用した帳票のデジタル化の範囲をさらに拡大させる方針だ。そのなかで、大室氏は、フロントスタッフが作成している客室清掃に関するチェック表をデジタル化したいと話す。現状、客室清掃に関するチェック表は、客室清掃スタッフが記入した紙の帳票をフロントスタッフがExcelに転記してデータ化している。この業務をカミナシに移行できれば、フロントスタッフの業務負担が削減されるため、よりお客様とのコミュニケーションをとる時間が増え、さらなるサービス品質向上が期待できるという。
また、北村氏はカミナシを人材育成にも活用したいと語る。「カミナシは、ある目標を達成するまでのタスクを一覧化するツールとしても利用できると考えています。例えば、当社では店舗責任者になるために覚えるべき業務が決められているのですが、それをカミナシでチェックリストにして可視化することで、責任者への登用や人材育成を加速できると思います。紙の帳票のデジタル化については一定の成果が出たので、今後はカミナシの使い方を進化させ、より幅広い範囲に活用していきます。」
紙の帳票のデジタル化を通じて、グループ全体で品質管理業務の標準化を実現したルートイングループ。2025年までの500店舗展開に向け、同社は拡大を続けていく。その躍進を支えるツールとして、カミナシが重要な役割を果たしている。
TEXT:島袋龍太
※本内容は2023年7月現在のものになります。
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