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公開日 2025.02 .01

更新日 2025.08.18

FSSC22000とは? メリットや要求事項、認証取得までの流れ・費用を解説

FSSC22000とは? メリットや要求事項、認証取得までの流れ・費用を解説

食品製造業界で働く方で事業規模の拡大に伴い、大手取引先からの要求事項も増えている方も多いと思います。そんな中、「FSSC22000」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。

FSSC22000は、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO22000をベースに、より具体的で実践的な要求事項を加えた認証スキームです。FSSC22000を取得するメリットは、国際的な信頼性の向上、新規市場の開拓、コスト削減など、さまざまなものが挙げられます。またFSSC22000は、HACCPの要求事項に加え、前提条件プログラムや追加要求事項への適合を求めることで、食品安全に関するより広範なリスクに対応しています。

本記事では、食品業界におけるFSSC22000の概要や必要性、ISO22000との違い、対象企業、取得方法などについて詳しく解説します。FSSC22000の取得を検討している方や食品安全マネジメントを強化したい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

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FSSC22000 とは

FSSC22000(Food Safety System Certification 22000:食品安全システム認証22000)は、「ISO22000(HACCPやISO9001、前提条件プログラム(PRP:Prerequisite Programalysis)」と、製品の安全を担保するためのFSSC22000が定める「追加要求事項」や「ISO/TS 22002-1(食品製造)」、「ISO/TS 22002-4(容器包装の製造)」から構成されている食品安全のための規格です。

食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO22000をベースに、より具体的で実践的な要求事項を加えた認証になっています。グローバル市場での食品安全への関心の高まりを受け、大手食品メーカーや小売業者からの要求が増えています。

「The Foundation of Food Safety Certification」は、2004年にオランダで設立された食品安全認証財団で、従業員の服装や行動ルール、現場の清掃手順などを徹底的に管理して、安全な食品を消費者に届けることを目指しています。

2008年に英国規格協会(BSI)より発行されたPAS220:2008と、2009年に国際標準化機構(ISO)より発行されたISO/TS22002-1を結合して、開発された認証スキームがFSSC22000です。

2010年には、食品安全システムの継続的改善を目的に設立された世界食品安全イニシアチブ(GFSI)により、食品安全のための認証スキームとしてFSSC22000が承認されました。

FSSC22000を構成する要素

FSSC22000とISO22000、前提条件プログラムの関係性
画像引用元:
FSSC 22000(食品安全)|日本品質保証機構

FSSC22000を取得できる企業は以下の8分野に含まれる事業者です。

  1. 畜産・水産

  2. 食品製造

  3. 食品包装及び包装材の製造

  4. ケータリング

  5. 動物の飼料製造

  6. 流通

  7. 輸送及び保管サービスの提供

  8. 生化学製品の製造

具体的には、FSSC22000は以下の3つの規格で構成されています。

規格名

詳細

ISO22000

食品安全マネジメントシステムの要求事項

ISO/TS22002-2もしくはISO/TS22002-4

・ケータリングにおける前提条件プログラム
・食品包装材料製造における前提条件プログラム

FSSC22000の追加要求事項

食品防御、食品偽装防止、アレルゲンの管理など

FSSC22000を構成する3つの要素

FSSC22000の認証取得後は、3年に一度の非通知審査と認証の更新が必要です。非通知審査では、認証機関が事前の通知なしに現場を訪問し、システムが適切に運用されているかを確認します。

認証の更新は3年ごとにおこなわれ、全ての要求事項への適合性が再評価されるので、継続的な運用が必要です。日本におけるFSSC22000の取得は、「地方公共団体によるHACCP認証」に次いで多く取得されている第三者認証となっています。

参考:取得している第三者認証等の状況(P.5)|令和3年度食品製造業におけるHACCPに沿った衛生管理の導入状況実態調査結果

このように、FSSC22000は製造業において食品衛生を考える上で欠かせない認証制度です。

FSSC22000の追加要求事項は年々アップデートされる

FSSC22000の追加要求事項は、食品安全に関する新たな課題や業界のニーズに対応するため、定期的に更新されています。以下は、FSSC22000の要求事項のアップデート変遷です。

バージョン

発行年月

主な追加項目

Ver.1

2010年

初版発行

Ver.2

2011年

容器包装分野の要求事項追加

Ver.3

2013年

腐敗しやすい製品分野の要求事項追加

Ver.4

2017年1月

食品偽装対策の要求事項追加

Ver.5

2019年6月

サプライチェーンマネジメントの要求事項強化

Ver.6

2023年4月

サステナビリティ、食品安全文化、品質・設備管理の要求事項追加

FSSC22000の追加要求事項の変遷

特にVer.6.0では、以下の要求事項が新たに加わりました。

分類

項目

概要

2.5.8

食品安全及び品質文化

組織内で強固な食品安全および品質文化を創り出すことの重要性が強調されている。

2.5.9

品質管理

品質パラメータを定義し、定期的な分析を行い、内部監査および管理レビューに品質管理措置を統合することを義務付けている。

2.5.15

設備管理

衛生的な設計条件や表面特性を含む詳細な仕様書を文書化し、購入仕様を満たしている証拠を提出する必要がある。

2.5.16

食品ロスと廃棄物

運用およびサプライチェーン内で食品ロスおよび廃棄物を削減する戦略を文書化することが求められている。

2.5.17

コミュニケーション要件

認証機関に対して、自然災害や人為的な影響などの出来事や状況が発生した場合、3日以内に通知することが求められている。

FSSC22000 Ver.6で追加された主な要求事項

追加要求事項は、食品業界が直面する新たな課題に対応し、より包括的な食品安全マネジメントシステムの構築を目指すものです。FSSC22000の認証取得を検討する場合は、最新のバージョンの要求事項を確認し、適切に対応していきましょう。

▶ FSSC22000のVersion6については以下の記事で詳しく説明しています。
  FSSC22000 Ver.6とは?追加要求事項や変更点をわかりやすく解説

FSSC22000の対象となる企業

FSSC22000は、食品のサプライチェーンに関わる様々な企業を対象としています。対象企業は、以下のカテゴリとサブカテゴリに分類されます。

  • 1.畜産(カテゴリA)

  • 2.食品製造(カテゴリC)

    ・腐敗しやすい動物性製品の加工(a)
    ・腐敗しやすい植物性製品の加工(b)
    ・腐敗しやすい動植物製品の加工(c)
    ・常温保存食品の加工(d)

  • 3.動物飼料製造(カテゴリD)
    畜産動物向けの飼料の製造(a)
    ペットフード(犬・猫専用)の製造(b)
    ペットフード(犬・猫以外のペット用)の製造(c)

  • 4.ケータリング(カテゴリE)

  • 5.小売及び卸売(カテゴリF)

  • 6.輸送及び保管(カテゴリG)

  • 7.食品包装及び包装材の製造(カテゴリI)
     食品と接触する資材(a)
    食品と直接接触することはないが、物質が食品に移る可能性のある資材(b)

  • 8.生化学製品の製造(カテゴリK)

参考:パート1 スキームの概要 3.1~3.8|FSSC 22000 スキーム バージョン5

対象のカテゴリに属する企業は、FSSC22000の認証取得が可能です。ただし、各カテゴリによって適用される前提条件プログラム(ISO/TS22002シリーズ)が異なるため、自社の業種に適したプログラムを選択する必要があります。認証取得には一定の費用と労力が必要となるため、自社の経営資源と目的に照らし合わせて、取得の是非を検討しましょう。

FSSC22000の審査や登録の費用は、企業の従業員人数や取り扱う製品によって大きく異なるのが現状です。例えば、30人規模の食品工場なら、認証登録をする1年目は約150万円が目安になります。

一定の費用が掛かるため、確実に1回目の審査で通過したいのであれば、記録の抜け漏れや帳票の保管などは徹底しておく必要があります。監査員からも指定期間の記録が吐き出せること逸脱時のアラートなどを評価いただいている「カミナシ レポート」は、多くの企業で使われています。導入実績や実際に使っている企業の事例などは以下のボタンから無料でダウンロードできます。

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日本でFSSC22000を取得している企業

日本では、3,309社がFSSC22000の認証を取得しています(2024年4月時点)。FSSC22000を取得している代表的な企業には、以下のような大手食品メーカーや飲料メーカーが挙げられます。

  • キッコーマン株式会社:醤油、つゆ、たれなどの調味料で知られる食品メーカー

  • 明治ホールディングス株式会社:乳製品、菓子、医薬品などを製造する大手食品・医薬品メーカー

  • サントリーホールディングス株式会社:ビール、ウイスキー、清涼飲料などを製造する大手飲料メーカー

  • 日清食品ホールディングス株式会社:カップヌードルなどのインスタント食品で知られる食品メーカー

  • 味の素株式会社:うま味調味料「味の素®」をはじめとする調味料や加工食品を製造する食品メーカー

  • 日本ハム株式会社:ハム・ソーセージ、加工食品などを製造する大手食肉加工メーカー

FSSC22000を取得している企業は、食品安全マネジメントシステムの国際的な認証を獲得しています。このような大手企業がFSSC22000を取得することで、サプライチェーン全体での食品安全の取り組みが促進され、中小企業にも認証取得の動きが広がっています。今後も、グローバル市場での競争力強化や食品安全への社会的要請の高まりを受けて、FSSC22000の認証取得企業は増加していくでしょう。

FSSC22000を取得する3つのメリット

FSSC22000を取得するメリットは、大きく分けて3つあります。主なメリットは、自社の食品安全への取り組みを浸透させ、顧客や消費者からの信頼を獲得することや、食品安全の継続的な改善を通じて、自社製品の安全性を向上させることですが、コストの削減や従業員の意識向上などもあります。ここでは、FSSC22000を取得することで得られるメリットを解説します。

  1. 全体を可視化して徹底管理することで、食品トラブルのリスクを低減できる

  2. GFSI承認規格なので、安全性の証明になり新規市場開拓に繋がる

  3. 自社製品の安全性向上

これからFSSC22000の取得を考えている担当者は、取得する目的を理解して社内活動を推進していきましょう。

1.全体を可視化して徹底管理することで、食品トラブルのリスクを低減できる

FSSC22000を取得すれば、原材料の調達から消費者に届けられるまでの工程において透明性を高められるため、サプライチェーン全体を可視化して徹底管理することが可能です。たとえ、トラブルが発生したとしても原因を突き止めやすいので、早めの対応・改善が見込めます。

さらに製造工程も可視化されるので、作業のムダも浮き彫りに。作業効率や歩留まりの改善にも役立つので、組織体制の強化にもつながります。

その結果、人の健康に悪影響を与えるような異物混入などの食品トラブルも未然に防ぐことができます。

トラブルが発生すると作業が滞るだけでなく、最悪の場合、企業としての信頼も失うので、リスクを低減できるのは大きなメリットです。

2.GFSI承認規格なので、安全性の証明になり新規市場開拓に繋がる

GFSI(Global Food Safety Initiative:世界食品安全イニシアチブ)とは、食品安全マネジメントシステムの世界的な規格を承認する民間団体です。GFSIは、食品業界のグローバル化に伴い、国際的に認められた食品安全基準の必要性から設立されました。

FSSC22000がGFSI承認の規格であることの利点は、以下のようなものが挙げられます。

  • 国際的な信頼性の獲得:GFSI承認規格を取得することで、自社の食品安全への取り組みが国際的に認められ、グローバル市場での信頼性を高めることができます。

  • 新規顧客の開拓:多くの大手食品メーカーや小売業者は、サプライヤーにGFSI承認規格の取得を求めているため、FSSC22000を取得することで新規顧客との取引機会が拡大します。

  • 二者監査コストの削減:GFSI承認規格を取得していない場合、顧客ごとに異なる食品安全基準への対応が求められ、二者監査が必要となります。

二者監査とは、サプライヤーと顧客の間で行われる監査のことです。例えば、食品メーカーとその原材料サプライヤーが、食品安全基準への適合性を確認するために行う監査が二者監査です。そのため、統一されていない規格が採用されている場合、顧客ごとに監査を受ける必要がありコストがかかってしまいます。

一方、FSSC22000のようなGFSI承認規格を取得していれば、多くの顧客が共通の基準で評価できるため、二者監査の回数を減らすことができ、コスト削減につながります。

以上のように、FSSC22000がGFSI承認規格であることは、国際的な信頼性の向上、新規市場の開拓、コスト削減など、さまざまな利点があります。特に、グローバル市場での競争力強化を目指す食品関連企業にとって、FSSC22000の認証取得は重要な意味を持ってくるでしょう。

3.自社製品の安全性向上

FSSC22000の審査では、ISO22000の食品安全マネジメントシステムの要求事項に加え、前提条件プログラム(PRPs)や追加要求事項への適合性が評価されます。FSSC22000の要求事項を満たすことで、HACCPで満たせていなかった自社製品の安全性向上につながります。

具体的には、以下のような取り組みを通じて、食品安全のレベルアップが期待できます。

  • HACCPの原則に基づいたリスク分析と管理:FSSC22000では、ISO22000の要求事項に基づき、HACCPの原則に沿ったリスク分析と管理が求められます。これにより、潜在的な危害要因を特定し、適切な管理措置を講じることができます。

  • 前提条件プログラム(PRPs)の適切な実施:FSSC22000では、ISO/TS22002シリーズの前提条件プログラムへの適合が要求されます。これにより、食品安全の基盤となる施設設備の衛生管理、従業員の衛生教育、原材料の管理などが徹底され、食品安全のレベルが向上します。

  • 追加要求事項への対応:FSSC22000の追加要求事項には、食品防御、食品偽装防止、アレルゲンマネジメントなどが含まれます。これらの要求事項に対応することで、意図的な食品汚染や偽装のリスクを低減し、アレルギー物質の混入防止を強化できます。

HACCPを取得している企業がFSSC22000を取得する意味は、より包括的な食品安全マネジメントシステムを構築し、自社製品の安全性をさらに高めることにあります。

HACCPは、食品安全上の重要な管理点(CCP)に焦点を当てたリスク管理手法ですが、食品安全の基盤となる前提条件プログラムや、意図的な食品汚染などの新たな脅威への対応については十分ではありません。

一方、FSSC22000は、HACCPの要求事項に加え、前提条件プログラムや追加要求事項への適合を求めることで、食品安全に関するより広範なリスクに対応しています。

このように、HACCPを取得済みの企業がFSSC22000を取得することで、食品安全マネジメントシステムをさらに強化し、自社製品の安全性を高いレベルで確保することができます。

FSSC22000とHACCPの違い

FSSC22000とHACCPは、ともに食品安全管理の手法ですが、その適用範囲や要求事項には違いがあります。以下に、両者の主な違いを説明します。 

項目

FSSC22000

HACCP

目的

食品の安全性を包括的に管理するもので、HACCPで行う製造工程での管理と、特定業種における衛生管理基準や手順の整備、フードディフェンス(意図的な汚染防止)やフードフラウド(食品詐欺)などの製造から流通までを含む全工程で適用される

商品ごとに製造工程における生物的・化学的・物理的危害要因を特定、分析し、健康被害を起こさないように排除/許容レベルまでの低減をすること

適用範囲

食品サプライチェーン全体

食品の製造工程

要求事項

ISO22000の要求事項(HACCPを含む)に加え、前提条件プログラム(PRPs)や追加要求事項への適合

食品安全上の重要な管理点(CCP)を特定し、モニタリングと管理を行うこと

マネジメントシステム

ISO22000に基づく食品安全マネジメントシステムの構築と運用が要求される

マネジメントシステムの要素は含まれていない

認証

民間の第三者認証機関による認証

法的な義務であり、公的機関による認証

対象業種

食品製造業に加え、包装材料製造、ケータリング、小売・卸売、輸送・保管など、食品サプライチェーンに関わる様々な業種が対象

主に食品の製造業に適用され

汎用性

運用する国や業種によって異なる

世界共通

FSSC22000とHACCPの違い

以上のように、HACCPは食品製造工程における重要な管理点に焦点を当てた手法であるのに対し、FSSC22000は食品サプライチェーン全体を対象とした包括的な食品安全マネジメントシステムです。

FSSC22000は、HACCPの要求事項を含むISO22000を基盤としつつ、前提条件プログラムや追加要求事項を組み込むことで、より広範な食品安全リスクに対応しています。また第三者認証を必要とするため、企業の食品安全への取り組みを対外的に評価してもらえます。

新規取引先開拓や海外展開を検討しているのであれば、FSSC22000の取得を検討してもいいでしょう。FSSC22000の運用や取得には、製造記録の抜け漏れが発生しない仕組みを作りが必須です。電子帳票サービス「カミナシ レポート」であれば、記録の漏れや逸脱時に通知があるので、現場の従業員がミスに気づくことができます。カミナシ レポートの概要資料やペーパーレス化の成功事例をまとめた資料は以下のボタンからダウンロード可能です。

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FSSC22000を取得する流れ

FSSC22000の取得には、通常6ヶ月から1年程度の期間を要します。ただし、企業の規模や現状のマネジメントシステムの成熟度によって、取得までの期間は異なります。取得のために必要な主なステップは、以下の通りです。

  • 現状の食品安全管理の取り組みを把握する

  • 自社に適用される要求事項を確認する

  • 食品安全マネジメントシステムを構築・運用する

  • 内部監査を実施し、システムの有効性を評価する

  • 認証機関による審査を受ける

  • 不適合事項を是正し、認証を取得する

ここでは、FSSC22000取得の全体的な流れと、各段階で具体的に行う内容について、以下の4つの段階に分けて解説します。

  1. 現状把握と自社に合った要求事項の確認

  2. マネジメントシステムの構築

  3. 審査

  4. 承認

FSSC22000 を取得するための方法がわからない方、何から手をつければいいか分からない方は、一緒に内容を確認していきましょう。

1.現状把握と自社に合った要求事項の確認

FSSC22000の取得プロセスの第一歩は、現在の食品安全管理の取り組みを評価し、自社に適用される要求事項を明確にすることです。

まずは、現状の食品安全管理の仕組みや手順を文書化し、FSSC22000の要求事項と比較する具体的には、現在のHACCPプランや衛生管理の手順書などを整理し、FSSC22000の要求事項とのギャップを特定します。

次に、自社の製品やプロセスに適用される法的要求事項を確認します。食品衛生法、食品表示法など、自社の製品やプロセスに関連する法規制を洗い出し、順守状況を見直します。

その後、自社の業種・業態に適用される FSSC22000 の要求事項を特定します。FSSC22000では、業種・業態ごとに異なる前提条件プログラム(PRPs)が定められているので、自社に適用されるPRPsを特定し、現状との差異を評価します。

現状把握と要求事項の確認でポイントとなるのは、第三者の視点でどう対応するかを見極めることです。要求事項を文言通りにすべて満たそうとすると工場設備の刷新などで莫大な費用がかかってしまいます。そのため、審査資格を持ったコンサルタントや講師派遣研修を活用して、自社でどのように対応するのかを決めていきましょう。

2.マネジメントシステムの構築

現状把握と要求事項の確認が完了したら、次のステップはFSSC22000に準拠した食品安全マネジメントシステムの構築です。

まずは、組織の食品安全方針を定め、具体的な目標を設定します。方針と目標は、組織全体に伝達し、定期的にレビューします。次に、食品安全マネジメントシステムの構築と運用を担当する食品安全チームを編成します。チームには、HACCPの原則に基づくハザード分析や管理手順の設定ができる人材を含めましょう。

食品安全チームが編成できたら、FSSC22000が要求する文書(食品安全マニュアル、手順書、記録など)を作成し、管理します。この際に、コンサルタントなどを活用し、どれだけ文書量を抑えられるかが負担軽減に寄与します。

FSSC22000の文書作成ができたら、HACCPプランの策定に移ります。コーデックス委員会のHACCPの7原則に基づき、自社の製品やプロセスに適したHACCPプランを策定します。重要管理点(CCP)を特定し、モニタリング方法、是正措置、検証方法を定めます

HACCPプランの策定後は、前提条件プログラム(PRPs)の実施します。FSSC22000が要求するPRPs(施設設備の衛生管理、従業員の衛生教育、原材料の管理など)などあります。例えば、トレーサビリティの確保や内部監査の実施などです。

  • トレーサビリティの確保:原材料から最終製品までのトレーサビリティを確保するシステムを構築します。問題発生時に迅速な原因特定と対応ができるよう、追跡と遡及の仕組みを整備します。

  • 内部監査の実施:マネジメントシステムの有効性を評価するため、定期的な内部監査を実施します。

FSSC22000に準拠したマネジメントシステムの構築には、HACCPの原則に基づくリスク管理と、PRPsによる基盤整備が不可欠です。文書化された情報の管理、トレーサビリティの確保、内部監査の実施など、システムの有効性を維持・改善するための仕組みも構築しておきましょう。

3.審査

FSSC22000の認証を取得するには、第三者認証機関による2回の審査を受ける必要があります。

第1段階審査(文書審査)では、食品安全マネジメントシステムの文書化された情報(マニュアル、手順書など)を審査します。具体的には、、FSSC22000の要求事項に対する文書の適合性や、システムの設計の妥当性を評価します。

第1段階審査の結果、重大な不適合が見つかった場合、第2段階審査に進む前に是正する必要があります。

次に文書審査に合格すると、第2段階審査(現地審査)では、認証機関が現地で審査をします。

審査員は、現場の施設・設備、プロセス、記録などを確認し、マネジメントシステムの運用状況を評価します。具体的には、HACCPプランの実施状況、PRPsの運用、トレーサビリティの確保、従業員の教育・訓練などが重点的に審査されます。

審査の結果、不適合が見つかった場合、是正処置を行い、再度審査を受ける必要があります。

審査に合格し、FSSC22000の要求事項に適合していることが確認されれば、認証機関から認証が授与されます。認証の有効期間は3年間で、その間、毎年サーベイランス審査が行われます。また3年ごとに、認証の更新審査を受ける必要もあるので、合格してからもシステムの有効性を維持・向上させていきましょう。

4.承認

第1段階審査と第2段階審査に合格し、FSSC22000の要求事項に適合していることが確認されると、認証機関から正式に認証が授与されます。認証書には、以下の情報が記載されます。

  • 認証組織の名称と所在地

  • 認証対象の製品やプロセス

  • 適用した規格(FSSC22000のバージョン)

  • 認証の有効期間

  • 認証機関の名称と認定シンボル

認証の有効期間は3年間で、その間、毎年定期審査がおこなわれます。定期審査では、マネジメントシステムの維持・改善状況が確認項目です。2年目と3年目の審査の内、少なくとも1回は非通知の審査になっています。4年目には、認証の更新審査を受ける必要があります。承認後、認証組織は以下の責任を負います。

  • 認証の対象範囲に変更があった場合、速やかに認証機関に通知する

  • 認証の要求事項への継続的な適合を維持する

  • 認証機関によるサーベイランス審査や更新審査を受け入れる

  • 認証文書(認証書、認証マークなど)を適切に使用する

  • 認証の一時停止や取り消しの条件に該当した場合、速やかに対応する

FSSC22000の認証は、組織の食品安全マネジメントシステムが国際的に認められた基準に適合していることを示すものです。認証を取得することで、顧客や取引先からの信頼性が高まり、ビジネスチャンスの拡大につながります。

FSSC22000取得でさらに安全性を明示しよう

本記事では、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるFSSC22000について、その概要や特徴、認証取得のメリット、対象企業、取得の流れなどを詳しく解説しました。

FSSC22000は、ISO22000をベースに、より具体的で実践的な要求事項を加えた認証スキームであり、GFSI(世界食品安全イニシアチブ)に承認された国際的に認められた規格です。認証取得により、自社の食品安全への取り組みを対外的にアピールできるだけでなく、食品安全リスクの低減、法令遵守の徹底、従業員の意識向上など、多くのメリットが期待できます。特に、グローバル市場への進出や大手取引先との取引拡大を目指す企業にとって、FSSC22000の認証は大きな武器となります。

認証取得までの道のりは決して平坦ではありませんが、現状把握と要求事項の確認、マネジメントシステムの構築、審査への対応など、ステップを踏んで着実に準備を進めれば、確実に目標に近づくことができます。自社の食品安全管理を高いレベルで確立し、お客様に安全・安心な製品をお届けすることで、ビジネスチャンスの拡大と企業価値の向上を実現しましょう。

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FSSC22000認証の監査はカミナシだけで対応可能

執筆者:むつごろー

自動車メーカーの製造に勤務し、一次情報を基にした記事執筆をおこなう。機械製造以外にも食品製造への知見もあり、現場改善や品質管理における記事の執筆も担当している。

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