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公開日 2025.05 .22

更新日 2025.05.22

製造業のOJTを成功させるための手順とポイントは?必要性やデメリットも解説

製造業のOJTを成功させるための手順とポイントは?必要性やデメリットも解説

製造業の人材育成において、実践的な教育として役立つのがOJT(On-the-Job Training:職場内訓練)です。製造業では、現場の即戦力を育成するだけでなく、技術継承をするためにOJTを取り入れる企業も多くあります。しかしOJTを導入したものの、思うように人材が育たない、指導側の負担が大きいといった悩みを抱える現場も多くあります。

本記事では、OJTの基本やメリット、デメリット、効果的な運用ステップや指導のポイントを解説します。貴社の人材育成にぜひ役立ててください。

製造業のOJTを成功させるには、指導者側の教育も必須。属人的な指導にならないように、教える側も教育内容の統一を図りましょう。動画マニュアルを使って、自分のペースで学べるような環境整備を検討しても良いでしょう。マニュアル作成のコツやデジタル化した事例などをまとめた資料は、以下のボタンから無料でダウンロードできます。ぜひご覧ください。

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目次

製造業におけるOJTとは

OJT(On-the-Job Training:職場内訓練)は、実際の業務を通じて従業員が必要な知識やスキルを習得する教育手法です。​製造業においては、機械の操作方法や品質管理の基準など、現場に必要な知識や技術を効率的に伝える手段として、OJTが活用されています。

OJTは、座学中心のOff-JT(Off-the-Job Training:職場外研修)と異なり、実務を通して学ぶため、即戦力の育成が期待できます。​またOJTによって、企業文化や職場の雰囲気、チームワークなど、マニュアルでは伝えきれない暗黙知を伝えることも可能です。​

製造業の現場では、OJTと作業マニュアルを組み合わせることで、教育の効率化と品質の均一化が図れます。​例えば、ルーチンワークには作業マニュアルを活用し、ケースバイケースの対応が求められる業務にはOJTを適用するなどです。​

主な教育手法にはOJTの他に、Off-JTやeラーニングなどがあります。以下のような違いがあるので、教育内容に合わせて組み合わせて取り入れることをおすすめします。

項目

OJT(On-the-Job Training)

Off-JT(Off-the-Job Training)

eラーニング

実施場所

現場(職場内)

会議室、研修施設、社外研修センターなど

インターネットを通じて、どこでも受講可

学習内容

実務に必要なスキルや手順

理論、一般知識、マネジメントなど

基本知識、標準化されたスキルや理論

メリット

現場の感覚や作業ノウハウを直接身につけられる

理論体系をしっかり理解し、広い視野を持てる

反復学習ができ、理解できるまで自分のペースで学べる

デメリット

指導者のやり方に依存しやすく、指導品質にばらつきがでやすい

現場作業との結びつきが弱く、実践応用が難しい

実技スキルが身につきにくく、質問がしづらい

費用


(比較的低コスト)


(外部講師費用や受講料が高額になりがち)


(初期導入費用はかかるが、運用コストは安い)

手間

教育担当者の負担が大きく、通常業務と両立が必要

研修計画の立案・受講調整などの運営負担が大きい

コンテンツ更新・受講管理に手間がかかる場合がある

具体例

実際の作業工程(組立、検査、設備操作など)

製造理論、品質管理、マネジメント、問題解決手法など

安全衛生教育、製造基礎知識、品質基準など標準化知識など

OJTと他の教育手法の違い

OJTと研修、OFF-JTの違いなどについては、以下の記事を参考にしてください。
OJTとは?研修との違いやデメリット、具体的な進め方をわかりやすく紹介

製造業にOJTが必要な理由

製造業においてOJTを採用する理由には、主に以下の4つがあります。ここでは、製造業におけるOJTの必要な理由について詳しく解説します。

  • 実践的なスキルを習得できる

  • 業務の標準化と品質の安定につながる

  • 技術やノウハウの継承ができる

  • 社員の定着率向上につながる

実践的なスキルを習得できる

製造業でOJTを実施すると、座学だけでは身につかない機械の操作手順の習得はもちろん、作業時の手の感覚なども体得できます。

例えば、金属プレス加工や射出成型の工程では、機械のわずかな振動や音の変化を感じ取りながら調整するスキルが必要です。これらはマニュアルや座学では身につきにくく、実際に機械を動かし、先輩の手元を見て学び、何度も試行錯誤する中で初めて体得できるものです。

また、実際に現場に身を置くことで生産ラインの流れを理解できるだけでなく、突発的なトラブルの対応方法も習得できます。これにより単なる作業者ではなく、現場を理解し、臨機応変に対応できるプロフェッショナルな人材を育成しやすくなります。

業務の標準化と品質の安定につながる

OJTは、実際の作業の中で問題解決スキルと標準的な作業手順の両方を習得できるため、現場の品質安定に大きく寄与します。

例えば、OJTの中でプレス機の動作異常があった場合、指導者はすぐに正解を示すのではなく、新人社員になぜこの不具合が起きたのか、どう対応すべきかを考えさせ、仮説や検証のプロセスを経験させます。このように実践に即した教育をすることで、現場に必要な判断力や応用力を養えるでしょう。

新人が実践を重ねることで、現場全体の課題対応力が高まり、業務の標準化と製品品質の安定、さらにはトラブル時の対応スピード向上につながります。

技術やノウハウの継承ができる

製造業の現場には、マニュアル化できない職人の勘や、チーム内で培われた独自の作業リズムなどがあります。OJTは、熟練した職人の技術や暗黙知となっている感覚を、視覚や聴覚などを通じてリアルに伝承する最も有効な手段です。

例えば、金属加工の現場では、材料を機械にセットする際の手の動かし方や、微妙な異音を聞き分ける感覚、安全確保のための間合いの取り方など、文字では伝えきれない技術が多くあります。OJTではこうした所作や判断基準を、先輩社員の仕事ぶりを間近で見ながら体得できます。

これにより企業の貴重な資産である技術やノウハウを継承でき、熟練者の退職後も安定した生産体制を維持できます。

社員の定着率向上につながる

OJTは現場メンバーと一緒に作業をしながらスキルを学ぶため、新人社員は先輩や上司と人間関係を構築することが可能です。また現場メンバーから作業の合間の声かけやフォローがあると、新人はチームの一員としての自覚や一体感を感じられるようになります。

OJTの指導者の他に現場メンバーと良好な関係が築けると、質問や相談がしやすくなり安心して働ける職場環境と感じられ、組織に早く馴染みやすくなり、定着率の向上につながります。

OJTのメリット

OJTには、製造業の現場にとってさまざまなメリットがあります。ここでは、製造業におけるOJTの主なメリットを具体例とともに解説します。

  • 教育担当者との信頼関係を構築しやすい

  • 学習内容がすぐに成果として現れやすい

  • 新人社員が現場の雰囲気や文化を早く理解できる

  • 教育コストを抑えられる

教育担当者との信頼関係を構築しやすい

OJTは、教育担当者と新人社員が日常的にコミュニケーションを取りながら進めるため、自然と信頼関係が築きやすいという特長があります。現場でのやり取りを繰り返すことで、聞いてもいい、見守ってもらえているという安心感が生まれ、新人が積極的に学ぶ姿勢を育む土台になります。

また、疑問が生じたその場で質問し、すぐに実践を通じて解決できるため、学びのスピードと理解度が飛躍的に高まります。

教育担当者が常にオープンな姿勢で新人に接し、どんな小さな質問にも丁寧に応じることで、信頼関係を構築できます。

学習内容がすぐに成果として現れやすい

OJTは、学んだ内容がそのまま現場での成果につながりやすいことも利点です。OJTでは、通常業務を通じて必要なスキルや知識を学ぶため、教育内容と実務とのズレが少なく、習得したことを即座に業務に活かすことができます。

特に、少人数で現場を回している中小製造業など、事前に体系的な研修を整備する余裕がない場合でも、OJTを導入することで即戦力化を図れるでしょう。

新人社員が現場の雰囲気や文化を早く理解できる

OJTは実際の業務を通じて上司や先輩と密に関わるため、新人社員が職場の雰囲気や独自の文化を自然に理解できるのが大きなメリットです。単なる作業手順の習得だけでなく、現場で大切にされている価値観や、社員同士のコミュニケーションの取り方を学べます。

特にライン間や他部署との連携が求められる作業では、OJTを導入することでより環境への適応が早くなるため効果的です。

工場によっては、作業の段取りだけでなく、特定の場面で必ず声をかけ合うといった現場ならではの暗黙ルールが存在します。こうした文化は座学やマニュアルでは学びにくく、OJTだからこそ身につけることができます。

教育コストを抑えられる

OJTは社内リソースを活用できるため、教育コストを抑えられる点も大きなメリットです。業務の中で上司や先輩社員が直接指導を行うため、外部講師への依頼料や研修施設の利用料といったコストが発生しません。

特に、自社特有の作業工程や専門技術が求められる製造現場では、一般的な外部研修では教育内容がフィットしないことも多く、費用対効果が見合わないケースもあります。また、OJTは、実際の業務に直結した教育を無駄なく実施でき、さらに教育内容やタイミングも柔軟に調整できます。

特に教育予算に限りのある中小企業や多拠点展開している企業などでは限られたリソースを最大限に活用しながら、現場ごとの人材育成を着実に進めることが可能です。

OJTのデメリット

OJTにはさまざまなメリットがある一方で、デメリットもあります。以下3つのデメリットを確認することで、OJTの運用時にどのような工夫が必要か把握できます。

  • 教育内容や質が指導者に依存する

  • 忙しい現場では教育時間の確保が難しい

  • 教育担当者の負担が大きく、モチベーション低下につながることがある

教育内容や質が指導者に依存する

OJTは指導者のスキルや経験によって、教育の内容や質が大きく左右されることがあります。指導者自身に十分な知識や指導力が備わっていない場合には、新人の成長スピードや理解度に差が出てしまうこともあります。

特に、教育担当者が限られている中小企業や、業務が属人的になっている組織では、指導者によって教育内容や質がばらつきやすくなるため注意が必要です。教育内容にばらつきが発生すると、従業員間でスキルの個人差が生まれ、組織全体の生産性や品質に悪影響を及ぼすリスクがあります。

そのため教育担当者向けの研修を開催し、指導レベルの均質化を図ることをおすすめします。育成計画表や育成チェックリストを活用して、教育内容や実施時期などを可視化すると効果的です。

忙しい現場では教育時間の確保が難しい

現場が多忙な場合には新人教育に十分な時間を割きにくいというデメリットがあります。製造業では特に、指導者自身が生産ラインの管理やトラブル対応などに追われることが多く、教育の優先順位が後回しにされがちです。

特に、繁忙期や生産トラブルが頻発するタイミングは、OJTの対応が難しくなります。新人への指導が十分に行えないと、新人が不安を抱えたまま作業を続けてしまい、ミスや事故のリスクも高まるだけでなく、離職につながる恐れもあります。

そのためOJTは繁忙期を避け、新人の育成も重要な業務として社内で認識を統一することが重要です。またあらかじめOJTに充てる時間を業務スケジュールに組み込むことで、教育の時間を確保しやすくなります。

教育担当者の負担が大きく、モチベーション低下につながることがある

OJTを導入するうえで注意したいのが、教育担当者に過度な負担がかかり、モチベーション低下や業務効率の悪化につながってしまうことです。特に現場で重要な役割を担う熟練社員に教育を任せる場合、通常業務と育成業務の両立に無理が生じやすくなります。

製造業では、新人教育や技能伝承の負担が一部の社員に集中してしまうことがよくあります。一部の社員に新人教育が集中した結果、研修が形骸化し、その一方で本来の業務の生産性も低下してしまうケースもあります。

さらに教育に時間と労力を取られすぎると、指導者のモチベーションが下がり、ひいては離職リスクにもつながる恐れがあるため注意が必要です。

教育担当者の負担を軽減するためには、OJTをチーム全体で分担したり、動画マニュアルを活用したりするなど負担を軽減する取り組みを検討するのがおすすめです。

製造業でOJTを運用する手順

OJTをスムーズに運用するには、着実にステップを踏むことが大切です。以下6つの手順をステップごとに詳しく解説します。

  1. OJTの目標を設定する

  2. OJTの教育担当者を決める

  3. OJTの教育担当者と目標を共有する

  4. OJTを実施する

  5. 定期的に新人社員・OJT教育担当者それぞれと面談する(1on1)

  6. フィードバックを行う

1.OJTの目標を設定する

まず、OJTの目標を設定することから始めます。

目標設定は、OJTを計画的かつ効果的に進めるための土台です。ゴールが曖昧なままでは、指導が場当たり的になり、育成効果が大きく低下してしまいます。あらかじめ育成したい人材像や求める成果を明確にしておくと、OJT全体の方向性がぶれず、全社で取り組みやすくなります。

この時、新人社員に求める成果をできるだけ明確に定めることがポイントです。例えば、3ヶ月後には新製品ラインの組み立て工程を自立して担当できる、2ヶ月以内に品質チェック基準を完全に理解し実践できるなどです。ゴールがはっきりすることで、指導者は教えるべき内容の優先順位を付けやすくなり、指導の精度も上がります。

OJTの計画を立てる際は、新人が習得すべきスキルや知識をリストアップし、それぞれの重要度や難易度を踏まえて段階的に整理していきます。そして、目標達成までの期間を設定し、指導者と新人の間で事前にしっかり共有します。

2.OJTの教育担当者を決める

OJTの目標が決まったら、教育担当者を選定します。OJTの教育担当者は、以下のような人材が適しています。

  • コミュニケーション能力が高い

  • 教えることに意欲を持っている

  • 忍耐強く新人社員に寄り添える

  • 業務の流れを体系立てて教えられる

  • 新人社員の成長を喜べる

特に入社3〜5年目の社員は、自身も新人時代の苦労を覚えており、新人に寄り添った指導ができることから、多くの企業でOJTの教育担当者に任命されています。

反対に、忍耐力に欠ける人や自分本位で教える姿勢のない人、仕事を見て覚えろと放任するタイプの人は、教育担当者には適しません。

教育担当者を誰に任せるかによってOJTの成果は大きく変わるため、慎重かつ現場の実情に合った人材を選出することがポイントです。

3.OJTの教育担当者と目標を共有する

OJTの教育担当者が決まったら、目標を共有します。どこを目指すのかが曖昧なままだと、指導の方向性にブレが生じ、育成効果が大きく損なわれてしまいます。

目標は具体的かつ達成可能なレベルで設定し、教育担当者とどれくらいのレベルを目指すかという期待値をしっかりとすり合わせることが重要です。

また、会社側が教育担当者の指導力を底上げする体制づくりも必要です。単に業務を教えるだけでなく、フィードバックの仕方や評価のポイント、育成計画の立て方まで理解できるよう、事前に指導者向けの研修を実施すると効果的です。

定期的に指導者ミーティングを開くことで、指導上の悩みや課題を共有する機会を設けて、担当者同士で知見を高め合うことで現場全体の育成力向上にもつながります。

目標を共有する段階で教育担当者には、指導者も成長できる機会であることを伝えると有効です。OJTを通じて指導者自身のリーダーシップやマネジメント力も高まることを伝え、育成に前向きな姿勢を引き出すことをおすすめします。

4.OJTを実施する

OJTの目標を教育担当者と共有したら、いよいよ実施していきましょう。

教育担当者は単に作業を教えるだけでなく、サポートとフィードバックを適切に行いながら、新人社員が少しずつ自立して取り組めるように導きます。初めは手取り足取り教えたうえで、徐々に本人に判断や行動を任せる割合を増やしていくことがポイントです。

業務に入る前にその日の学習目標を伝え、実施後には簡単な振り返りを行います。この時、作業マニュアルやチェックリストなどを活用し、学習内容を可視化しながら進めると、教える側と学ぶ側の双方にとって成果が確認しやすくなるのでおすすめです。

OJTを実施する時には、忙しさに流されて見て覚えるだけの指導にならないよう意識することが重要です。

新人にとっては一つひとつの業務が新しい経験となるため、できるだけ丁寧な説明とフォローが必要になります。またOJT中に小さな成功体験を積ませることで、主体的に業務を実施できるようになります。

5.定期的に新人社員・OJT教育担当者それぞれと面談する(1on1)

OJTの実施中には、定期的に新人社員とOJT教育担当者それぞれと面談することが欠かせません。

新人との面談は、成長状況を確認し、継続的なサポートを行うための大切な機会です。実際の業務を進める中で、新人はさまざまな課題や不安を感じることがあります。面談を通じて、学習の進捗、業務上の困りごと、職場で感じていることなどをオープンに共有できる場を設けることで、早期のフォローアップが可能になります。

また、具体的なフィードバックやアドバイスを受けることで、新人は自身の成長を実感し、モチベーション維持やスキル向上につなげることができます。

同時に、教育担当者に対しても定期的な面談を実施し、OJTの進捗状況や指導上の課題、良かった取り組みなどをヒアリングします。

指導する側も悩みや負担を抱えている場合があるため、現場のリアルな声を吸い上げることが、OJTの質を高めるためには重要です。現場で実際に何がうまくいっているのか、どこに改善の余地があるのかを把握し、次回以降の育成活動に活かしていきます。

面談を形だけのものにせず、双方向のコミュニケーションを意識することがポイントです。一方的に質問したり評価したりするのではなく、互いに意見や感じたことを共有し合い、共に成長を目指す姿勢が必要です。

6.フィードバックを行う

最後に、新人社員にフィードバックを行います。フィードバックを通じて、新人は自分の成長度合いや、これからさらに伸ばすべき点を客観的に振り返ることが可能です。良い点と改善点を具体的に伝えることで、新人は次に向かうべき目標を明確に持ち、努力を続ける意欲につなげられるでしょう。

フィードバックをする際は、結果ではなく行動に着目することが重要です。また、ただできていないと否定するのではなく、具体的な改善方法を提示することが、新人の前向きな行動変容につながります。

フィードバックは一度きりではなく、OJTの各ステップごとや週単位など、できるだけ定期的に行うことが理想です。忙しい現場では、朝礼後や作業終了後の5分間など、短時間でも良かった点と明日の目標を共有する時間を設けると、自然と振り返りの習慣が根づいていきます。

フィードバックと振り返りは、指導者側にとっても新人の理解度や成長スピードを見極める大切な機会です。単に教えるだけでなく、共に振り返り、成長を喜び合う姿勢を持つことで、OJTの質をさらに高められるでしょう。

製造業の現場でOJTを効果的に運用するポイント5つ

製造業の現場でOJTを導入したものの、思うような成果が出ないという悩みを抱える企業も珍しくありません。貴社のOJTをより効果的なものにするには、以下5つのポイントを確認しておくことが重要です。

  • 属人的な指導にならないようマニュアルを整備する

  • 新人社員を放置しない体制を整える

  • OJT教育担当者のモチベーションを高める仕組みを作る

  • OJT教育担当者に負担がかかりすぎない体制にする

  • OJTだけでなく他の教育手法(座学・動画マニュアルなど)も組み合わせる

OJTの教育効果を高めるコツについて以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
▶ OJTの進め方とやり方を徹底解説。教育効果を高めるコツと研修方法とは

属人的な指導にならないようマニュアルを整備する

OJTを効果的に運用するには、特定の教育担当者の経験やスキルに頼らず、組織全体で教育内容を標準化することが欠かせません。属人的な指導になると、教育担当者が異動や欠勤した場合に教育が滞ったり、教え方にばらつきが出たりするリスクがあります。そのため、誰が担当しても一定の質で指導ができるよう、マニュアルや教育資料を整備しておくことが重要です。

例えば、新製品の組立作業を指導する場合、作業手順や注意点を文書化するだけでなく、動画マニュアルを活用する方法が効果的です。動画であれば、作業の手順やコツを視覚的に伝えることができ、一度作成すれば何度でも繰り返し確認できます。

特に製造業では、細かい動きや手順の理解が品質に直結するため、動画で視覚的にインプットすることは非常に有効です。

マニュアルを作成する時には、内容を詰め込みすぎないことがポイントです。現場で使われることを想定し、シンプルでわかりやすく、必要なポイントを的確に押さえたものにする必要があります。動画マニュアルであれば、作業ごとに区切り、1分以内に分け作成すると効果的になります。

新人社員を放置しない体制を整える

OJTを円滑に進めるには、新人社員を放置しない体制づくりが欠かせません。OJTは単に業務を教えるだけでなく、定期的なフィードバックやサポートを通じて、成長を支援することが重要です。

しかし現場が忙しく、新人への対応が後回しになってしまうと、本人が学ぶ機会を失うだけでなく、不安や孤立感が募り、最悪の場合は早期離職につながる恐れもあります。

特に製造業の現場では、細かな手順や安全ルールなど、丁寧な指導が欠かせません。そのため新人を放置することは、OJTの失敗につながる大きな要因といえます。何かあったら声をかけてねと伝えるだけでは、十分ではありません。新人の立場からは遠慮して相談しにくいことも多く、声を上げてもらうのを待つのではなく、指導者側から積極的に声をかける姿勢が求められます。

例えば、定期的に1on1面談を行ったり、作業後に数分の振り返りを取り入れたりすることで、進捗や疑問点を確認できる場をつくることが重要です。

新人が困った時はすぐ相談できると感じられる環境が整えば、安心して業務に向き合えるようになり、成長スピードも高まります。

OJT教育担当者のモチベーションを高める仕組みを作る

OJTの教育担当者のモチベーションを高める仕組みを作ることも欠かせません。教育担当者のモチベーションが低ければ、教育の質も効果も大きく低下してしまいます。熱意を持って指導するためには、教育担当者の努力が正当に評価され、目に見える形で認められる仕組みが必要です。

例えば、新人社員の成長度合いを評価基準に組み込み、教育担当者の人事評価に反映させる仕組みを作る方法が有効です。これにより、OJTは会社にとって重要な業務であり、成果がきちんと認められると教育担当者に認識され、指導に対する意欲を高めることができます。

また、教育担当者自身も定期的にフィードバックや研修を受け、指導スキルの向上を実感できる環境を整えるとモチベーション維持につながります。また悩みがあった場合に相談できる窓口やフォロー体制もセットで整備するといいでしょう。

OJT教育担当者に負担がかかりすぎない体制にする

製造業の現場でOJTを継続的に運用していくには、教育担当者に負担がかかりすぎない体制にする必要があります。

教育担当者は通常、本来業務を持ちながら新人指導にも取り組むため、負荷が高くなりがちです。特に教育担当者に選ばれるのは、業務に熟練した優秀な社員であることが多く、もともと多くの業務を抱えているケースがよくあります。

業務過多の状況が続くと、指導に十分な時間を割けず、結果的にとりあえず指示するだけで新人社員へのフォローができないといった問題が発生してしまいます。

また、忙しい中でも新人指導をしなければならないというプレッシャーにより、教育の質も現場の生産性も低下するリスクもあります。

そこで、OJTの責任者やマネージャーが教育担当者の業務量をきちんと把握し、必要に応じて新人指導期間中だけ通常業務を一部減らしたり、補助スタッフを配置してタスクを分散させたりと業務調整を行うことが重要です。

OJTだけでなく他の教育手法(座学・動画マニュアルなど)も組み合わせる

OJTだけでなく他の教育手法も組み合わせると、OJTの効果を引き出しやすくなります。なぜなら、OJTは実践的なスキルを習得できる一方で、理論的な知識や体系的な理解を深めるには限界があるためです。

そこで座学(Off-JT)や動画マニュアルなどを組み合わせて活用することで、教育効果をより高めることができます。

例えば、事前に座学で製品知識や安全基準などの基本概念や業務の全体像を学んでからOJTを行うと、新人社員はなぜこの作業をするのかを理解したうえでOJTを受けられます。

逆に、OJT中に理解不足が見つかった場合には、ピンポイントで座学や動画を活用すると、不足している知識やスキルを補うことも可能です。このようにOJTに他の手法を掛け合わせることで、知識と実践のギャップを効果的に埋め、よりスピーディーに質の高い人材を育成できます。

複数の教育手法を組み合わせる場合には、各手法の役割分担を明確にしておくことが大切です。あらかじめAの内容は座学、Bの部分はOJTで補完などと整理しておくと、新人も混乱なく学習を進められるでしょう。

製造現場にはOJTだけでなく、他の教育手法も併用すると効果的

製造業における人材育成では、現場での実践力を養えるOJTが有効です。しかし、OJTだけではなく、Off-JTやeラーニングなどの教育手法を併用することで、より高い育成効果が期待できます。

また、近年の製造現場には、外国人技能実習生やデジタルネイティブの若手など、多様な人材が増えています。一人ひとりに合った学び方を提供するためにも、いつでもどこでも学べる環境を設けると効果的です。

そこでおすすめなのが、動画マニュアルの活用です。複雑な手順や細かい作業のポイントを視覚的に伝えられる動画は、誰が見ても同じ品質で学べるツールとして非常に効果的です。繰り返し視聴できるため、指導のばらつきや属人化の解消にもつながります。

動画マニュアルの作成には、カミナシ 教育がおすすめです。カミナシ 教育は、作業風景を動画で撮影しアップロードするだけで、自動で多言語の字幕(テロップ)作成や音声読み上げが可能です。受講者の閲覧履歴も確認できるので、教育記録としても活用できます。

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執筆者:現場と人 編集部

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