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公開日 2025.02 .17

更新日 2025.09.18

内部監査とは? 目的や外部監査との違い、受ける側が行うことを解説

内部監査とは? 目的や外部監査との違い、受ける側が行うことを解説

内部監査という言葉を耳にして、不安や戸惑いを感じている方も多いかと思います。多くの方にとって、内部監査は馴染みのない概念かもしれませんが、実は企業の健全性と成長に欠かせない重要な取り組みです。

内部監査とは、組織内で行われる評価活動のことで、組織の業務プロセスの改善やリスク管理の強化、コンプライアンスの徹底などを目的としています。実際の内部監査は、計画の策定から予備調査や本調査を行い、詳細な分析や評価を経て具体的な改善提案につなげていきます。

本記事では、内部監査の目的と外部監査との相違点、実施プロセスについてわかりやすく解説します。管理職の方々や初めて内部監査を受ける方々に向けて、効果的に対応するためのポイントをお伝えします。この記事を通じて、内部監査に対する不安が払拭され、前向きに取り組む姿勢になれば幸いです。

目次

内部監査とは

内部監査とは、組織内部の独立した組織・担当者が行う客観的な評価活動です。通常、社内に設置された内部監査部門や専門のスタッフが実施します。内部監査の目的は、組織の業務プロセス、内部統制、リスク管理などの有効性を検証し、改善点を見出すことです。具体的には、財務報告の信頼性、業務の効率性、法令遵守の状況など、幅広い領域を対象に調査を行います。

内部監査は多くの企業で自主的に実施されていますが、一部の企業では法的に義務付けられています。例えば、金融商品取引法に基づき、上場企業は内部統制報告書の作成と内部監査の実施が求められています。また、会社法でも大会社に対して内部統制システムの構築が義務付けられており、その一環として内部監査が重要な役割を果たしています。

会社に関する監査には主に3つの種類があり、法定監査であり、外部の公認会計士が行う会計監査と株主総会で専任された監査役が行う監査役監査、そして内部監査です。内部監査は社内の監査部門が担当し、より広範囲かつ詳細な検証を行うという特徴があります。

内部監査と外部監査の違い

内部監査と外部監査は、どちらも組織の健全性を確保するために重要な役割を果たしますが、目的と実施主体に大きな違いがあります。

内部監査は、組織の業務プロセスの改善やリスク管理の強化、コンプライアンスの徹底などを目的としています。一方で外部監査は、執行先によって目的が異なりますが、主に顧客や利害関係者の要求が満たされているかを対外的に証明することを目的としています。

顧客の要求とは、社外の公認会計士なら決算書の適正性、ISO監査機関ならISO9001など様々です。外部監査の例を以下の表にまとめました。

外部監査機関

対外的に証明するもの

監査内容

社外の公認会計士や監査法人

決算書の適正性

財務諸表が一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成されているかを検証するもの

ISO監査機関

ISO9001やISO22000など

品質マネジメントシステムや環境マネジメントシステムが国際規格に適合しているかを確認するもの

行政機関

法令遵守状況

特定の業界や事業に関する法令遵守状況を確認するもの

外部監査の例

内部監査は組織内部の改善に焦点を当てているのに対し、外部監査は第三者の視点から組織の信頼性を保証する役割を果たしてます。

内部監査の主な目的

内部監査は、組織の健全性と成長を支える重要な活動であり、その目的は多岐にわたります。基本的には、潜在的なリスクや不適合を特定し、早期に対策を講じることで問題の拡大を防ぐことが目的です。それと同時に、業務プロセスやシステムが社内規定や業界標準に適合しているかを確認し、必要に応じて改善を促すことも目的に含まれます。

ISO認証などの外部監査に向けた準備としての役割も果たし、国際規格への適合性を事前に検証することで、外部監査への対応力を強化できます。さらに、生産効率などのパフォーマンスを客観的に評価し、業務の効率性や有効性を高める機会を見出します。

内部監査は継続的改善の推進にも貢献し、定期的な監査を通じて組織の成長サイクルを確立します。加えて、監査プロセスを通じて従業員の品質管理や業務改善への意識を向上させ、組織全体の能力向上につながります。

リスクと不適合だと思われる業務の特定

内部監査の重要な目的の一つが、組織内のリスクと不適合の特定です。

内部監査では、業務プロセスやシステムを詳細に調査し、潜在的なリスクや現在の不適合だと思われる業務の洗い出しを行います。内部監査を通じて組織は包括的なリスクマネジメント戦略を構築でき、特定されたリスクや不適合だと思われる業務に対して、適切な是正措置や予防措置を講じることができます。

リスクと不適合だと思われる業務の早期特定は、問題の発生を未然に防ぐことや潜在的な損失を回避し、組織の評判を守ることにもつながります。

リスクと不適合だと思われる業務の特定により経営の透明性が向上し、投資家や利害関係者からの信頼を得やすくなります。また事前に問題を特定することで、危機管理能力が向上し、不測の事態に対する耐性が強化されます。

業務プロセスやシステムの適合性確認

内部監査を通じて、組織は業務プロセスやシステムの適合性も確認できます。具体的には、ISO 9001などの国際規格の要求事項や、社内で定めた内部規定、関連する法的要件に対して、現行の業務運用が適切に従っているかを評価します。

適合性確認の結果、組織は外部の基準や内部のルールを確実に遵守していることを保証できます。そのため、コンプライアンス違反のリスクを事前に低減させることが可能です。同時に、業務プロセスの妥当性や有効性が確認されるので、非効率な作業の特定や改善点の発見につながり、組織全体の生産性向上に寄与します。

業務プロセスやシステムの適合性確認を行うことで法令遵守や規格適合の証明が容易になり、取引先や顧客からの信頼獲得につながります。また業務の標準化と最適化が促進され、品質の安定と向上が図れます。

ISO認証などの外部監査の準備

内部監査は、ISO認証の取得や更新、あるいは規制当局による監査に向けた重要な準備作業となります。組織は内部監査を通じて自社の運用状況を詳細に点検し、外部基準への適合性を事前に確認できます。具体的には、品質マネジメントシステム(ISO9001)や環境マネジメントシステム(ISO14001)などの要求事項に対する準拠状況を精査し、潜在的な不適合や改善点の特定などです。

内部監査による綿密な準備の結果、外部審査に対する組織の信頼性が大幅に向上します。不適合項目を事前に把握し修正することで、本審査でのパフォーマンスが向上し、スムーズな認証取得や更新が期待できます。

ISO認証などの外部監査への準備は、国際的に認知された基準に適合していることを証明できるため、企業の信頼性と競争力が向上します。また内部監査を通じた準備プロセスそのものが、組織の業務改善や効率化を促進します。

生産効率などのパフォーマンスの評価

内部監査を通じて、組織は業務プロセスの効果性と効率性を客観的に評価できます。具体的には、設定された組織目標や期待される成果に対して、現行の業務プロセスがどの程度貢献しているか測定することなどです。この評価プロセスにより、組織のパフォーマンスを定量的かつ定性的に把握することが可能です。

パフォーマンス評価の結果、組織は計画された成果が、実際に達成されているかを明確に確認できると同時に、期待値に達していない領域や改善が必要な部分の特定もできます。結果的に、リソースの最適配分や業務プロセスの改善など、具体的な行動計画を立案することが可能になります。

生産効率などのパフォーマンス評価は、経営判断の質向上につながります。客観的なデータに基づいて意思決定を行うことで、より効果的な戦略立案が可能になるためです。また、継続的な改善サイクルが確立されることで組織の競争力が強化され、市場環境の変化に迅速に対応できます。

継続的改善の推進

継続的改善の推進も、内部監査の重要な目的の一つです。業務プロセスや品質マネジメントシステムを詳細に分析することで、組織は効率化やパフォーマンス向上につながる具体的な施策を特定できます。さらに、内部監査のフィードバックを活用して、PDCAサイクル(Plan/Do/Check/Action)を効果的に運用し、組織全体の成長と発展を促進することが可能です。

継続的改善の推進により業務プロセスの非効率な部分が改善され、品質マネジメントシステムが最適化されることで、全体的な生産性と品質が向上します。またPDCAサイクルを通じて、改善活動が組織文化として定着すれば、従業員の問題解決能力と創造性が高まります。

継続的改善の推進は、コスト削減と収益性の向上が期待できます。業務の効率化や無駄の排除により、経営資源を最適に活用することが可能になるためです。また製品やサービスの品質向上につながり顧客満足度が高まることで、ブランド価値の向上にも寄与します。

従業員の品質管理や業務改善への意識が向上

内部監査は、従業員の意識改革を促す絶好の機会となります。監査プロセスを通じて、従業員は品質管理や業務改善の重要性を直接体験し、深く理解できます。また自身の業務が組織全体にどのような影響を与えているかを認識する機会にもなります。

従業員の意識向上により、全社員が一体となって品質向上に取り組む企業文化が形成されていきます。日々の業務の中で、従業員が自発的に改善案を提案したり、問題点を早期に発見・報告したりするようになるでしょう。また部門間の協力が促進され、組織全体の相乗効果が高まります。

従業員の意識向上により、品質管理のコストも期待できます。従業員一人ひとりが品質に対する責任を持つことで、不良品の発生や手戻りが減少し、全体的な品質コストが低減されるためです。また業務改善への高い意識は、新しいアイデアや効率的な方法の創出につながり、企業の競争力強化にも寄与します。

内部監査の進め方

内部監査は、組織の健全性と効率性を確保するための重要なプロセスです。効果的な内部監査を実施するためには、体系的なアプローチが不可欠になります。ここからは、内部監査の一般的な進め方について、主要な6つのステップを紹介します。

  1. 内部監査計画の策定

  2. 予備調査

  3. 本調査

  4. 分析と評価

  5. 内部監査の報告

  6. フォローアップと改善提案

各ステップには固有の目的と重要性があり、これらを順序立てて実行することで、効果的な内部監査が可能になります。

1.内部監査計画の策定

内部監査の成功は、綿密な計画から始まります。計画策定段階では監査の基本的な枠組みを決定し、効果的な実施のための準備を整えます。

まず、監査目的と範囲を明確に定義することが重要です。組織の目標や直面している課題を考慮し、何を達成したいのか、どの部門や業務プロセスを対象とするのかを具体的に決定します。

次に、詳細な監査計画を策定します。この段階では、監査対象となるプロセスや文書を特定し、どのような方法で調査を行うかを決定します。

例えば、品質管理システムの監査であれば、関連する手順書や記録、実際の作業プロセスなどを確認対象として明確化しましょう。

最後に、監査のスケジュールを設定し、必要なリソースとチームを確保します。監査の各段階(予備調査、本調査、報告書作成など)に適切な時間を割り当て、全体の工程表を作成します。同時に、監査チームのメンバーを選定し、それぞれの役割と責任を明確にしましょう。

2.予備調査

予備調査は、本格的な監査に入る前の重要な準備段階です。この段階では、文書の確認とリスクの特定という二つの主要な活動を通じて、効果的な監査の基礎を固めます。

まず、対象となるプロセスや関連文書を詳細に検討し、監査の具体的な範囲を定めていきます。これには、組織の方針、手順書、過去の監査報告書、業績データなどが含まれます。

同時に、リスクの特定も行います。予備調査の段階で、監査における重要なリスクや改善の機会を事前に洗い出しましょう。

特定されたリスクに基づいて、監査チームは適切なアプローチを検討します。例えば、高リスク領域には特に注意を払い、詳細な調査の計画や特定の専門知識を持つ監査員の配置などが必要です。

3.本調査

本調査は内部監査の核心部分であり、実際に現場で詳細な調査を行う段階です。この段階では、事前に策定した計画に基づいて、監査チームが組織の実態を直接観察し、評価します。

まず、監査チームは定められた計画に従って実地での監査を実施しましょう。監査員は、組織の日常業務がどのように行われているかを直接確認し、規定や手順が実際にどの程度遵守されているかをチェックします。

次に、証拠の収集と関係者へのインタビューを通じて、実際の運用状況を評価します。監査チームは、必要な文書や記録を収集し、それらが適切に管理されているかを確認します。同時に、従業員や管理者へのインタビューを行い、業務プロセスの詳細や課題、改善の機会などについて直接聞き取りを行います。

最後に、発見した問題点や達成された成功を文書化し、重要なポイントを記録します。監査チームは、観察結果や収集した証拠を整理し、組織の強みや弱み、改善が必要な領域を特定します。特に重要な発見事項や潜在的なリスクについては詳細な記録を残し、今後の分析や報告書作成の基礎とします。

4.分析と評価

本調査が完了した後、次のステップは収集したデータの詳細な分析と評価です。この段階は、監査結果を意味のある洞察に変換し、組織に価値ある改善提案を行うための重要なプロセスです。

まずは実地で収集した証拠や情報の整理です。監査の目的に基づいて、データをカテゴリー別に分類し、全体像を把握しやすい形に整理します。

次に、監査で特定した遵守事項の不適合や改善すべき領域を明確にします。具体的には、規定や手順からの逸脱、非効率なプロセス、潜在的なリスク領域などがあります。

問題や不適合が特定されたら、その根本原因を分析します。なぜその問題が発生したのか、何が原因で不適合が生じたのかを深く掘り下げましょう。

各問題や改善領域の重要度や影響度合いを評価し、優先順位付けも行います。リスクの大きさ、財務的影響、法令遵守の観点など、多角的な視点から評価を行い、どの問題に最優先で取り組むべきかを判断します。

最後は、特定された問題に対する是正措置の策定です。是正措置では、問題の解決や改善を促進するための具体的なアクションプランの立案を行います。各是正措置には、実施責任者、期限、必要なリソースなどを明確に定義し、実行可能で効果的な改善計画を作成しましょう。

5.内部監査の報告

内部監査の報告は、監査プロセス全体の集大成であり、組織に価値を提供する重要な段階です。報告では、監査の結果を明確かつ効果的に伝え、改善のための行動を促進することが目的となります。

まず、監査チームは収集したすべての情報と分析結果をまとめて、報告書を作成します。報告書には、監査の目的、範囲、方法論から始まり、主要な発見事項、結論、そして改善のための提案まで、監査全体を網羅的に記述します。

特に重要なのは、発見された遵守事項や改善点、是正措置の必要性を明確かつ具体的に記述することです。

報告書では、単に問題点を指摘するだけでなく、組織の強みや成功事例も適切に取り上げ、バランスの取れた評価を提供しましょう。また各問題に対する具体的な改善提案や是正措置の案も含め、組織が次のステップを明確に理解できるようにします。

報告書が完成したら関係者に提出し、対象部門や管理層と結果を共有します。この際、単に文書を配布するだけでなく、主要な関係者と監査結果についての説明と討議を行うことが重要です。

6.フォローアップと改善提案

内部監査のプロセスは、報告書を提出して終わりではありません。フォローアップと改善提案の段階は、監査結果を実際の改善につなげ、組織の継続的な発展を促進する重要な役割を果たします。

まず、監査チームは提案された是正措置の実施状況を注意深くモニタリングしましょう。具体的には、定期的な進捗確認、関係部門との継続的なコミュニケーション、必要に応じた支援の提供などがあります。モニタリングを通じて、是正措置が計画通りに実施されているか、また実施の過程で新たな課題が発生していないかを確認します。

次に、実施された是正措置の効果を定期的に評価します。これは単に措置が実行されたかどうかを確認するだけでなく、その措置が本当に問題の解決や改善につながっているかを検証する重要なステップです。評価の結果、期待した効果が得られていない場合は、是正措置の調整や追加の対策立案を行います。

さらに、内部監査のプロセスと結果を通じて、組織全体の継続的改善を促進します。例えば、ある部門で発見された優れた実践例の他部門への展開や、繰り返し発生する問題の根本原因に取り組むための提案などです。

内部監査の目的を理解し、日頃から意識した行動を!

本記事では、内部監査の重要性、目的、そして具体的な進め方について詳しく解説しました。内部監査は、単なる点検作業ではなく、組織の健全性を確保し、継続的な改善を促進する重要な取り組みです。リスクと不適合の特定、業務プロセスの適合性確認、パフォーマンスの評価、そして従業員の意識向上など、多岐にわたる目的を持っています。

内部監査の進め方としては、計画策定から始まり、予備調査、本調査、分析と評価、報告、そしてフォローアップと改善提案まで、体系的なプロセスを踏むことが重要です。各段階で適切な準備と実行を行うことで、組織に真の価値をもたらす監査結果が得られます。

内部監査は特別なイベントではなく、日常業務の延長線上にあるべきものです。内部監査のために何か特別なことをするのではなく、日頃から適切な業務運営と改善意識を持つことが重要です。日々の業務の中で内部監査の目的を意識し、継続的な改善に取り組むことで、組織全体の発展に貢献していきましょう。

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執筆者:むつごろー

自動車メーカーの製造に勤務し、一次情報を基にした記事執筆をおこなう。機械製造以外にも食品製造への知見もあり、現場改善や品質管理における記事の執筆も担当している。

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