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公開日 2025.03 .07

更新日 2025.12.04

予防保全とは?予知/事後保全との違いやデメリット、具体的な対策を紹介

予防保全とは?予知/事後保全との違いやデメリット、具体的な対策を紹介

製造業において、生産ラインで使用される設備を安定して稼働させることは重要です。設備が故障すると、企業の生産性が低下し、大きな損失を招く可能性があります。そのため、故障のリスクを低減するためには、予防保全の実施がおすすめです。

本記事では、予防保全の定義や種類、類似用語(保全予防や予知保全)との違い、メリット・デメリット、効率的に実施するためのシステムを紹介します。

本記事では、予防保全の定義について解説するほか、そのメリットや効率的に実施するためのシステムも紹介します。

目次

予防保全とは

予防保全とは、設備が故障する前にメンテナンス(点検含む)を実行し、ダウンタイム(機器が利用できない時間)を最小限にとどめる活動を指します。定期的にメンテナンスを実施することで、設備を常に万全な状態での稼働になり、製品の品質を一定に保ちながら生産できるので、企業の生産性を維持できる点が大きなメリットです。

予防保全にはさまざまな種類があり、それぞれメンテナンスの方法が異なります。

予防保全の種類

予防保全は、メンテナンスを行う際の規則に基づいて、さまざまな種類に分類できます。ここからは、予防保全の種類として、以下の7つを紹介します。

  • 時間基準保全

  • 利用基準保全

  • 状態基準保全

  • 故障発見保全

  • リスク基準保全

  • 信頼性中心保全

予防保全を取り入れる予定がある方は、それぞれの種類の特徴を把握し、どの方法を実施するかを考えてみましょう。

時間基準保全

時間基準保全(TBM:Time Based Maintenance)は、一定の間隔でメンテナンスを実行する方法です。カレンダー基準保全とも呼ばれています。

時間基準保全を行う際には、メンテナンスの間隔を慎重に決めることが重要です。間隔が長すぎると故障のリスクが高まる一方で、短すぎると作業コストや部品の発注が増加するため、適切な間隔での実施が求められます。

設備の製造元が特定の使用時間を推奨している場合は、推奨範囲内でメンテナンスを実行するのが望ましいです。

利用基準保全

利用基準保全(UBM:Usage Based Maintenance)は、設備の利用回数や利用量の基準をあらかじめ設定し、基準に達した段階でメンテナンスを実行する方法です。利用基準保全を導入する際には、設備の利用回数や利用量を、日頃から正確に計測する必要があります。

時間基準保全と同様に、製造元が特定の利用回数や利用量を推奨している場合は、推奨数値を基準にして、メンテナンスを実行するのが望ましいです。

状態基準保全

状態基準保全(CBM:Condition Based Maintenance)は、設備の特定の値を測定し、その値が一定の基準値に達した際にメンテナンスを実行する方法です。状態基準保全を行う場合は、各設備に以下を設定する必要があります。

  • 測定する設備の値(部品の摩擦度や温度など)

  • メンテナンスを実行する基準値(部品の交換を行う摩擦度の基準など)

  • 値を測定するタイミング(朝、もしくは夕方の特定の時刻など)

値の測定にかかる時間や費用を考慮し、現実的な方法で測定する必要があります。あらかじめ測定に関する事項を定める必要があるため、実施の難易度はやや高いといえます。

▶ CBM(状態基準保全)とは?メリットやTBM,BDMとの違いを解説

故障発見保全

故障発見保全(FFM:Failure Finding Maintenance)は、設備が表面上は正常に見える場合でも、潜在的な故障を検知し、適切な対応を行う保全方法です。普段は動作しないものの、緊急時には正常に作動することが求められる設備に対して行われます。具体的には以下のような例が挙げられます。

  • 予備の製造装置

  • 無停電電源装置

  • スプリンクラー

また、人の立ち入りを検知するセンサーのように、普段から動作していても故障が発見しにくい装置についても故障発見保全が行われます。

リスク基準保全

リスク基準保全(RBM:Risk Based Maintenance)は、対象となる設備について故障リスクに関する項目を評価し、その評価結果に基づいてメンテナンスの実施の有無を判断する保全方法です。

故障リスクに関する項目とは、以下の2点を指します。

  • 故障した場合の重要度(企業の生産性への影響や修理コストなど)

  • 今後故障する可能性

故障した場合の重要度を評価することで、万が一複数の設備で故障が発生した場合に優先してメンテナンスする設備を決定できます。メンテナンスの優先度を明確にすることで保全活動を効率的に進められますが、評価結果に担当者の主観が入りやすい点には注意が必要です。

信頼性中心保全

信頼性中心保全(RCM:Reliability Centered Maintenance)は、対象となる設備の故障データを収集した上で、そのデータに基づきメンテナンスの内容を決定する保全方法です。

収集した故障データに基づき、故障の発生箇所や発見難易度、事業に及ぼす影響などを明確にします。分析結果に基づいて、各設備に対して適切なメンテナンスの内容を細かく定めます。しかし、データの分析には専門的な知識が要求されるため、実施する難易度は比較的高

また、信頼性中心保全は稼働中の設備だけでなく、設計中の設備に対しても適用されることがあります。設計中の設備に対しては、設備稼働時のリスクを予測し、メンテナンスの方法を決定するという流れで実施されます。

予防保全と似た用語との違い

設備保全に関する用語の中で、予防保全とよく似た言葉がいくつか存在します。ここからは、予防保全と似ている用語として以下を取り上げ、それぞれの意味の違いを解説します。

  • 予防保全と保全予防の違い

  • 予防保全と予知保全、事後保全、計画保全の違い

予防保全と保全予防の違い

まずはじめに、予防保全と保全予防の違いは、機械や設備の設置前後に行う保全活動(予防保全)か設置を計画する段階で行う設計(保全予防)かにあります。

保全予防は、設備を設計する段階で取り入れられ、故障を防止するためにおこない、導入後の不備を予測することで、予めその原因を排除し、長期的な活用を目的としたものです。設備が故障しないように、もしくは故障が発生した場合でも迅速に修理できるように、保全性を高めた設備設計を行います。

予防保全と予知保全、事後保全、計画保全の違い

予知保全、事後保全、計画保全は、いずれも設備保全の方法を指す言葉ですが、予防保全とは意味合いが異なります。それぞれの言葉の定義とメリット、デメリットは以下の通りです。

用語名

定義

実施するメリット

実施するデメリット

予知保全

IoT、AI、機械学習などを用いて設備の状態を監視し、故障の前兆を検知した際にメンテナンスを行う方法

loT、AI、機械学習などに設備の監視を任せられるため、人員を配置せずに設備状況を24時間確認できる

IoT、AI、機械学習などを取り入れるための初期投資が必要

事後保全

設備の故障が確認された際の対応方法

故障の予防を行わないため、作業にかかるコストを抑えられる

故障の発生を前提としているため、ダウンタイムを避けられない

計画保全

専門の保全部門が担当し、設備がいつでも十分な機能を発揮できるように保全体制を構築する活動

突発的な故障を減らすことで、安定した稼働を実現できる

計画の策定や仕組みの整備に作業コストがかかるため、運用を行う負担が生じる

予防保全を行う4つのメリット

ここからは、予防保全を行う4つのメリットとして、以下の項目を紹介します。メリットがあることはわかっている予防保全ですが、改めて理解することで自社で取り組むべきかの判断がつきます。これらをもとに設備保全システムやセンサーなどの導入を検討してみましょう。

  • 製品の品質を保てる

  • 生産性を維持できる

  • 設備の寿命を延ばせる

  • 予備の部品を少なくできる

製品の品質を保てる

現場の設備に異常がある場合、そのまま稼働させると製品の品質が低下する可能性があります。

予防保全を行っていれば、設備の異常に早く気付き、部品交換といった対応が取りやすくなります。異常に素早く対応できれば設備を常に万全な状態で稼働させられるため、製品の品質も良い状態を保てます。

生産性を維持できる

設備が故障すると、復旧するまで使用できず、ダウンタイムが生じ、生産性が低下します。故障の原因によってはダウンタイムが長引く可能性もあり、これが企業の売り上げ減少や信頼低下につながりかねません。

予防保全を取り入れ、故障が発生する前に点検を実行することで、ダウンタイムの頻度を減らし、生産性が維持できます。

設備の寿命を延ばせる

設備に甚大な故障が発生した場合、長い期間、設備が使えなくなってしまう可能性もあります。小規模な故障であっても、修理を繰り返すことでほかの部位にも負担がかかり、設備の寿命を縮めるおそれがあります。

予防保全により定期的なメンテナンスを行うことで、故障の発生頻度を減らせます。結果的に設備の長寿命化につながり、設備投資のコストも減らせます。

予備の部品を少なくできる

設備が故障した場合、修理のために部品が必要になります。設備の故障が頻発する場合、予備の部品を多くそろえる必要があるため、部品の発注にかかるコストが増加します。加えて予備の部品が多いと、保管場所に困る可能性もあります。

予防保全を行っていれば、設備が故障するリスクを減らせるため、修理の機会が少なくなります。その結果、部品を多くそろえるコストや保管するスペースを減らせるため、事業所内の在庫整理や管理の簡素化にもつながります。

予防保全を行う際のデメリット

予防保全を行うことで多数のメリットが生まれますが、デメリットもいくつかあります。ここからは、予防保全を行う際のデメリットとして下記の3点を紹介します。予防保全の実施を検討している方は、デメリットも確認した上で実施するかを判断しましょう。

  • 点検作業にコストがかかる

  • 点検の頻度によって負担が増加する

  • スケジュール管理の負担が増加する

点検作業にコストがかかる

予防保全は定期的な点検を行った上で、設備が故障する前に対応することを重視しています。そのため、点検作業を行うコストがかかります。状態基準保全を行う場合は、設備の計測機器の導入費がかかる点も注意が必要です。

予防保全は、設備が故障した際の対応に時間をかけなくて良いものの、点検作業や計測機器の導入にコストがかかる点を考慮して実施する必要があります。

点検の頻度によって負担が増加する

予防保全を行う際、点検の頻度が多すぎると、作業員の負担が増え、ほかの業務に支障をきたす可能性があります。

また点検によって、生産ラインの稼働時間が減少し、作業効率が低下することも考えられます。そのため、予防保全を実施する際には、点検の頻度による作業負担を増やしすぎずに、故障リスクを適切に抑えられるような調整をすることが重要です。

例えば、時間基準保全の場合は点検の間隔をよく考える必要があり、状態基準保全の場合は基準値を慎重に設定する必要があります。

スケジュール管理の負担が増加する

予防保全を行う際は点検作業が必要ですが、タイミングに注意しなければなりません。例えば、繁忙期で生産ラインを多く稼働させる必要がある時期に、頻繁に設備点検を行うのは、現実的に難しいでしょう。点検を行うタイミングが訪れたとしても、繁忙期には臨機応変にスケジュールを調整する必要があります。

また、予防保全を実施していても、突発的な故障を完全に防げるわけではありません。故障が起きた際も、故障の対応や保全計画の見直しに伴ってスケジュールを調整する必要があります。

定期的な点検から故障時の修理対応まで、スケジュール管理の必要性が増す点は、予防保全を実施するうえで、考えるべき問題です。

予防保全を効率化できるシステム3選

予防保全は、専用のシステムを導入することで効率良く実施できます。ここからは、予防保全を効率化できるシステムとして、以下の3つを紹介します。それぞれのシステムの特徴を把握して、自社に合ったものの導入を検討してみましょう。

  • カミナシ 設備保全

  • MENTENA

  • Impulse

カミナシ 設備保全

カミナシ 設備保全は、スマートフォン一つで現場から設備の状態や不具合報告が送信できるため、保全担当者が現場に向かわなくても点検作業が実施可能な設備保全システムです。現場の担当者が各設備に設置したQRコードを読み込むだけで対象の設備の点検記録を入力できます。

設備保全システム「カミナシ設備保全」|クラウド管理で稼働率UP

画像引用元:カミナシ 設備保全|株式会社カミナシ

設備に不具合が起きた場合は、現場から写真を添付して不具合報告を送信できるため、突発的な故障に迅速に対応できます。

各設備の保全計画や部品情報などはカミナシ 設備保全で一元管理できるため、社内に設備情報が散在する心配がない点も魅力です。

MENTENA(メンテナ)

MENTENA(メンテナ)は、ダッシュボード画面やガントチャート画面で、設備の点検作業の進捗や予定を直感的に把握できるシステムです。

画像引用元:MENTENA|八千代ソリューションズ株式会社

ダッシュボード画面では、点検作業ごとに進捗を確認できるほか、各部品の在庫情報も管理できます。ガントチャート画面では、直近のスケジュールを確認しつつ保全計画の策定や修正ができるため、適切なリソース管理に役立ちます。

また、導入時にサポートチームによる操作方法の説明会が行われるため、パソコンの操作に慣れていない人でも利用を始めやすいシステムです。

Impulse

Impulseは、稼働中の設備をカメラで撮影し、動画データからAIが設備の状態を監視できるシステムです。

画像引用元:Impulse(異常検知ソリューション)|ブレインズテクノロジー株式会社

Impulseを導入する際は、まずAIに設備のデータを取り込み、正常な動きを学習させます。その後、稼働中の設備を監視させることで、正常な動きと異なる動きが見られた際に異常として検知できます。AIに取り込めるデータは、数値データ、画像データ、動画データなどさまざまであるため、幅広い現場で導入しやすいです。

また、Impulseでは発生中の故障だけでなく、将来的に故障の要因となり得る部分も検知できます。故障の要因を事前に特定し対策を講じることで、設備の故障リスクを最小限に抑えられます。

設備保全システムの導入で予防保全の足がかりを作った事例

株式会社オイシスでは、カミナシ 設備保全を導入して、予防保全の足がかりを作った事例があります。

同社では以前から台帳システムを導入しており、工場の設備の不具合を記録していました。しかし、現場で設備の写真をカメラで撮った後、事務所でデータを取り込む必要があったため、作業に時間がかかる点が課題でした。

カミナシ 設備保全を導入したところ、現場からスマートフォンでデータ入力や画像添付を行い、そのまま送信するだけで記録できるようになりました。不具合情報の記録にかかるコストは月20時間ほど削減されており、大きな導入効果の一つです。

また、日々の点検作業における情報もスムーズに記録できるようになり、設備の情報が以前の約4倍のペースで蓄積されました。大量の設備情報を一元化できたことで、故障を防ぐためのノウハウの共有が可能になり、予防保全を実施できる見込みが立ちました。

株式会社オイシスの事例をさらに詳しく見たい方は以下の記事をご覧ください。
▶ 設備保全システムを導入し、9工場2000台の設備情報の管理と可視化に挑む

予防保全で設備が故障するリスクを抑えよう

予防保全は、設備が故障する前の点検を重要視した保全活動です。設備が故障するリスクを減らせるため、製品の品質を保てる点や企業の生産性を維持できる点でメリットがあります。

しかし、定期的な点検作業に関するコストがかかったり、スケジュール管理の負担が発生したりする点には注意が必要です。

カミナシ 設備保全を導入すると、現場から簡単に点検記録を送信して点検作業を効率化できるため、予防保全を行いやすくなります。予防保全の実施を検討している方は、カミナシ 設備保全をぜひチェックしてください。

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執筆者:現場と人 編集部

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