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公開日 2025.03 .13

更新日 2026.03.03

設備保全のあるべき姿とは?課題と対策、デジタル技術で実現する理想の保全体制を紹介

設備保全のあるべき姿とは?課題と対策、デジタル技術で実現する理想の保全体制を紹介

製造業において、設備や機械の安定稼働は生産性を維持する上で不可欠であり、その役割を担うのが設備保全です。設備保全の具体的な業務は、設備や機械の定期的な点検や修理、故障や異常が発生した際の迅速な対応です。

しかし、企業によっては知識やノウハウが特定の担当者に集中し、属人化してしまうため、設備保全業務の継承が困難になるという課題を抱えています。設備の安定稼働を維持するためにも、設備保全の従来の課題を把握し、あるべき姿を明確にすることが重要です。

本記事では、従来の方法で設備保全を行うことで発生している課題から、あるべき姿(理想の状態)にする方法を紹介します。

目次

設備保全業務の未来

現在、企業の設備保全業務において、設備の老朽化と人材不足が課題となっています。

国税庁によると、日本国内の製造業における生産設備の耐用年数は10〜15年ほどと発表されています。しかし、日本機械工業連合会の調査によると、日本国内の製造業において10年以上経過した設備の割合は62.4%に達し、5年未満の設備は 20.2%となっています。目安となる耐用年数をむかえる機械や設備が多くあり、その対応をする設備保全担当の需要は増すばかりです。

設備の老朽化が進むと、故障の頻度が増え、予期せぬ生産停止や修理コストの増加などが発生するため、無視できない問題です。

出典:国税庁 耐用年数の適用等に関する取扱通達の付表(https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/sonota/700525/fuhyou/10.htm
参考:
生産設備保有期間実態調査~結果概要~|一般社団法人 日本機械工業連合会

また、設備保全を担う技術者の高齢化も深刻化しています。日本プラントメンテナンス協会のメンテナンス実態調査によると、設備保全業務に従事する技術者の約30%が50歳以上になっています。今後ベテランの引退が進むと、技術やノウハウが未継承のまま失われることも懸念されます。

参考:2022年度 メンテナンス実態調査|日本プラントメンテナンス協会

さらに、ものづくり企業にとっては、新規人材の確保が難しい点も問題の一つです。経済産業省の2024年版ものづくり白書によれば、製造業の若年就業者数は2012年まで減少を続け、それ以降は横ばいが続いています。

さらに、2023年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大前(2019年)よりも人手不足感が強まっていると報告されており、人材不足の解決は難しいことが予想されます。

出典:「2024年版 ものづくり白書(令和5年度 ものづくり基盤技術の振興施策)概要」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2024/pdf/gaiyo.pdf

こうした課題を解決するためには、デジタル技術やITシステムの導入が求められます。例えば、IoT(モノのインターネット)センサーを活用すれば、設備の状態をリアルタイムで監視し、トラブルの予兆を検知することが可能です。また、ITシステムを活用すれば、ベテランの経験やノウハウをデータ化して一元管理でき、若手への技術継承もスムーズに進められます。

設備保全業務の未来を見据えて最新技術を積極的に取り入れ、設備の安定稼働とノウハウの共有を実現することが重要です。

設備保全活動が「コスト」ではなく、「投資」とみなされるために必要なこととは?設備保全活動の具体的な対策をまとめた「現場DXジャーナル<設備保全編>」。以下の画像をクリックするとダウンロードページに遷移します。

設備保全の重要性

設備保全は、次のような役割があるため重要です。

  • 設備の安定稼働による生産性向上

  • 製品品質の維持と向上

  • 労働災害の防止と安全確保

設備保全は、生産ラインの稼働率を維持し、製造業務の効率を向上させるために欠かせない業務です。設備保全の重要性を理解し、計画的な保全活動を実施することで、安定した生産体制を確立しましょう。

設備の安定稼働による生産性向上

設備保全が重要な理由は、生産設備を安定稼働させることで、生産性の向上につながるためです。設備が正常に動作し続ければ、予期せぬトラブルによる生産停止を防ぎ、効率的な生産が可能となります。

設備が故障すると復旧に時間を要し、その間の生産が停止するため大きな生産ロスが発生します。ロスを発生させずに製造を続けるためにも、定期的に設備保全を実施して故障を未然に防ぐことが重要です。

また、定期的なメンテナンスを実施することで、部品の摩耗を減らし、修理や交換にかかるコストを最小限に抑えられます。その結果、設備の寿命を延ばすこと(長寿命化)につながり、長期的なコスト削減も期待できます。

製品品質の維持と向上

製造現場における設備保全は、製品の品質を維持、向上させる目的でも重要です。生産設備が正常に稼働することで、品質のばらつきや不良品の発生を防ぎ、安定した品質を確保できます。特に、精密な加工や高度な製造技術を要する製品では、設備のわずかな異常が品質に大きな影響を与えるため、日常的な設備保全が重要です。

また、安定した品質を維持することは、納期の遅延や生産コストの増加といったリスクの削減にもつながります。設備のトラブルによって製造過程に影響が出ると、品質不良が発生し、製品の再加工や廃棄が必要になるおそれがあります。生産効率が低下し余計なコストがかかるだけでなく、取引先や顧客からの信頼を失いかねません。

品質不良による企業の信頼性低下などのリスクを防ぐためにも、設備保全を継続的に実施し、設備の状態を常に最適に保つことが求められます。

労働災害の防止と安全確保

設備保全の重要性は、労働災害の防止と安全確保の観点からも語られます。設備保全が不十分だと、設備や機械の故障や誤作動が発生し、作業者の安全を脅かすリスクが高まります。特に、老朽化した設備やメンテナンスが不十分な機械は、危険性が増し、突発的な異常が発生することが多いです。

設備の異常を放置すると、従業員がけがを負うだけでなく、最悪の場合は命に関わる重大な事故が発生する可能性もあります。事故を防ぐためには、設備の状態に応じた適切な補修や部品交換を実施し、異常が発生する前に対策を講じることが重要です。

定期的なメンテナンスを実施することで、設備の誤作動を防ぎ、安全な作業環境を維持できます。労働災害を未然に防ぐためにも、設備保全を徹底し、常に安全な環境を維持しましょう。

現代の課題から考える「設備保全のあるべき姿とは」

現代の設備保全は、設備の老朽化や人材不足など、さまざまな課題に直面しています。これらの課題を踏まえた、今後の設備保全のあるべき姿としては、次のようなポイントが挙げられます。

  • 予防保全の定着化

  • 知識やノウハウの十分な共有

  • 非効率な業務がなくなり、IT技術を用いて正確な保全ができている

設備の安定稼働を維持し、長期的なコスト削減や生産性向上を実現するためにも、自社に最適な設備保全の体制を考えることが重要です。

予防保全の定着化

多くの企業では、設備が故障してから修理を行う事後保全が中心となっており、十分な予防保全が実施されていないのが現状です。そのため、設備保全のあるべき姿の一つとして、予防保全の定着化が挙げられます。

予防保全とは、設備や機械が故障する前に計画的なメンテナンスを実施し、トラブルを未然に防ぐ取り組みです。予防保全が徹底されていれば、単に故障を防ぐだけでなく、設備の効率的な運用や寿命を延ばすことにもつながります。

設備や機械に起こりうる全てのトラブルを防ぐための予防保全を実施するには、事前に綿密な保全計画を立てることが重要です。例えば、故障履歴や設備の稼働状況などの関連データを分析し、設備や機械に合わせたタイミングでメンテナンスを行うことが求められます。

保全計画に沿って予防保全を進めれば、設備の状態を常に良好に保ち、突発的な故障を防ぐことが可能です。さらに設備の安定稼働を維持し、生産性の向上やコスト削減にもつながります。事後保全のみの体制から予防保全も並行して実施できる体制を構築することが、設備保全のあるべき姿への第一歩です。

予防保全については、次の記事で詳しく解説しているため参考にしてください。

予防保全とは?予知/事後保全との違いやデメリット、具体的な対策を紹介

知識やノウハウの十分な共有

現在、企業の多くが設備保全業務において、ベテラン社員の引退に伴い知識やノウハウが十分に継承されないという課題を抱えています。

知識やノウハウが共有されないと、担当者が交代する際に設備保全業務の質が低下するおそれがあります。業務の質を高く維持するためにも、設備保全のあるべき姿の一つとして、関係者間で知識やノウハウが十分に共有されることが挙げられます。

理想的な状態は、設備保全に関する知識やノウハウが特定の担当者に依存せず、社内全体で均等に共有され、標準化されていることです。重要な知識やノウハウを社内に浸透させるためにも、業務内容を明確にし、体系的なマニュアルを作成しましょう。

マニュアルを作成し、社内で共有できれば、どの担当者でも一定の品質で設備保全業務を実施できるようになります。また、担当者が退職や異動をした場合でも、スムーズに業務を引き継ぐことが可能です。設備保全業務の質を落とさないためにも、個人の経験に依存せず、組織全体で知識やノウハウを管理し継承していく体制を整えましょう。

非効率な業務がなくなり、IT技術を用いて正確な保全ができている

従来の設備保全では、担当者が人力で点検やデータ管理を行うケースも多く、業務の効率化が課題となっています。全ての設備保全データを手作業で記録や管理をするのは非効率であり、多くの時間やコストがかかるだけでなく、記録漏れやヒューマンエラーのリスクも伴います。設備保全業務における非効率性を削減し、設備保全のあるべき姿に近づけるには、IT技術の活用が不可欠です。

例えば、設備にIoTセンサーを取り付ければ、機械の状態をリアルタイムで監視し、異常を早期に検知できます。担当者が定期点検のたびに状態を確認する必要がなくなり、突発的な故障のリスクも低減できます。

さらに、AI(人工知能)を活用すれば、蓄積された設備データを分析し、故障の兆候を事前に予測することも可能です。設備や機械が故障する前にメンテナンスを実施し、安定稼働を維持できます。設備保全における非効率な業務を削減するためにも、人力のみに頼らず、IT技術を積極的に取り入れましょう。

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設備保全のあるべき姿を目指すための対策

設備保全のあるべき姿を実現するためには、以下のような具体的な対策を講じる必要があります。

  • コストがかかるため、長期的な視点でツールの導入を検討する

  • 業務が属人化しやすいため、標準化を進める

  • 人の手が介在することでミスが発生するため、最新技術の活用で精度向上を図る

  • 情報伝達の正確性やスピードを高め、情報共有を積極的にする

理想の設備保全を実施して製造現場全体の生産性を向上させるためにも、これらの対策をどのように進めるべきかを解説します。

コストがかかるため、長期的な視点でツール導入を検討する

予防保全を行う場合、定期的な点検が必要となるため、人件費や交換部品の費用が年単位で発生します。さらに、予知保全(予兆保全)を導入する場合は、IoTデバイスやクラウドシステム、AIシステムなどの設備が必要となり、その分のコスト負担も考慮しなければなりません。

大企業であれば比較的予算を確保しやすいものの、中小企業では設備保全にかけられる予算が限られており、高価なシステムや設備を導入するのが難しいケースもあります。

しかし、予知保全や予防保全が定着すれば、突発的な故障による修理費や生産ロスを減少させることができ、長期的に見るとコスト削減につながります。加えて、計画的な保全を行うことで設備の寿命を延ばし、トラブルの発生も防止できます。

まずは設備保全にかかる費用を正確に把握し、無理のない範囲でツールを導入することが重要です。過去の保全費用や設備の故障履歴、機械の稼働データを収集と分析し、どの部分にコストがかかっているのかを明確にすることで、最適な保全方法を見極められます。短期的な費用だけでなく、長期的かつ全体的なコストを考慮しながら、自社に最適な設備保全体制を構築しましょう。

業務が属人化しやすいため、標準化を進める

設備保全は特定の担当者が業務を担うことが多く、属人化しやすい課題があります。特に、後継者が不足する中でベテラン社員が退職すると、蓄積されたノウハウが継承されないまま設備保全業務の質が低下するリスクがあります。

また、採用難や離職による欠員も重なり、十分な人材を確保できない企業も少なくありません。その結果、経験のある社員に頼らざるを得ず、設備保全の業務がさらに属人化してしまう傾向にあります。

業務の属人化が続くと、次の担当者が設備や機械のトラブルに対応できず、生産性の低下を招くおそれがあります。設備保全のあるべき姿を実現するためには、関係者間で知識やノウハウを共有することが重要です。そのためナレッジを蓄積するとともに、誰でも業務を遂行できるよう標準化を進める必要があります。

例えば、点検記録や設備の故障履歴をデジタル化して一元管理し、担当者以外でも過去のデータを参照しながら業務を進められるような仕組みを作ることも一つの手段です。

また設備保全の業務手順を整理し、マニュアルを作成して社内で共有するのも効果的です。属人化を解消し、長期的に安定した生産活動を維持するためにも、仕組みづくりや専門的なツールを活用して標準化を進めましょう。

人の手が介在することでミスが発生するため、最新技術の活用で精度向上を図る

現状、設備保全の現場では点検作業や記録管理を手作業で行うケースも多くみられます。しかし、作業に人の手が介在する場合、見落としや確認不足、記録ミスなどのヒューマンエラーが起こる可能性があります。ヒューマンエラーの完全な防止や予測は困難なため、最新技術を活用して業務の精度を向上させ、可能な限りミスを発生させないよう努めることが重要です。

例えばIoTセンサーやAIを導入することで、設備の異常をリアルタイムで自動検知できるようになります。また、点検データをその場で記録し、一元管理できるシステムを導入すれば、手書きや個別入力などの手間を削減し、情報の正確性を高められます。

最新技術を活用した自動化を進めることで、業務の効率化と精度向上を同時に実現可能です。ヒューマンエラーのリスクを低減し、より正確な設備保全を行うためにも、デジタル技術の導入を積極的に検討しましょう。

情報伝達の正確性やスピードを高め、情報共有を積極的にする

設備保全の現場では情報を正確かつ迅速に伝えることが求められますが、現在でも多くの企業が紙媒体を中心に業務を進めており、検索性などに課題を抱えています。また、担当者個人がノウハウを持っていてマニュアルや作業手順書が整備されていないケースもあり、知識が共有されず属人化が進んでしまう問題もあります。

情報を正確かつスピーディーに共有するには、ITシステムの活用も検討しましょう。例えば、タブレットやスマートフォンに点検結果や設備の状態を記録し、クラウド上で共有できるシステムを導入すれば、リアルタイムで情報を蓄積できます。関係者全員が時間や場所を問わず最新の情報を把握し、迅速に業務を進められます。

ITシステムを活用して設備保全のあるべき姿を目指そう

設備保全は、生産性の向上や製品品質の維持、労災防止のために欠かせない業務です。しかし、現在の製造現場では、老朽化する設備の増加や、技術者の高齢化、人材不足といった課題が顕在化しています。加えて、属人化や情報伝達の遅れ、手作業によるヒューマンエラーなど、従来の設備保全には数多くの問題点が残されています。

これらの課題を解決し、設備保全のあるべき姿を実現するためには、ITシステムの導入がおすすめです。例えば、IoTセンサーを導入することで、設備の状態をリアルタイムで監視でき、異常の早期検知や予兆保全が可能になります。

また、AIを活用したデータ分析により、最適なメンテナンス時期を予測し、計画的な保全も実施可能です。さらに、クラウドシステムを利用して点検結果や設備情報を一元管理すれば、知識やノウハウの共有が進み、属人化の解消にもつながります。

IT技術を取り入れることで、設備保全の効率化と精度向上を実現し、長期的なコスト削減も期待できます。積極的にITシステムを活用し、設備保全のあるべき姿を目指しましょう。

設備保全のあるべき姿を目指すなら、カミナシ 設備保全の導入がおすすめです。設備の点検や管理業務をデジタル化し、設備保全の効率化と正確性の向上を同時に実現できます。

カミナシ 設備保全は各設備にQRコードを設置可能で、コードを読み込むだけで点検記録の入力フォーマットを自動で呼び出せます。スマートフォンやタブレットを活用してその場で点検データを記録できるため、紙の点検表を使用する必要がなくなり、より効率的な点検作業が可能です。さらにデータを一元管理できるため、経験の浅い作業者でも正確な点検を実施でき、業務の標準化にもつながります。

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執筆者:現場と人 編集部

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