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公開日 2025.02 .07

更新日 2025.10.23

現場DXとは?製造業での事例や反対派の意見を考慮した推進方法を紹介

現場DXとは?製造業での事例や反対派の意見を考慮した推進方法を紹介

現場DXは、人手不足の解消や業務効率化を進めるために有効な手段の一つです。各業界の注目度も高く、食品製造業や機械製造業などでDXを推進する動きも見られています。

しかし、現場DXの目的や効果、自分たちの業務にどう活かせるのか、具体的な導入ステップがわからず悩んでいる方も多いと思われます。

そこで本記事では、現場DXの定義や目的、必要とされている背景や成功事例を解説します。DX化に消極的な現場の声も考慮した上で業務効率化を進めたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

現場DXとは?

現場DX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)とは、食品・機械製造業や建設現場、宿泊・ホテル、運輸・物流業界などの現場で働く仕事・各業務を、データやデジタル技術などを用いて、製品・サービス、ビジネスモデルを変革し、将来の成長と競争上の優位性を確立することです。

現場DXでは、単に人が行っている業務や使っている物をデジタル化するのではなく、業務を改善したり、新しいサービスを生み出したりし、顧客の満足度向上に繋がるような成長や優位性を確立するのがポイントです。結果的に顧客満足度が向上し、業界全体の成長につなげられます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)をいきなり実現するのは、難しく「デジタイゼーション」や「デジタライゼーション」という2つのステップを踏んでから、ようやく成り立つものです。

ステップ

デジタル化の流れ

意味

1

デジタイゼーション

特定業務のデジタル化

紙で記録していたものをスマホやタブレットで記録し、データとして保管する

2

デジタライゼーション

業務プロセスのデジタル化

記録したデータを複数部門で共有・可視化し、需要予測やリソースの最適化を行う

3

デジタルトランスフォーメーション(DX)

IT活用による競争上の郵政確立

受注データなどから生産予測・納品予定の測定を自動で行い、お客様への納品スピードや質を向上させる

デジタイゼーションやデジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションの意味と具体例

現場DXを検討している企業は、まず特定業務のデジタル化を進め、業務効率化を図ることから考えてみましょう。

現場DXの例

現場DXは、各業界ごとに対象となる工程は様々です。各業界で対象となるものと、具体例を紹介します。

業界

現場DXの対象

現場DX化の方法例

食品製造業

・紙帳票での温度管理
・人による計量や盛り付け作業

・タブレットやスマホでの記録
・自動計測
・ロボットによる計量と盛り付け

機械製造業

・手作業による組み立て
・紙に記録した数値をパソコンへの転記

・ロボットによる自動組み立て
・現場で取った記録を自動集計し、レポート化

ホテル・宿泊業

・人による客室の清掃
・紙帳票での清掃記録
・フロントでの接客対応

・清掃ロボットの導入
・チェックリストの電子化
・タブレットによるセルフチェックインシステム

運輸・物流業

・人による荷下ろし作業
・出発、帰社時の点検

・荷下ろしロボットの導入
・タブレットやスマホでの記録

現場DXの初期段階では、報告書やマニュアルの電子化など、簡単なものから始めるのがおすすめです。

現場DXが必要な背景

現場DXは、各業界で業務効率化や顧客満足度の向上に貢献しますが、必要となった背景としては以下の3つが挙げられます。

  • 人手不足を解消するために業務効率化が必要なため

  • 属人化をなくし、誰でもできる環境を作るため

  • 業務プロセスを可視化し、生産性向上やミスの防止につなげるため

現場の従業員から理解を得たうえでDXを推進するためにも、DXの必要性や効果を理解しておくことは重要です。

人手不足を解消するために業務効率化が必要なため

DXの導入が必要な理由は、現場の人手不足を解消するために、業務効率化が求められているからです。

統計局が行った「労働力調査」によると、2020〜2022年における15〜64歳の労働力人口は減少傾向にあります。

 

2020年

2021年

2022年

2023年

労働力人口
(15〜64歳)

5,984万人

5,981万人

5,975万人

5,995万人

参考:労働力調査 2023年丨統計局

15〜64歳の労働力人口は、一時的に2023年に約20万人増加していますが、今後日本の15〜64歳の人口が年々減っていくことが内閣府の「令和6年版 高齢社会白書」で予測されているので、それに伴い労働力人口の減少も考えられます。結果として、現場の人手不足はますます進んでいくでしょう。

労働人口の減少する中で採用活動は、より困難になります。そのため、既にある労働力(既存の従業員)の業務効率化で、労働力を補うことが必然となってきます。

現場DXを推進することで、既存従業員がメイン業務以外で時間を掛けてしまっている、在庫管理や設備点検などの時間を削減できます。その結果、本来やるべき業務にきちんと向き合う時間が増え、製品・サービスの品質向上につながります。

人手不足・労働力不足を解消するには、新たな人材の採用はもちろんですが、製品・サービスの特徴を理解している既存従業員の労働時間を効率的に活用することが大切です。

属人化をなくし、誰でもできる環境を作るため

業務が属人化されると、作業の手順や進捗を特定の従業員しか把握できなくなり、トラブルの原因にもなります。そういった場合は、マニュアルを電子化や動画化し、いつでも誰でも見れるようにして、作業内容が統一や一定水準における製品・サービスの提供ができるような仕組みを作ることが、一つの解決策になるかもしれません。

たとえば、業務マニュアルをデータで共有すると、誰でもいつでも見られるようになるため、誰かに聞いたり、都度調べたりする必要がなくなるため、業務効率が上がります。データで共有しているので、変更点があった際に掲示物を張り替えたり、紙を印刷して配布し直したりしなくても、手元のデータを更新するだけで周知できる点もメリットになります。

業務プロセスを可視化し、生産性向上やミスの防止につなげるため

工場長や品質管理、生産管理を担当している方にとって、生産性向上やミスの防止は常に考え、取り組んでいることだと思います。

生産管理やミスの防止にも、ITやデジタル技術は活用できます。今までの感覚や記憶を頼りにしていた業務プロセスが可視化することが、生産性向上やミスの防止にも寄与します。

たとえば、同じ作業を繰り返していると、その過程で無駄なプロセスが発生していることに気づきにくことがあります。無駄を省いて生産性を上げるためには、業務の流れを見える化し、作業工程における課題や改善点を見つけなければなりません。

業務内容を整理し、業務フローを作成する際にデジタル技術を活用すると、業務プロセスを簡単に見える化できるため、無駄な作業や問題点を発見しやすくなります。また、業務全体を俯瞰して見ることで、ミスが起こりやすい工程を予測し現場での事故を防げるでしょう。

ITやデジタル技術の活用によって業務プロセスが可視化されると、作業の無駄が省かれ生産性が向上するのはもちろん、ミスを防止にもつながり、現場の事故も防げるため、従業員の安全も確保できます。

現場DXの基本的な進め方

現場DXを成功させるためには、計画的かつ段階的なアプローチが不可欠です。

ここでは、現場DXを推進するための基本的な3つのステップを紹介します。

1. 現状把握

最初のステップは、現場の業務プロセスを解像度高く理解することです。

日々の業務フローや作業手順を1つひとつ丁寧に可視化し、どこに非効率な点や属人化している業務が潜んでいるのか、ミスや遅延が発生しやすい箇所はどこかを特定します。

この際、現場の担当者や管理者へのヒアリングが極めて重要です。

現場スタッフが日常業務で直面している具体的な課題や、「こうなればもっと良くなる」といった改善への要望を吸い上げることで、DX化の真の目的と取り組むべき優先順位が明確になります。

的確な現状把握こそが、現場DXの成功に向けた羅針盤となるのです。

2. 推進体制づくり

次に、現場DXを一過性の取り組みで終わらせないための推進体制を構築します。

DXの推進には、現場の知見を持つスタッフ、ITの専門知識を持つ部門、そして経営判断を下す経営層の三者を巻き込んだ、部門横断的なチームの組成が理想的です。

チーム内でそれぞれの役割分担や、意思決定のプロセスを明確に定めておきましょう。

特に現場スタッフの意見がプロジェクトに反映される仕組みを設けることが重要です。現場の当事者意識を高めて、導入時の抵抗感や混乱を最小限に抑えることにつながります。全社的な一体感を持ってDXを進めるための、基盤となるステップです。

3. ソリューション選定

洗い出した課題を解決するためのデジタルツールやシステムの選定です。

この際に重要なのは、最新技術を追求するのではなく、自社の現場課題や業務フローに本当に適したものを見極めることです。

複数のソリューションを比較し、機能、導入コスト、サポート体制などを多角的に評価します。将来の事業拡大や変化への対応力、既存システムとの連携性も重要な判断基準となります。

現場の課題解決に直結し、長期的に活用できるソリューションを選ぶことが、投資対効果を最大化するポイントです。

4. 運用ルールの共有

導入したソリューションを効果的に活用するには、運用ルールと業務フローを明文化し、関係者全員への周知徹底が大切です。

具体的には、入力方法、エラー発生時の対応手順、データ管理のルールなどを現場目線で詳細に定めます。新しいツールや業務手順については、研修の実施やマニュアル作成を通じて、現場メンバーに丁寧な教育を行います。

これらの取り組みによって現場での混乱やミスを防ぎ、スムーズな運用を実現できるでしょう。

現場DXにおいて反対派の意見を考慮した推進方法

現場DXは、業務に大きな変化をもたらす取り組みであるため、導入に反対する方もいる場合があります。

そのため、現場DXを推進する際は以下のポイントを押さえ、反対派の意見を考慮しながら少しずつ推進することが大切です。 

  1. 今までのやり方と形式は変えずに、使うものだけをデジタル化する

  2. 現場で働く従業員の声を反映させながら、DX化を進める

  3. 導入するツールや機器は、使いやすいもので自分たちだけで使いこなせるものにする

1.今までのやり方と形式は変えずに、使うものだけをデジタル化する

現場DXを推進するときのポイントは、今までの形式は変えずに、まずは使う道具だけをデジタル化することです。

一般的に、人は新しく覚えるものに不安や抵抗感を抱えやすい傾向にあります。そのため、反対派の意見も考慮しながら現場DXを進めるには、使う道具から徐々に慣れることが大切です。

たとえば、在庫管理や設備点検で使用している紙のチェックリストを、同じよう様式のまま紙からタブレット・スマホを使った記録方法に変えてみるのもDX化の第一歩です。記入内容を変えなければ、使う道具が変わるだけなので従業員にとってのハードルも下がります。

いきなりDX化やデジタル化を進めると嫌悪感を抱く方もいるので、丁寧に説明をして、徐々にやり方を変えていくことが大切です。

2.現場で働く従業員の声を反映させながら、DX化を進める

DX化を進めるためには、実際に運用する従業員の声を反映させることも大切です。

そもそも多くの従業員は、DXの目的が理解できないために反対している可能性があります。DX化を推進するときは、まず従業員に向けて現場DXの目的やメリットを丁寧に伝え、理解を得るように心がけましょう。

また、現場DXを導入した後は、従業員がわからないことが出てきたときや困ったときにすぐ解決できる体制を整えておくことも重要です。

経営層や管理者だけの意思でDX化を決定し、運用の支援をしないのは失敗の典型例です。新しく導入したシステムやツールについて、いつでも質問できる環境作りをし、使いにくいものは現場の声を取り入れ改善していくと、従業員も安心して運用できます。

3.導入するツールや機器は、自分たちだけで使いこなせるものにする

現場DXで導入するツールや機器は、自分たちだけでも使いこなせるものにしましょう。さらには、特定の従業員のみが使えるのではなく、全ての人が使えるツールや機器を選ぶのがポイントです。

従業員の多くは、新しいツールや機器の導入に不安を感じるものです。それらが使いにくかったり、問題をすぐに解決できなかったりすると、思うようにDX化が進みにくくなります。

また、企業によっては従業員の高齢化が進み、最新機器やツールを現場でうまく使いこなせない可能性もあります。そこで、現場の従業員が簡単に使えるよう、操作性の良いツールや機器を導入しましょう。

たとえば、直感的に操作できることや、少ない工数で業務が完了するかなどは、ツールや機器選定の際に重要なポイントです。ツールを選ぶ際は、下記のようなサポート体制が整っているかもチェックしてみてください。

  • 現場の状況に合わせてツールをカスタマイズできるか

  • 問題発生時にすばやく対応してくれるか

  • オンライン・電話対応を実施しているか

  • 無料トライアルはあるか

導入するツールや機器を自分たちだけで使いこなせると、現場での混乱を防ぎスムーズにDX化を推進できます。

現場DXで活用される主なソリューション

現場DXを実現するためには、多種多様なデジタル技術が活用されています。

ここでは、その代表的なソリューションを見ていきましょう。

ドローン

危険な場所や広範囲の空撮・測量・点検

安全性の向上、時間短縮、人的コストの削減

AI解析

画像やデータから異常検知・外観検査・需要予測

品質の安定、業務の自動化、属人化の解消

クラウドカメラ

現場の状況を遠隔地からリアルタイムで確認・録画

複数拠点の同時管理、移動時間の削減、情報共有の迅速化

MR(複合現実)

現実空間に作業指示や図面などのデジタル情報を表示

作業ミスの防止、新人教育の効率化、遠隔での作業支援

施工管理アプリ

現場の進捗・写真・日報などをスマホで一元管理

ペーパーレス化、報告業務の効率化、関係者間の情報共有の円滑化

RFID/IoTデバイス

モノや設備に付けたタグ・センサーで情報を自動取得

在庫管理の自動化、設備稼働状況の可視化、紛失・盗難防止

ICT建機

GPSやセンサーで建設機械の操作を自動化・遠隔操作

施工精度の向上、作業員の負担軽減、省人化の実現

ドローン

ドローンは、遠隔操作や自動航行により無人飛行が可能な小型航空機です。

現場全体の空撮による進捗記録や測量作業の自動化などに活用されています。

従来は人手で行っていた危険箇所の点検や広範囲の測量も、ドローンを使えば短時間で安全に実施できるでしょう。そのため、建設・土木・インフラ点検の現場で導入が急速に進んでいます。

作業記録の効率化、工程管理の精度向上、品質向上、そして作業員の安全確保に貢献するソリューションです。

AI解析

AI解析は、人工知能を活用して大量のデータや画像を自動で分析・認識する技術です。

画像認識による検査工程の自動化や、データ分析による設備の異常検知など、現場の品質管理とトラブル予防に貢献します。

具体的な活用例として、製造ラインでの不良品リアルタイム検知や、過去データに基づく作業進捗の予測などがあり、その応用範囲は多岐にわたります。

大量データを根拠とした効率的な業務改善や、熟練者の経験といった属人的なノウハウの継承を可能にする技術です。

クラウドカメラ

クラウドカメラは、現場の映像をインターネット経由でリアルタイムに確認・管理できるカメラシステムです。

遠隔地からでも現場の状況を正確に把握できるため、安全管理や工程確認、遠隔での現場立ち会いなどが可能になり、現場とオフィス間の情報共有を大幅に効率化します。

また、録画された映像は作業履歴として保存されるため、万が一トラブルが発生した際の証跡管理にも活用されています。

MR(複合現実)

MR(複合現実)は、現実の空間にデジタル情報を重ねて表示して、作業現場と仮想空間を融合させる技術です。

作業者の目の前に作業手順をナビゲーション表示したり、遠隔地にいる熟練者からのリモート支援を受けたりといった活用が進んでいます。

設計図やマニュアルを現実の機器に重ねて見ることで、作業ミスの防止や新人教育の効率向上も期待でき、建設業や製造業など、専門知識が必要な現場で活用が広がっています。MR(複合現実)は、現実の空間にデジタル情報を重ねて表示して、作業現場と仮想空間を融合させる技術です。

作業者の目の前に作業手順をナビゲーション表示したり、遠隔地にいる熟練者からのリモート支援を受けたりといった活用が進んでいます。

設計図やマニュアルを現実の機器に重ねて見ることで、作業ミスの防止や新人教育の効率向上も期待でき、建設業や製造業などの専門知識が必要な現場で活用が広がっています。

施工管理アプリ

施工管理アプリは、工事や製造現場の進捗、作業内容、写真、日報などをスマートフォンやタブレットで一元管理できるモバイルアプリケーションです。

例えば、現場で撮影した施工写真にコメントを付けてその場でアップロードする機能や、検査結果をチェックリスト形式で入力して即座に本社に送信する機能があります。従来の手書き日報や紙ベースの報告書作成が不要になり、現場作業員の事務作業時間を大幅に短縮できます。

また、本社からの作業指示変更や図面修正も、リアルタイムで現場の端末に配信されるため、情報の伝達ミスや作業の手戻りを防止可能です。

RFID/IoTデバイス

RFID/IoTデバイスは、無線通信を使って物品や設備の情報を自動的に取得・記録できる電子タグやセンサー機器の総称です。

RFIDタグや各種IoTセンサーにより、物品・設備・工程の情報をリアルタイムで一元管理できます。

具体的な活用例として、資材や工具にRFIDタグを取り付けることで所在位置を瞬時に把握したり、設備にセンサーを設置して稼働状況をモニタリングしたりする用途があります。

また、機械の振動や温度データから不具合の予兆を検知することも可能です。

データ活用によって現場作業の効率化、人的ミスの防止、無駄なコストの削減を実現します。

ICT建機

ICT建機は、ICT(情報通信技術)を活用して自動化や遠隔操作ができる建設機械のことです。

GPS、センサー、ICT技術を搭載することで、自動運転、作業データの取得、遠隔操作を実現します。

具体例として、ブルドーザーが設計図面通りに自動で整地作業を行ったり、危険区域で作業する油圧ショベルを安全な場所から遠隔操作したりすることが可能です。また、作業中の機械の稼働状況や燃料消費量なども自動記録されます。

これらの技術により施工精度が向上し、作業員の身体的負担軽減と安全性確保が図られています。

費用対効果を高めつつ、現場DXを推進&業務効率化した事例

ここからは、現場DXを推進することで、費用対効果を高めつつ業務効率化に成功した企業の取り組みを3つ紹介します。

【自動車部品の製造】タブレットによる紙の帳票のデジタル化で、全体で8割の紙を削減

株式会社ジェイテクトエレクトロニクスは、紙帳票のデジタル化で業務効率化や大幅な紙の削減に成功しています。同社では導入以前から、全社でDX化を推進しており、生産部門でも業務効率化を図る施策を検討していました。

そこでまず初めに着手したのが、製造工程の点検や記録に利用していた紙帳票のデジタル化です。従来、工場では紙帳票を使っていましたが、紙の印刷や掲示、回収などに大きな手間がかかる点を問題視していました。

また環境面を考え、紙を削減する必要があり、タブレットによる紙帳票のデジタル化が進めていくことになりました。

紙帳票のデジタル化によって得られた成果は、主に以下2つです。

  • 紙の印刷から保管までの工程が半分以下に省略された

  • 紙帳票を保管するファイルの中から必要な帳票を探す手間がなくなった

現場DXを導入した効果は高く、今では当初想定していた10倍もの費用対効果が見込まれています。詳細は以下の記事で解説しています。

自動車部品などの製造工程にカミナシを導入し、従業員の業務負担を軽減

【自動車部品の製造】品質管理の作業はタブレットを移行し、逸脱の発見がリアルタイムに把握可能に

株式会社太洋工作所では、タブレットを使った品質管理によって、異常や逸脱をリアルタイムで発見できるようになりました。同社では自動車をはじめ、さまざまな分野の事業に製品(機械部品など)を提供しており、常に高度なレベルの品質管理が求められています。

しかし、製造工程では紙帳票を使っていたため、記録や転記などに多大な時間を費やし、品質管理に専念できない場面が多々ありました。そんな中、QCサークル活動(品質管理の改善に向けた取り組み)で提案されたのが、紙帳票のペーパーレス化です。

紙帳票による品質管理の作業をタブレットに移行することで、下記の成果を得られました。

  • 記録作業をスムーズに行える

  • 取引先の企業からデータ提出を求められた際、迅速に対応できる

  • リアルタイムで品質管理の異常や逸脱を把握し、早期発見・対応が可能

そのほか、デジタル帳票やマニュアルに画像を組み込んで業務の標準化を実現し、高レベルの品質を維持しています。詳細は以下の記事で解説しています。

世界的自動車メーカー・テクノロジー企業に製品を供給する老舗めっき加工会社がカミナシを活用

【産業用機械の製造】設備点検のペーパーレス化で、年間400時間の工数削減へ

産業用乾燥機などを製造する中央技建工業株式会社では、設備点検のペーパーレス化で年間400時間の工数削減に成功しています。

同社ではSDGsの取り組みに注力しており、2030年までの社内完全ペーパーレス化を掲げています。しかし、現場をはじめとする社内には数多くの紙帳票があり、検査基準にばらつきが生じる課題を抱えていました。

そこで、さまざまなデジタルツールを導入して社内のペーパーレス化を図っていきました。その一つが、設備点検業務のペーパーレス化です。

現場DXを推進した結果、以下のような成果を得られました。

  • 紙帳票の印刷や提出が不要

  • 検査結果を写真撮影して報告が可能

  • 属人的な業務がなくなり検査のばらつきが解消

導入当初、多くの従業員はDX化に反対していましたが、DXの利便性に気づいてからは一気に定着しました。今後も同社では、現場DXを推進して社内完全ペーパーレス化を実現する予定です。詳細は以下の資料で記事しています。

2030年を見据えたペーパーレス化と従業員の意識改革を推進

現場DXを推進し、人手不足解消や業務効率化へ

現場DXは、人手不足の解消や業務効率化を進める有効な手段の一つです。

ただし、業務に大きな変化をもたらすため、従業員からの反対意見もあるでしょう。反対派の意見を考慮しながら現場DXを推進するためには、まず使うものだけをデジタル化するのがポイント。

現場で働く従業員の声を反映させながら、すぐに不安や疑問を解消できる環境を整備することが、DX化を成功させるコツです。現場DXをうまく導入できると、本記事で紹介した成功事例のように、費用対効果を高めつつ業務効率化を図れます。

本記事を参考に、現場の実態に合ったDX化を進めて製品・サービスの質を高めていきましょう。

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執筆者:鎌田 大輝

食品や飲料、機械製造業に関するテーマの記事執筆・編集を多く担当。公式情報に基づいた、誰でもわかりやすい表現での情報発信を心がける。

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