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公開日 2025.03 .27

更新日 2025.12.14

OEEとは?計算式や分析時の注意点、改善する方法などを解説

OEEとは?計算式や分析時の注意点、改善する方法などを解説

OEE(Overall Equipment Effectiveness:設備総合効率)は、製造業において、生産性を評価する際に活用できる数値です。OEEの定義を理解し、数値を改善することで、企業の生産力を高められます。

本記事では、OEEの定義や計算式、計算を通じて読み取れること、分析する際の注意点、OEE低下の原因となる7大ロスの概要、OEEを改善する方法を紹介します。

目次

OEEとは

OEE(Overall Equipment Effectiveness:設備総合効率)とは、製造現場で稼働する設備の効率を測る指標で、稼働率(稼働時間の割合)と性能(設計した速度)、品質(不良品の割合)の3要素から算出されます。3要素の概要は以下の通りです。

  • 稼働率(稼働時間の割合):設備が実際に稼働した時間の割合

  • 性能(設計した速度):稼働中における、設備の生産速度

  • 品質(不良品の割合):品質基準を満たさない製品の割合

OEEは、国内のものづくりを支援する公益社団法人日本プラントメンテナンス協会が独自に開発した指標であり、国内外の多くの企業で活用されています。OEEの数値が高いほど、設備が効率的に稼働していることを意味します。

OEEを把握することは、自社の生産ラインの課題を明確にし、生産性向上に不可欠な取り組みです。

TEEPとの違い

TEEP(Total Effective Equipment Performance:設備機器総合有効生産力)は、24時間365日を基準として設備の稼働効率を測る指標です。OEEが実際に設備が稼働している時間内での効率を示すのに対し、TEEPは設備が理論上フルで稼働できる時間を基準に効率を示します。

TEEPは24時間365日の稼働効率を把握できるため、24時間体制で稼働している工場では、生産性をより正確に把握するためにOEEとあわせてTEEPを計測することが有効です。

OEEの計算式

OEEを計算することで、自社の設備が効率良く稼働できているかを客観的な数値で確認できます。OEEは以下の計算式で算出できます。

  • OEE=時間稼働率×性能稼働率×良品率

例えば、時間稼働率が95%、性能稼働率が70%、良品率が90%である場合、OEEは95%×70%×90%で求められ、59.8%と算出できます。OEEの計算には時間稼働率と性能稼働率、良品率の3つの指標が用いられます。

  • 時間稼働率=稼働時間÷負荷時間

  • 性能稼働率=基準サイクルタイム×生産数量÷稼働時間

  • 良品率=良品数量÷生産数量

それぞれの定義と計算方法、補足情報は表にまとめました。

指標名

定義

計算方法

補足

時間稼働率

設備が稼働できる時間の中で、実際に稼働していた時間の割合を示す数値

時間稼働率=稼働時間÷負荷時間

・稼働時間は故障や刃具交換などの時間を除いた、設備が実際に動作をした時間を指す
・負荷時間は設備の電源が入っている状態で、設備が稼働可能な時間を指す

性能稼働率

設備が稼働している間の生産量を示す数値

性能稼働率=基準サイクルタイム×生産数量÷稼働時間

基準サイクルタイムは、設備や品質などに関するトラブルを考慮せず、一つの製品を製造する際に必要な時間を指す

良品率

設備で作られた製品のうち、品質基準を満たしたものの割合を示す数値

良品率=良品数量÷生産数量

良品数は、品質基準を満たした製品の数を指す

時間稼働率と性能稼働率、良品率の定義と計算方法

OEEを計算する過程で各指標の数値を算出すると、設備の停止時間や品質基準を満たした製品の割合などを把握できます。

OEEの算出からわかること

OEEを分析すると、生産ラインの問題点を見つけやすくなり、効果的な改善策を考えられます。OEEの算出からわかることは、主に以下の4つです。

  • 設備が故障する可能性

  • 生産効率

  • 製品の品質

  • 現場改善の進み具合

OEEを導入する際は、算出結果から得られる気づきを活用し、生産ラインの改善に役立てましょう。

設備が故障する可能性

OEEの計算過程で性能稼働率を求めることで、設備が故障するリスクを予測できます。

性能稼働率が低い場合、設備の速度低下やチョコ停(短時間の設備停止)が多発している可能性があり、設備に不良が生じていると考えられます。設備の不良を放置すると故障が発生しやすいため、性能稼働率が低い場合、設備が故障するおそれがあると考えられます。

性能稼働率の低さから故障の前兆を読み取ることで、重大なダウンタイムが発生する前に修理対応を取れます。

生産効率

OEEの計算を行う際に、時間稼働率や性能稼働率を求めることで、設備の生産効率に関する詳細な分析が可能です。時間稼働率が低い場合、メンテナンス時間やダウンタイムが長引いている可能性があります。また、性能稼働率が低い場合は、設備の不良によって稼働速度が低下していることが考えられます。

時間稼働率や性能稼働率を分析することで、現状の生産効率を把握し、メンテナンス時間の短縮や設備不良の修正など、的確な改善策を実行可能です。

良品率と不良品率の割合

OEEを算出することで、不良品の割合が可視化され、生産ラインの課題発見につなげられます。不良品率が高い場合、設備不良や人的ミスの多発、品質管理不足など、さまざまな原因が考えられます。

良品率と不良品率を把握することで、生産ライン全体を見直し、品質改善のきっかけを作れる点もメリットです。

現場改善の進み具合

OEEは、結果をもとに現場を改善することで、初めて計測する意味があります。現場を改善してから再びOEEを計測し、過去のデータと比較することで、現場の改善が順調に進んでいるかどうかがわかります。

OEEの数値だけでなく、時間稼働率、性能稼働率、良品率にも注目し、それぞれの数値が改善できているかも細かく分析することが重要です。

OEEの改善度合いを可視化し共有することで、現場のモチベーションアップにもつながります。

OEEを分析する際の注意点

OEEを活用して生産性を評価する際には、いくつかの注意点があります。これらを把握していないと、生産性を過大評価または過小評価してしまい、計測結果の有効性が損なわれる可能性があります。

特に注意したいのは、以下の2点です。OEEの導入を検討している方は、分析する際の注意点も把握した上で実施しましょう。

  • 数値が高いから良い状態とは限らない

  • 他社と比較した分析は難しい

数値が高いから良い状態とは限らない

OEEの数値が低いのは問題ですが、高ければ高いほど良いとも限りません。

例えば、時間稼働率が高いことでOEEが高くなっている場合、現場では長時間労働が起きている可能性があります。性能稼働率が高い場合は、過剰生産によって数値が高くなったケースも考えられます。

OEEの数値が高い場合でも、現場で別の問題が起こっていないかを確認し、多角的な視点で分析することが重要です。

他社と比較した分析は難しい

OEEの計算に用いる時間稼働率と性能稼働率は、設備の特性や製造している製品などによっても大きく変動します。そのためOEEの数値だけで、他社と生産性を比較するのは困難です。

自社内の生産ライン同士でも、製造に用いられる設備や生産している製品が異なる場合は、OEEだけで優劣を判断することはできません。あくまで特定の生産ラインにおけるOEEを過去のデータと比較し、改善されているかを分析することが大切です。

OEEを低下させる7大ロスとは

OEEを低下させる主な要因として、7大ロスが挙げられます。7大ロスとは、設備の稼働率の低下につながる7つの無駄を指します。7大ロスの内容を把握することで、OEEが低下している要因を分析しやすくなり、的確な改善を実施可能です。7大ロスそれぞれの名称と定義を表にまとめました。

名称

定義

故障ロス

設備の動作不良や部品の破損によって、設備が故障することで発生するロス

段取り・調整ロス

ある製品を製造した後、別の製品を製造するための準備によって発生するロス

刃具交換ロス

ドリルやフライスなど、設備の切削工具を交換する際に発生するロス

立上りロス

設備の電源が入ってから、安定して製造作業を行えるようになるまでに発生するロス

速度低下ロス

設備の生産速度が通常より遅くなることで発生するロス

チョコ停・空転ロス

短時間の設備停止(チョコ停)と、稼働しているものの製造していない状態(空転)の時間を合わせたロス

不良・手直しロス

品質基準を満たさない製品の修正や再加工を行う際に発生するロス

OEEを低下させる7大ロスの名称と定義

7大ロスが発生すると時間稼働率や性能稼働率が悪化し、OEEの低下につながります。

ロスの発生状況を正しく把握し、OEE改善につなげる

OEEを改善するためには、故障・段取り・速度低下・チョコ停など、7大ロスの発生状況を正確に記録し、どのロスが生産性を下げているのかをデータとして把握できる状態が欠かせません。記録が紙や担当者ごとに分散しているとロスの傾向が見えにくく、適切な対策の立案や、ロス削減によるOEE向上施策が進みにくくなります。

カミナシ設備保全では、点検記録・停止時間・履歴を一つの画面に集約でき、全体像を短時間でつかめるようになります。保全データの扱い方を見直したい方におすすめの内容です。

▼こんな方におすすめ

  • 保全データが散在しており、探すだけで時間がかかる

  • 設備ごとに履歴を整理し、共有の基盤を整えたい

  • トラブルの傾向を把握し、再発防止に活かしたい

OEEを改善する方法

OEEは計測するだけでなく、数値が低下している要因を分析した上で、適切な改善策を実行することが重要です。OEEを改善するための主な方法としては、以下の5つが挙げられます。

  • 定期的な設備のメンテナンスを徹底する

  • 設備の取り扱いに関する教育を徹底する

  • 製造における注意点を現場に共有する

  • 予知保全システムを活用する

  • 製造実行システム(MES)を活用する

OEEの導入や改善を検討している方は、これらの対策もあわせて把握し、自社の生産性をスムーズに改善できるようにしましょう。

定期的な設備のメンテナンスを徹底する

OEEが低下する代表的な要因は、設備不良による作業効率の低下です。設備が常に万全な状態で稼働できるように、定期的なメンテナンスを徹底し、設備に不具合が発生した際には速やかに修理できる体制を整えることが重要です。

メンテナンスについて、担当者や実施のタイミング、確認すべき内容などを決定し、現場の管理担当者間で共有しましょう。メンテナンスの履歴や部品交換時期を記録し、メンテナンスが問題なく行われているかを確認することも重要です。

設備の取り扱いに関する教育を徹底する

設備の立ち上げ作業や刃具交換に時間がかかると、立上がりロスや刃具交換ロスにつながり、OEEが低下します。OEEを改善するためには、製造準備を素早く進められるように、現場作業員への教育を徹底することが大切です。

作業員が設備を取り扱う様子を定期的に確認し、作業に時間がかかっている工程があれば、重点的な指導やフォローを行いましょう。

また、新入社員に対しては、設備の取り扱いに関するマニュアルを作成し、共有することで、スムーズに作業に慣れてもらいやすくなります。

製造における注意点を現場に共有する

製品に不良品が多い場合、製品の修正や再加工の必要が生じるため、不良・手直しロスが多くなります。不良・手直しロスの増加はOEEの低下につながるため、生産ラインで働く方へのこまめな情報共有も必要です。

製造における注意点や作業手順の変更は、朝礼や掲示板などを活用してしっかり共有し、不良品の発生を防ぎましょう。不良品が多発している場合は、すぐに発生の原因を特定し、原因と対策を現場に共有することが重要です。

予知保全を行う

予知保全とは、IoT(モノのインターネット)技術やAI(人工知能)を活用し、設備の温度、振動、電流などをリアルタイムに監視することで、故障の兆候を早期に発見する取り組みです。故障の兆候が見つかった時点で修理や部品交換を行うことで、突発的な故障によるダウンタイムや生産ロスのリスクを減らせます。

設備の監視をIoT技術やAIに任せられるため、人的コストの削減も期待できます。機器の導入には初期費用がかかりますが、作業コストを減らしつつ確実なメンテナンスを実施したい企業にとっては有効な選択肢となります。

製造実行システム(MES)を活用する

製造実行システム(MES:Manufacturing Execution System)は、在庫状況や生産実績などのデータを分析することで、作業スケジュールや製造工程の見直しができるシステムです。MESの導入により無駄な工程を削減し、生産効率の向上を図ることが可能です。

また、生産実績データを分析することで、不良品が発生した工程や時間帯、使用設備などの要因を特定しやすくなります。これにより、不良品発生時の迅速な対処が可能となり、不良や手直しにかかるロスを最小限に抑えることができます。

OEEを改善して企業の生産性を向上させよう

OEEは設備の総合的な効率を示す指標であり、改善することで生産性の向上が期待できます。OEEを低下させる7大ロスを理解し、必要に応じて設備のメンテナンスや製造工程の見直しなどを行うことが重要です。

特に、メンテナンスを確実に実施することはOEEの向上に直結します。保全担当者だけに任せるのではなく、現場の作業者もメンテナンスに関われる体制を整えることで、人的リソースに依存しない継続的な保全活動が可能です。複数のメンバーが点検・報告を担えるようにすることで、担当者が不在のときでも、定期的なメンテナンスの抜け漏れを防げます。

こうした仕組みづくりを支援するのが「カミナシ 設備保全」です。カミナシ 設備保全は、保全担当者が現場に向かわなくても、設備の点検を実施できるシステムです。現場の作業者がスマートフォンで設備を撮影し、コメントを添えて送信するだけで、設備の状況を報告できます。現場の作業者だけで点検報告を完結できるため、定期的なメンテナンスの実施が容易になり、OEEの向上につなげやすくなります。

OEEを改善したい方は、以下のボタンからカミナシ 設備保全の詳細をご確認ください。

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執筆者:現場と人 編集部

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