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食品製造業におけるDXとは|業界課題や食品工場DXで実現できることを事例とともに解説

作成者: カミナシ編集部|Aug 22, 2024 10:46:38 AM

食品製造業においても、DXやスマートファクトリーなど最先端の技術やシステムを利用した業務効率化が求められています。

しかし「何から始めたらよいかわからない」「大きなコストが掛かるから取り組みに尻込みしている」「社内にデジタル化を進められる人材がいない」などの問題があり、食品製造業のDXは、業界全体としてなかなか進んでいない状況です。

ここでは、食品製造業におけるDXの進め方や、スムーズにDXを推進するポイントなどを成功事例を交えてご紹介します。

またカミナシでは、食品工場のDXを推進し、現場業務の効率化と業務レベル向上を実現するシステムを提供しています。
サービスの概要や成功事例、具体的なノウハウをまとめたお得な「品質管理ノウハウ資料3点セット」を無料でプレゼントしていますので、ぜひご覧ください。

食品製造業の現状と課題|人手不足や生産性の低さ、フードロスなど課題が山積

食品製造業のDXは、様々な社会背景の変化からも重要視されています。
今後の外部環境の変化に対応するためにも業界全体としてDXの流れを加速せざるを得ないでしょう。

まずは、食品製造業においてもDXが求められる、その社会背景を整理します。

製造現場を支える人材の不足

食品製造業において最も深刻と言えるのが人材の不足です。

以下のグラフは、日本政策金融公庫 農林水産事業が平成 29 年7月に実施した『平成29年上半期食品産業動向調査』の結果として発表された、食品製造業における人材不足に関するデータです。

この調査では「労働力が不足している職種」として「商品生産(単純作業)」「商品生産(熟練作業)」の割合が突出して高い結果になっており、「商品生産(単純作業)」に関してはなんと76.4%の企業が不足していると回答しています。

また、同じく『平成29年上半期食品産業動向調査』によると、この人材の不足の原因として「求人に対する応募がない」と回答している会社が85.6%となっており、労働力の確保が求人をしても補えないという状況があります。

日本全体の労働人口全体が縮小傾向にある中で、今後も同様の対策を行っていても現場人材の不足は解消できません。

このような人材の不足から、食品製造業におけるDXは目下取り組まなければならないことと言えるでしょう。

食品製造業の生産性は他製造業と比較しても低い水準

また、食品製造業は労働生産性も問題になっています。

以下は経済産業省が発表した『企業活動基本調査(2022年実績)』から作成した一人当たり付加価値のグラフです。

食品製造業の一人当たり付加価値は6.4百万円となっています。一方、製造業全体の11.9百万円、全業種では9.2百万円となっており、食品製造業の労働生産性が他業種と比較しても低いことがわかります。

食品製造業においてDXは、一人当たりの労働生産性を挙げ、利益構造を改善するという観点からも必要な取り組みと言えます。

フードロスなど業界全体で取り組むべき課題も

前述した企業単体での課題に加え、食品業界全体にまたがる社会課題にも取り組まなければなりません。フードロスはその筆頭と言えるでしょう。
フードロスは、過剰な生産コストや廃棄コストの増加によって経済的損失を発生させるだけでなく、SDGsの観点でも原料などの無駄な消費に繋がります。

食品製造業においてDXを進めることは、このような社会課題を解決に導くことにも繋がります。

たとえば、DXによって生産予測や品質管理をより正確に行うことができれば、廃棄やリコール回収による廃棄を減らすことにも繋がり、最終的には企業としての利益改善に影響を及ぼすでしょう。

食品製造業でDXを実現するには|正しいステップでのDX推進が肝要

食品製造業のDXを推進する際、まず考えるべきは対象とする業務の性質です。
業務のデジタル化やDXは、対象となる業務のプロセスが長くなればなるほど難しくなります。

また、DXを進めるうえでは利益や企業としての信頼に対して大きなインパクトを与える業務から始めることが望ましいと考えられます。

以下の図のように「業務プロセスは短く」「事業インパクトが大きい」領域から始めることで、事業に対して発揮する価値も大きく、効果実感も早いDXを推進することができるでしょう。

例えば、品質管理業務が「業務プロセスは短く」「事業インパクトが大きい」領域にあたります。
品質管理業務は、一つ一つの業務は点検や検査の記録など、その場の状態をスナップショットのように記録していく業務が主となります。
しかし、問題が起こってしまった場合には回収リスクや企業への信頼性を失うなど、事業インパクトの大きい領域です。

一方、製造工程は原材料から半製品・完成品までのプロセス全体を一気に変える必要があり、最初に始めるには難易度が高い領域と言えます。

このように、業務の性質を考えながらどの領域から推進すべきかを見極めることが、食品製造業のDXの成功の鍵なのです。

食品製造業DXの進め方|何から始めるべきかを具体例を用いて解説

どの業務領域から推進するかを決めた後は、”何から始めるべきか” という疑問にぶつかるでしょう。
食品製造業のDXを進めたいと考えた際に最初に取り組むべきことは「情報のデジタル化(=ペーパーレス化)」です。

業務の効率化をするためには、現状分析をして、そこから傾向を見出し、改善活動を行うことが肝要です。
その最初の”分析”を行うには、情報を分析できる状態で保有する必要があります。

現在でも、食品製造業の現場では紙をベースにした業務が多く残っているのではないでしょうか。

紙の情報は加工がしづらく、ましてやそのままの状態で分析することはできません。分析するためにはExcelなどへ転記をする必要があり、手間もかかるため、データの活用までなかなか行き着かないのが実情でしょう。

よって、まずは紙で記録をすることを辞める「ペーパーレス化」が最初にやるべきことなのです。
紙ではなく、スマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスで記録をすることで、すべての情報を集計・分析可能な状態で保有することが可能になります。

そもそもDXとは|DXは一足飛びには実現できない

経済産業省が2020年11⽉9⽇に策定・発表した『デジタルガバナンス・コード2.0』には、DXの定義は以下のように規定されています。

"企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。"

さらに、DXに至るまでには2つのステップを踏む必要があると言われています。

1. デジタイゼーション

2. デジタライゼーション

3. デジタルトランスフォーメーション

このように、DXとは「デジタル化の最終形態」のようなものなのです。

DXの実現は一朝一夕で叶うものではないということをまず認識し、今自分たちの会社がどのステップにいるのかを判断することが重要です。

コラム:スマートファクトリーとDXの違いってなに?

DXと併せてよく語られるものとして「スマートファクトリー」があります。
DXは前述の通り、デジタル技術を活用することによって、最終的には顧客価値を作り出す活動のことでした。

言うならば、スマートファクトリーはそのDXが実現された工場の姿です。

「ロボットが稼働していたら」「IoT技術が活用されていたら」などの明確な条件はありませんが「業務の効率化が実現され、顧客への価値提供の最大化ができている」工場がスマートファクトリーと言えるでしょう。

食品製造業DXの成功事例

実際に食品製造業DXに取り組み、成果が出た事例をご紹介します。

「本当に成果がでるのか」「運用のイメージが湧かない」「ITに得意な人材なしでもできるのか」と不安を抱いている方の参考になれば幸いです。

製造に用いる紙帳票すべてを電子化、年間16万枚の紙削減を実現

百貨店などを中心に全国約70店舗のとんかつ店を展開する井筒まい泉株式会社は、高度な品質管理の体制を築き、安心安全でおいしい商品を届け続けていました。
しかし、その真摯な姿勢がゆえに管理業務が煩雑化し、衛生管理や設備管理の紙帳票の管理が従業員の負担になっていました。

そこで業務負担軽減を目的としてカミナシを導入し、現在では3工場で年間16万枚の紙帳票を削減。工場長の月間40時間以上の業務削減を実現しています。

詳細はこちら:製造に用いる紙帳票すべてを電子化、年間16万枚の紙削減を実現

カミナシだからできたISO22000の取得。老舗の食品製造会社が地元食材で世界一のわさび屋を目指す

静岡県駿東郡清水町に本社を置き、地元の食材にこだわり漬物や佃煮、乾物、おろしわさびなどを製造、加工、販売するカメヤ食品株式会社。
海外への本格進出を目指してISO22000を取得を目指していましたが、当時利用していた電子帳票ツールでは取得が叶いませんでした。

そんな中でカミナシを導入し、2023年にISO22000を取得、順調に海外での売上も伸ばしています。
さらに、導入によって管理職の残業時間を三分の一以下にまで削減しています。

詳細はこちら:カミナシだからできたISO22000の取得。老舗の食品製造会社が地元食材で世界一のわさび屋を目指す

食品安全の認証取得をきっかけに、既存の品質管理体制の刷新を決意

超特撰純米吟醸「惣花」をはじめ、こだわりの日本酒を製造・販売する日本盛は、食品安全マネジメント規格「JFS-B規格」の認証取得をきっかけに、既存の品質管理体制の限界に直面しました。
施設や設備、衛生、廃棄物、有害生物の侵入リスクなど、さまざまな要求事項の管理が求められる。そのため、認証取得後には製造現場に紙の帳票が急増し、従業員の記録作業に要する手間は大幅に膨れ上がったのです。

こうしたなかで、同社は紙の帳票のデジタル化に向けた取り組みを開始し、カミナシを導入しました。

現在、カミナシにより製造現場などで用いられていた20以上の様式がデジタル化され、年間223時間の業務負担を削減することに成功しています。

詳細はこちら:食品安全の認証取得をきっかけに、既存の品質管理体制の刷新を決意

食品製造業のDX推進でカミナシが選ばれる理由

現場DXプラットフォーム『カミナシ』は、食品製造業の業務を効率化し、従業員への教育や業務標準化に活用いただけるシステムです。

デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社が発行した市場調査レポート『デスクレスSaaS市場の実態と展望 2024年度版』の「ノーコードモバイル帳票作成ツール市場」において、食品製造業を含むプロセス製造業への出荷金額のシェア第1位を獲得しています。

食品工場の元責任者が考えた「現場が使いやすいシステム」

カミナシは、食品工場で実際に働いた経験から、現場課題を解決するために作られた食品製造業のDXを推進するためのシステムです。

現場の方が「理解しやすい」「間違えない」「紙よりも簡単に記録できる」ように作られているため、デジタル化に抵抗があった方でもスムーズに活用いただくことができます。

さらに、40カ国以上に対応した多言語翻訳機能によって、海外実習生などを多く受け入れている企業でも活用が進んでいます。

2024年6月現在、全国10,000現場で導入が進んでおり、多くの食品工場現場の効率化を実現しています。

自社の現場アプリが専門知識不要で作れるカスタマイズ性の高さ

カミナシはクリックだけで簡単に自社専用のアプリが作れる食品製造業DXシステムです。

プログラミングなどの専門知識が不要なので、システムの変更・修正が必要な際にも、自分たちでスピーディに対応が可能です。

実際に、カミナシの約96%のお客様は、IT部門の方ではなく品質管理部門や製造部門などの方がアプリの作成から運用までを部門内で完結して推進できています。(当社調べ)

食品製造現場のアプリを作成するためのテンプレートも多数用意されているため、食品工場のデジタル化をスムーズに進めることができます。

「導入支援プログラム」と「活用支援プログラム」による手厚いサポート

カミナシでは、導入から3ヶ月間の「導入支援プログラム」と4ヶ月目以降の「活用支援プログラム」を用意しています。

専門の支援担当が、お客様1社ごとに最適な活用提案を行い、食品工場の効率化やレベルアップを実現するために伴走いたします。

全国10,000現場での導入経験から得られた、成功に近づくためのポイントもお伝えいたしますので、安心して食品工場DXを実現いただけます。

食品製造業の現場DXにお困りの方はお気軽にお問い合わせください。