ジェイテクトエレクトロニクスは、トヨタグループ主要13社に数えられる工作機械や自動車部品の製造販売を行うジェイテクトグループの1社です。なかでもジェイテクトエレクトロニクスは、車載用電子機器やFA制御システム(※) などのエレクトロニクス部門を担っており、年間の製造点数は400万台にのぼります。
ジェイテクトグループでは「All for One Earth」を掲げ環境活動に取り組んでおり、ジェイテクトエレクトロニクスでもカーボンニュートラル達成に向けた取り組みの強化や事業活動と一体化した環境マネジメントシステムの継続的改善を図っています。その一環として、製造工程において記録や点検に利用している大量の紙帳票のデジタル化を求めていました。
また、生産年齢人口が年々減少しており、今後もその傾向が続く見込みのなか、人材不足や多国籍の外国人従業員への対応という課題も顕在化していました。ジェイテクトエレクトロニクスでは人材不足に対して、製造工程の自働化をはじめとする現場DXを全社的に推進し対応を図っています。そういった状況のなかで、特に紙の帳票整理や管理には大きな手間や時間がかかっていたため、システムの導入による業務効率化を検討していました。多国籍の従業員が働いていることもあり、導入するシステムには “どんな従業員にとっても利用しやすく、かつ負担を軽減できること”が必要条件でした。
こういった背景から、紙帳票のデジタル化が可能で、かつ誰にとっても使い勝手の良い『カミナシ』の導入が決定しました。
※ファクトリー・オートメーション(Factory Automation:FA)とは、生産工程の自働化を図るシステムの総称。
1. 全製造ラインへ『カミナシ』を展開することで、年間約5万枚の紙の削減を実現予定。CO2排出量削減にも貢献
一部の製造ラインにおいて「初物終物点検表」「製造設備点検表」「メンテナンスリスト」など5種類の帳票をデジタル化したことにより、1ラインにつき月約100枚の紙が削減されました。導入から半年間で、すでに費用対効果が想定の1.5倍となっています。
今後は、全製造ラインに『カミナシ』を展開し、年間で約5万枚の紙の削減を実現していきます。
2. 必要な情報を探すための手間が不要になり、現場管理者1人あたりの労働時間が月約20時間減少。帳票管理/検索工数も半分以下に
『カミナシ』導入前は、必要な情報を探すために一度ラインから離れ、保管されているファイル群のなかから紙の帳票を探し出さなければいけませんでした。しかし導入後は、手元のタブレットから情報を確認できるようになり、現場管理者1人あたり月約20時間の労働時間削減につながりました。
また、紙の印刷から保管までの一連の工程も半分以下に省略され、大幅に業務が効率化されました。
3. さまざまな国籍の従業員も感覚的に操作可能。点検作業や引き継ぎに写真を活用することで、設備異常の正確な把握・効率的な情報共有も可能に
製造ラインには多様な国籍の従業員が勤務していますが、誰でも直感的に操作ができるUI(ユーザーインターフェース)や多言語翻訳機能の活用により、円滑に業務を遂行できています。
また、これまでの紙帳票では詳細な引き継ぎや申し送りができないケースが存在していましたが、写真を活用した点検や引き継ぎが可能になったことで、設備異常などの正確な申し送りができるようになり、業務効率化を実現しています。
自動車部品などの製造工程にカミナシを導入し、従業員の業務負担を軽減
年間約5万枚の紙を削減し、事前想定の約10倍もの導入効果を見込む
ジェイテクトエレクトロニクス、脱炭素に向け『カミナシ』を導入。全製造ラインへの展開で年間約8割の紙削減へ(PRTIMESのサイトへ遷移します)