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公開日 2025.03 .12

更新日 2025.12.15

ドカ停とは?定義や発生原因と対策、チョコ停との違いを解説

ドカ停とは?定義や発生原因と対策、チョコ停との違いを解説

製造業における生産ラインの停止はよくあるトラブルの一つですが、そのまま放置すると重大な問題を引き起こす要因になります。特に、数分程度の停止なら問題ないと考え、原因の調査をせずに放置するケースが頻繁にみられます。

こうした軽微なトラブルに対して、何も対策をしないと長時間の設備停止が突如発生し、生産が長期にわたってストップするような深刻な事態を招きかねません。このように生産ラインが1時間以上停止するトラブルを、ドカ停といいます。ドカ停が発生すると納期遅延や売上減少、取引先からの不信感などの問題にもつながります。

業務効率を上げるためにも、トラブルの発生を未然に防ぐ対策が不可欠です。本記事では、ドカ停の定義や発生原因、対策をわかりやすく解説します。

チョコ停やドカ停を削減するために企業が実践した事例や役立つツールをまとめた資料は、以下のボタンより無料でダウンロードできます。気になる方はぜひご覧ください。

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目次

ドカ停とは

ドカ停(ドカっと停止)とは、生産設備がなんらかの理由で長時間(1時間以上)にわたり停止や空転するトラブルを指します。復旧には数時間から数日かかることもあり、発生すると大きな損失につながります。

ドカ停が起こると、現場作業員だけでは対応が難しく、設備や機械メーカーに修理を依頼するケースも少なくありません。生産ラインがすぐに復旧できず、工場の運営に深刻な影響を与えることもあります。

ドカ停は、JIS(日本産業規格)で以下のように定義されています。

設備が生産ラインなどの大規模なシステムの一部となっていて,システム全体を停止に至らしめるような重大な故障又は停止が長期間に渡り企業活動に決定的な影響を与える故障を大故障(通称として,ドカ停),逆に設備の部分的な停止又は設備の作用対象の不具合による停止で,短時間に回復できる故障を小故障(通称として,チョコ停)という。
出典:日本産業標準調査会ウェブサイト(https://www.jisc.go.jp/index.html

ドカ停とチョコ停の違い

生産ラインの停止トラブルにはさまざまな種類がありますが、代表的なものとしてドカ停とチョコ停が挙げられます。ドカ停とチョコ停の違いは、主に停止時間の長さです。

チョコ停はちょこっと停止の略称で、短時間(数十秒〜数分程度)で復旧するトラブルです。主な原因として、作業員のボタン操作ミスや、センサーの一時的な誤作動などが挙げられます。基本的に現場の作業員が対応できる範囲の問題です。

一方、ドカ停は生産ラインが1時間以上にわたり停止するトラブルを指します。復旧には設備の修理が必要になるケースが多く、現場作業員だけでは対応できないため、保全担当者や機械メーカーの協力が必要です。そのため、チョコ停に比べて生産ロスが大きくなります。

工場の稼働率を算出する際、チョコ停は一時的な停止として計算に含まれます。一方、ドカ停は完全な生産ロスとみなされ、稼働率の計算には含まれません。

チョコ停については、以下の記事でより詳しく紹介しているので、あわせてお読みください。

▶︎ チョコ停とは?定義やよくある発生原因・対策をわかりやすく解説

ドカ停を含む7つの設備ロス

工場の生産ラインでは、ドカ停やチョコ停以外にもいくつかの設備ロスが存在します。ここでは、設備の7大ロスを紹介します。それぞれの特徴を以下の表にまとめました。

名称

特徴

空転ロス/チョコ停

・生産ラインが短時間(数十秒〜数分程度)停止する軽微なトラブル
・頻発すると稼働率の低下につながるため、作業手順やマニュアルの見直しが必要

故障ロス/ドカ停

・生産ラインが1時間以上停止する大きなトラブル
・システムの異常や部品の摩耗、破損などが主な原因
・定期的な点検や清掃、適切な取り扱いによって発生リスクを低減できる

刃具交換ロス

・タップやフライス、ドリルなどの切削工具を交換する際に発生する時間的ロス
・耐久性の高い工具を選んで交換頻度を減らし、迅速な交換作業を行うことが重要

段取り/調整ロス

・生産ラインでロット変更や新製品を導入する際に発生する時間的ロス
・機械の設定変更や試運転の回数が増えると、生産効率の低下につながりやすい

立上がりロス

・機械を起動してから、正常に稼働するまでに生じる時間的ロス
・特に業務開始時や長期休暇明けは、このロスが発生しやすい
・稼働直後は製品の品質が安定しにくいため、慎重な確認が必要

速度低下ロス

・生産ラインの進行が遅れることで発生するロス
・機械の老朽化やメンテナンス不足が原因で、予定していたスピードよりも遅くなることがある
・生産効率が大幅に低下している場合は、新しい設備への更新を視野に入れるのも一つの手段

不良/手直しロス

・品質が安定せず、不良品の修正や再加工が必要になることで発生するロス
・経験の浅い作業者と熟練者で仕上がりに差が出る場合は、マニュアルの見直しや作業手順の改善が重要
・定期的な設備点検を行うことで、品質のばらつきを抑えられる

ドカ停を含む7つの設備ロスと詳細

設備ロスを放置すると、生産能力が低下し、無駄なコストが発生する要因になります。できるだけロスを削減できるよう、改善点を見つけましょう。

ドカ停が発生する5つの主な原因

ドカ停が発生する背景には、重大な設備の不具合が隠れていることが多いため、その原因を特定することが重要です。ここでは、ドカ停が引き起こされる主な5つの原因について解説します。

  • 原因不明のチョコ停の放置

  • 機械や設備の故障

  • 計画的な停止

  • ヒューマンエラー

  • 外部要因

ドカ停の発生原因が特定できれば、根本的な解決策が見えてきます。原因を分析し、異常検知センサーの導入や、各設備の部品交換時期の管理方法を見直すことが大切です。

原因不明のチョコ停の放置

ドカ停とチョコ停は生産ラインにおいて密接にかかわり合うトラブルです。チョコ停は通常、数分程度で復旧するため、一件あたりの損失は小さいとみなされがちです。しかし、原因を特定せずに放置すると、ドカ停につながるリスクが高まります。

チョコ停とドカ停は、まったく別のトラブルではなく、根本的な原因が共通している場合があります。そのため、チョコ停の延長線上にドカ停が潜んでいると考え、早めに改善しましょう。

原因が曖昧で、頻発するチョコ停には、大きな設備異常が隠れている可能性があります。チョコ停が発生した際には、状況を詳細に確認して記録を残すことが大切です。複数のチョコ停の記録を基に分析することで、根本的な原因を突き止めやすくなります。

▶ チョコ停とは?定義やよくある発生原因・対策をわかりやすく解説

清掃不足や劣化による機械や設備の故障

清掃不足や劣化によって、機械や設備が故障した場合も、復旧までに時間を要する場合はドカ停につながります。

そのため機械の故障を防ぐためには、定期的な清掃や部品管理などのメンテナンスが大切です。機械は精密につくられており、少しのほこりや塵などが付着するだけでも、故障の原因になり得ます。設備の清掃は定期的に実施しましょう。

また定期的に点検を行うスケジュールを設定し、摩耗部品の交換時期を管理することも重要です。特に、消耗しやすい部品(ボルト、ナット、ベルトなど)は、劣化が進むと設備全体の負荷が増し、ほかの部品にも影響を及ぼす可能性があります。 そのため、交換基準を明確にし、予備品を適切にストックすることで、突発的な設備停止を防ぐことが可能です。

ヒューマンエラー

作業員によるヒューマンエラー(人為的なミス)も、ドカ停を引き起こすことがあります。例えば、現場の新人作業員が誤ってボタンを押してしまうことや、新しい製品を扱う際に手順を間違えることなどが挙げられます。

すぐに復旧できるチョコ停のようなトラブルでも、頻発するとドカ停につながるリスクが高まります。ヒューマンエラーは予防していても発生する可能性があるため、注意が必要です。リスクを最小限に抑えるためには、作業員の教育体制を整え、標準作業手順書(SOP)を作成しましょう。

また、ヒューマンエラーを防ぐためには、業務に必要な項目をすべて洗い出し、確認する体制が必要です。わかりやすいチェックリストの作成方法は下記の記事にまとめていますので、あわせてご確認ください。

▶︎ わかりやすいチェックリストの作り方を紹介!業務ミスや記録漏れをなくすための3つの工夫

外部要因

工場内で発生するトラブルだけでなく、外部の要因が生産ラインに影響を与える場合もあります。例えば天候や自然災害、インフラの停止、物流、サプライチェーンの遅延などです。

特に、雷が発生しやすい6〜8月にかけては、停電が原因で生産ラインが停止するリスクが高まります。ほかにもサイバー攻撃による通信障害で、管理や監視システムが正常に機能しなくなることも考えられます。

また交通状況の悪化により、原材料や部品の供給が滞ることもありえるため、事前に対策を講じることが重要です。こうした突発的なトラブルに備えて、余裕を持ったスケジュールを組むようにしましょう。

ドカ停が工場全体に与える影響

ドカ停は一度発生すると、生産ラインの稼働率に大きく影響します。ドカ停が工場全体に与える影響は、主に以下の3つです。ドカ停による影響範囲やデメリットを把握することで、未然に防ぐ意識が高まります。

  • 納期の遅延

  • 品質の低下

  • 復旧までの物的・人的コストの増加

納期の遅延による機会損失

ドカ停により生産ラインが停止した場合、当初のスケジュール通りに製造が進まずに、納期に遅れが生じることがあります。

納期遅延は顧客からのクレームの原因となり、契約内容によっては金銭的な損害が発生したり、継続的な発注の機会を逃したりするおそれがあります。

取引先からの信頼を維持するためには、ドカ停が発生した場合に状況を迅速に詳しく伝えることが重要です。復旧のめどが立つ時期や、トラブルの規模、最短で納品可能な日時など、具体的な情報を提供しましょう。復旧に時間がかかる場合は、取引先との迅速なスケジュール調整が不可欠です。

品質の低下

ドカ停が発生すると、生産スケジュールが大幅に遅れます。この状態で工場のキャパシティを超える発注が入ると、作業時間の短縮を余儀なくされ、品質の低下を招く可能性があります。

また、生産ラインに残っていた途中段階の製品が不良品になることも考えられます。これらの製品が適切に管理されていなければ、最終的に出荷できず、廃棄せざるを得ません。

さらに、現場の作業員がトラブル対応に追われて残業が増えると、疲労の蓄積によりミスが増え、品質低下につながるリスクもあります。

こうした事態を防ぐためには、ドカ停の発生を想定して普段から余裕を持った生産スケジュールを設定し、発注量の調整を行うことが重要です。

復旧までの物的・人的コストの増加

ドカ停の復旧作業は、外部の業者に依頼することも多く、物的コストや人的コストの増加が懸念されます。復旧までの間は社内の他部署との連携や、外部の業者、取引先とのやり取りが必要なため、業務量が増加します。

対策として、ドカ停から復旧する際の手順をマニュアル化することが有効です。再稼働時の機械の設定方法や、生産ラインの調整のポイントなど重要な手順を事前に明記しておくことで、復旧作業にかかる時間や手間を最小限に抑えられます。

異常や復旧内容を正確に記録し、対応の遅れを防ぐ

ドカ停発生時の復旧コストを抑えるには、異常の発生状況や復旧手順、使用した部品や作業時間などを正確に記録し、関係者全員で共有できる体制が欠かせません。紙の記録や個別の管理では情報が分断されやすく、対応が遅れたり、同じ作業を繰り返すムダが発生して、復旧コストの増大につながります。

カミナシ設備保全では、現場からスマホで素早く記録し、そのままチーム全体に共有できます。紙やExcelに頼らず、“記録した瞬間から動ける”状態をつくりたい方におすすめです。

▼こんな方におすすめ

  • 報告の抜け漏れや記入ミスを減らしたい

  • QRコードで設備ごとの記録をすぐ呼び出したい

  • 現場と管理部門のやり取りをスムーズにしたい

ドカ停への対策や改善方法

ドカ停の発生を予防し、発生時にスムーズに対応するためには、下記の四つの対策や改善方法が有効です。

  • 設備の予防保全の強化

  • 異常の早期検知

  • 生産ラインの冗長性の確保

  • 作業員のスキル向上と作業の標準化

あらゆる角度からドカ停の対策を講じることで、工場全体の信頼性を損なわずに、生産ラインを安定的に稼働させることができます。

設備の予防保全の強化

ドカ停を防ぐためには、予防保全が欠かせません。予防保全とは、設備に不具合が生じる前にメンテナンス(点検を含む)を実施し、トラブルを未然に防ぐ方法です。

具体的には、過去の故障履歴を分析し、壊れやすい部品を特定して適切な交換時期を設定することが有効です。また、消耗しやすい部品の使用期限を把握し、摩耗や劣化に応じた定期的な交換計画を立てることで、予期せぬトラブルを防げます。

さらに、ドカ停の予防には設備保全担当者だけでなく、現場の作業員の協力も欠かせません。チョコ停が発生した際、作業員が異常をこまめに報告できる仕組みを整えることで、問題の早期発見につながります。

予防保全については、以下の記事でより詳しく紹介しているので、あわせてお読みください。

▶︎ 予防保全とは?予知/事後保全との違いやデメリット、具体的な対策を紹介

異常の早期検知

ドカ停を防ぐためには、設備にエラーが発生していないかを監視し、異常の兆候を素早く察知することが重要です。異常を早期に発見できれば、迅速に対策を講じることができ、大規模な停止を防げます。例えば、IoTセンサーを活用した24時間リアルタイム監視システムの導入がおすすめです。

このシステムでは、振動、温度、電流値などのデータを収集し、異常の兆候を検知できます。異常が検出されると、あらかじめ設定した端末にアラートが通知されるため、迅速な対応が可能です。これにより、人間の目視や経験だけでは気づきにくい機械の異常も、いち早くキャッチできます。

生産ラインの冗長性の確保

突発的な設備故障が発生した際に、影響を最小限に抑えるには、事前に代替手段を確保しておく必要があります。重要な設備が故障しても生産を継続できるように、冗長性を考慮した設計を取り入れることで、ダウンタイムを短縮し、業務への影響を抑えられます。

また、部品供給の遅延に備え、主要な消耗品や予備部品を適切にストックしておくことも重要です。必要な部品がすぐに調達できない状況では、生産が大幅に遅れるリスクがあります。計画的な在庫管理を行い、必要な備品を確保しておきましょう。

さらに複数の供給ルートを確保し、物流のトラブルに対応できる体制を整えることも大切です。一つのルートに依存すると予期せぬトラブルで供給が途絶える可能性があるため、複数の調達先を確保し、柔軟に対応できる仕組みを構築しましょう。

作業員のスキル向上と作業の標準化

現場の作業員の技術力を向上させることも、ドカ停の発生を防ぐために欠かせません。設備の管理や復旧作業、トラブル対応の手順をマニュアル化し、全作業員に周知することが大切です。

平常時から、ドカ停の発生時に備えた訓練を実施することも有効です。訓練を通じて、全作業員が緊急時の対応を理解すれば、スムーズな復旧が可能になります。熟練者だけではなく、新人作業員も含めて、全員が同じ手順で対応できるように業務を標準化しましょう。

根本的な原因の一つであるヒューマンエラーを予防するために、ダブルチェック制度を導入するのも効果的です。

ドカ停の発生を予防するために設備を見直そう

ドカ停が発生すると、製品の生産に大きな影響を及ぼし、企業の信頼性にも直結する問題となります。

軽微なトラブルであるチョコ停は、現場からの報告が上がりにくい一方で、頻発するとドカ停につながるリスクがあります。特に、原因不明のチョコ停を放置すると、最終的にドカ停の引き金となることが多いため注意が必要です。

カミナシ 設備保全であれば、現場の作業員がスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末から不具合の報告を行えるため、見逃されやすいチョコ停を保全担当者が把握しやすくなります。発生状況を簡単に記録できるため、記録データを基に原因分析を行い、再発防止につなげることも可能です。

また、部品管理や修理履歴などの設備情報を一括で管理でき、保全履歴をスマートフォンから確認できるため、現場での情報共有がスムーズに行えます。このような仕組みを活用し、継続的に改善を重ねることで、ドカ停の発生率を抑えましょう。

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執筆者:現場と人 編集部

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