現場と人ロゴ画像

現場DX3点セット
資料ダウンロード

現場DXの
最新情報を受取る

公開日 2025.03 .12

更新日 2025.10.15

作業手順書のDXを製造業で進めるには?電子化の準備や現場事例を解説

作業手順書のDXを製造業で進めるには?電子化の準備や現場事例を解説

作業指示書は現場の従業員に製造の流れをわかりやすく説明し、効率的かつ確実に作業を進める上で重要な役割を果たしています。しかし、紙の作業指示書を使う多くの企業では、書類を探すのに時間がかかり作業が遅れる、変更点の情報共有が不十分でミスが生じる、紙を紛失して生産ラインが停止するなどの問題を抱えているのが現状です。

作業指示書を電子化すると、上記のような問題は解決されるため、近年デジタル化を進める企業が増えています。作業所の電子化によって、従業員がスマホやタブレットで手軽に指示内容を確認できるため、業務効率の低下や書類紛失などのリスク軽減や、正しい手順に沿った確実な作業が可能になります。

自社の目的に合った方法やツールを選び、従業員の理解や協力を得た上で準備を進めることが、デジタルの作業指示書を現場に浸透させ、業務効率化や生産性向上を実現するためには大切です。

本記事では、製造業の作業指示書を電子化する方法やメリット、具体的な手順や電子化に成功した企業の事例を解説します。

マニュアルDX化の最新ノウハウをまとめた、ガイドブック3点セットも無料でプレゼントしているので、併せてご確認ください。
➡︎マニュアルDX化ガイドブック3点セットを無料でダウンロード

目次

製造業の作業指示書を電子化する方法

製造業の作業指示書を電子化する方法は、主に以下の4つに分けられます。自社の業務内容や現場のIT環境、従業員の習熟度などに応じて、最適な手段の選択が重要です。

  • WordやExcelのテンプレートを使って作成

  • 紙の作業指示書をスキャンしてPDF化

  • 作業指示書を作成できるITツールの活用

  • 作業手順書DXの第一歩としてペーパーレス化を進める

コストの比較だけにとどまらず、現場の利便性や情報共有のしやすさなど、複数の観点を踏まえた上で最適な手段を選ぶ必要があります。現場業務の標準化や作業効率の向上を実現するには、電子化の定着まで見据えた準備と運用設計が欠かせません。

WordやExcelのテンプレートを使って作成

作業指示書の電子化には、多くのパソコンに標準装備されているWordやExcelに入っているテンプレートを使って作成する方法があります。

現在使用している紙の作業指示書がWordやExcelから出力されたものであれば、そのまま使用でき、従業員も見慣れたフォーマットで指示内容を確認できるため、スムーズに現場での定着を図れます。新たにテンプレートを使って作成する場合でも、多くの人はWordやExcelの基本的な操作に慣れているため、手軽に作業指示書の電子化が可能です。

WordやExcelは、複数アカウントとの共有も可能で、事務所で作成した作業指示書をリアルタイムで現場に届けられます。ただし、スマホやタブレットからだと内容を確認しにくいため、情報を探すのに手間がかかる可能性がある点に注意が必要です。

また、共有アカウントは管理者が毎回設定しなければならず、作成後の手間がかかる点もデメリットとなります。共有設定を忘れると現場に指示が届かず、納期遅れによる顧客トラブルなどの問題に発展する可能性もあるため、WordやExcelを活用する際は管理者向けの作成マニュアルを用意し、周知徹底を図りましょう。

紙の作業指示書をスキャンしてPDF化

紙の作業指示書をスキャンし、PDF化するのも電子化を進める方法の一つです。指示内容を紙に書いてスキャンする工程がある分、WordやExcelに比べて手間はかかりますが、使用端末によって書式が崩れるリスクがなくなるため、現場の従業員が指示内容を参照しやすくなります。

パソコンの操作が不慣れな人でも紙をスキャンするだけで現場に効率良く指示を出せるため、管理者側の年齢層やパソコンスキルの有無によっては企業のメリットが大きい場合もあります。

ただし、作業指示書をPDF化する際は、最初に紙の指示書を用意しなければならず、電子化に成功しても紙の印刷コストや原本の保管スペースが必要となる点は変わりません。PDF化したデータは変更不可で、指示内容が変わった場合は訂正した作業指示書を改めて共有したり、現場の従業員に電話やメールで伝えたりする手間もかかります。

紙の印刷コスト・保管スペース削減のために電子化を進めたい場合は、WordやExcel、ITツールを活用してデジタルの作業指示書を用意しましょう。

作業指示書を作成できるITツールの活用

作業指示書の作成に特化したITツールは直感的な操作でテンプレートを用意できるものが多く、パソコンの操作に不慣れな人でも簡単に指示内容を入力し、現場の従業員に素早く伝えられます。

作成した作業指示書はシステム内にそのまま保存されるため、紙を印刷する手間や保管スペース、紙自体にかかるコストも削減できます。

スマホでの操作性が高いITツールを導入すれば、現場の従業員も抵抗感なく使用でき、積極的に指示内容を確認することで作業ミスや品質のバラツキがなくなり、顧客満足度向上につながる製品の提供も可能です。

このようにITツールを活用すると、コスト削減や作業レベルの向上、品質の安定化などさまざまな効果が期待されます。ただし、中には有料のITツールもあるため、事前に初期費用や月額費用、搭載されている機能を慎重に比較検討し、自社に合ったものを選ぶことが最小限のコストで電子化の目的を達成するためには大切です。

また、従業員にとって使い勝手の悪いツールだと現場で浸透されず、費やしたコストに対するリターンを得られない可能性もあるため、導入の際は従業員の納得感を得た上で電子化を進めましょう。

作業手順書DXの第一歩としてペーパーレス化を進める

作業手順書のDXは、帳票の電子化から始めれば、業務の効率化や標準化を進めやすくなります。紙帳票は保管や検索、共有に多くの工数がかかり、記録ミスや確認漏れの温床になりやすい運用形態です。紙に依存した業務が継続すると、作業品質のばらつきや対応の遅れが生じるおそれがあります。

パッケージ製造の現場では、毎月3,000枚以上発生していた紙帳票をカミナシで完全にデジタル化しました。帳票の保管や問い合わせ対応にかかる時間が短縮されたほか、記入ミスや共有漏れのリスクも軽減されています。監査対応や取引先への説明も円滑になり、現場全体の業務精度が向上しました。

参考:製造部のデジタル化の一歩目にカミナシを導入。毎月3,000枚以上の帳票がゼロに

紙の帳票に追われて現場の改善が進まない、属人化が解消できない...そんな悩みを抱える現場責任者の方も多いのではないでしょうか。

こうした課題は「現場業務の標準化とデジタル化」が不十分なことに起因します。

本資料では、タブレットを使った5つの活用シーンと、業界別の導入成功事例を紹介。
明日から現場で何を変えるべきか、そのヒントを得られる内容です。

製造業で作業指示書を電子化するメリット

製造業における作業指示書の電子化は、作業効率の向上や情報共有の円滑化、記録精度の安定などにつながります。帳票が紙で管理されている現場では、業務に無駄な時間や手間がかかりやすく、対応のばらつきや属人化といったリスクも発生しやすくなります。

作業指示書を電子化すると、次のようなメリットが得られます。

  • 書類を探す手間の削減による作業効率化

  • 従業員の持ち出しによる書類紛失・破損リスクの軽減

  • 現場から離れた場所でもリアルタイムで情報共有が可能

  • 多言語機能があれば外国人従業員にもスムーズに対応

  • 熟練者の作業手順の可視化と標準化

作業指示書の電子化によって得られる効果を把握すると、自社に合った方法やツールの選定が進めやすくなります。現場の状況に応じた運用設計を行うための第一歩として、目的意識を持った取り組みが重要です。

書類を探す手間の削減による作業効率化

作業指示書を電子化すると、現場の従業員が作業内容や注意事項、工程順などを確認するときに書類を探す手間が減り、必要な情報をすぐに見つけて効率良く作業を進められます。

紙の作業指示書を探すときは記憶を頼りにファイルを探し、保管庫の中から該当する書類を見つける工程が必要です。一方、デジタルの場合はキーワードを入力し、検索するだけで必要な情報にたどり着けるため、作業が停滞する時間を大幅に減らせます。

スマホやタブレット端末で確認できるようにすることで、作業中に不明点や問題が生じても、作業場と保管庫を行き来することなく指示内容を確認し、自分の持ち場に戻れる点もメリットです。作業終了後の振り返りや申し送り事項を記載するときも、時間をかけずに入力作業を終え、次のやるべき業務に着手できます。

情報の取り出しやすさから積極的に指示内容を確認する従業員が増えると、全体の作業レベル向上による品質の安定化が可能になり、良質な製品提供で新規顧客やリピーターの獲得、売上アップにつなげられます。

従業員の持ち出しによる書類紛失・破損リスクの軽減

作業指示書を電子化することで、従業員が社外や別の場所へ持ち出し、紛失や破損のリスクが大幅に軽減されるのもメリットです。

紙の作業指示書の場合、確認が必要なときに毎回持ち出さなければならず、戻し忘れで書類を紛失することや、油や水で書類が汚れるなどの問題が発生するリスクがあります。

作業指示書の紛失や破損が起きると、共有事項の伝達漏れや書類の作り直しなどが発生し、現場の作業効率を大幅に低下させるかもしれません。

しかし、作業指示書を電子化すればパソコンやシステム上で簡単にデータを管理できるため、常に見やすい状態で長期的に情報を残せます。紙の作業指示書は、劣化によって書類が見づらくなる可能性もありますが、電子化したものであればいつでも正確な情報を入手できる上、トラブル発生時も過去のデータを遡ることで迅速な対応が可能です。

その結果、指示内容にもとづく正確な作業や顧客トラブルの未然防止が可能になり、企業としての高い信頼性を維持できます。

現場から離れた場所でもリアルタイムで情報共有が可能

紙媒体と違って、電子化された作業指示書はインターネット上で情報共有できるため、管理者が現場にいなくてもリアルタイムで進捗状況を確認することや、変更点を従業員に伝えることなどが可能です。

従業員側も、管理者の指示をリアルタイムで確認することでスピーディな対応が可能になり、作り直しによる生産ラインの停滞や業務負担の増加を防ぎ、効率的かつ的確に作業を進められます。

たとえば管理者が現場の進捗状況を確認したいときは、事務所のパソコンから該当データを取り出し、作業実績や終了日時をチェックすることで現場の状況を的確に把握できます。納期や受注量の変更がある場合も、リアルタイムでのスケジュール調整が可能です。

現場の従業員に通知が届くツールを導入すれば、急ぎの対応が必要な場合も迅速な情報共有で予定通りに製品を用意し、顧客満足度の向上につなげられます。指示内容を現場の従業員に伝えるスピードを上げることで、作業効率化だけでなく他者と差別化を図る競争力も強化され、企業の信頼性向上や売上アップに貢献できます。

多言語機能があれば外国人従業員にもスムーズに対応

多言語機能付きの電子化ツールを導入すれば、意思疎通を図ることが難しい外国人従業員にもスムーズに対応でき、日本人従業員と作業レベルを統一できます。

近年は製造業における人手不足が問題視される中、新たな人材として外国人従業員を積極的に受け入れる企業が増加傾向にあります。しかし、作業内容について疑問や不明点があっても気軽に質問できない環境では、自己判断で作業を進めてしまうこともあります。その結果、品質のバラツキや不良品が発生し、顧客満足度の低下を招く可能性もでてきます。

そのため多言語機能が搭載されているITツールを導入し、日本語で作成された作業指示書でも母国語に翻訳した状態で情報共有すると、時間や手間をかけなくても外国人従業員に正しい指示内容が伝えられます。

わからないことがあっても、母国語に翻訳された作業指示書を見るだけで疑問が解消されるため、作業ミスも軽減し、安定した品質の製品を顧客に提供し続けられます。

少子高齢化が進む中、外国人従業員は製造業における人手不足を解消する上で重要な労働力となります。多言語機能付きの作業指示書を導入することで、外国人を含めた全従業員が正確な情報に基づく作業を実施でき、生産性や顧客満足度向上、売上アップにつなげられます。

熟練者の作業手順の可視化と標準化

熟練者が担ってきた作業手順を文章や写真、動画で具体的に記録すれば、誰でも同じ基準で対応できる体制を整えられます。

現場が特定の従業員に依存している場合は判断のばらつきや教育の非効率が生じやすいため、手順の基準や作業のポイントを具体的に記録し、全従業員が迷わず実行できる状態にしなければなりません。

例えば、ある乳製品製造の現場では、紙のチェックシートと口頭指導に頼っていたため、新人が業務を覚えるまでに1〜2年もかかり、ミスも多発していました。

そこで作業手順をデジタルテンプレート化し、写真や動画付きで作業のポイントを示す方式に切り替えた結果、タブレットで手順を確認しながら作業できるようになりました。さらに習得に要する期間が半分に短縮し、記入漏れや判断のばらつきが減少したため製造トラブルは約30%減っています。

このように、熟練者のノウハウを可視化して共有する取り組みは、教育工数の削減と作業品質の安定化につながります。

作業手順書DXを成功させるための準備手順

作業手順書のDXを進めるには、いきなりツールを導入するのではなく、現場の実態に即した段階的な準備が必要です。帳票運用の状況を確認し、関係者間で目的を共有すれば、現場への定着と再現性のある運用を支えやすくなります。

準備段階では、次の3つのステップを意識して進めると効果的です。

  1. DX化に向けた現場ヒアリングを実施する

  2. 経営層や管理部門との目的共有を行う

  3. 帳票や手順書を整理して優先順位を明確にする

1.DX化に向けた現場ヒアリングを実施する

作業手順書のDXを進める際は、現場の実態を正確に把握する姿勢が重要です。帳票の使われ方や作業フローの実情を、現場の従業員に直接ヒアリングすれば、形骸化した手順や運用上の無理を明らかにできます。

電子化によって改善したい業務や、現場で発生している具体的な課題を明確にすると、導入後の運用ギャップを抑えやすくなります。現場の意見を準備段階で反映させると、実際の運用に即した設計が可能です。

現場の理解と協力を得ながら、前向きな雰囲気で取り組みを始めましょう。

2.経営層や管理部門との目的共有を行う

作業手順書のDXを効果的に進めるには、現場だけでなく経営層や管理部門との目的共有が不可欠です。コスト削減や品質安定など経営視点の効果を言葉にして伝えれば、組織全体の理解と納得を得やすくなります。

全社で取り組みの背景や目的を事前に共有しておけば、各部署の協力を得やすくなります。現場だけに負荷が集中する事態も回避しやすくなるでしょう。DX推進を担う担当者と現場の従業員との間に立つ調整役を明確にすれば、意思決定と運用設計の橋渡しもスムーズです。

3.帳票や手順書を整理して優先順位を明確にする

作業手順書のDXを効果的に進めるためには、紙帳票や手順書の実態を事前に整理する必要があります。帳票の種類や使用頻度、記入者の担当範囲などを把握すれば、どこから着手すべきかが見えやすくなるでしょう。

業務への影響が大きい箇所や記入ミスが頻発している工程を優先すれば、電子化による効果を短期間で実感しやすくなります。帳票の棚卸しを通じて、記載内容や形式の統一、不要な帳票の削減も可能です。

製造業における作業指示書の電子化を進める手順

製造業における作業指示書の電子化を進めるには、以下の 6つの手順を意識すると効果的です。従業員向けの説明や研修を丁寧に行いながら段階的に取り組めば、現場に無理のない形でDXが定着しやすくなります。目的や課題を整理したうえでツールを選定し、現場の声を反映させながら改善を重ねることで、利用率の向上や品質の安定につながります。

1.作業指示書を電子化する目的を明確にする

2.電子化の意図や期待される効果を従業員に説明する

3.作業指示書の電子化に必要なツールを選定する

4.作業指示書の項目を見直し、統一した体裁にする

5.従業員向けの研修を行って定着を図る

6.現場フィードバックをもとに運用改善を行う

現場の実態を把握したうえで、改善の優先度や目的を明らかにし、自社に合ったツールと手順を適切に選定する必要があります。自社の目的に合った方法やツールを活用し、効率的に作業指示書の電子化を進めましょう。

1.作業指示書を電子化する目的を明確にする

まずは作業指示書を電子化する目的を明確にしましょう。使用するツールや運用方法の検討が容易になるだけでなく、全従業員が同じ目的に向かって業務改善に取り組み、電子化による効果を高められます。

たとえば作業効率化を図るために電子化を進める場合は、スマホやタブレットでも書式が崩れず、必要に応じて画像やイラストを簡単に挿入できるツールを選ぶと、現場の従業員に指示内容をわかりやすく伝えられます。

原材料の受け入れから納品までの工程を追跡するトレーサビリティの強化が目的であれば、過去の変更履歴を保存し、トラブル発生時にすぐデータを遡れるツールの活用が有効だと考えられます。

目的

必要な機能

現場で働く従業員の作業効率化

・スマホやタブレットでも表示できる
・画像や動画などの挿入可能

トレーサビリティの強化

・過去の履歴を検索、保存可能
・様々な条件で検索ができる

作業指示書の作成目的と必要な機能

電子化の目的は経営層や管理者の判断だけで決めるのではなく、現行の作業指示書が従業員にとって使いやすいか、どこに課題を感じているかなどについて、ヒアリングやアンケートから客観的な意見を集めた上で検討するのがポイントです。

2.電子化の意図や期待される効果を従業員に説明する

作業指示書を電子化する目的が明確になったら、何のために電子化を進めるのか、どのような効果が期待されるのかを従業員に説明し、事前に理解を得ることも導入をスムーズに進める上で大切です。

従業員に何の説明もなく、いきなり電子化を進めれば現場が混乱し、かえって作業効率が落ちたりミスが増えたりする可能性があります。現場の従業員がデジタルの作業指示書を抵抗感なく使えるよう、電子化の目的やメリットを経営層や管理者から丁寧に説明しましょう。

一方的な説明だけで終わらせず、従業員からの質問や相談にも対応すると、電子化を進める上での不安や懸念点を解消でき、現場での定着を図りやすくなります。作業指示書を電子化する必要性が従業員に伝われば、工場全体で協力体制が構築され、短期間での作業効率アップや生産性向上、品質の安定化などが期待できます。

3.作業指示書の電子化に必要なツールを選定する

作業指示書の電子化について従業員の理解を得たら、自社の目的や現場の実態に合ったツールを選定しましょう。

導入・運用コストを最小限に抑えたい場合はWordやExcel、PDFなど社内のパソコンに標準装備されているソフトか、無料のITツールがおすすめです。

ただしコストだけを重視して選ぶと、操作性が悪く従業員の利用率が上がらない、使える機能が少ないために作業効率が低下するなど逆効果になる可能性もあります。

電子化ツールを選定する際は、目的達成のために必要な機能を整理し、長期的に運用した場合の費用対効果を予測した上で比較検討することが、導入後に確実な成果を出すためには大切です。

作業指示書の電子化におすすめのITツール

作業指示書の電子化を進める上で、おすすめのITツールを下記の表にまとめました。初期費用や月額費用、特徴から自社の目的や予算に合ったツールを選定しましょう。外国人従業員を積極的に受け入れている企業は、多言語機能があるツールを選ぶと現場での定着を図りやすくなります。

サービス名

初期費用

月額費用

特徴

多言語機能

カミナシレポート

要問い合わせ

要問い合わせ

・作業方法を画像付きで帳票に記載できる
・記録の抜け漏れがあるとアラートで改善を指示


(40言語以上)

UM工程進捗

要問い合わせ

ライセンス費用(35,000円〜50,000円/月)+導入費用(要問い合わせ)

・個別受注生産、見込み受注生産などさまざまな生産形態に対応
・受注に紐付く製番から製造進捗がわかる

-

ナレカン

要問い合わせ

要問い合わせ

・記載内容を編集履歴として自動的にバックアップ
・データ編集、削除を編集する権限設定

-

collaboflow

要問い合わせ

【クラウド版】・スタンダードプラン:500円/1ユーザー・プレミアムプラン:800円/1ユーザー
【パッケージ版】要問い合わせ

・Excelの帳票をそのままWeb入力フォームに変換
・文書タイトルや作成日などで絞り込み書類を探せる検索機能


(英語のみ)

i-Reporter

要問い合わせ

要問い合わせ

・iPad、iPhoneなどのタブレット端末やWindowsにも対応
・テキストや数値、日付など30を超える入力方式のフォーマットを用意


(英語・中国語)

Stock

要問い合わせ

・ビジネスプラン:2,500円〜
・エンタープライズプラン:5,000円〜

・オフライン環境での使用も可能
・削除データを30日間保存し誤削除のリスクを軽減

-

Assist

要問い合わせ

要問い合わせ

・作業指示書のバーコードを読み込むだけで添付図面を確認できる
・原材料の発注状況や入荷状況などを一覧で確認

-

作業指示書の電子化におすすめのITツール

長期的な運用が見込めるツールを選ぶことで、継続的な業務効率化や生産性向上が可能になり、良質な製品提供による顧客満足度向上、売上アップにつなげられます。

4.作業指示書の項目を見直し、統一した体裁にするを作成する

電子化に使うツールが決まったら作業指示書の項目を一度見直し、改善した上で統一された形の作業指示書を作成しましょう。

同じ作業指示書を何年も使い続けている場合は特に、設定項目が現場の実態と合っておらず、従業員が使いにくさを感じている可能性があります。利便性が低いまま電子化を進めても従業員の利用率は上がらず、高い効果も期待できません。

わかりやすい作業指示書を用意して従業員の満足度を高めるためにも、作業指示書の型を統一して必要に応じて項目の削除や追加を行いましょう。

また作業指示書の質を上げるには、作業手順をわかりやすく伝える工夫も求められます。一般的な作業指示書には、作業手順を詳細に記載する項目がありません。そのため、細かな注意点や作業のコツについては、作業手順書を見たり他の従業員に聞いたりする必要があります。

作業指示書を電子化すれば、フォーマットを変えて写真や動画も添付可能にする、作業手順書と連携させて書類を探す手間を省くなどの方法で、より詳細な作業内容を伝えられます。

作業指示書の電子化を進める際は、作業手順をわかりやすく説明する要素も取り入れた上で、従業員の負担を減らす体裁で作業指示書を作成しましょう。

5.従業員向けの研修を行って定着を図る

新しい作業指示書のテンプレートが完成したら、従業員向けに研修を行いましょう。現場でスムーズに使えるように定着を図ることが、全体の利用率や作業精度の向上、効率的な生産活動を実現するためには大切です。

電子化した作業指示書の導入後は、従業員が新しいシステムの操作に慣れるまで全体の作業スピードが落ちることも考えられます。そのため、従業員向けの研修では端末の操作方法や管理方法、作業指示書が発行されてから作業を終えるまでの手順などを詳細に伝え、新人からベテランまで誰でも迷わず業務に取り組めるように配慮しましょう。

また研修だけでなく、システム上の不具合やトラブルが発生したときに管理者がすぐ対応する体制も整えておくと、現場の従業員は安心して自分の担当業務に集中でき、予期せぬ問題が起きても迅速に解決することで作業ミスや不良品の増加を防げます。

使用上のトラブルはないか、使いにくいと感じる部分はないかを定期的に従業員から聞き取り、必要に応じて作業指示書のフォーマットを改善することも現場の働きやすさを維持し、長期的な運用を図るためには大切です。

現場で働く従業員の意見を尊重しながら継続的に運用することで、作業効率化やコスト削減、ミスの軽減、品質の安定化などの効果が高まり、売上アップや顧客満足度向上にもつなげられます。

6.現場フィードバックをもとに運用改善を行う

作業指示書の電子化を定着させるためには、導入後に現場からのフィードバックを反映しながら運用を見直す姿勢が重要です。現場で実際に運用してみると、当初の想定とは異なる課題が浮かび上がることもあります。改善点を明確にし、柔軟に運用フローを調整できる体制を整えれば、形骸化を防ぎ、継続的な活用につながります。改善の方向性を現場と共有することで、従業員の納得感や参加意識も高まるでしょう。

例えば菓子製造の現場では、新入社員の教育に1日半もの時間がかかり、教育担当者の負担や指導内容のばらつきが課題になっていました。そこで、カミナシ 教育を導入したところ、動画マニュアルの活用により、新人が自分のペースで学び作業を完遂できる仕組みを整えました。その結果、教育の標準化が進み、属人化の解消にもつながっています。

さらに、毎月現場から改善点を集めてチームで検討する仕組みを構築し、動画マニュアルの更新や手順の見直しを続けています。現場の意見を反映させた改善により、教育工数が大幅に削減されただけでなく、作業時間の短縮という成果も実現しました。

参考:動画マニュアルで新人教育の工数がほぼゼロに

製造業における作業指示書を電子化するときの注意点

電子化した作業指示書の利用率を高め、正確な作業によって品質の安定化を実現するためには、運用面での配慮が重要です。現場で無理なく定着させるには、データの安全性を守る仕組み、明確な管理ルール、現場で生じやすい心理的な抵抗への対応という3つの視点から準備を進める必要があります。

  • データ保護のためにセキュリティ対策を徹底する

  • データの保管場所やファイル名など、管理ルールを事前に決める

  • 現場DXにおける心理的ハードルへの配慮を行う

セキュリティを確保し、情報を探しやすい状態に整えると、作業効率が期待できます。現場に寄り添った支援体制を整備すれば、抵抗感を抑えながら安定した運用を実現可能です。

データ保護のためにセキュリティ対策を徹底する

電子化された作業指示書を社内で共有する場合、入力したデータがインターネット上に残ることで情報漏えいや不正アクセスのリスクが高まります。

作業指示書には企業の機密情報だけでなく、顧客や取引先に関するデータも記載されるため、電子化を進める際はセキュリティ対策を徹底してデータを保護しなければなりません。

たとえば、ExcelやWordで作業指示書を共有する場合は、作業担当者だけに閲覧権限を付与する、特定の従業員しか編集できないよう権限を設定するなどの方法が効果的です。定期的にバックアップを取ることやウイルス対策ソフトを入れるのも会社の重要な情報を守るために欠かせない対策の一つといえます。

ITツールを使用する場合は、ログイン時におけるID・パスワードの発行など外部の人間がアクセスできない仕組みになっているか、データの変更履歴が残る電子化システムを導入しましょう。

データの安全性が確保されると、情報漏えいや不正アクセスなどで会社の信用問題に発展するリスクを最小限に抑えられるほか、正確なデータにもとづく作業で顧客ニーズを満たす生産活動が可能になります。

データの保管場所やファイル名など管理ルールを事前に決める

WordやExcel、PDFを活用して作業指示書を電子化する場合、データの保管場所やファイル名などの管理ルールを事前に決めておくのも従業員の作業負担を軽減するためには大切です。

保存データを見つけやすい状態にしておくと、従業員が指示内容を確認したいときもすぐに情報を取り出せるため、書類探しに時間をかけることなく担当業務に戻り効率的に作業を進められます。

ファイル名を統一させるときは「発行年月日_製品名_製造番号_工程名」のようにシンプルな表記ルールを定めると、作業指示書を作成する管理者側が混乱することなく正確な情報を残せます。ファイル名の表記ルールは現場の従業員にも周知しておくと、作業中に不明点やトラブルが生じてもすぐに指示内容を検索して確かめられます。

データの保管場所も製品・工程ごとにフォルダを分類する、最新版をまとめたフォルダを用意する、管理表を作成してリンクをつけるなど、短時間で従業員がデータにたどり着ける工夫をすることで疑問や不明点をすぐに解消し、高い生産性を維持して良質な製品を提供できます。

現場DXにおける心理的ハードルへの配慮が必要になる

作業指示書の電子化を進める際には、操作に不安を感じる従業員や、これまでのやり方を変えたくないと考える現場の心理的な抵抗にも目を向ける必要があります。

アナログ管理からの切り替えは一度に進めるのではなく、対象業務を限定したスモールスタートから段階的に進めるほうが定着しやすいです。負担感を軽減するには、現場に寄り添いながら実務に即した支援を行いましょう。

初期段階で起こりやすい混乱や戸惑いに備えて、サポート体制をあらかじめ設計しておけば、導入時の不安や抵抗も最小限に抑えられます。スムーズな立ち上げを実現するには、技術面だけでなく心理面への配慮も欠かせません。

作業指示書を含めた帳票のペーパーレス化で約700枚の用紙を削減の事例

カラギナンや寒天の専門商社であり、受託加工などの製造事業も展開しているマリン・サイエンス株式会社では、製造現場で1日につき10〜20枚の紙帳票が発生し、帳票1枚につき作業記録が5〜10分かかるなど、従業員の業務負担を圧迫していることが課題でした。実際、事務所には作業指示書を綴ったファイルがいくつも並べられていました。

画像引用元:工場の従業員が中心となってカミナシを導入。ペーパーレス化を推進し、作業記録時間を5割以上削減。記録データはISOの継続審査に活用|株式会社カミナシ

課題解決に向けて製造現場のペーパーレス化を進める中、八王子工場の工場長から導入を提案されたのが、作業指示書を含む帳票の電子化を実現するカミナシです。

工場で勤務する従業員の年齢層は幅広く、50代の従業員もいたため最初は導入に戸惑いがあったものの、カミナシは直感的な操作でテンプレートを作成できるため、何度か使ううちに自然と操作方法が身につき、1〜2ヶ月ほどで導入作業を完了できました。

現在は製造現場で使用していた紙の帳票の多くがペーパーレス化され、作業記録に費やしていた時間も1枚あたり5〜10分から2分ほどに短縮されました。2021年3月から7月の4ヶ月間にかけては、約700枚の紙削減に成功しています。

現場に作業手順書DXを定着させるためのポイント

作業手順書のDXを定着させるには、ツールを導入するだけでは不十分です。運用の混乱を避け、現場に根づかせるには、業務の流れや従業員の理解度に応じた柔軟な対応が求められます。

とくに定着を妨げやすい要因に目を向け、現場の状況に応じて段階的に対応すれば、負担を抑えながら取り組みを進めやすくなります。

  • 小規模導入から段階的にDXを推進する

  • 従業員への研修やITサポートを徹底する

  • 現場の声を継続的に取り入れて改善する

小規模導入と従業員支援、現場の声を取り入れる体制を並行して進めれば、ツールの活用と定着が両立しやすくなります。

小規模導入から段階的にDXを推進する

DXを定着させるには、全体を一度に展開するのではなく、小規模に試験導入しながら段階的に広げていく進め方が効果的です。

拠点ごとの業務内容やITリテラシーには差があるため、導入のタイミングや進め方を調整すれば、現場の負担も抑えられます。フィードバックを活用して改善点を明確にし、実態に合った運用へとつなげましょう。

ある小売業では、10店舗での試験導入からスタートし、1か月以内に400店舗以上へ展開しました。本部では進捗状況を一括管理できる体制を整え、ツールの利用率は90%を超える水準を維持しています。

小規模導入から段階的にDXを進めた取り組みがどのような効果をもたらしたのかは、下記の事例が参考になります。エリアマネージャーが現場の改善を支援しながらカミナシを活用した事例です。

参考:エリアマネジャー約70名で取り組む現場DXに、カミナシを活用している理由

従業員への研修やITサポートを徹底する

DXツールを定着させるには、導入時の研修と日常的なITサポートの両立が欠かせません。初期段階の戸惑いに迅速に対応できれば、ツールの理解が深まり、現場への浸透もスムーズになります。

動画やマニュアルを使った自学習環境を整えれば、教育工数を抑えつつ業務理解を進められます。各自のペースで学べる仕組みがあれば、時間や場所に縛られない学習が可能です。

ある清掃業の現場では、約150名の外国人従業員が在籍しており、従来は通訳を介した連絡や教育に多くの時間を費やしていました。

多言語機能を持つDXツールの導入によって、通訳を介さず直接情報共有や教育ができるようになり、問い合わせ数は4分の1に減少しました。その結果、生活指導員や通訳スタッフが職場環境改善に注力できるようになり、外国人従業員の定着にもつながっています。

従業員への研修やITサポートを徹底した結果、ツールの定着と業務改善を同時に実現した事例として、教育支援体制を強化した現場の取り組みが参考になります。

現場の声を継続的に取り入れて改善する

DXツールを現場に定着させるには、現場の声を取り入れながら運用を見直す姿勢が重要です。実務に沿って改善を重ねることで、活用が定着しやすくなります。

現場ごとに業務内容やITスキルには差があるため、フィードバックをもとに運用を調整すれば、継続的な活用につながります。改善への参加意識が高まると、現場の中で自然に運用が回り始めるでしょう。

ある製造現場では、DXツールの導入後に作業トラブルが3割減り、残業時間も大幅に削減されました。現場からは業務改善の提案が継続的に上がるようになり、改善文化が根付いています。

現場の声を継続的に取り入れながら改善を重ねた取り組みが具体的にどのような成果につながったのかは、下記に紹介する現場改善事例が参考になります。

参考:製造現場でのトラブルが3割減ったことで残業を大幅削減。現場従業員から業務改善の声があがる会社に

自社の目的に合った方法やツールで効率的な生産体制を構築しよう

製造業における作業指示書を電子化すると、作業効率化を図れるだけでなく、情報漏えいや不良品発生のリスクも軽減され、安定した品質の製品提供による顧客満足度向上を実現できます。

電子化の目的を明確にし、従業員向けの説明や研修を丁寧に行いながら導入を進めることが作業指示書の定着率を高め、計画的に生産活動を行なう上では大切です。

作業指示書の電子化ツールを選ぶ際は、コストだけにとらわれず、長期的な費用対効果を踏まえた上で検討すると、継続的に生産性を高められる作業指示書を現場の従業員に提供できます。

本記事をもとに自社の目的に合った方法やツールを選び、効率的な生産体制を構築しましょう。

また、30業界、1万5000拠点以上の現場DXを推進してきたカミナシのノウハウを凝縮した、「マニュアルDX化ガイドブック」3点セットを無料でプレゼントしてるので、以下から是非ダウンロードいただき、日常業務にお役立てください。

【無料ダウンロード】マニュアルDX化攻略本3点セット

執筆者:現場と人 編集部

現場と人では、現場仕事に特化して、 発見や気づき、助けとなるような情報をお届けします。最新の現場DX手法や事例、現場で働く方々の業務改善の取り組み ・書籍やセミナーだけでは、わかりにくい専門分野の情報 ・従業員教育に役立つ基礎基本となる情報をお求めの方は、ぜひ「現場と人」を参考にしてください。

おすすめコンテンツ

現場DXを支えるカミナシサービス一覧

TOP 

> 業務効率化

> 作業手順書のDXを製造業で進めるには?電子化の準備や現場事例を解説