動画マニュアルで新人教育の工数がほぼゼロに
2025.08.27
栄光堂ファクトリー株式会社の課題
成果
教育のDXを促進し、属人化解消・多能工化を通じた更なる生産性向上を目指す
岐阜県大垣市を本拠に、お菓子の製造、販売事業を展開する栄光堂ファクトリー株式会社。同社では、売上の拡大に伴い現場の生産性向上が求められるなか、改善の余地があった新入社員への対面OJTを見直すため、「カミナシ 教育」を導入。製造機械の組み立て手順や清掃業務の手順などを動画マニュアル化した。これにより、新入社員は動画の閲覧のみで完璧に業務を遂行できるようになった。今後、同社は全社員の業務における属人化をなくし、多能工化を通じた生産性向上を目指すため「カミナシ 教育」を活用していきたいという。導入の経緯や現在の活用状況について、製造部長の加賀氏ほか2名の現場ご担当者にお話を聞いた。

売上拡大のなかでも、全国3ヶ所の工場で生産性向上のため継続的な改善活動を実施
1877(明治10)年に創業し、お菓子の企画、製造、販売などを手がける栄光堂ホールディングスグループ。その中で、岐阜や三重などに工場を展開し、グループの中核となる製造事業を担うのが、栄光堂ファクトリーだ。各地の工場でキャンディ、キャラメル、ゼリー、チョコレートなどのお菓子を製造するほか、ECサイト「チョコル」や複数の直売所も展開する。「ニッチトップ」を掲げ、着実かつ持続的に成長を続けてきた栄光堂ファクトリー。その土台を支えているのが、日々の改善活動だ。同社は、既存の製造作業や品質管理方法などを月一回のペースで見直す活動を継続的に行なっている。
「改善活動を開始したのは6年ほど前です。当初は外部の研修機関から方法論を学び、そのノウハウを社内で実行していたのですが、現在では改善ノウハウを内製化して、独自の改善活動を行っています。具体的には、まずは現場から上がってきた困りごとに対して、管理者複数名で取り掛かる優先順位を決めます。その上で、改善する作業工程に関わっていない従業員も含め、実際に改善活動を行うグループを組成します。そして、そのグループで作業工程をチェックして問題点や改善点を抽出し、改善案を考案して、業務に適用します。取り組みの成果は着実に現れており、従業員1名分の業務時間を削減した例もあります」(加賀氏)

新入社員の教育には、教育担当者が1日の半分つきっきりの状態。業務標準化を阻害する要因にもなっていた
そういった改善活動が行われるなかで、新人教育の体制も改善点の1つとして検討されていた。栄光堂ファクトリーでは、製造作業や製造機械の組み立て、清掃作業などの手順を紙のマニュアルにしている。しかし、新入社員が紙のマニュアルの文面を読み込みながら業務を行うのは、容易ではない。そのため、同社では、教育担当者が対面でつきっきりでOJTを実施していた。
対面のOJTには教育担当者の時間が費やされる。また、教育担当者によってどうしても教える内容にバラ付きが生じてしまい、それが業務習熟や標準化の妨げにもなっていた。こうした状態は、新入社員にとっても少なくない負担になっていたと大垣工場の谷氏は説明する。
「対面でのOJTでは、教育担当者は1日の業務時間のうち約半分は新人につきっきりで、製造作業や機械の操作などをサポートしていました。密なコミュニケーションが取れるという利点がある一方で、新人が一人で業務をこなせるようになるまでの期間には個人差があり、長期間にわたって教育担当者の工数を割かざるを得ないという課題もありました。また、伝えるべき内容に抜けや漏れが生じるリスクも抱えていました。加えて、新人にとっても、一度教わったことが分からなくなった際に、教育担当者に何度も確認することに心理的な負担を感じやすい側面もあったのではないかと考えています」(谷氏)
こうした状況を課題と捉えた栄光堂ファクトリーは、事態を打開するため、マニュアルの動画化の活用を検討しはじめる。
スマートフォンで撮影した動画で簡単にマニュアルを制作できる点が、導入プロジェクトを加速させた
「カミナシ 教育」を導入したのは、先行して導入していた「カミナシ レポート」が社内で好評を博していたのが理由だった。栄光堂ファクトリーでは「カミナシ レポート」で製造機械の点検表などの紙帳票のペーパーレス化に取り組んでいたが、システムの操作性やUIの分かりやすさが高い評価を得ていた。そのため、シリーズ製品で、作業手順を動画マニュアル化できる「カミナシ 教育」に期待を寄せた。
導入プロジェクトのリーダーを務めた大垣工場の伊藤氏は「カミナシ 教育」について、「手軽に動画マニュアルを作成できるため、スムーズに導入を進められそうと感じた」と振り返る。
「実は以前、製造機械の清掃手順が人によって異なり、それが原因で製造ラインが一時停止してしまうといったリスクがあったことから、自社で手順を統一するための動画コンテンツを制作する計画が立ち上がりました。しかし、撮影や編集にかかる手間が想定以上に大きく、最終的には取り組みが頓挫してしまいました。そのため『カミナシ 教育』にも多少の不安はあったのですが、とても手軽に動画マニュアルを作成でき、安心しました。導入の過程では、現場の従業員から『このマニュアルも動画にできませんか?』といった声も上がってきたのですが、利便性の高い機能のおかげでそうした提案にもスムーズに対応できたと思います」(伊藤氏)
また、伊藤氏は導入プロジェクトの推進方法にも一工夫凝らしたと話す。例えば、業務への動画マニュアルの取り入れが初めてだったため、プロジェクトの期限を定めて、取り組みが延期や頓挫することを防いだ。また、プロジェクトの開始当初から朝礼などで「カミナシ 教育」について繰り返し周知することで新たなシステムへの忌避感を和らげるなど、従業員に寄り添った導入を心がけた。こうした取り組みは功を奏し、当初の想定通りのスケジュールで運用をスタートすることができた。
煩雑な業務でも動画視聴だけで習得可能に。今後は「カミナシ 教育」で業務の属人化解消の取り組みも
現在、栄光堂ファクトリーでは、「カミナシ 教育」によって製造機械の組み立て手順、清掃作業手順などが動画マニュアル化されている。その効果について、谷氏は述べる。
「最初に『カミナシ 教育』の効果を実感したのは、製造機械の組み立ての動画マニュアルを新入社員に視聴してもらったときです。その作業は全体で15分ほどを要し、工程も決して少なくありません。しかし、対面でのOJTはせず、動画の内容を何度か視聴してもらっただけで、新入社員は組み立て作業を完璧に終えたのです。これは衝撃でした。従来は、教育担当者が新入社員に付きっきりで何度もレクチャーしていた作業を、動画を視聴するだけで習得できたわけです。これにより、教育担当者の負担の軽減と業務効率向上が促進されています」(谷氏)
さらに栄光堂ファクトリーでは今後、「カミナシ 教育」を活用し、新入社員に限らず、従業員全体の業務の属人化を解消する取り組みも推進していく予定だ。現在、一部の製造機械は特定の従業員しか操作・修理できない状況にあり、その従業員が休暇中に故障などが発生すると、製造ラインが停止してしまうリスクがある。しかし、機械の操作方法を動画マニュアル化することで、誰でも同様の対応が可能となり、属人化の解消が期待できる。

さらなる事業拡大を見据え、「カミナシ 教育」でより効率的で生産性の高い組織体制を築く
「カミナシ 教育」の活用について今後の展望を尋ねると、加賀氏は「さらなる動画マニュアルの活用促進」と答えた。動画マニュアルの本数を増やし、マニュアルでカバーできる範囲を広げるだけではなく、FSSC22000の審査対応の際に活用するのが狙いだ。栄光堂ファクトリーは、2016年に大垣工場、伊賀工場にHACCPを導入したほか、2022年には両工場でFSSC22000の認証を取得するなど、各種認証の取得にも取り組んでいる。加賀氏は「認証の維持審査の際に、よく従業員の教育について質問されますが、その際、現場従業員一人ひとりにとってわかりやすいマニュアルを作成し活用していることを示したい」と話す。
そして、その先には、さらなる事業拡大を見据えた生産性の向上を図っていきたいという。
「ありがたいことに、現在当社はそれほど人手が足りない状況ではありませんが、今後さらなる事業拡大を目指していく中で、人手が足りなくなる可能性もあります。そのときに備えて、今のうちから日常の業務を効率化し、生産性の高い組織体制を築いておきたいと思っています。その手段の一つとして、『カミナシ 教育』には大きな期待を寄せています」(加賀氏)



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