HACCP関連の記録は、食品の安全性を保証し、万一のトラブル時に原因追跡・責任の所在を明確にするための“証拠”となる重要な情報資産です。法令上の保管期間と、事業運営上望ましい保管期間には若干の違いがあるため、目的に応じて記録管理の体制を整えることが求められます。
まず、保管期間の基本的な考え方としては、「製造物責任(PL法)」と「食品衛生法」の両方を考慮する必要があります。PL法では製品による損害賠償請求は製造後3年間とされており、これを根拠にHACCP記録も“3年間保管する”ことが望ましいとされています。一方、厚生労働省が示している「HACCPに沿った衛生管理の制度化に関するQ&A」では、次のように保管期間が明示されています。
HACCP記録(温度、時間、点検など):1年間以上の保管が望ましい
自主衛生管理計画:定期的に見直し、最新版を常時保持
教育記録や点検記録:1年~3年程度の保管が推奨
つまり、明確に法律で保管年数が規定されているわけではありませんが、行政指導や取引先からの要請も踏まえて、最低1年、推奨は3年というのが実務的な水準となっています。記録の種類によっても保管期間を分けると合理的です。
記録の種類 | 保存期間 |
|---|---|
製品ロットごとの温度・加熱記録 | 3年 |
清掃・点検チェックリスト | 1年~3年 |
異常対応や是正措置履歴 | 3年以上(再発防止策の検証用) |
従業員教育記録 | 2~3年(監査対応・再教育基準の根拠) |
次に、「どのように保管・管理すべきか」ですが、紙での保存には限界があります。
物理的な劣化(破損・インク滲み)
ファイル保管場所の圧迫
検索性の低さ(監査時に必要な情報がすぐ出てこない)
とくに置き場の管理は大変で、湿気があると滲みやすくなりますし、記録自体が何かと捨てづらいものといえます。
しかし、紙は溜まる一方なので、今度は探しづらい面もあるものです。事業所によっては、紙ベースの記録を事務員がExcelで入力して保存することもあるでしょう。一見するとデータ管理に見えますが、労力がかかりますし、自社サーバーも圧迫してしまいます。
これらを踏まえ、デジタル化による記録管理が望ましい運用手段とされています。クラウドを活用したデータ管理により、保管年数を超えてもアーカイブ化が容易になり、災害時のバックアップや外部からのリモート確認も可能になります。また、記録の信頼性を担保するために、次のような対策も有効です。
記録の改ざん防止(編集履歴やログの保持)
作業者IDによる記録者の特定
記録未入力アラートや確認通知機能
記録削除の制限とバックアップ保存
監査時には、「過去の記録をすぐに提示できるか」が信頼性の指標になります。記録があっても探せない、読み取れない状態では評価が下がってしまいます。
カミナシでは、HACCP記録の入力・保管・検索をすべてデバイスとクラウドで完結できるプラットフォームを提供。帳票の分類設定、保管期限の自動アラート、アーカイブ機能まで一元管理し、監査対応や運用改善に直結する記録体制を構築可能です。









