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公開日 2025.04 .09

更新日 2025.03.24

成功の鍵は、信頼し、すべて任せること。 若手の自由な発想が 加速させたDX。

成功の鍵は、信頼し、すべて任せること。 若手の自由な発想が 加速させたDX。

若手活躍賞:ロイヤル株式会社 東京工場

ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」などの外食産業を手がけるロイヤルグループを親会社に持つ「ロイヤル株式会社」。千葉(東京工場)と福岡に工場を持ち、グループ内の外食チェーンやホテルへ食品を供給する製造事業を行っています。

増え続ける紙帳票を無くすこと、そして、点検時に発生していたトラブルを防止すべく、2023年に着任した東京工場長の旗振りによってDX推進が本格的に始動しました。 
抜擢されたのは、新卒5年目の2名を中心とした若手4名のチーム。どのような取り組みを行い、DX推進を行っていったのか。本プロジェクトの担当である三小田(みこだ)様と、那須様、そして東京工場長・堤様にお話を伺いました。

紙帳票が原因で起こった、工場のピンチ。
改革に抜擢されたのは、新卒5年目の若手だった。

―DX推進を進めることになったきっかけを教えてください。

堤様:私は以前、福岡工場に在籍していて、そこでカミナシの導入に関わっていました。福岡工場でも紙帳票にまつわる課題から紙を無くそうと取り組み始め、1年ほどでものすごく成果が出たんです。当時、東京工場でも展開しようと話が上がったものの適任者が見つからず、そのときは結局頓挫してしまいました。
そして、2023年4月に東京工場長に着任したのをきっかけに、今度こそ東京工場でもDXを進めていこうと決意しました。

▲ 【工場長】 ロイヤル株式会社 東京工場 工場長 堤様

―当時、東京工場で抱えていた課題はなんだったのでしょうか?

堤様:近年、時代の流れもあり、製造現場で求められる品質保証や衛生関連の要求は高くなっていて、それに伴い帳票の数もどんどん増えています。紙帳票の記録や管理業務も、昔は要求が今ほど多くなく手作業でも対応できていたのですが、今はそれではいくら時間があっても足りない。まずは紙帳票による無駄な業務を無くすことが、最初に取り組みたいことでした。

那須様:品質管理の危機に直面したヒヤリハットもあったんです。紙帳票が水に濡れてしまい内容が読めなくなったことで、チェック漏れに気づかず最終承認者まで回ってしまう事象がありました。幸い直前で気づくことができて事なきを得ましたが、万が一、そのまま商品が出荷されて事故が起きていたとしたら…と思うと、看過できない問題です。

―DX推進にあたり、若手メンバーをアサインされた理由はなんでしょう?

堤様:できれば福岡工場でカミナシを触ったことがあって、タブレットやDXにも抵抗なく取り組める人がいいと思っていました。たまたま福岡で一緒だった三小田がいることに気づいて。三小田は福岡でカミナシを使った経験があり、これは任せたいと思い声をかけました。

―担当にアサインされたとき、どんな気持ちでしたか?

三小田様:やるからには絶対に成功させようって思っていました。私がプロジェクトリーダーと「東京セントラルキッチン部門」を担当し、「ケーキ部門」「パン部門」「ドレッシング部門」から1人ずつメンバーを選出。入社5年目で同期の那須と私、後輩2人という若手だけで計4名のプロジェクトチームを結成しました。

那須様:私も頓挫だけは絶対にさせない、という意気込みでした。もちろん会社がかけてくれる投資費用を無駄にしないということもありますが、DXを社内に浸透させるにはある程度長く時間がかかるものだと思うんです。モチベーションを維持し続けるためにも、何かしら結果を残さなければと思っていましたね。

三小田様:不安やプレッシャーはまったくなかったです。失うものは何もないと思っていたので(笑)。

那須様:そうですね、やるだけやってみようという気持ちでした!

堤様:任せる方としても、まったく心配はしていませんでしたね。彼女たちならやってくれると信じていたので。

「緻密な計画」と「独自のアイディア」で、
着実に会社を巻き込みDXを牽引

―メンバーが決まり、最初に始めたことはなんですか?

三小田様:推進メンバー4人で集まりキックオフを行いました。そこでプロジェクトの目的を伝え、いつまでに、何を、どの程度完成させるかというスケジュールも決めました。カミナシのカスタマーサクセス担当者にカリキュラムを組んでもらって使い方をマスターしたり、分からないことを質問して、ひたすら疑問を解消する時間をしばらく設けましたね。

那須様:現場には試験期間を設けて、現場の方に慣れてもらってから、本格導入しました。カミナシの導入は2023年11月からですが、11月から12月はデジタル化させた帳票を作り、1月・2月でそれを現場の方に試しに使ってみてもらう期間にあてました。カミナシのアカウントも最初はメンバーの人数分の4つだけにしました。費用を抑えたかったのと、最初は各部門で一つずつ、簡単なものから作り始めて運用すればよかったので。2月からの本格運用で、アカウントを追加しました。

▲【DX推進担当者】開発課 那須様

―キックオフ以降は、メンバーで集まる機会は作っていたんですか?

三小田様:はい。定例会議という形で週に一度、試験期間で運用して上手くいかなかったことなど、情報やノウハウを共有する場を設けました。

那須様:三小田と私の部門が先に帳票を作っていることが多かったので、似たものがあれば他のメンバーに見本として見せて、作ったデジタル帳票を4部門で運用し、そこでの発見や改善点を持ち寄る話し合いを2月までは続けていたと思います。

―定例会議の中で工夫したことはありますか?

三小田様:直接会って話し合うことを大切にしましたね。チャットでやりとりもできますが、たとえばそこで疑問が浮かんだとして、文章だと伝えることが難しい部分があると思ったんです。後輩2人のメンバーは私たちより年下でもあったので、対面なら質問もしやすくなるかなって。

那須様:毎回それぞれ宿題を設定し、次までに進めてきてもらうようにもしていましたね。「次はこれを作ってみよう」といった感じで。上手くできない時はどうすればいいかを次の定例で確認すればいい。前の時間から何も進展がない状態だけはないようにしていました。

三小田様:「時間がなくてできなかった」ということは一度もなかったです。これは、工場長から各部門の上司に、週に〇時間は必ずカミナシ作業のため現場から離れさせてもらえるよう、事前に依頼をしていただいていたんです。

堤様:私自身は、1月の経営方針発表会で「4部門でDX推進します」と宣言したり、取り組みをまわりに知ってもらう根回しはたくさんしましたね(笑)。

―1月からの試験期間では、どんなことを意識して取り組んだのでしょう?

三小田様:カミナシの操作方法がわからないという声も多かったので、誰でもすぐ使えるようにマニュアルを作りました。スクリーンショットをパワーポイントに貼り付けた簡単なマニュアルを各現場用に内容を変えて用意しました。

那須様:そこからヒントを得て、説明が難しかったり言いづらいことを、ごーとんくん(*)が話しているように伝える方法も考案しました。「ここを確認してください」という指示も、文字だけで言われるよりキャラクターからの言葉なら親しみが持てて、しかもカミナシのこととすぐに分かってもらえるんです。それまで現場の方が帳票の入力箇所が分からず社員や私にわざわざ聞きにくる時間のロスがあったんですが、それを見事に解消してもらいました。ごーとんくんには感謝しています(笑)

*ごーとん:カミナシのマスコットキャラクター。

―推進していく中で、一番の困難はなんでしたか?

那須様:現場の方は年齢層が高めで、初めてタブレットを使う方も多かったんです。なので、カミナシの運用に進む前に、タブレットに慣れてもらうためのフォローを行いました。そこでいかに抵抗感を無くせるかが重要だと思っていたので。

三小田様:慣れてもらうまでの期間は、なかなか大変でしたね・・。

那須様:あとは、1回使ってみてもらって、1週間後にフィードバックをもらっていました。そこでやりづらかったこと、変えてほしいことを聞き、カミナシで変更できるところはどんどん変えていく。フィードバックと改善のサイクルが途切れないようにすることは意識しました。

三小田様:先輩社員や年上の方でも変な気を遣うことなくお願いができたのは、工場長である堤さんが事前に立ち回ってくださっていたおかげです。私の発言は、工場長の言葉だと現場に認識してもらっていましたから。工場長の力を、しっかりお借りしました(笑)
製造課の所属が長かったので、プロジェクト前から現場の人との関係性が構築できていたのも強味だったと思います。

楽しむ姿勢がもたらした、成功と自信。
今後は「推進委員長」として、さらなるDXへ。

―DXによる成果を教えてください。

三小田様:2023年11月のキックオフから8ヶ月で、4部署で1,450枚/月の紙を削減。また、帳票印刷のコピー用紙やインク代を2,900円/月も抑えることができました。

堤様:管理者側でも、これまでのチェック作業がなくなったり、承認印を押す作業が省けたりと、負担を減らすことができています。

▲【DX推進担当者】管理課 三小田様

―成果が出ていますね。定性面での変化はいかがですか?

那須様:現場の方から「この帳票作れない?」と声をかけてきてくれるようになり、現場の方々の意識が変化したことを感じますね。

三小田様:場所を問わず、帳票確認ができるようになったことも大きいですね。異物が発見された際、たとえば確認担当が福岡工場や東京本部にいたとしても、カミナシにアクセスすればすべて確認できるようになりました。

―タブレットが導入されたことによる恩恵ですね。

那須様:異物が発見された場合、これまでなら現場を止めて責任者を呼ぶという流れでしたが、まずは写真を撮って報告できるようになり、スピードが格段に上がりましたね。現場での機械故障なども、カメラ機能で撮ってメールに添付して報告したりと、情報共有がしやすくなりました。

三小田様:社内には外国人従業員の方も働いているんですけど、翻訳アプリを駆使したり、コミュニケーションを円滑にする用途としても役立っています。

―お二人は本当に楽しそうですよね。自分ごととして取り組める秘訣は?

那須様:カミナシは現場の反応を見ながらブラッシュアップしていけるので、楽しみながら取り組むことができ、気付けば成果もついてきていました。

三小田様:当時、品質管理で監査の仕事をしていたのですが、紙の帳票が読みづらく、そこで業務が止まってしまうことがありました。デジタル化やDXは現場や会社のためではあるんですが、自分自身の業務改善にもつながるメリットがあると実感しています。そうやって自分ごと化できたので、前向きに取り組むことができました。

―DXへの挑戦した中で、成長できたと感じることはありますか?

三小田様:プロジェクトを1から進めていく過程は、この先DX以外でも応用が効くので、貴重な経験をさせていただいたなと思います。あとは、成功体験を作れたことで自分に自信を持つことができました。

那須様:自分自身のスキルアップもそうですが、上司から取り組みを評価してもらえて良いことずくめでした。

―最後に、これから現場DXの推進を検討されている方々へ、メッセージをお願いします。

那須様:考えの違う方や取り組みに前向きでない方もいる中で大変な部分もあるかと思います。ただ、最終的にはきっと良い方向に進むと思うので、諦めず、根気よく頑張っていただきたいです!

三小田様:結果が出ることで自信を得ることができますし、その過程も、成長に繋がることだらけだと感じます。ご自身の財産にもなると思うので、ぜひ頑張ってみていただきたいです!

堤様:今回、若手社員にすべて任せて進めてもらいました。自分たちが作った仕組みが現場で稼働するのは、ものすごく自信になることだと思います。そういった経験を積んでもらうことができるのもプロジェクトの意義だと思います。
DXは一人で進められるものではないので、みんなで協力しながら取り組んでいくということが大切です。当社も今後は、三小田と那須の2人をDX推進委員長に、さらに社内を巻き込んでDX推進に取り組んでいきます。ぜひ一緒に、現場を良くしていきましょう。


ロイヤル株式会社
業種:製造業(食品製造)
従業員数:275名


執筆者:現場と人 編集部

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