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公開日 2025.02 .01

更新日 2025.10.02

製造業の品質管理で重要な4Mとは?各要素と活用方法を解説

製造業の品質管理で重要な4Mとは?各要素と活用方法を解説

4Mという言葉を知っていても、具体的にどのように活用すれば良いのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。品質管理の担当になったばかりの方や現場を管理している方は、4Mに対する理解や活用方法に頭を悩ませているかもしれません。

4Mとは、製品の品質を決める「人(Man)」、「機械(Machine)」、「材料(Material)」、「方法(Method)」の4要素で、それぞれの頭文字を取ったものです。4つの要素が適切に管理されることで製品品質の維持・向上が期待できます。また、製品や製造プロセスに関する変更を管理する「4M変更管理」を活用すると、品質や生産性の維持、向上が見込めます。

本記事では、4Mの基本概念から4Mから派生した「5M+1E」や「6M」、現場での活用方法までを分かりやすく解説していきます。4Mを理解し、自社の品質管理に活かしてみてください。

目次

製造業の品質管理で重要な考え方「4M」とは

4Mとは、製品の品質を決める「人(Man)」、「機械(Machine)」、「材料(Material)」、「方法(Method)」の4要素で、それぞれの頭文字を取ったものです。製造業の品質管理では、4Mの観点で分析や改善を進めるのが重要です。

  • Man(人):従業員のスキルやトレーニング、配置など

  • Machine(機械):使い方や整備、作業のしやすさなど

  • Material(材料):素材の選択と調達に関すること

  • Method(方法):作業の標準化やマニュアル整備など

製品を作る際は4つの要素が相互に関連し合い、製品の品質が決まります。4Mのそれぞれの要素を適切に管理し、バランスを取ることが品質管理で重要です。

Man(人)は、従業員のスキルやトレーニング、配置など

4Mの中で、Man(人)には、従業員のスキル、経験、モチベーション、人員配置などがあります。

従業員の役割は、製造工程における作業の遂行、品質管理、機械の操作や保守など多岐にわたります。各従業員が自身の役割を十分に理解し、責任を持って職務を遂行することが重要です。

従業員の能力を最大限に引き出すためには、適切なトレーニングと教育が欠かせません。製造業界は絶えず進化しており、新たな技術や手法が導入されています。従業員が変化に適応してスキルを向上させることは、企業の競争力を保つ上で不可欠です。

品質向上のためにスキルアップはもちろん必要ですが、ヒューマンエラーによって品質を損なわないために教育も大切です。作業手順の理解や品質管理の重要性の認識、安全意識の向上などを目的とした教育を定期的に実施することが求められます。

Man(人)の変化が起こりやすいタイミングは、新入社員の配属や派遣、パートの入れ替わりや生産ラインの変更に伴う人員追加・削減などがあります。

変化が起こるタイミングでは十分なトレーニングと教育を行い、スムーズな移行を図ることが重要です。

Machine(機械)は、使い方や整備、作業のしやすさなど

4Mの中のMachine(機械)には、生産設備の選択や運用、メンテナンス、働く環境の整備などが含まれ、製品の品質や生産効率に大きな影響を与えます。

生産設備は、製品の種類や生産量に応じて適切に選択する必要があるだけでなく、定期的なメンテナンスをおこない、機械の性能を維持することが重要です。定期的なメンテナンスを行うことで故障や不具合を未然に防ぎ、生産ラインの停止を最小限に抑えることが可能です。

さらに、作業がしやすい環境を整えることも重要な要素です。機械のレイアウトを最適化し、従業員の動線を考慮することで、作業効率の向上と疲労の軽減につながります。

また、近年ではIoTやAIの活用が製造業に大きな変革をもたらしています。インターネットを介した機械同士の通信やデータ解析によって、生産プロセスの監視、制御、最適化が可能になりました。リアルタイムでデータを収集・分析することで、異常の早期発見や予知保全が実現します。他にも、AIを活用した自動化や品質検査の高度化も進んでいます。

ただし、新しい機会や技術の導入には、十分な準備が必要です。特に、設備の変更や生産ラインの変更などの際には、機械の操作方法や保守手順の習得に時間を要します。

そのため、事前に受け入れ体制やマニュアル整備などをおこなう計画を立てて、余裕を持ったスケジュールで機械や技術を導入しましょう。もし問題が発生しても、対応できるような時間を取っておき、慌てることなく対応できると良いでしょう。

Material(材料)は、素材の選択と調達に関すること

4Mの中のMaterial(材料)は、製品の品質を直接左右する重要な要素です。製品の品質は使用する素材に大きく依存するため、素材の選択と調達には細心の注意を払う必要があります。

素材の品質管理においては、仕入れ先の選定、検査体制の整備、品質基準の設定などがポイントとなります。安定した品質の素材を確保するためには、信頼できる仕入れ先との長期的な関係構築が不可欠です。また、入荷した素材の検査を徹底し、品質基準を満たさない素材を排除することで、製品の品質を維持できます。

さらに、素材の供給管理も重要な課題です。生産計画に基づいた適切な在庫管理をおこない、必要な素材を過不足なく調達することが求められます。リードタイムや輸送コストなども考慮し、効率的な調達体制を構築する必要があります。

近年では、持続可能性や環境への配慮も素材選択の重要な基準となっています。再生可能な素材や環境負荷の少ない素材の使用、リサイクル素材の活用などを通じて、企業の社会的責任を果たすことが求められます。

最後に素材の選択と調達においては、長期的な視点を持つことも大切です。一回限りの調達ではなく、継続的に安定した品質の素材を調達できるようにするためには、コスト面や環境面での配慮が欠かせません。

また、素材の価格変動やサプライチェーンの混乱などにも備え、複数の仕入れ先を確保するなどのリスク管理も必要です。

Material(材料)に変化が起こりやすいタイミングとしては、新製品の開発や生産量の増減、仕入れ先の変更などがあります。変化に対応するためには、柔軟な調達体制の構築と、関係部門間の緊密な連携を進めましょう。

Method(方法)は、作業の標準化やマニュアル整備など

4Mの中のMethod(方法)は、製造工程における作業手順や手法に関する要素です。作業の方法を標準化してマニュアル化することで、属人的な差異を排除し、誰が作業をおこなっても一定の品質を確保できます。

作業の標準化には、作業手順を明確化したり、作業時間の設定したり、品質基準の設けたりする必要があります。これらを内容をまとめたマニュアルを整備し、従業員への教育・訓練を徹底することがポイントになります。マニュアルは定期的に見直し、改善を加えることで、より効率的で安全な作業方法を確立できます。

またMethod(方法)を整えることは、従業員の安全確保の面でも重要な役割を果たします。作業手順を明確にし、安全装置の使用を徹底することで、労働災害のリスクを最小限に抑えられます。ます。

さらには、生産形態の選択も、Method(方法)に含まれます。見込み生産、受注生産、混合生産など、製品の特性や市場の需要に応じて最適な生産形態を選択しましょう。また、在庫管理の手法や、生産計画の立案方法なども、生産効率や品質に大きな影響を与えます。

Method(方法)に変化が起こりやすいタイミングとして、新製品の生産開始、既存製品の改良、生産量の増減、設備の変更などがあります。変化に対応するためには、作業手順の見直しや、マニュアルの更新が必要となります。

4Mをベースにした「5M+1E」とは

5M+1Eは、4M(人、機械、材料、方法)に「検査・測定(Measurement)」と「環境(Environment)」を加えたものです。

製造現場では、人、機械、材料、方法に加えて、測定や環境も品質へ影響を与える重要な要因とされています。以下に、4Mに加えられる要素を含めた5M+1Eの構成をまとめました。

5M+1E/6Mの構成要素と特徴一覧

要素名

種別

内容の例

Man

4M共通

スキル、配置、モチベーション、体調など

Machine

4M共通

設備の性能、操作性、整備状況

Material

4M共通

材料の品質、保管、検査体制

Method

4M共通

作業手順、標準化、マニュアル整備

Measurement

5M+1E/6M共通

測定機器の精度、ばらつき、計測条件

Environment

5M+1Eのみ

温湿度、照明、作業空間の衛生状態など

Management

6Mのみ

管理体制、ルールの明確化、責任分担、判断の一貫性など

4Mをベースにした「6M」とは

6Mは、4M(人、機械、材料、方法に「マネジメント(Management)」を加えたものです。マネジメント(Management)とは、製造業における管理・運営に関する要素を指します。

例えば、生産計画の立案や実行、スケジューリング、品質管理、在庫管理、リスク管理など、製造業のあらゆる側面に関わる管理業務があります。

生産計画の立案では、受注量や在庫量、生産能力などを考慮し、最適な生産スケジュールを作成し、計画の進捗状況に応じて修正を加えることが重要です。

品質管理においては、品質基準の設定、検査体制の整備、品質データの分析などを通じて、製品の品質を維持・向上させます。

在庫管理は、適正な在庫量を維持し、在庫切れや過剰在庫を防ぐための重要な業務であり、需要予測に基づいた発注や、在庫の可視化、在庫回転率の向上などが重要です。

また、リスク管理では自然災害によるサプライチェーンへの影響や市場の変動などのリスクを識別し、その影響を最小限に抑えるための対策を講じる必要があります。

マネジメント(Management)において、リーダーや統括者の役割も非常に重要になってきます。意思決定の迅速性と適切さが製造業の競争力を左右するため、生産現場の状況を的確に把握し、課題を早期に発見・解決する能力が、リーダーや統括者には求められます。また、部門間の調整や、社内外とのコミュニケーションもマネジメントにおいて重要な役割を果たすと言えます。

もしも事故がおこったら「4M分析」を用いて、改善点を明らかにする

もしも製造業の現場で事故が発生した場合、冷静に状況を分析して原因を究明することが重要です。4Mに沿って分析をおこなうことで、事故の原因を体系的に整理して効果的な対策が打て、同様の事故の再発を防げるでしょう。

ここでは「いくつかの製品が合格基準を満たしていなかった場合」を想定して、4M分析をおこなってみましょう。トラブルの原因をまとめると、以下の表のようになります。 

4M

想定される原因

原因から考えられる重要なこと

Man(人)

・作業員の技能不足
・作業手順の理解不足
・疲労や体調不良による集中力の低下

作業員の技能や理解度、体調管理

Machine(機械)

・設備の故障や不具合
・メンテナンス不足による性能低下
・設備の老朽化

設備の保全と更新

Material(材料)

・材料の品質のばらつき
・材料の仕様変更
・不適切な材料の使用

材料の品質管理と適切な選定

Method(方法)

・作業手順の不備
・検査基準の不適切さ
・品質管理方法の不備

作業手順と品質管理方法の適切な設定と運用

いくつかの製品が合格基準を満たしていなかった場合の4M分析

事故の原因が判明したら、4M変更管理のプロセスに従って改善策を実施していきます。最終的には、変更の内容と結果を記録して関係者に周知することで、再発防止と継続的な改善をおこなっていきましょう。

4Mを用いた「4M変更管理(4M変化点管理)」とは

4M変更管理(4M変化点管理)とは、製造業において製品や製造プロセスに関する変更を管理するための手法です。4Mの各要素(Man、Machine、Material、Method)に着目し、それぞれの変更点を識別、評価、管理することで、品質や生産性への影響を最小限に抑えることを目的としています。

製造業では、製品の設計変更、生産方法の改良、材料の変更などが頻繁におこなわれます。このような変更は品質や生産性の向上を目的としていますが同時にリスクも伴うため、4M変更管理では、それぞれの変更を体系的に管理するためのプロセスを定義します。

  1. 変更の提案:4Mのいずれかの要素に関する変更の必要性を検討し、変更の内容を提案する

  2. 評価と承認:提案された変更の影響を品質、コスト、納期などの観点で評価し、実施の可否を判断する

  3. 実装:承認された変更を実際の製造プロセスに適用する

  4. 検証と評価:変更の実施後、その効果を検証して期待された成果が得られているか、問題点はないかを評価する

  5. 文書化と学習:変更の内容と結果を文書化し、得られた教訓を今後の変更管理に活かすために知見を蓄積する

各4Mで起こり得る「変更点」と「対処方法」の例を以下にまとめました。

4M

変更点

対処方法

Man(人)

検査員の変更、ローテーション変更、退職、休暇

マニュアルや作業報告書の作成、人員増加

Machine(機械)

設備の更新、レイアウト変更、メンテナンス方法の変更

作業手順の見直し、教育訓練の実施

Material(材料)

仕入れ先の変更、材料の仕様変更、在庫管理方法の変更

検査基準の見直し、代替材料の評価

Method(方法)

作業手順の変更、検査方法の変更、生産管理方式の変更

マニュアルの更新、品質管理図の適用

4Mの変更点と対処方法の例

4M変更管理を適切に実施することで、製造業の品質と生産性の向上を実現できます。変更に伴うリスクを最小限に抑えつつ、継続的な改善を推進しましょう。

▶ 4M変更の目的や変更時に注意点、通知義務について詳しく解説した記事はこちら
  4M変更とは?理由や注意点、通知義務の有無、事故防止対策を紹介

4M変更管理を活かすには...?

4M変更管理を正しく現場で活用できれば、品質や生産性の安定と向上の両立につながります。4M変更管理を製造業の品質と生産性向上に活用するためには、以下の3つの取り組みが重要です。

  • 1度きりではなく定期的に作業方法を4M視点で見直す

  • 4M変更管理の記録やミスが起こりやすい箇所でデジタル化を進める

  • 4M変更時のチェックリストを整備する

どちらも品質管理の観点で非常に重要なポイントなので、自社で4M変更管理を定着させるためにもしっかりとチェックしておきましょう。

1度きりではなく定期的に作業方法を4M視点で見直す

4M(人、機械、材料、方法)は時間とともに変化することが多いため、定期的に4Mの視点で作業方法を見直すことが重要です。人の出入りは絶えずあり、機械も経年変化によって必要な対応が違ってきます。具体的には、以下のようなタイミングで4Mの見直しをおこなうことが効果的でしょう。

  • 新入社員や新しいメンバーが加入する前:新メンバーにスムーズに作業を習得してもらうために、作業手順を再確認して必要に応じて改善する

  • 機械や材料を変更したタイミング:新しい設備や材料を導入する際には、作業手順や品質管理方法を見直して最適な方法を確立する

  • 休暇明けに勤務するとき:長期休暇(GWや夏季休暇、年末年始休みなど)から復帰する際には、作業手順を再確認して必要に応じてリフレッシュ教育を実施する

このように、1度きりではなく定期的に作業方法を見直すことで、変化した4Mを適正な状況に戻すことが可能です。4Mの定期的な見直しを通じて、製造業の品質と生産性の継続的な向上を実現していきましょう。

4M変更管理の記録やミスが起こりやすい箇所でデジタル化を進める

4M変更管理においては変更の記録と情報共有は非常に重要ですが、紙ベースの記録方法の場合は、いくつかの課題があります。

まず、紙の記録では変更情報を瞬時に共有することが難しく、関係者間で情報の齟齬が生じるかもしれません。また、複数の変更がおこなわれた場合、どの情報が最新なのかを判断するのが難しくなります。さらに、紙の記録では記録する際に手書きの文字の読み間違いや、記入漏れなどが発生する可能性もあります。

4M変更管理では、人、機械、材料、方法に関する情報を関係者全員が正確に理解し、共有することが事故防止につながります。そのためには、全員が同じ情報を見られるようにすることが重要です。そのため、4M変更管理の記録やミスが起こりやすい箇所でデジタル化を進めることを検討してみてもいいでしょう。デジタル化により期待できるメリットは、以下のとおりです。

  • リアルタイムの情報共有

  • 情報の一元管理

  • 記録ミスの防止

情報共有の迅速化と正確性の向上を図るために、4M変更管理の記録やミスが起こりやすい箇所でデジタル化を進めるのも一つの有効な手段でしょう。 

4M変更時のチェックリストを整備する

4Mのいずれかに変更が加わる際は、リスクの見落としを防ぐためにも、事前の点検が欠かせません。あらかじめチェックリストを整備しておけば、作業者任せにならず、チーム全体での確認体制の構築が可能です。

実際に、点検業務や品質確認をデジタル化し、記録漏れを防ぐアラート機能を活用して確実な運用につなげた現場もあります。

さらに、紙帳票を撤廃し、工程ごとのチェック項目をタブレットで一元管理した結果、履歴の蓄積と作業の徹底を両立できた事例も報告されています。

4M変更管理が実際にどのような成果を生んでいるのかは、下記のセントラルキッチンの取り組みが参考になります。

参考:「攻めのDX」を推進する大手飲食チェーンのセントラルキッチンの取り組みとは

図解や分析手法で4M活用をより実践的にする

4Mの考え方を実務に活かすには、視覚的に整理できる図解や、分析手法の理解が欠かせません。特性要因図のようなツールを用いると、原因を体系的に分類しやすくなり、チームでの改善議論も進めやすくなります。基本的な分析ステップを押さえておけば、現場の納得感や改善提案の精度も高まります。

特性要因図(フィッシュボーン図)で原因を可視化する

特性要因図(CauseandEffectDiagram:フィッシュボーン図)とは、魚の骨のような形状をした図に要因を整理して可視化する分析手法です。4Mの視点で分類すれば、構造的に原因を整理しやすくなります。

問題が発生した際にチームで原因を洗い出す場としても活用でき、メンバー間の認識をすり合わせる機会にもつながります。

全体像を視覚的に把握できるようになると、改善の方向性が明らかになり、優先順位の判断にもつなげやすくなるはずです。

4M分析の基本ステップを理解する

4M分析を現場で活用するには、基本となるステップを押さえましょう。まずは問題を明確にし、関係する要因を4Mの観点から洗い出します。その後、真因を特定し、対策を立ててから効果を検証するまでが一連の流れです。

ブレインストーミングやなぜなぜ分析などを併用すると、視点が広がりやすく、要因の整理や優先順位付けがしやすくなります。分析手順を一貫して実践すれば、改善の精度と再現性を高めやすくなります。

4Mを活用した改善のポイントとは

4Mの視点で現場を分析すると、トラブルの要因を整理しやすくなり、改善提案の出発点にもなります。データを活用して真因を特定すれば、再発防止につながる仕組みの構築も可能です。

帳票のデジタル化や検査結果の分類を通じて、要因別に情報を管理する方法も有効です。属人的な判断に頼らず、チームで共通認識を持って分析できる環境を整えることで、実行力のある提案につなげやすくなります。

改善のポイントを整理すると、以下の3点に集約できます。

  1. 原因の全体像を4Mの観点で整理する

  2. 分析データを分類・記録して再現性を高める

  3. チームでの共通理解に基づいて改善を進める

1.4M分析を改善提案の出発点とする

4M分析は、現場で発生するトラブルの要因を人、機械、材料、方法の4つに分類する視点によって、課題の構造を明確にする手がかりになります。チームで事実に基づいて情報を整理すれば、根拠のある改善提案や議論が生まれやすくなるでしょう。

帳票や検査データを4Mごとに分類し、記録を残しておくと、過去の情報を再利用しやすくなり、再発防止や横展開にも役立ちます。

例えば、世界的自動車メーカーやテクノロジー企業に製品を供給する老舗のメッキ加工会社では、検査結果と工程データを4Mの視点で分類し記録することで、原因分析の精度と再現性を高めています。勘や経験に依存せず、再現性の高い改善が実現できる分析アプローチです。

4M分析が実際にどのような成果を生んでいるのかは、下記の世界的自動車メーカーやテクノロジー企業に製品を供給する老舗のめっき加工会社の取り組みが参考になります。

参考:世界的自動車メーカー・テクノロジー企業に製品を供給する老舗めっき加工会社がカミナシを活用

2.QC手法と組み合わせて実践精度を高める

現場で起きる変更には、常にリスクが伴います。人、機械、材料、方法のいずれかに変更があれば、4Mの視点で影響を点検する姿勢が欠かせません。

その際に有効なのが、4M変更管理の仕組みです。変更内容を記録し共有すれば、属人化を防ぎ、チーム全体での認識統一にもつながります。

実際に、衛生管理業務をタブレットで可視化した現場では、限られた人員でも高い品質水準を維持しながら業務の安定運用を実現しました。紙帳票をやめ、変更点やチェック項目の一元管理によって、再発防止と作業徹底の両立にも成功しています。

QC手法と4Mの組み合わせが実際にどのような成果を生んでいるのかは、下記の食品安全の認証取得をきっかけに既存の品質管理体制を刷新した事例が参考になります。

参考:食品安全の認証取得をきっかけに、既存の品質管理体制の刷新を決意

3.4M変更管理で現場の安定稼働を支える

4M変更管理では、人、機械、材料、方法のいずれかに変動がある際に、その影響を事前に検証してリスクを抑えます。人員や設備の入れ替えや材料の切り替え、作業手順の見直しは、現場の品質や納期に大きな影響を与えがちです。

チェック項目をあらかじめ設定し、変更前後の確認を徹底すれば、作業の漏れや誤りを防ぎながら品質と納期を安定させられます。

さらに、デジタルツールでチェックリストを共有すれば担当者に負担が偏らず、チーム全体で状況を把握できるため、限られたリソースでも高水準の業務を維持しやすいでしょう。現場の安定稼働には4M変更管理の徹底が欠かせません。

4M変更管理が実際にどのような成果を生んでいるのかは、下記のセントラルキッチンの取り組みが参考になります。

参考:1日約3万食の安全を守り続けるため、徹底した衛生管理をカミナシで効率化

中小企業が4M管理を進めるためのポイント

中小規模の現場では、人手や教育リソースに限りがあるため、4M管理を無理なく導入・定着させる工夫が求められます。

以下の3つの視点を押さえれば、小規模な組織でも再現性と安定性を備えた仕組みづくりが可能になります。

  1. 少人数でも使える標準化マニュアルを整備する

  2. 現場の改善提案を見える化する

  3. 点検項目の見直しを通じて業務の質を高める

1.少人数でも使える標準化マニュアルを整備する

人手が限られる現場では、属人化を防ぎ、再現性のある手順を整備する必要があります。作業者によってばらつきが出てしまう状況では、品質や安全性の維持が難しくなりがちです。

標準化されたマニュアルに加えて、写真や動画などを使って作業内容を可視化すれば、理解のばらつきを抑えやすくなります。動作や注意点が具体的に示されていれば、現場での活用度も高まります。

標準化された仕組みが定着すれば、新人教育や作業の引き継ぎもスムーズに進みます。結果として、作業精度の安定化や品質維持にもつながっていくでしょう。

2.現場の改善提案を見える化する

現場の気付きや提案を共有する仕組みがあれば、改善活動の定着が期待できます。日々の作業中に生まれた小さなアイデアも埋もれず記録され、改善につながる土壌が育まれるでしょう。

提案は4Mの視点で分類すると、傾向や原因の把握がしやすくなります。課題が偏っている領域が明らかになれば、対応の優先順位も判断しやすくなるはずです。

一覧化された提案は現場の意識を刺激し、改善意識の定着にも貢献します。蓄積された提案が継続的に活用される環境が整えば、改善文化の醸成にもつながります。

3.点検項目の見直しを通じて業務の質を高める

点検項目を4Mの視点で分類すれば、作業の抜けや見落としを防ぎやすくなります。変更のたびにすべてを見直すのではなく、構造的に整理されたチェックリストがあれば、現場でも使いやすくなります。

また、定期的に点検内容を振り返ることで、現場の変化に応じた項目の見直しや改善も進めやすくなります。記録の管理も紙からデジタルへ移行すれば、保存性や検索性が向上し、履歴をもとにした改善判断がしやすくなるでしょう。

4Mで現場管理を強化する際の注意点

4Mの仕組みを導入・定着させるためには、業務プロセスの整備だけでなく、現場の状況や作業者の状態にも目を向ける必要があります。特に人や材料、方法の観点で見落としがちな要素に注意を払いながら運用を進めると、制度疲労を防ぎながら持続的に活用できる体制づくりにつながります。

上記を踏まえ、4M管理の定着を妨げやすい注意点を整理しました。

  • 作業者のモチベーションや体調管理に着目する

  • 材料の検査・保管やトレース体制を整える

  • 標準作業と現場の方法変更を定期的に見直す

作業者のモチベーションや体調管理にも着目する

4Mで現場を管理する際、作業者のモチベーションや体調などの人に関わる要素は見落とされがちです。

たとえ業務プロセスが整っていても、作業者の状態にばらつきがあれば、品質や納期の安定は難しくなります。繁忙期の疲労や心理的負荷がパフォーマンスに影響する場合もあるため、日頃からの状態確認が大切です。

また、改善活動に現場が関わる機会を設けると、主体性が生まれやすくなり、モチベーション向上にもつながります。実際に、現場を巻き込んだ運用体制によって改善文化が根づき、9割以上の利用率を実現した事例もあります。

現場を巻き込みながらカミナシを全社展開した以下の取り組みを参考にしてください。

参考:利用率は9割以上。現場を巻き込んだ導入でカミナシの全社展開を実現

材料の検査保管やトレース体制を整える

材料管理は品質に直結する工程のひとつです。入荷時の検査や保管環境の管理(温度や湿度など)を徹底すれば、品質のばらつきを抑えやすくなります。

また、ロット番号や仕入れ先の履歴を記録しておけば、万が一の不良発生時にも追跡調査がスムーズに行えます。特に、記録が紙ベースだと転記ミスや確認漏れが発生しやすいため、デジタル管理への移行が効果的です。

例えば、在庫管理や点検業務をデジタル化し、ロット番号をカメラで記録して添付する仕組みによって、転記ミスを防ぎながら業務負荷の軽減とトレーサビリティの強化を両立させた現場もあります。

下記の事例では、現場主体で検査体制を強化しながらトレーサビリティを構築した取り組みが参考になります。

参考:事業拡大に伴い煩雑化し続ける管理業務の課題をカミナシで解決

標準作業書と現場の方法変更を定期的に見直す

Methodの要素は、一度決めた手順を守るだけではなく、現場の変化に応じて更新されるべきです。作業者の工夫や設備の更新、材料の変更などにより、標準手順との乖離が生まれる場合があります。

定期的な確認を怠ると、現場で独自の方法が浸透し、属人化や品質ばらつきの要因となるリスクが高まります。標準作業書の内容と現場実態を照らし合わせながら見直しを行うことで、作業精度と安全性の維持につながるでしょう。

一部の現場では、定期点検のタイミングに合わせて作業手順の確認と更新を行う体制を整えた結果、現場全体の理解度と対応力が向上した事例もあります。

作業方法や現場のルールを定期的に見直した結果、どのような成果を生んでいるのかは、下記の取り組みが参考になります。

参考:2030年を見据えたペーパーレス化と従業員の意識改革を推進

4Mを理解して、製造業務の効率化と標準化へ

本記事では、製造業の品質管理において重要な概念である4M(Man、Machine、Material、Method)について解説しました。4Mとは、製品の品質を決める「人(Man)」、「機械(Machine)」、「材料(Material)」、「方法(Method)」の4要素でそれぞれの頭文字を取ったものです。

4Mの変更を適切に管理し、関係者全員で情報を共有することが、事故の防止と品質の維持に不可欠です。また、4Mをベースにした「5M+1E(4M+Measurement・Environment)」や「6M(4M+Manegement)」を取り入れることで、さらなる品質向上や効率化を図れます。

4M変更管理を効果的に活かすためには、定期的に4Mの視点で作業方法を見直し、改善の機会を見出すことが重要です。また、4M変更管理の記録やミスが起こりやすい箇所でデジタル化を進めるのも、情報共有の迅速化と正確性の向上に貢献してくれるでしょう。

4Mの視点で現状の業務を見直すことで、改善のポイントが見えてくるはずです。4Mの概念を活用し、業務の効率化と標準化に取り組んでみましょう。

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執筆者:むつごろー

自動車メーカーの製造に勤務し、一次情報を基にした記事執筆をおこなう。機械製造以外にも食品製造への知見もあり、現場改善や品質管理における記事の執筆も担当している。

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