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公開日 2025.02 .21

更新日 2025.12.04

設備保全システム10個を比較。特徴や失敗しない選び方を紹介

設備保全システム10個を比較。特徴や失敗しない選び方とは

製造業において、設備保全は生産体制の維持や品質確保のために不可欠です。しかし、日々の点検や報告書作成業務に時間を要する、保全業務が属人化していて特定の従業員しか対応できないなどの課題を抱えている現場もあるでしょう。

設備保全の課題を解決するには、設備保全システム(CMMS:Computerised Maintenance Management System)の導入が有効です。設備保全システムを導入すると、保全管理に必要な記録を一元管理できるようになるため、保全業務の効率化が図れます。

本記事では、設備保全システムの導入によって実現できることと、システムの選び方や、導入形態別(クラウド型/オンプレミス型)のおすすめを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

目次

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設備保全システム(CMMS)とは

設備保全システム(CMMS:Computerised Maintenance Management System)とは、機械や設備の安定稼働のために必要な保全業務に関わる情報(日常/定期点検の記録や使用する備品情報や在庫数など)や保全計画を一元管理できるシステムです。

設備保全においては、日々の点検やメンテナンスの履歴の記録、交換部品の管理などは欠かせません。しかし、紙やExcelを用いた管理では、問題発生時に必要な情報にアクセスするのに時間がかかり、効率的ではありません。

そこで、設備保全システムを使用し、設備や機械の状況(故障や不具合の有無)や過去の修理・修繕履歴、それに必要な部品、定期点検の記録などの情報を一元管理をする動きが各企業で進められています。その結果、ダウンタイムを起こさない安定稼働に向けた保全計画がたてられ、無駄のない生産が可能になります。

システムによる保全管理の効率化は、生産性の向上や管理コストの削減、点検の見落とし防止、従業員の安全性の確保などの効果も期待できることもメリットです。

設備保全システムの導入でできること

設備保全システムは、保全業務に関係する多くの機能を有しており、導入により保全業務の効率化・適正化を目指せます。システムの導入でできることには、以下が挙げられます。

  • 機能台帳管理:設備仕様や設備更新、メーカー、保守業者に関する情報を管理

  • 保全計画の管理:保全計画の作成や調整、運用状況を管理

  • 日常点検の記録と管理:設備や機械の始終業点検の記録付けやその保管

  • 保全履歴の管理:保守や修理の履歴や使った部品、担当者などの内容を管理

  • 修理管理:修理・交換の依頼から作業完了までの工程・進捗を管理

  • 備品管理:保全用部品の交換周期や交換履歴、在庫を管理

  • レポート・ダッシュボード:設備の稼働や点検・修理などの情報を一覧でリアルタイムに確認できる機能

  • 集計、分析:保全や修理の履歴のデータ出力や集計、改善点やリスク要因分析

  • 図面、文書の管理:設備に関する設計書や写真、取扱説明書、報告書やメモなどを保存・管理

中でも重要な設備保全用の備品管理や設備に関する情報集約、事後保全の記録、予防保全の4点について詳しく解説します。

備品管理

設備の安定稼働には、日常の点検やメンテナンスに加えて保守や故障に備えて予備品(部品の予備)を揃えておくことが不可欠です。しかし、種類が多いため管理業務は煩雑になります。

設備保全システムでは、設備や機械の保守・修理に使用する部品の数や状態を一元管理できます。備品が一元管理ができていれば、在庫数を適正に保ち必要時にすぐ使用できるため、設備や機械の停止を最小限に抑えられます。

工場でのダウンタイムを1秒でも発生させないように、使用する部品の数を常に見える化しておけるのが、設備保全システムを導入するメリットです。

設備に関する情報が集約される(設備台帳のデジタル化)

設備保全システムを使用すれば、設備に使われている部品の管理や、必要な保全の計画、過去の修理・点検記録などが1つのシステムに情報がまとまります。

過去の蓄積された情報を参照して修理・修繕対応ができるようになるため、属人化の排除にもつながります。履歴のデータ活用も容易になるため、これまでできていなかった計画的な部品発注や無理のない保全の実施が可能です。

また、1つのシステムに設備に関する情報がまとまりオンラインで閲覧できるため、作業場所を選ばずに設備の状態をすぐに把握できます。遠隔からの対応指示も可能です。

事後保全の確実な記録

設備保全システムは、設備に応じた記録内容を設定できるため、記録漏れ防止や写真を使った正確な記録が可能になります。

言葉では伝えにくかった状態も記録として残せて、システム上で情報の共有が可能になるので、現場の従業員から設備保全担当者へ都度電話で連絡する必要もなくなります。

また、確実に事後保全の記録が取れるようになるので、今なにが必要なのか、次に何をすべきなのかが一目瞭然になります。

日々の情報が予防保全にも活かせる

予備品の管理や実施した検査や保全内容の記録などの情報を活用すれば、予防保全も可能になります。ダウンタイムを発生させないために必要な対策や備品が、設備保全システムを見るだけでわかるようになります。

設備保全システムによっては、ダッシュボードで設備ごとの停止回数などを可視化できるものもあります。専任者でなくても課題・問題点にすぐ気付き、担当者の引き継ぎが可能です。

失敗しない設備保全システムの選び方

設備保全システムを選択する際には、コスト(初期費用およびランニングコスト)を含めることもあります。しかし、ダウンタイムのリスクが減ることや永続的に設備保全に必要な情報が溜まっていく価値を加味すれば、必要経費として捉えることもできます。

そのため、以下ではコスト以外の観点から、設備保全システムの選び方を紹介します。

  • 自社の設備保全の課題を解決できる機能があるか

  • 業務中に使いやすいか

  • 既存のシステムと連携可能か

  • 導入時のサポートや運用中のヘルプデスクの充実度

  • セキュリティ対策が万全か

自社の設備保全の課題を解決できる機能があるか

設備保全システムの機能は、それぞれ異なります。設備保全システムを選ぶ際は、自社に必要な要件を満たし、自社の課題を解決できる機能があるかを確認しましょう。

例えば、ダウンタイムの改善を目的に、人の手を介さずに予知保全をおこないたいのであれば、センサー連携機能がないと故障に至る前に自動で異常を見つけられません。ペーパーレス化により日々の記録業務を効率化したいなら、タブレットやスマートフォンなどからの入力に対応している必要があります。

また、自社の業務範囲に対応しているかどうかも確認しなければなりません。幅広い業種に対応できる汎用型の設備保全システムもありますが、業界特有の検査体制がある発電所などには、業界特化型のシステムが適しています。

なお、記録項目のカスタマイズ性がないと、自社の設備では使いにくいこともあるので、あわせて確認しましょう。機能の有無は、サービスサイトのほか、デモの試用やベンダーに直接聞いてみるなどの方法で確認できます。

業務中に使いやすいか

現場で働く従業員が使いやすいかの視点で考えることも大切です。使いにくいシステムは、導入しても定着しません。

文字の大きさやデザインなどの見やすさのほか、業務中でもすぐに記録ができそうか、迷わず操作ができるかなどを確認しましょう。実際にどのような流れで記録するのか、自分でも操作してみるのが有効です。

既存のシステムと連携可能か

設備保全システムの導入にあたっては、既存システムとの連携も検討事項となります。例えば、基幹システムや組織全体を管理する統合基幹業務システム(ERP:Enterprise Resource Planning)、操業情報を管理するためのプラント情報管理システム(PIMS:Plant Information Management System)などのソフトウェアとの連携が考えられます。

また、現在設備保全に関するデータを保有しているなら、新規導入システムにインポートできるかを確認しましょう。

なお、新しく導入する設備保全システムで、既存システムの機能を網羅できるようであれば、システムの一元化を検討しても良いでしょう。

導入時のサポートや運用中のヘルプデスクの充実度

どんなに良い設備保全システムを導入したとしても、使いこなせなければ意味がありません。

システムの導入にあたっては、自社のみで運用できるようになるためのサポート体制があるか、運用時に困ったことを聞ける仕組みがあるかは、必ず確認しましょう。

サービスサイトや営業担当者への質問などでサポート体制を確認し、納得ある状態で運用をスタートできるようにしましょう。

セキュリティ対策が万全か

システムの選択時には、セキュリティ対策が万全になされているかも重要です。セキュリティが脆弱だと、自社の製造に関する機密データの漏洩や、サイバー攻撃による生産ラインの停止、制御不能など企業の信頼性を揺るがす大きなリスクが生じます。

確認ポイントには、外部からのアクセス制限やデータ暗号化に対応しているか、システムのアップデートが定期的に実施されるかなどが挙げられます。

クラウド型の場合は、「クラウドサービス提供における情報セキュリティ対策ガイドライン」への対応をはじめ、情報セキュリティに関する認定や第三者認証の取得の確認が有効です。

おすすめの設備保全システム10選

設備保全システムは、導入方法としてクラウド型とオンプレミス型の2つのタイプに分類されます。以下は、クラウド型とオンプレミス型のメリットとデメリットを比較したものです。

クラウド型

オンプレミス型

詳細

サービス事業者が構築したインターネット上のサーバー/システムを利用

自社が保有すサーバー/ネットワークにシステムを構築

メリット

・初期コストが抑えられる
・インターネット経由での保守管理が可能

・自社に応じたカスタマイズが可能
・自社の業務フローと連携しやすい

デメリット

使用規模が大きくなるとコストが上がる

サーバーやOSの更新が必要

クラウド型とオンプレミス型の詳細とメリット/デメリット

設備保全システムは、自社に適したタイプを選ぶことが大切です。今回は、クラウド型とオンプレミス型それぞれの設備保全システムを紹介します。

システム名

提供形式

特徴

カミナシ 設備保全

クラウド型

・予防保全から事後保全を一元管理し、設備停止リスクを最小化
・モバイルによる履歴確認や記録、不具合報告に対応

eServ

クラウド型

・対象を選ばず保全管理が可能
・データやセンサーを活用した状態基準保全にも対応

Impulse

クラウド型

・製造業向けの設備保全システム
・AIを活用した高度な予知保全が可能

MONiPLAT

クラウド型

・スマートフォンアプリから点検や報告書の作成が可能

MENTENA

クラウド型

・直感的に使える設備保全システム
・脱Excelとデータの自動分析で効率化を実現

ミロクルカルテ

クラウド型

・使いやすさを重視した設備保全システム
・課題の見える化や、予防保全によるコスト削減を実現

M2X

クラウド型

・帳票管理のデジタル化や、リアルタイムで設備状況の確認が可能な設備保全アプリ

PLANTIA

オンプレミス型

・保全業務のノウハウの共有や標準化などにより、設備保全業務のレベルアップを実現

Maintenance Station

オンプレミス型

・IoTを活用した設備保全を支援
・設備規模を問わず利用可能

Smart FAM

オンプレミス/クラウド型

・既存システムとの連携に強い設備、資産管理システム
・設備保全に必要な管理機能をオールインワンで装備

設備保全システム一覧

【クラウド型】カミナシ 設備保全

クラウド型のカミナシ 設備保全は、現場の従業員が選択式やカメラを用いた記録方法で簡単に記録が取れ、製造現場の従業員が軽微な不具合でもオンライン上で報告ができる設備保全システムです。

設備保全システム「カミナシ設備保全」|クラウド管理で稼働率UP

画像引用元:カミナシ 設備保全|株式会社カミナシ

カミナシ 設備保全は、設備に関する情報(保全計画や修理履歴、部品情報)を一箇所に集約できるので、故障診断やデータ分析もすぐに実施できます。

また、現場で働く従業員が履歴の確認と現在の状態の記録を写真を用いて行えるので、設備保全担当者が現場に出向かなくても、機械の状態をオンライン上で確認できます。

そのため現場に出向いてから、修理に必要な部品を判断し、取りに行き、また現場に戻るといったこともなくなります。また、保全記録が蓄積されることにより、事後保全や予防保全を計画通りに進められます。

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【クラウド型】eServ

eServは、横河ソリューションサービスによって開発された、業種・業態を選ばず使用できるクラウド型の設備保全システムです。

eServのTOPページ

画像引用元:eServ|YOKOGAWA

点検などの保全業務は、スマートフォンやタブレットから作業でき、現場に密着した保全活動を実現できます。パッケージにない機能はカスタム開発が可能で、既存システムとの連携性も強みです。

設備の稼働率最大化を目指し、効果測定や分析などの機能も有します。データやセンサを活用した、状態基準保全にも対応可能です。

参考:eServ|YOKOGAWA

【クラウド型】Impulse

クラウド型のImpulseは、主に製造業における設備の予知保全に適した設備保存システムです。ブレインズテクノロジーにより開発されました。

ImpulseのTOPページ

画像引用元:Impulse(異常検知ソリューション)|ブレインズテクノロジー株式会社

センサーなどから取得したデータをAIで解析・監視することにより、故障の自動検出や予測が可能です。目視では発見が難しい製品の細かな傷や欠陥を検出できるようになり、保全業務の効率化に加え、不良品の流出防止や品質の安定化にも寄与しています。

参考:Impulse(異常検知ソリューション)|ブレインズテクノロジー株式会社

【クラウド型】MONiPLAT(モニプラット)

バルカーが手掛けるMONiPLAT(モニプラット)は、定期保全と状態基準保全を一元管理できる設備点検プラットフォームです。

MONiPLATのTOPページ

画像引用元: MONiPLAT|株式会社バルカー

スマートフォンアプリから直接点検結果の保存や写真の添付、報告書の作成が可能なため、データ化にかかる時間を短縮でき、業務の効率化を図れます。また、定期保全日や状態異常のメール通知機能もあり、確実且つ迅速な対応をサポートをします。

管理者機能のうち、点検結果の承認や分析、スケジュール管理などはPCやタブレットを用いますが、ダッシュボードや未報告点検、履歴管理はスマートフォンからの閲覧が可能です。

参考: MONiPLAT|株式会社バルカー

【クラウド型】MENTENA(メンテナ) 

MENTENA(メンテナ)は、現場写真や資料のアップロードに対応した、クラウドベースの設備保全システムです。スマートフォンやタブレットからの利用が可能で操作性が良く、導入後のサポートが充実しているので、スムーズに導入できます。

MENTENAのTOPページ

画像引用元:MENTENA|八千代ソリューションズ株式会社

紙やExcelでの管理から脱却できるうえ、データの自動分析機能を活用して予防保全を実現でき、大きく業務を効率化できます。

また、データの蓄積やチーム内でのドキュメントやマニュアルの共有により、業務を標準化でき、より高い保全業務を実現します。

参考:MENTENA|八千代ソリューションズ株式会社

【クラウド型】ミロクルカルテ

ミロクルカルテは、保全作業の記録や予備品の管理など設備保全に必要な機能を搭載した、設備保全システムです。

ミロクルカルテのTOPページ

画像引用元:ミロクルカルテ|株式会社ミロクリエ

デジタル化に慣れていない現場担当者も使いやすいシンプルなUIが特徴で、一目で設備の保全状況を判別できます。作業の進捗状況はリアルタイムで確認できるため、遅れや漏れを防止も可能です。

また、データの蓄積による分析を活用して、課題の見える化や、予防保全による故障削減、作業時間の短縮を実現できます。

参考:ミロクルカルテ|株式会社ミロクリエ

【クラウド型】M2X

M2Xは、時間のかかる紙・Excelベースの帳票管理のデジタル化や、リアルタイムで設備状況の確認が行える設備保全アプリです。直感的な操作と集計作業の自動化で、事務作業の負担を大きく削減できます。

M2XのTOPページ

画像引用元: M2X|株式会社M2X

設備や部品、トラブル履歴などを一元管理できるため、問題発生時には情報の共有がスムーズに行え、ダウンタイムを大きく減らすことが可能です。

参考: M2X|株式会社M2X

【オンプレミス型】COLMINA 設備保全管理 PLANTIA

富士通のPLANTIAは、PDCAサイクルで設備保全の課題を改善し、高度な保全管理環境を構築できる設備保全システムです。

COLMINA 設備保全管理 PLANTIAのTOPページ

画像引用元:COLMINA 設備保全管理 PLANTIA|富士通

保全周期や計画、履歴の管理や点検管理、保全業務のノウハウの共有・標準化などにより、設備保全業務のレベルアップを実現できます。本業に注力する時間を増やせ、生産性の向上につなげられます。

参考:COLMINA 設備保全管理 PLANTIA|富士通

【オンプレミス型】Maintenance Station

富士電機のMaintenance Stationは、IoTを活用した設備保全を支援するシステムです。設備規模を問わず設備保全業務を一元化し、業務の効率化を図れます。

Maintenance StationのTOPページ

画像引用元:Maintenance Station|富士電機

導入時にはフローの作成からベンダーのサポートを受けられるため、現場で使いやすいシステムを実現可能です。

オプションのBIツール連携を利用すれば、異常徴候診断の自動化に対応し、より高い精度での予知・予測を行えるようになります。

参考:Maintenance Station|富士電機

【オンプレミス/クラウド型】Smart FAM

日立産業制御ソリューションズのSmart FAMは、既存システムとの連携に強い設備・資産管理システムです。柔軟性・拡張性が高く、製造業をはじめ、さまざまな業種に対応しています。

画像引用元:SmartFAM|日立産業制御ソリューションズ

備品や台帳の管理や点検履歴など、設備保全に必要な管理機能をオールインワンで備え、PDCAを回すことで保全業務の最適化・効率化を実現可能です。

参考:SmartFAM|日立産業制御ソリューションズ

ダウンタイムをなくすために、設備保全システムを導入しよう

設備保全システムの導入は、記録や履歴を一元管理でき、データを活用して保全計画を立案し、より高い精度で保全業務を行えるようになります。また、業務の属人化防止や、工数削減にも有効です。

自社に合った設備保全システムを導入し、ダウンタイム発生の抑制や生産性の向上を実現しましょう。

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執筆者:現場と人 編集部

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