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公開日 2025.02 .17

更新日 2025.09.17

食品衛生7Sとは?5Sとの違いや7つの要素をわかりやすく解説

食品衛生7Sとは?5Sとの違いや7つの要素をわかりやすく解説

食品の製造環境にとって欠かせない「7S」は、食品衛生管理の基礎となる手法のことです。

ただ、なぜ食品の製造環境において7Sを取り入れるべきなのか、その目的が分からない人も少なくありません。そこで今回は、食品衛生7Sのを行う目的や軸となる要素について解説します。

目次

食品衛生管理の基礎となる「7S」とは

食品衛生7Sとは、衛生管理に必要な、整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌・しつけ・清潔の7つの要素の頭文字「S」をとった総称です。食品における継続的な安全を確保するには、これらの管理基準を維持しなければいけません。

食品衛生7Sの目的は、顕微鏡でなければ目視できない微生物まで徹底的に排除して清潔な状態を保ち、安全を確保することを目的としています。

食品衛生7Sを実施することで食品の安全を守れることはもちろん、食品衛生における従業員の意識や製品の品質が向上したり、消費者や取引先からのクレームが減少したりするなど、さまざまな効果を得られるのが大きなメリットです。

また、各工程の作業も明確化し無駄な作業が取り除かれることから、生産効率が向上して経費の削減にも効果を発揮してくれます。食品衛生7Sを正しく運用できれば、食品の安全を守るだけでなく企業全体にも利益をもたらしてくれるのです。

食品衛生7Sと5Sの違い

食品衛生管理には「5S」も存在します。食品衛生5S は、整理・整頓・清掃・しつけ・清潔の要素を基準とした管理手法のことです。この5Sから2つの要素が足された管理手法が「7S」になります。

食品衛生5Sと7Sは似た要素を基準としているため何が異なるのか分からない人も多いですが、実は目的が大きく異なるのです。

「7S」が食品製造環境における清潔な状態を保つことが目的であることに対し、「5S」の目的は工場の生産効率を向上させることにあります。

管理手法における工程は似ていますが、目的はまったく違うので、「7S」と「5S」混同しないように注意しましょう。

食品衛生管理7Sの要素

ここからは、食品衛生7Sにおける7つの要素を深掘り解説します。食品衛生7Sに取り組むために欠かせない要素なので、しっかり確認しましょう。

1.整理

食品衛生7Sにおける「整理」とは、必要なものと不必要なものを判別して不要なものを処分することをいいます。

不要なものが作業場にあると、動線が悪くなったり清掃しづらくなったりして作業全体の効率が落ちてしまうことも。また、虫やネズミなどの滞在場所になることもあるため、衛生的にもあまり好ましい状態ではありません。

今後のことを踏まえて処分するか決めかねるときは、期限を決めて一旦保管することがポイント。保管中に使用する機会がなければ、今後も使用する機会はほとんど無い可能性が高いです。

工場内の整理を進めるためにも、いつ使用するか分からないものを保管しておくより、処分の決断を下すことが望ましいでしょう。

2.整頓

食品衛生7Sにおける「整頓」とは、必要なものを必要なときに取り出せる状態にしておくことです。ある特定の従業員しか保管場所がわからないものがあると、その人が確認しないと作業が進まなくなってしまいます。

どこに何を保管するか工場内でルール化されれば、作業効率も高められるだけでなく無駄なロスも軽減されるでしょう。

また、保管場所などをマニュアル化すれば、新人教育にも役立たせることができるので、教育担当者の負担を減らせるのも大きなメリットです。物品の保管場所を決めて、誰でも必要なときに取り出させる環境を整えましょう。

3.清掃

「清掃」は、工場内にゴミやほこりがない綺麗な状態に掃除することをいいます。多くの工場では毎日欠かさず掃除をするところも多いですが、正しく掃除が行われているか確認するケースは決して多くはありません。

ゴミやほこりが残っていると食品トラブルが起こる可能性もあるため、定期的に正しく掃除が行われているか確認することが大切です。

食品衛生7Sでは、「いつ・誰が・どのように」掃除をしたか管理する表を作成して、それぞれの工程を工場の責任者がチェックすることが求められます。

4.洗浄

「洗浄」は、水や洗浄剤を使用して工場内を清潔に保つこと。食品を扱う工場では汚れや微生物が溜まりがちです。

そのまま放置しておくと食品トラブルにつながるので、食品に付着する汚れや微生物を除去することはもちろん、使用済みの調理器具や食器などの汚れもきっちり取り除き、消毒の効果をより一層高めていきます。

食品衛生7Sでは、洗剤の種類や濃度がシーンに合わせて適切に使用できているかを確認。正しく使用できていないときは汚染リスクも高まるので、手順書を作成するなどして徹底的に管理して行くのです。

手順書とともにチェック表を作成して作業者を管理することも効果的でしょう。

5.殺菌

「殺菌」とは、除菌や消毒、殺菌などすべての微生物汚染のリスクを低減させるために行う作業のことです。

食品における雑菌作業を怠ると、食中毒が発生するケースも少なくありません。食中毒は下痢や嘔吐だけでなく、ときには命に関わる可能性もある危険なものです。

消費者を危険な目に合わすことはもちろん、企業イメージも大きな打撃を受けることになるでしょう。そのため、殺菌する場所や部位ごとに殺菌方法や手順を取りまとめた資料を作成して、従業員に徹底してもらうことが大切なのです。

6.しつけ

食品衛生7Sにおける「しつけ」は、整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌の作業手順が徹底されるように従業員を管理することをいいます。各工程における作業手順を作成しても、それが正しく実行されていなければ意味がありません。

食品に関するトラブルを防ぐためにも従業員が正しく実行するように管理する必要があります。新入社員へのOJTや全従業員への定期的な教育など、食品衛生への理解を深めて意識を向上させることがとても重要なポイントです。

7.清潔

食品衛生7Sにおける「清潔」は、整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌が従業員のしつけにより、工場内を清潔な状態を維持することです。工場内を清潔に保つためには、従業員の意識を向上させるだけでなく継続的に維持しなければいけません。

そして、継続的な維持が食品リスクの提言に繋がり、消費者に安心安全な製品を提供することができるのです。結果的に企業のイメージや信頼度も向上し企業拡大への道も開けるでしょう。

「現場でのチェック作業が増えて負担が大きい」「記録するだけで改善につながらない」。

品質管理において、こうした悩みを抱える現場は少なくありません。背景にはHACCP義務化による業務の複雑化や、人手不足が深刻化する中での従来型運用の限界があります。

そこで注目されているのが、品質管理業務をDXで効率化し、同時に精度を高めるというアプローチです。本資料では、現場起点の課題をどのように解消できるのか、具体的な改善事例と共に詳しく解説しています。

食品事故の事例

食品衛生7Sの基準を満たしていない企業は、食品リスクに繋がる可能性があるということです。食品事故の事例をまとめたので、食品リスクにおいてどう向き合うべきか考えてみましょう。

冷凍食品への農薬混入事件

2013年に発覚した冷凍食品への農薬混入事件。群馬にある食品工場で製造した冷凍食品から農薬が検出されたとして自主回収が発表されました。その年の夏に工場の改装工事が行われていたので、工事が原因という声もあったそうです。

ただ、調べを進めるうちに工場の契約社員であった40代男性が殺虫剤で使われる農薬を冷凍食品に混入したことが判明し、その後逮捕されました。この農薬混入事件における健康被害は、約3,000人になったといわれています。

O-157による大規模な食中毒事件

2012年に北海道の高齢者施設にO-157が発生し、8人が死亡する食中毒事件が起きました。O-157とは、毒力の強いベロ毒素を出す大腸菌の一種で感染した人の健康に害を及ぼし、最悪の場合死に至ることもある恐ろしい菌です。

北海道の食中毒は、漬物会社が製造した白菜の浅漬けに0-157が感染したことが原因だったことを発表。

製造工場を調べてみると、製造における記録がなかったり殺菌するときも殺菌液を目分量で作業していたりなど、衛生管理がしっかり行われていない工場だったこともわかっています。

食パンを介したノロウイルス食中毒

2014年には、浜松市の小学校で患者数1,000人を超える大規模な食中毒が発生しました。この食中毒の原因は学校給食で提供された食パンだったことが発表されています。

給食を作る施設では異物混入がないか食パン1枚ずつ確認。作業は手袋を着用したうえで行われていましたが、従業員の手からノロウィルスが検出されたことから、手袋を装着するタイミングに誤りがあったことが指摘されています。

7Sを土台にプロセス管理も徹底構築

消費者に安心安全の製品やサービスを提供するなら、食品衛生7Sだけでなくプロセス管理することでより食品リスクを低減させることが可能です。ここでは、プロセスを管理できるHACCP・ISO22000・FSSC22000について解説します。

HACCP

HACCPとは、食品を製造する工程で危害が発生しやすいかを分析や予測をしてリスクを未然に防ぐことをいいます。従来はHACCPを導入するかどうかは企業に判断を委ねられていましたが、2020年6月から義務化がスタート。

食品に関連する企業は食品衛生7Sを土台にHACCPの導入が必須になります。HACCPの義務化に未対応の場合は、罰則が設けられることもあるので注意しましょう。

ISO22000

食品安全管理を実践するためのマネジメントシステム「ISO22000」は、多くの食品関連企業から注目を集める国際規格です。

HACCPの企画内容をすべて含んだうえでマネジメントシステムの要素が加えられているため、安全なサプライチェーンの展開が期待できます。

また、ISO22000認証である一定の基準をクリアしていることを掲示できるため、企業イメージの向上や取引先の拡大が見込めるのも大きなメリットの一つです。

FSSC22000

ISO22000をベースに、より厳しい基準が設けられた「FSSC22000」。食品安全システムの継続的改善を目的に設立されたGFSIが承認する国際規格で、今後はISO22000以上に支持が広がることが予測されています。

ISO22000より厳しい要求事項が設けられているため、認証を受けるのも決して簡単ではありません。しかし、認証を取得すれば、取引先や消費者から厚い信頼を獲得できるでしょう。

まとめ

製品やサービスを消費者に安全に届けるために製造環境を清潔に保つことを目的とする「食品衛生7S」。過去に発生した食品事故は、工場内における管理が徹底されていれば起こらなかった事件もあります。

製品やサービスが安全に届けられれば、消費者の健康を守れることはもちろん企業イメージが向上することは間違いありません。食品衛生7Sを導入して、工場内の清潔を徹底的に管理しましょう。

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執筆者:現場と人 編集部

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