現場と人ロゴ画像

現場DX3点セット
資料ダウンロード

現場DXの
最新情報を受取る

公開日 2025.06 .06

更新日 2026.04.16

MTTFとは?MTBFやMTTRとの違い、計算式、業務改善に活かす方法を紹介 

MTTFとは?MTBFやMTTRとの違い、計算式、業務改善に活かす方法を紹介

MTTF(Mean Time To Failure:平均故障時間)とは、修理が不可能な設備や部品が使用開始から故障するまでにかかる平均的な時間を表す指標です。特に製造業では、機械や設備の信頼性を測るうえで欠かせない評価項目です。

MTTFの理解が不十分なままだと、設備の保全計画を行えずに突発的な故障が発生したり、部品交換や在庫管理を誤ってライン停止になったりするおそれがあります。

本記事では、MTTFの基本的な意味や計算方法、信頼性を高めるための改善ポイントについて解説します。

MTTF(平均故障時間)を把握し、計画的な点検や部品交換を実施することで、ダウンタイムを最小限に抑えられます。設備保全計画の管理や機械ごとの情報を一元管理できる「カミナシ 設備保全」の資料や導入企業、設備点検DXの進め方などをまとめた資料は以下のボタンから無料でダウンロードできます。自社の設備保全活動を担当している方に向けて作成したので、ぜひご覧ください。

カミナシ 設備保全3点セットをダウンロードする
 目次

MTTFとは?

MTTF(Mean Time To Failure:平均故障時間)とは、設備や機械が稼働を開始してから最初に故障するまでにかかる平均的な時間を示す指標です。主に製品の信頼性を数値で評価する際に使用されます。

例えば、ある電子部品のMTTFが20,000時間であれば、同一条件で同じ部品を運用した際に、平均して1個あたり20,000時間後に故障が発生する可能性があるということが理論上わかります。MTTFの数値が大きいほど、その設備や部品は長寿命で安定した稼働が期待できると評価されます。

また、MTTFは製品設計段階だけでなく、運用時の保守計画や予備品管理の最適化にも効果的です。寿命予測や適切な部品交換タイミングの見極めに活用することで、設備の突発的な停止リスクを低減でき、結果として保全コストの削減にもつながります。

MTTFの求め方

MTTFは、全ての設備の総稼働時間を、実際に故障した台数で割ることで算出します。


MTTFの計算式:MTTF=総稼働時間÷故障台数


例えば、同一製品である産業用乾燥機(A、B、C)を運用した結果、以下のようにそれぞれの稼働時間で故障が発生したとします。

  • 乾燥機A:5,000時間稼働後に故障

  • 乾燥機B:7,000時間稼働後に故障

  • 乾燥機C:9,000時間稼働後に故障

この場合のMTTFは、次のように計算します。


MTTF=総稼働時間÷故障台数
       =(5,000時間(A)+7,000時間(B)+9,000時間(C))÷(1台(A)+1台(B)+1台(C))
    =21,000時間÷3台
         =7,000時間


したがって、この産業用乾燥機は、平均して7,000時間で故障する(MTTF=7,000)ということがわかります。

MTTF、MTBF、MTTRの違い

MTTFに関連する指標として、MTBF(Mean Time Between Failures:平均故障間隔)やMTTR(Mean Time To Repair:平均修理時間)が挙げられます。いずれも、設備や機械の信頼性を定量的に評価し、管理するために欠かせない数値です。

以下の表では、MTTF、MTBF、MTTRの違いを、定義、対象、特徴の項目に分けてまとめました。

指標

定義

対象

特徴

MTTF

設備や機械が稼働開始から故障するまでにかかる平均時間

修理不可能な設備や部品(電子部品、消耗品など)

設備や機械の寿命予測、部品交換時期の目安となる

MTBF

設備や機械が稼働(もしくは故障から復旧)してから次の故障までの平均時間

修理可能な設備や機械(工作機械、生産設備など)

故障から修理、再稼働のサイクルを繰り返す設備や機械に使用される

MTTR

故障発生から修理完了までの平均時間

修理可能な機器全般

稼働率の算出や、機械の信頼性評価に使用される

MTTF、MTBF、MTTRの違いそれぞれの指標が示す意味や用途の違いを正しく理解し、適切に活用することで、保全計画の精度向上や設備トラブルの未然防止につながります。

MTBF、MTTRについては以下の記事でも丁寧に解説しているので、併せてご覧ください。
MTBFとは?計算方法や評価する際の注意点、具体的な改善策を解説
製造業におけるMTTRとは?関連指標との違いや計算方法、具体的な改善策を解説

安全衛生教育の効果を高める手法をまとめた資料

作業ミスや事故が多発する現場では、管理者の「安全教育の質」が問われます。とくに新人指導やルール徹底に悩む声は多く、曖昧な指導では現場が変わりません。

本資料では、ヒヤリハットの共有やOJTの設計など、現場で活かせる教育ポイントを具体的に解説。安全教育をただの「研修」で終わらせず、定着させる工夫が詰まっています。事故防止に向け、実効性のある一歩を踏み出したい方はぜひご活用ください。

MTTFを算出する目的

MTTFは、設備や機械の設計段階から運用段階まで幅広く活用される信頼性指標です。各段階での具体的な活用目的は、以下の通りです。

設計段階では、以下3つの目的で算出されます。

  • 設備や機械の信頼性を数値で把握し、寿命や故障傾向を予測する

  • 製品の弱点や改善点を明確にし、設計品質を向上させる

  • 新旧製品や代替部品を比較する際の、客観的な評価基準として活用する

さらに運用段階では、以下のような目的でMTTFを算出し、計画的な点検や部品交換、ダウンタイムの削減に活かします。

  • 部品や装置の寿命を予測し、点検や交換の時期を計画的に設定する

  • 突発的な故障やライン停止を防ぐ、予防保全の一環として活用する

  • 消耗品の寿命をもとに、在庫切れや過剰在庫を防ぐ予備品管理を行う

  • 複数の製品を比較してMTTFが高いものを選定し、設備全体の信頼性を高める

  • 設備の長寿命化と製造ラインの安定稼働(ダウンタイム削減)につなげる

MTTFを活かした業務改善の方法3選

MTTFを活かして業務を改善するには、設備や部品の故障頻度そのものを減らすことが重要です。MTTFは、機器が稼働開始してから故障に至るまでの平均時間を示す指標であるため、設計、運用、保全の各段階で故障リスクを的確に抑えることが、数値の向上につながります。MTTFを改善するために有効な具体策は以下の3つが挙げられます。

  • 故障原因を特定し、設備の構造や部品を見直す

  • 予防保全で異常を早期発見し、故障自体を防ぐ

  • 部品の標準化と品質管理の強化を行い、品質のばらつきを減らす

上記の対策を継続的に実施することで、MTTFの向上だけでなく、設備全体の信頼性と保全効率の改善にもつながります。

故障原因を特定し、設備の構造や部品を見直す

MTTFは、故障が発生するたびに数値が低下するため、故障の原因を正確に特定して再発を防ぐことが、数値の向上につながります。

故障を未然に防ぐには、FMEA(Failure Mode and Effects Analysis:故障モード影響解析)などの分析手法を用いて、潜在的な故障リスクを洗い出すのが効果的です。併せて、過去の故障履歴を分析し、傾向や頻度を把握することで、再発防止に向けた具体的な対策が立てやすくなります。

特に、同じ原因による故障が繰り返されている場合は、根本原因を特定し、取り除く対策が求められます。

例えば、構造上の弱点や強度不足が原因であれば、設計や構造そのものの見直しが必要です。また、特定の部品に摩耗や劣化が集中している場合は、使用環境に応じた材質の変更や、より耐久性の高い代替部品の導入によって、故障リスクの低減が図れます。

設計段階から対策を組み込んでおけば、設備が故障する頻度は少なくなり、結果としてMTTFの改善が期待できます。

予防保全で異常を早期発見し、故障自体を防ぐ

MTTFは、故障の発生頻度に応じて変動する指標であるため、故障を未然に防ぐ予防保全の実施が、MTTFの改善に直結します。

設備の稼働状態を日常的に監視し、振動や温度、音などに現れる異常の兆候を早期に検知できれば、深刻な故障の阻止も可能です。こうした予防保全の精度や有効性は、MTTFのデータを活用することでさらに高まります。

例えば、MTTFが5,000時間とされる設備であれば、故障のリスクが高まる前の4,000時間を点検や交換の目安とすることで、突発的なトラブルを回避可能です。

MTTFを基準に保全スケジュールを計画的に組み立てることで、設備は常に理想的な状態を保ちやすくなり、故障の発生頻度も抑えられます。その結果、MTTFの数値が向上し、設備や部品の寿命延長につながります。

部品の標準化と品質管理の強化を行い、品質のばらつきを減らす

MTTFは、故障の発生回数が減少するほど向上するため、使用する部品の品質を安定させることで故障するまでの時間を精緻に把握することができます。

同じ設備であっても、使用する部品の品質や性能にばらつきがあると、MTTFの数値は安定せず、信頼性評価が困難になります。このリスクを避けるには、使用部品を標準化し、品質のばらつきを抑えることが必要です。

また、複数の仕入先から同等品を調達している場合、ロットによって部品の寿命に差が生じるケースがあるため、調達ルートは可能な限り一本化しておきましょう。調達ルートを一本化することで、部品の手配や在庫管理が容易になり、予備品の管理が効率化されると同時に、コスト削減にもつながります。

さらに、品質管理を強化(部品の受入検査や製造工程の管理、出荷検査などを徹底)することで、不良品の流出を防ぎ、設備全体の品質維持と寿命延長が期待されます。

特に、修理が不可能なタイプの部品はMTTFに直接影響を与えるため、より厳格な品質管理が必要です。

部品の劣化や交換履歴を正しく把握し、MTTFの信頼性を高める

部品の品質を安定させてMTTFを向上させるには、実際の使用状況や劣化の進み具合、交換履歴を正確に記録し、ロット差や調達ルートによる寿命のばらつきを把握できる状態を整えることが重要です。記録が紙やExcelに分散したままでは、どの部品が何時間稼働したのか、どの仕入先ロットに問題があったのかが追いにくく、品質管理の徹底や寿命の安定化につなげる改善が行いにくくなります。

カミナシ設備保全では、点検記録・停止時間・履歴を一つの画面に集約でき、全体像を短時間でつかめるようになります。保全データの扱い方を見直したい方におすすめの内容です。

▼こんな方におすすめ

  • 保全データが散在しており、探すだけで時間がかかる

  • 設備ごとに履歴を整理し、共有の基盤を整えたい

  • トラブルの傾向を把握し、再発防止に活かしたい

設備点検・保全DX資料3点セット

画像をクリックで資料ダウンロードページに遷移します。

MTTFを活用する際の注意点

MTTFは、設備や部品の信頼性を数値で把握できる指標です。ただし、意味を正しく理解しないまま運用すると、かえって誤った判断につながるおそれがあります。そのため、MTTFを活用する際は、以下の4つに注意しましょう。

  • データの母数が少ないと信頼性が低い

  • 外的要因の影響を受けやすい

  • MTTF単独では正確な判断ができない

  • MTTFは実際の寿命を保証するものではない

例えば、数値だけを鵜呑みにして保全計画を立てた場合、実際の使用環境とのズレにより、予防保全が適切に実施されず、突発的な故障やライン停止、製品の品質低下といった重大なリスクを招くことがあります。こうした事態を防ぐために、MTTFを活用する際には、数値が導き出された前提条件や使用環境を踏まえた上で数値を読み解きましょう。

データの母数が少ないと信頼性が低い

MTTFは統計的な指標であるため、正確な評価を行うには十分なデータ数が必要です。例えば、同一条件下での故障事例が数件しかない場合、偶然によるばらつきの影響が大きくなり、実態を正しく反映した数値とはいえません。

MTTFの算出に必要なデータ量は、設備や機器の特性によって異なりますが、一般的には数十から数百件のデータが必要です。データが不足している場合、計算結果のばらつきが大きくなり、信頼性の高い判断を下すことが難しくなります。

故障データの収集手段としては、メンテナンス報告書や作業記録などに記載された文書データのほか、センサーや装置のログから取得する自動記録データも活用されます。より多くのデータを継続的に蓄積し、体系的にデータベースとして整備しておくことで、正確で信頼性の高いMTTFの算出が可能です。

外的要因の影響を受けやすい

MTTFは、設備や部品の信頼性を数値で示す指標ですが、その数値は使用環境や稼働条件の影響を大きく受けます。例えば、高温多湿の場所や極端に寒冷な地域など、過酷な環境下では、同じ部品であっても想定より早く寿命を迎えるケースがあります。

設計時に想定された使用条件と実際の現場環境が異なる場合、カタログや仕様書に記載されたMTTFの数値をそのまま鵜呑みにするのは危険です。

設備や機械の寿命を正しく把握するには、現場での使用実績や、過去の故障データに基づいた実態に即した評価が不可欠です。実際のデータからMTTFを算出することで、より現実的で信頼性の高い判断が可能になります。

MTTF単独では正確な判断ができない

MTTFは、設備や部品が平均してどの程度使用できるかを示す指標ですが、MTTFのみを参考に保全計画や正確な寿命予測を立てるのは困難です。特に、初期不良のような突発的な故障や、想定以上に早く進行する劣化といった事象は、平均値では捉えきれません。

正確な評価を行うにはMTTFだけでなく、MTTRや稼働率、故障率といったほかの指標と組み合わせる必要があります。多角的に分析することで、設備の状態を正しく把握でき、実態に即した判断と保全管理につながります。

MTTFは実際の寿命を保証するものではない

MTTFの数値は、あくまで複数の故障事例から算出された平均値にすぎず、設備や機械がその時間まで確実に故障しないことを保証するものではありません。

例えば、MTTFが1,000時間とされている部品であっても、早ければ300時間で故障する場合もあれば、2,000時間以上稼働し続ける場合もあります。

MTTFはあくまで参考値として扱い、実際の使用条件や現場での運用データをもとに定期的に再計算を行い、精度を高めることが重要です。数値を過信せず、保全計画には一定の余裕を持たせることで、突発的なトラブルの回避と安定した設備運用につながります。

MTTFを正しく理解して精度の高い予防保全を実現しよう

MTTFは、機械や設備の信頼性を数値で評価するための基本指標です。MTTFを正しく理解した上で予防保全に活用すれば、突発的な故障の発生を抑え、点検や部品交換のタイミングを合理的に計画できるようになります。

FMEAや故障履歴の分析を通じて、繰り返し発生するトラブルの根本原因を明確にし、構造改善を実施することが、同種の故障を未然に防止しMTTFの向上につながります。また、信頼性データを最大限に活用するためには、日々の稼働状況や点検結果を正確かつ効率的に収集、蓄積できる仕組みが必要です。

設備点検・保全DX資料3点セット

MTTFを正しく算出し、予防保全に確実に生かすには、設備や部品に関するデータを自動で収集し、一元管理できる「カミナシ 設備保全」の導入がおすすめです。収集されたデータは故障診断や傾向分析にも応用でき、より高度な保全計画の立案にも役立ちます。設備保全のデジタル化に役立つ資料をまとめた「設備保全DX3点セット」は以下のボタンから無料でダウンロードいただけます。

設備保全DX3点セット資料ダウンロード

執筆者:現場と人 編集部

現場と人では、現場仕事に特化して、 発見や気づき、助けとなるような情報をお届けします。最新の現場DX手法や事例、現場で働く方々の業務改善の取り組み ・書籍やセミナーだけでは、わかりにくい専門分野の情報 ・従業員教育に役立つ基礎基本となる情報をお求めの方は、ぜひ「現場と人」を参考にしてください。

おすすめコンテンツ

現場DXを支えるカミナシサービス一覧

TOP 

> 設備保全

> MTTFとは?MTBFやMTTRとの違い、計算式、業務改善に活かす方法を紹介