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公開日 2025.06 .19

更新日 2025.06.19

生産管理システムとは?デメリットや失敗しない選び方、導入までの流れをわかりやすく解説 

生産管理システムとは?デメリットや失敗しない選び方、導入までの流れをわかりやすく解説

製造現場では、生産の進捗や在庫状況を正確に把握することが求められます。しかし、多くの中小製造業では今もExcelや紙で管理しており、属人化や情報共有の遅れなどの課題を抱えています。その結果、在庫数の誤差や納期遅れなどの問題が生じているのが現状です。

手作業の運用による管理の課題を解決する手段として有効なのが、生産管理システムです。システムの導入により受注状況や在庫数、納期情報などをリアルタイムかつ一元的に管理でき、作業時間の短縮や入力ミスの削減につながります。

本記事では、生産管理システムの基本的な仕組みから導入のメリット、システム選定時の注意点まで詳しく解説します。

目次

生産管理システムとは

生産管理システムとは、製造業における受注や在庫、工程、納期などの情報を一元的に管理するためのツールです。

従来のExcelや紙による管理では作業ごとに手間がかかり、入力ミスや情報の属人化、作業品質のばらつきなどの問題が挙げられています。

しかし生産管理システムの導入により、業務の分断や情報の属人化を防ぎ、情報の更新や現場全体の状況の共有がリアルタイムで可視化できます。その結果、部門間での連携がスムーズになり、ヒューマンエラーの削減や業務の標準化が進み、製品の品質や納期の安定にもつながります。

生産管理システムの機能一覧

製造業の生産管理システムには、受注から出荷までの各工程を支援する複数の機能があります。製造業で用いられる生産管理システムは主に受注管理や生産計画管理、工程進捗管理などの機能を搭載しています。主に搭載されている機能とその詳細、解決できる問題を以下にまとめました。

生産管理システムの機能

概要

解決できる問題

受注管理

顧客からの受注情報を一元に管理し、生産計画や在庫、納期と連携する

・受注漏れ
・材料の手配ミス
・納期遅延

生産計画管理

受注状況や在庫、納期をもとに作業スケジュールを立てる

・製品数の過不足
・人員配置ミス
・納期遅延

工程進捗管理

各作業の進捗状況を可視化し、遅延やボトルネックを把握する

・人員配置ミス
・工程遅れの見落とし

原価管理

材料や製品、ロットから原価を集計し分析する

・コストの見積超過
・利益率の不透明化

購買管理

必要な部品や資材を、適切なタイミングで適正量を発注する

・発注漏れ
・過剰在庫

出荷管理

出荷スケジュールと配送状況を管理し、受注と整合性を取る

・出荷漏れ
・納品の遅延
・配送ミス

自社の業務と合わないシステムを選ぶと、期待していた導入効果が得られず、業務効率化や情報の可視化といった根本的な課題解決につながらないおそれがあります。そのため、システム導入前には、自社の業務上の課題を明確に洗い出し、システムに求める機能が一致しているのかを明確にしておきましょう。

生産管理システムを導入するメリット

製造業で生産管理システムを導入する主なメリットは、以下の3点です。メリットを自社で活かせるかも導入の際は検討しておくことが重要です。

  •  業務の効率化

  •  コスト削減

  •  リードタイムや納期の短縮

業務の効率化につながる

Excelや紙での管理は、転記や集計に時間がかかり、入力ミスも発生しやすいのが難点です。

一方で生産管理システムを導入することで、在庫の自動更新や入出庫履歴の記録などを自動化できるため、人の手による入力ミスを削減できます。その結果、入力ミスによる修正対応や確認作業にかかっていた時間を削減でき、業務全体の効率化につながります。

コスト削減につながる

在庫管理や購買管理の機能を搭載する生産管理システムを導入することで、部品や原材料の在庫数をリアルタイムで把握できます。これにより、必要以上の仕入れを防ぎ、在庫コストの適正化が可能です。

属人的な管理では、余剰在庫や発注ミスが発生しやすく、万が一ミスが発生した場合、時間や費用の面でロスが起こります。生産管理システムの導入すると、需要予測や自動発注機能により、必要なタイミングで適切な量を発注できるようにるため、在庫管理のミスが削減できます。

さらに、不要な在庫の保管コストや劣化や賞味期限切れによる廃棄ロスが減るため、在庫の回転率が向上し、全体的なコスト削減も期待できます。

リードタイムや納期の短縮につながる

生産管理システムは、製造工程の進捗をリアルタイムで可視化できるため、リードタイムや納期の短縮にもつながります。

従来の手作業による管理は、進捗状況の確認に時間がかかり、納期の遅延やトラブルへの対応が遅れることが課題でした。特に責任者が現場を離れている場合、状況把握にさらに時間を要するおそれがあります。

生産管理システムの活用で、現場にいなくても工程ごとの進捗状況やトラブルを即座に把握できるため、異常があれば迅速な対応が可能です。その結果、工程間の調整にかかるロスや待ち時間が減り、製造全体のリードタイム短縮と計画通りの納品が実現します。

生産管理システムを導入するデメリット

生産管理システムを導入する際は、以下2点のデメリットがあります。

  • 費用がかかる

  • 運用できるまで時間がかかる

費用がかかる

生産管理システムの導入において、初期費用や維持費などのコスト負担がデメリットの一つです。

特に自社の資金力に見合わないシステムを導入すると、効果を実感する前にコストが膨らみ、経営を圧迫するリスクがあります。さらに、導入後に機能追加やカスタマイズが必要になれば、追加費用が発生する可能性もあるため注意が必要です。

生産管理システムは3つの形態(オンプレミス型とクラウド型、パッケージ型)に分けられ各相場は、以下のようになっています。

  • オンプレミス型:約200万円

  • クラウド型:約50万円

  • パッケージ型:約400万円

導入形態によって費用は異なりますが、導入や運用コストがネックとなります。そのため、事前に料金体系を確認し、費用対効果を見積もることが重要です。

なお、中小企業向けのIT導入補助金をはじめとする制度を利用できる場合もあります。金銭的な不安がある場合は、制度の活用も視野に入れると良いでしょう。

運用できるまで時間がかかる

生産管理システムは導入直後に効果が出るわけではなく、現場に定着するまで一定の時間を要します。本格運用には、次のような工程を完了させる必要があります。

  • システム選定と自社に合った設定

  • 操作方法の習得

  • マニュアル整備

企業の規模や体制によっては、成果が見えるまでに運用後1年から数年以上かかるケースも珍しくありません。システムの定着に時間がかかると導入効果を実感できず、投資の意義が曖昧になり、プロジェクト自体が失速する可能性もあります。

そのため、一部の工程から導入を始めるのがおすすめです。まずはわずかでもいいので早期に導入効果を実感し、活用幅を広げていきましょう。

さらに、ベンダーのサポートを受けながら、段階的に運用範囲を広げていくことでトラブルを抑えつつ、定着までの期間も短縮できるでしょう。

生産管理システムの失敗しない選び方

導入後のミスマッチを防ぐために、自社に合った生産管理システムの選び方を理解することが重要です。失敗を避けるには、次の5点を導入前にチェックしましょう。

  • 自社の生産形態にシステムが適応可能か

  • 本当に必要な機能は備わっているか

  • システムの提供形態がクラウド型/オンプレミス型か

  • サポート体制は整っているか

  • 使いやすい生産管理システムか

上記の選び方を参考に、自社の課題に合ったシステムを見つけ、ムダなコストや導入後のトラブル発生を未然に防ぎましょう。

自社の生産形態にシステムが適応可能か

自社に合わないシステムを導入すると業務に活用できず、従来の管理へ逆戻りしてしまうおそれがあります。生産管理システムを選ぶ際は、自社の生産形態に適合しているかを必ず確認しましょう。

製造業では、以下のような生産形態の種類があり、それぞれに適した機能要件は企業によって異なります。

  • ライン生産

  • ロット生産

  • 個別生産

  • セル生産

例えば、少量多品種を扱う個別生産の企業が量産向けのシステムを導入した場合、工程や在庫を適切に管理できず、現場に定着しない可能性があります。さらに、導入後にカスタマイズが必要になると、想定外のコストや教育工数が発生する可能性も否定できません。

このようなリスクを避けるためには、自社の生産方式を明確に把握してからそれに合ったシステムを選ぶことをおすすめします。

本当に必要な機能は備わっているか

生産管理システムを導入する際には、自社にとって本当に必要な機能が備わっているかを確認することが不可欠です。

機能が豊富なシステムを選べば一見安心かと思えますが、自社にとって不要な機能が多いと操作が複雑になり、現場の負担や導入コストが増大するおそれがあります。

例えば、在庫状況の把握が課題であれば、在庫管理機能が充実しているシステムがおすすめです。在庫数の自動カウントや入出庫の履歴を記録する機能、指定の在庫数を下回った際にアラートで通知する機能などがあれば、過不足の防止につながります。

自社の課題とシステムの機能が一致していれば、操作性や定着率も高まるため、導入効果を最大限に引き出せます。

システムの提供形態がクラウド型/オンプレミス型か

生産管理システムの提供形態は、クラウド型とオンプレミス型に大別されます。それぞれ導入費用やカスタマイズ性などに違いがあるため、自社の環境に適した形態を選ぶことが重要です。

提供形態

主なメリット

主なデメリット

金額の目安

システム例

クラウド型

・初期費用を抑えて月額利用可
・サーバーが不要
・導入までが早い
・サーバー障害リスクが低い

・カスタマイズが難しい
・通信が不安定になる可能性がある
・セキュリティ管理は自社で完結できない

月額約5万円

鉄人くん、生産管理システム777クラウドなど

オンプレミス型

・セキュリティや通信速度が安定
・柔軟にカスタマイズ可能

・初期費用が高額
・サーバー設置スペースが必要

100万円以上

生産管理システムi-PROW、TONOPS®生産管理システムなど

システムの提供形態(クラウド型/オンプレミス型)の比較

工場のネットワークが不安定であればオンプレミス型を、IT人材やサーバー設備がなければクラウド型を選ぶことをおすすめします。以上の条件をもとに、自社に最適な提供形態を見極めてください。

サポート体制は整っているか

生産管理システムを導入する際は、ベンダーによるサポート体制の有無を必ず確認しましょう。運用中はエラーの発生や設定方法がわからず稼働できないなどの、予期せぬトラブルが起きる場合もあります。

社内にIT専任者がいない企業では自力での対応が難しく、業務停止につながるおそれがあります。そのため、導入から運用までを支援するサポートがあると、ミスやトラブルが起きても影響を最小限に抑えられるでしょう。

ただし、サービスによって対応時間が営業時間内に限定されていたり、追加費用が発生したりする場合があります。サポート範囲や対応時間、追加料金の有無などを事前に比較し、自社にとって安心して使用できるシステムを選定しましょう。

使いやすい生産管理システムか

導入する生産管理システムが、現場が日常業務で無理なく使えるかも必ず確認しましょう。

操作が複雑なシステムでは、担当者が使いこなせず運用が定着しないおそれがあります。その結果、導入の目的である業務効率化や費用対効果の向上も期待できません。

導入前にトライアルを実施し、画面の見やすさやボタン配置など操作性が良いシステムを選定すると、担当者の負担を抑えながらスムーズに運用を始められます。

また、システムを主に使用する担当者にも試用してもらい、使用感や意見を確認した上で本格導入を判断すると、導入後のミスマッチやトラブルを防ぎやすくなります。

生産管理システムの導入の流れ4ステップ

生産管理システムを導入するには、段階的な準備と計画的な運用が不可欠です。一般的には、以下の4ステップでシステムの導入を進めます。

  1. 自社の課題を洗い出し、導入目的を明確にする

  2. プロジェクト化する

  3. 試験運用する

  4. 導入後に定期的な効果を確認する

システム導入までの流れを事前に把握しておくことで、導入時の社内の混乱を防ぎ、スムーズな運用開始につなげられます。4ステップに従い、導入を進めていきましょう。

1.自社の課題を洗い出し、導入目的を明確にする

自社の課題を最初に明確にしておくと、生産管理システムに必要な機能や体制が具体化し、導入効果も得やすくなります。

反対に、課題が不明瞭なままシステムを導入すると、導入自体が目的化してしまう可能性があります。本来解決すべき問題が放置され、結果的に高コストなだけの形骸化したシステムになるおそれがあるため、事前に自社の課題と導入目的を明確にしましょう。

2.プロジェクト化する

生産管理システムの導入は、特定の部署だけで進めるのではなく、全社的なプロジェクトとして推進するのが理想的です。

一部の部門に限定した導入では、使用者が限られたり部門ごとに異なる運用ルールが発生したりするため、社内での混乱や非効率を招きやすくなります。

プロジェクト化を成功させるポイントは、経営層や現場リーダー担当者で目的と要件を共有し、予算確保や協力体制を整えることです。結果、必要な機能や運用ルールを全社で統一でき、導入後の不満や反発を防ぐ効果も期待できます。

全社のプロジェクトとして進めることで、現場の納得感とシステムの定着率も高まりやすくなります。

3.試験運用する

最初から全社展開するのではなく、まずは一部の部門や関係者に限定して運用し、実際の操作性や業務との適合度を検証しましょう。

本格導入の前に試験運用を行うと、事前にシステムの性能や操作方法を把握できるため、導入後も操作ミスや作業手順の変更に伴う混乱など、業務が停滞するリスクを最小限に抑えられます。

また、試験運用で見つかった課題を改善した上で本番に移行すると、システムが現場にスムーズに定着し、業務効率の向上が見込めます。

4.導入後に定期的な効果を確認する

生産管理システムの導入はゴールではなく、効果を得るための通過点です。導入後に効果を定期的に確認し、継続的な改善を重ねることで導入効果を引き出しましょう。

本格的に運用を始めると、入力の手間がかかることや必要な情報が探しにくいなど、当初に想定していなかった課題が明らかになることがあります。その都度、システムや運用方法を見直すことで定着率や使い勝手が向上し、業務効率も高まります。

作業時間を月10時間削減する、在庫コストを20%減らすなど、具体的な数値目標を事前に定めておくと、成果を客観的に測定しやすくなります。

生産管理システムを導入する際の注意点

生産管理システムの導入の際には、以下の2点に注意が必要です。

  • 現場の理解を得る

  • 生産管理システムにかける予算を立てる

注意点を事前に理解しておくと、導入後の社内の反発や想定外のコスト発生などのリスクを軽減でき、より効果的かつ計画的に導入を進められます。本章を参考に、注意点を確認しながら導入準備を進めましょう。

現場の理解を得る

生産管理システムを定着させるには、導入前に現場の理解と納得を得ることが欠かせません。 現場の同意がないまま導入を進めると、準備作業が負担になったり、操作法がわからず不満が生じたりして、システムが形骸化するおそれがあります。

このようなトラブルを防ぐには、導入目的とメリットを丁寧に説明し、現場の納得を得てから進めることが大切です。さらに、マニュアルの整備や段階的な運用開始を併用することで、現場の負担を抑えつつ無理なくシステムを定着させられます。

生産管理システムにかける予算を立てる

生産管理システムを導入する際は、費用対効果を考慮し、現実的な予算を立てることが不可欠です。

システムの規模によっては初期費用が数百万円、さらに毎月の利用料やサポート費用が発生するケースもあります。予算を定めずに導入すると、効果が出る前に資金が枯渇し赤字に陥る可能性があります。

こうした事態を避けるには、作業時間を月20時間削減、在庫コストを10%削減といった定量的な目標を先に設定し、必要な投資額を逆算することが大切です。導入後に十分な成果を得るために、無理のない予算を事前に見積もっておきましょう。

自社に合った生産管理システムで生産率をアップさせよう

生産管理システムは、生産効率の向上や作業の標準化、属人化の解消に貢献します。効果を最大限に引き出すには、自社の生産形態や抱えている課題に合ったシステムを選ぶことが不可欠です。事前の準備や社内での調整を入念に行った上で生産管理システムの導入を検討しましょう。

特に、Excelや紙で運用している企業にとっては、データの一元管理や進捗のリアルタイム把握が難しいことも少なくありません。まずは現場の業務を可視化し、デジタル化による業務改善から始めてみることをおすすめします。

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執筆者:現場と人 編集部

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