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公開日 2026.06 .15

更新日 2026.06.15

日本の車の3割を支える技術!老舗町工場が「完全自動化」と「一貫生産」で実現した驚異の生産性向上

日本の車の3割を支える技術!老舗町工場が「完全自動化」と「一貫生産」で実現した驚異の生産性向上

本記事は、YouTubeチャンネル「ゲンバとヒト日本の変革に挑む」で公開された対談動画『【工場潜入】60年続くめっき技術で日本の安全を支える町工場に潜入!【大和電化工業所】』の内容を基に作成したサマリー記事です。

愛知県で60年以上の歴史を持つ大和電荷工業所。自動車の安全を支える「シートベルト」の重要部品で国内シェア3割を誇る同社が、手作業から自動化へと舵を切り、圧倒的な生産性と品質向上を成し遂げた軌跡に迫ります。製造現場の最前線で今何が起きているのか、ぜひ動画本編でご覧ください!

目次

動画本編はコチラ

1. 手作業から完全自動化へ!1日10,000個を40,000個に引き上げた「4倍の生産性」の裏側

自動車のシートベルトにおいて、命を守る要となる重要部品「バックルタング」。かつては職人の手作業に頼っていた製造ラインを完全自動化へとシフトさせ、生産数量を驚異的なスピードで拡大させた改善の裏側に迫ります。

大和電荷工業所が手掛ける主要製品の一つが、日本中の自動車に搭載されているシートベルトの金具(バックルタング)です。かつてこの製造工程は、作業者が手作業で金具を金型にセットし、1回につき2個ずつ成形するという非常に手間のかかるプロセスでした。当時の生産量は、設備1台あたり1日で10,000個程度にとどまっていたといいます。

この課題を解決したのが、同社が進めた完全自動化サイクルの高速化です。最新の自動化設備を導入したことで、1回のサイクルで同時に4個の製品を成形することが可能になりました。

  • 生産量の劇的な変化:設備1台あたり1日2万個、2台合わせて1日4万個の大量生産を実現。

  • 生産性の向上:手作業時代と比較して、実に約4倍という圧倒的な効率化を達成。

この自動化によるメリットは、単に生産数を増やすことだけではありません。これまで手作業や点検作業に張り付いていた熟練の作業者たちが、現場の「別の改善業務」や「より高付加価値なコア業務」「管理業務」へ専念できる環境が整いました。人を単純労働から解放し、クリエイティブな改善活動へとシフトさせる好循環を生み出しています。

2. 「検査机をすべて撤去」?品質向上で検査レスを実現した逆転の発想とボトムアップの改善文化

「不良品を出さないために検査を強化する」という常識を覆し、製造プロセスの根本改善によって検査そのものを無くす「検査レス」を達成。現場の意識を変えた、いつでも提案できる車内仕組みのリアル。

かつて同社の工場内には、多くの検査机がずらりと並び、仕上がった製品を一つひとつ人の目で全数検査していました。しかし同社は、検査人員を増やすのではなく、「成形機自体のプログラム改善」によって製造品質そのものを極限まで高めるというアプローチを選択しました。

その結果、不良品の発生を根本から抑え込むことに成功し、念願の「検査レス」を実現。工場内に並んでいた検査机はすべて撤去され、現在は効率的な製品ストア(保管スペース)へと生まれ変わっています。

こうした劇的な現場変革を支えているのが、同社に根付くボトムアップ型の改善文化です。

  • 「いつでも出せる」社内改善提案の仕組み:期間やタイミングを限定せず、日常の「困りごと」や「思いつき」を随時募集・提出できる仕組み。

  • 現場主導のスマートな改善例:箱の中身の個数を手作業で数えるのをやめ、コンベア上に軽量機を設置して「重さ」で瞬時に個数を自動判定するシステムを外部業者と共同開発。

「改善に終わりはない。扱う材料、設備、製品が変われば、困りごとも変わる」という言葉通り、常にアップデートを続ける姿勢が同社の強みとなっています。

3. 難易度の高い「金属×樹脂」の両対応。隣接工場が生み出す「一貫生産」という最強の差別化戦略

外注による輸送コストや在庫リスクを徹底的に排除。メッキ加工から成形までを敷地内で完結させる「一気通貫のモノづくり」が、自動車メーカーから選ばれ続ける理由です。

大和電荷工業所の最大の強みであり、他社との明確な差別化ポイントとなっているのが、メッキ工程から成形工程までを社内で完結できる一貫生産体制です。

メッキ加工は非常に繊細で難しい技術ですが、同社は長年にわたりこの技術を磨き続けてきました。しかも、同社の強みはそれだけにとどまりません。

  • 金属メッキ:強度が求められるシートベルト部品やエンジン関連部品に対応。

  • 樹脂メッキ:外観の基準が極めて厳しい、自動車の車内内装部品(ドレスアップパーツ)に対応。

このように「金属」と「樹脂」という異なる素材へのメッキ処理にマルチ対応できる企業は非常に稀です。さらに特筆すべきは、その物理的なレイアウトにあります。同社のメッキ工場と成形工場は「敷地が隣同士」に位置しています。

外部の業者に委託する場合に発生する「輸送コスト(物流費)」や「輸送にかかるタイムラグ」、それに伴う「余剰在庫の保有リスク」が、同社には存在しません。リードタイムを最小限に抑え、ストレートかつスピーディーに高品質な製品を供給できる圧倒的なコスト競争力を実現しています。

4. バリの完全撲滅から始まった品質への拘り。日本の自動車の「30%」を守る圧倒的シェアの誇り

法規制の強化とともに進化してきたシートベルト部品の歴史。目に見えない滑らかさと形状の工夫が、日本のドライバーの安全を今日も陰で支えています。

自動車のシートベルトには長い歴史があり、法規制が強化される前後で、求められる品質基準は劇的に変化してきました。

旧時代の部品は、端面に「バリ(金属のトゲや出っ張り)」が残っていても当時は良品とされていましたが、現代の基準では許されません。同社が製造する最新のバックルタングは、人が触れたときに全くストレスを感じないほど、隅々まで非常に滑らかに処理されています。衣服を傷つけず、乗員が快適に扱えるよう、徹底的な品質管理が行われているのです。

また、後部座席などでシートベルトの差し間違いが起きないよう、左右の席と中央の席で金具の形状を意図的に変えるなど、細部まで計算された設計が施されています。

  • 国内主要メーカーにおけるシェア:約6割のシートベルト部品を供給。

  • 国内メーカー全体におけるシェア:全体の約30%(3割)を同社製品が占める。

「日本を走る車の3分の1には、当社の部品が使われている可能性がある」という事実は、同社の技術力と信頼性の高さを証明しています。目立たない小さな部品ですが、日本のモビリティ社会の「命」を支える誇りが、現場の隅々にまで息づいています。

職人の手作業から始まった大和電荷工業所のモノづくりは、完全自動化やデータ管理のデジタル化(DX)を経て、今や日本全国の自動車の3割を支える巨大なインフラへと進化を遂げました。

「改善に終わりはない」という泥臭くもスマートな挑戦の積み重ねこそが、日本の製造業がこれから目指すべきDXのリアルな勝ち筋だと言えるでしょう。同社の若き力が躍動する現場の熱気を、ぜひYouTube動画本編で体感してください

ゲンバとヒトのYoutubeページはこちら

執筆者:現場と人 編集部

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