統一印刷株式会社
業種
印刷業
導入規模
51〜100名
利用目的
工程管理
「古い業務スタイル」を一新。若手社員を中心に、製造工程管理業務のデジタル化を実現

大手化粧品会社の有名化粧品など、数々の商品パッケージを印刷・製造している統一印刷株式会社。同社は、紙の帳票による製造工程の管理など、アナログな業務スタイルからの脱却を図るため、カミナシを導入しました。これにより、製造工程管理のデジタル化に成功したほか、若手社員のモチベーションを向上させるなど、様々な効果が生まれています。
カミナシの導入を推進した雫石宏親社長と導入を担当した瀧澤様に、導入前の課題や導入効果などについてお伺いしました。

課題

  • アナログな業務スタイルからの脱却
  • 若手社員主導によるデジタル化の実現
  • 紙の作業日報などへの記録作業の効率化

統一印刷について

大手化粧品会社も太鼓判を押す、高品質パッケージを製造

── 統一印刷株式会社(以下、統一印刷)の事業概要を教えてください。

雫石様:当社は、1951年創業の印刷・紙器加工メーカーです。主力事業は化粧品のパッケージ製造で、化粧品大手のK社様を中心に、複数の化粧品会社様とお取引をしています。そのため、社名に「印刷」を冠してはいますが、業態はいわゆる商業印刷よりも、パッケージの製造業に近いです。
当社の強みは、優れた技術力によって実現される、品質の高さです。パッケージは商品の「顔」に当たります。そのため、パッケージ製造は、品質が重視される傾向にあり、なかでも化粧品のパッケージは「品質が全て」と言ってよいほどの、高いクオリティが求められます。
統一印刷では、エンボス加工を始めとした特殊印刷の製造技術や、緻密な管理体制、豊富な知見に基づく営業提案などを通じて、お客様の高度な品質要求にお応えしています。

▲(左より)統一印刷株式会社 代表取締役社長 雫石様、導入担当の瀧澤様

導入前の課題

約40年続く「古い業務スタイル」が、最も大きな課題だった

── カミナシ導入前の課題を教えてください。

雫石様:紙の帳票による製造工程の管理や、アナログな手法による記録作業など、古い業務スタイルそのものが大きな課題でした。社会全体の動きと同じく、パッケージ製造の業界も日々、進化を続けています。ここ数年の間でも、お客様から求められる技術や品質のレベルは非常に高まりました。そうしたなかで、当社だけが古い業務スタイルに固執していては、いずれ取り残されるのではないかという危機感がありました。

また、古い業務スタイルは、若手人材活躍の足かせにもなっていました。当社の社員の平均年齢は47歳。今後、持続的な経営を可能にするためにも、社内の若返りは欠かせません。しかし、アナログで無駄の多い作業工程は、若い世代を採用するうえで大きな障壁になりますし、何より既存の若手社員のモチベーションを低下させます。そこで、従来の製造工程の管理方法をデジタル化し、古い業務スタイルからの脱却を目指しました。

── 「古い業務スタイル」とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。

雫石様:例えば、当社で40年以上利用されていた、複写式の作業日報です。作業日報は、各製造機械で、作業が適切な時間(工数)で行われたかなどを記録する帳票です。現場の社員が作業ごとに記録して回覧した後、上長の確認を経て、その内容を生産管理の担当者がExcelに転記し、保存していました。
作業をしながらの手書きによる記録は、現場の社員の大きな負担であり、事実、作業日報の作成には毎日40分ほどの時間を要していました。さらに、作業をしながらの記録は文字が雑になってしまうことから、内容をチェックする上長や、Excelに転記をする生産管理の担当者が、判読に困ることも少なくありませんでした。
また、品質保証のために作成していた製品保証書にも無駄が多くありました。製品保証書は、加工・印刷した製品の数量や品質を記録し、後にお客様から品質などに関するお問い合わせを受けた際の証跡として用いるものです。製品保証書は、各項目にチェックを入れる形式なのですが、その項目の数が多いため、どうしても記録が流れ作業になりがちでした。また、1案件につき1枚の帳票が必要なるため、毎日、何枚もの紙が発生して、その回収や管理にも手を焼いていました。

▲工程ごとにタブレットを設置し、都度入力している

選定理由

第一印象は「信頼できそう」。現場主導でのデジタル化を目指しカミナシを選定

── カミナシを導入された経緯を教えてください。

雫石様:実は、当初は基幹システムの導入を検討していました。しかし、基幹システムは高価なものでは数千万円ほどの費用がかかる大規模なシステムです。数千万円を費やすのであれば製造設備に投資してもっと品質を上げたいですし、大規模なシステムを一挙に導入することで、現場の社員から抵抗を受けることも懸念されました。

ちょうどその頃、WEBを通じてカミナシを知りました。カミナシは、価格が安価過ぎず、かつ高価過ぎずといった適正価格で、「信頼できそうなシステムだな」という印象でした。また、プログラミングの知識がなくてもシステムの設定ができ、現場主導で導入を進められるという点も魅力的で、「これだ!」と確信しました。その後、すぐに電話で問い合わせて、導入に向けて動き出したのです。

── 導入はどのような体制で進められましたか。

瀧澤様:導入は、私を含む若手社員2名が中心となって進めました。上長から導入担当者に指名されたときには、正直なところ驚きました。
私は製造現場の担当で、社内システムに関する業務には携わった経験はありません。また、ITに関する知識も、学生時代に情報処理系の学校に通っていた程度で、社会人になってからは趣味でPCを操作するくらいのレベルでした。

雫石様:もともと導入の目的の一つが「若手人材の活躍促進」だったため、導入も若手社員に担当してもらうことにしました。製造業は経験豊富なベテランが多いため、若手社員が実績を残す機会が少なくなりがちです。しかし、今回の導入が成功すれば、瀧澤をはじめ若手社員の大きな実績になりますし、それによるモチベーション向上も期待できると考えました。

瀧澤様:導入は2020年末ごろから始めました。まず、カミナシの担当者の方にサポートいただき、作業日報や製品保証書を大まかに電子化しました。その後、現場の従業員に必要な項目や操作上の要望などをヒアリングして、項目やレイアウトを調整していきました。2021年の年初にカミナシのUIが改良されて操作性が向上したことで、導入がより加速。その結果、2021年1月にはカミナシの本格的な運用が開始できました。

▲製造工程中にカミナシへ記録をすることで、管理工数が削減できる

導入の成果

作業記録の時間が4分の1に短縮。若手社員主導のデジタル化により、社内の活性化も実現

── カミナシ導入による効果を教えてください。

瀧澤様:まず、作業日報の記録にかかる時間が大幅に削減されました。以前は、作業の途中に手書きで紙の帳票に記録しなければいけなかったところ、現在ではタブレットを操作するだけでよいため、一日10分程度で記録を終えることができます。
つまり、作業日報の記録にかかる時間は、約4分の1に短縮されており、驚異的な業務効率化が実現しています。

さらに、製品保証書への記録が効率化されたことにより、より集中して品質のチェックができるようになっています。私自身、以前は「あとで製品保証書を書かなきゃ」という意識のせいで、品質のチェックが疎かになりそうな場面が何度かありました。カミナシの導入により、そうしたリスクが低減され、より強固な品質管理体制が確立されています。

雫石様:管理側の立場で言えば、作業日報や製品保証書の情報が一元管理できるようになったことが大きいです。以前は、複数の紙の帳票で製造工程を管理していたことから、情報の一元管理ができず、営業部や生産管理部のメンバーは、それぞれで情報を集計して、業務に必要な資料を作成していました。しかし、現在では、カミナシのシステム上で作業日報や製品保証書の情報が一覧できるため、集計にかかる時間が大幅に短縮されています。

また、経営者としては、職場全体が活性化したのが最も大きな効果です。
瀧澤などが中心になって導入を進めてくれたことで、若手社員がカミナシを積極的に利用するようになり、どんどん定着が進んでいきました。また、そうした若手社員の姿に触発されて、50代、60代のベテラン社員たちもカミナシの操作方法を覚えるようになっています。当初は、カミナシを導入することで社員から抵抗を受けるのではないかと心配していたのですが、そんな心配は無用でした。現在の状況は非常に喜ばしく感じています。

瀧澤様:導入担当者としても、カミナシの社内への定着ぶりは実感しています。実際に、現場の社員はカミナシを積極的に利用しており、システムの改善要望も数多く出ています。また、私自身も最近ではカミナシの操作に習熟し、簡単な改善要望であれば即日で対応できるようになっているため、システムを調整し、社内のデジタル化を推進していくことが、大きなやりがいになっています。

▲製造したパッケージを検品する様子。機械での検品のほか、人による検品も行うことで高い品質を維持している

今後の展望

今後はカミナシの情報を二次利用し、経営改善への活用を狙う

── カミナシの活用について、今後の展望をお聞かせください。

雫石様:カミナシで一元管理された情報の二次利用を推進したいです。
例えば、製品保証書の情報を蓄積して分析すれば、製造工程ではどのようなミスが多く起こっており、どの作業により注意しなければいけないかを把握することができます。こうした分析は、製品の品質向上や、不良品発生率の低減を可能にし、当社の収益性改善に貢献します。現在、社内には、まだまだ紙の帳票を利用した業務が残存しているため、今後はこれらを電子化しながら、二次利用できる情報の幅を広げていきたいです。

── 雫石様、瀧澤様、本日はありがとうございました!

▲統一印刷 藤沢工場