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クレーム件数58%削減を実現。情報共有の仕組みを構築 

2026.08.25

イチビキ株式会社の課題

日々変動する品質基準やルール変更が現場に正確に伝わりきらず、1日1件程度のミスやトラブルが発生していた
実習生からの連絡が管理者の個人SNSに業務時間外でも届き、特定の管理者に精神的・時間的な負担がかかっていた
現場からの自発的な意見や改善提案を伝える場がなく、中堅・ベテラン従業員の持つ知識やポテンシャルが埋もれがちになっていた

成果

「カミナシ 従業員」を介して部門を跨いだ一斉チャットでの共有により、工場起因のクレーム件数が直近4年の平均値比で58%減少
実習生からの連絡を「カミナシ 従業員」に一元化したことで、管理者の個人SNSへの連絡がゼロになり、運用負荷が劇的に軽減
「カミナシ 従業員」での発信を通じて、40代の中堅従業員の高い専門性が可視化・評価され、役職登用が実現

「カミナシ 従業員」導入で「声を上げられる場」ができ、中堅社員のポテンシャルの可視化と適正評価も実現

東海地方で広く愛される味噌・醤油をはじめ、数多くの食品の製造を手がけるイチビキ株式会社(以下、イチビキ)。同社の主要拠点の一つである第2工場では、200種類に及ぶ豆関連商品やつゆ類等の製造を行っており、現場では日本人従業員やパートに加え、約60名もの技能実習生が従事している。
同工場では、長年、業務に関する情報共有は紙を回覧する形式で行っていたが、日々変わる品質基準やルールの変更が全員に伝わりきらず、現場でのミスやトラブルが1日1件程度発生するという課題を抱えていた。また、技能実習生からの欠勤連絡が、現場管理者の業務時間外にも個人SNSへ届くなど、管理側の負担も高まっていた。

これらの課題を抜本的に解決するため、同工場は社内コミュニケーションの基盤として「カミナシ 従業員」を導入。結果として、工場起因のクレーム件数が58%減少するという圧倒的な品質向上を達成。さらに、ツールでの発信を通じて、これまで埋もれてしまっていた中堅従業員の卓越した才能が発掘され役職者に登用されるという、組織のあり方を大きく変える成果も生まれている。

今回は、第2工場 食品製造課 課長で技能実習生の管理業務も担当する戸田氏、品質管理等を統括する生産技術課 課長の亀山氏、イチビキの全4工場を管轄し、横断した取り組みや連携を推進する生産本部 係長の松井氏に、導入の背景から驚くべき成果までを伺った。

日本語の紙回覧・サインによる情報周知の限界

イチビキ 第2工場では、定年退職等による人員減少と採用難を背景に、6年前から技能実習生の受け入れを開始した。現在はベトナム、ミャンマー、タイなど多国籍の従業員が製造工程で活躍している。先輩実習生が後輩に教えるといった教育体制は確立された一方で、日々アップデートされる情報の伝達には構造的な限界があったと、食品製造課の戸田氏は振り返る。

「ルールの変更や、日々変わる品質基準を全員に漏れなく周知することが非常に困難でした。従来は日本語で書かれた紙を名簿付きで回し、閲覧した人はサインをする方式でしたが、本当に内容を理解してチェックしているのか分からず、『言った・言わない』『見ていない』というすれ違いが多々発生していました。その結果、変更された品質基準が実習生に伝わらず、不良品を良品としてラインに流してしまったり、機械の設定ミスによるトラブルが1日1件程度発生していたのです」(戸田氏)

従来の情報共有手段だった、紙での回覧・サイン方式

品質管理を担う生産技術課 課長の亀山氏も、3交代制勤務ならではの壁を感じていた。

「勤務時間がまったく合わない従業員同士は、置き手紙のような形で情報共有を行っていました。これでは本当に伝わったのか、読んだ本人がどう捉えたのかというリアクションが見えず、モヤモヤした不安を抱えていました。トラブルの原因を調査するなかで、工場のトラブルを減らすためには、実習生か日本人従業員かに関わらず、全員が確実に情報を共有できる環境を整えることが先決だと痛感していました」(亀山氏)

さらに、もう1つの深刻な課題が、実習生とのコミュニケーションツールの乱立と、現場管理者のプライベートへの浸食だった。当時、実習生との連絡手段は、戸田氏個人の複数のSNSのチャットに依存していた。

「『体調不良で今日休みたいです』といった連絡が、夜間や休日を問わず、私の個人SNSに直接届いていました。国籍によって使うSNSもバラバラのため、複数のSNSを使い分けてやりとりをする必要もあり、業務時間外の対応を含めて時間的にも精神的にも負担が大きかったのです。この状況をなんとかして解消したい、業務連絡をひとつの公式な場所に集約したいという思いは切実でした」(戸田氏)

技能実習生は各工程で製造業務に従事している

カミナシに決めた理由は、他社ツールと一線を画す「現場目線での製品開発」

こうした課題に直面していた時期、展示会で「カミナシ 従業員」の存在を知ることとなる。戸田氏は、そのプロダクト思想に強く惹かれたという。

「カミナシの代表自身が現場経験があり、その課題解決のために立ち上げた会社・製品ということを知り、他社のツールとは一線を画す『現場目線』を強く感じました。他社のツールも検討しましたが、機能がシンプルで見やすく、『お知らせ』と『チャット』という機能、そして自動翻訳機能がある点が当社に最も適していると判断しました」(戸田氏)

同社ではこれまで製造現場でのITツールの導入を行ったことがなかったため、導入にあたって社内からの反対も予想された。しかし、工場長をはじめとする経営層からの反対は一切なかったという。

「工場長は、私の実習生対応の負担の大きさを間近で見ていたこともあり、私の切実な訴えを柔軟に受け止めてくれました。また、カミナシの営業担当の方が実際に工場へ足を運び、工場や業務の状況を把握した上で、丁寧に説明してくださったことも、弊社にとっては大きな決め手となりました」(戸田氏)

さらに、戸田氏らはこの導入を機に、工場全体のデジタル化を一歩前進させる「戦略」を実行した。

「『カミナシ 従業員』導入時、あえて『社員はパソコンでしか使えない』という環境としました。すると当然、現場を動き回る社員から『現場では使いにくい』という声が上がります。その声をフックにして、経営陣へ現場の正社員に1人1台スマートフォンを支給することを提案し、承認を得ることができました。第2工場は平均年齢が30代と若かったこともあり、スマホへの切り替えは非常にスムーズで、現場からも好評でした」(亀山氏)

クレーム件数は58%減少。現場からの「不良の兆候」の報告は2倍に

「カミナシ 従業員」の導入後、第2工場の品質管理体制は劇的な進化を遂げた。本社お客様センターに寄せられる申し出のうち、品質保証部が「工場起因のクレーム」と確定した件数が、直近4年間の平均値と比較して、2025年度は実に58%も減少したのだ。戸田氏の所属する食品製造課においては、2024年に半減させたクレーム数を維持しており、現在は限界値に近い極めて低い水準を維持し続けている。

「クレームが劇的に減った背景には、『カミナシ 従業員』によるコミュニケーションの爆発的な増加と、製造・品質管理・出荷という異なる部門間でタイムリーに連携がとれるようになったことにあると考えています。従来はトラブルが発生すると『あの部署の◯◯さんに伝えて、そこからまた◯◯さんに伝えて…』という伝言ゲームのような形となり、対応が後手に回っていました。今は、『カミナシ 従業員』の3つの部署のメンバーで形成されるチャットグループで、例えば製造から『こういうことが起きました』と報告が上がった瞬間に、全部署に一括で情報が広がります。その情報を見た品質管理部門から『この対応をしてください』という指示が全員に同時に届くため、情報の抜けがなく、各部署で一斉に的確な処置ができるようになりました。出荷部門も『これは出荷を止めなければならない』と即座に判断し、出荷ヤードで先手を打つことが可能になったのです」(戸田氏)

さらに、報告件数自体も約2倍に増加しているという。

「以前は『わざわざ報告するまでもないだろう』と従業員個人で留められていた些細な情報が、『カミナシ 従業員』というプラットフォームができたことで気軽に上がってくるようになりました。本人にとっては小さな気づきでも、管理側から見れば不良の兆候である可能性があります。これらをリアルタイムにキャッチし、大きなトラブルに発展する前に未然に防げるようになったことが、『クレーム58%減』という驚異的な数字につながっていると考えています」(戸田氏)

生産技術課では、日々現場を巡回し、異音などの異常を発見した際には「カミナシ 従業員」で共有する活用もしている

この確実な情報共有と品質異常に対する迅速な処置フローは、国際的な食品安全マネジメント規格である「FSSC 22000」の継続監査においても、「前回比でコミュニケーションの改善が著しく進展している」として、監査員から非常に高いプラス評価を獲得した。

また、実習生に関するミスの減少や、彼らの生活面でのサポートにも大きな効果を発揮している。『カミナシ 従業員』上に、複数ある実習生の寮ごとのグループを作成したことで、生活ルールの周知が徹底され、これまで2ヶ月に1回程度発生していた近隣住民からの騒音やゴミに関するクレームが、今では完全にゼロになった。

「実習生の欠勤連絡なども『カミナシ 従業員』に統一されたことで、私の個人SNSに連絡が来ることはなくなりました。すべての連絡が社用スマホに集約され、時間外の心理的負担が軽減されたことも本当に大きな成果です」(戸田氏)

戸田氏と技能実習生の『カミナシ 従業員』チャットでのやりとり。
実習生が母国語で発信すると、戸田氏には日本語翻訳が併記された形で閲覧できる

中堅社員の「ポテンシャルの可視化」と「適正評価」も実現

『カミナシ 従業員』の導入がもたらした大きな変化は、上記に留まらない。もともと持っていた課題の解消とは別で起こった変化は、「従業員のポテンシャルの解放」だった。

これまで自分の中で思うことがあっても発言する場がなく、社内で声を発しづらかった従業員たちが、『カミナシ 従業員』という発言の場を得たことで、主体的に発信を始めたのだ。亀山氏と戸田氏は、ある象徴的な事例を教えてくれた。

「当工場に、40代の中堅従業員がいます。非常に経験豊富で現場の知識もある方だったのですが、これまでは発言する場や機会に恵まれず、社内でもあまり目立たない、どちらかと言えば評価が埋もれがちな存在でした。しかし『カミナシ 従業員』が導入されてから、現場の異常や改善提案、他部署へのアドバイスなどをツール上で自発的かつ積極的に発信するようになったのです」(亀山氏)

その発信内容は深い知見に満ちており、現在の担当者が気づかない視点を補うものばかりだった。全体に情報が共有される『カミナシ 従業員』だからこそ、その貢献度が上司や工場長の目に留まることとなった。

「彼の発信を見て、周囲も『こんなに素晴らしい才能や知識があったのか』と初めて気づかされました。『カミナシ 従業員』がなければ、彼の才能は間違いなく埋もれたままだったと思います。その後、彼は貢献度が正当に評価され、係長への昇進を果たしました。まさに、ツールが人の才能を解放し、キャリアを切り拓いた瞬間でした」(戸田氏)

「カミナシ 従業員」での実績を足がかりに、さらなる現場DXの推進を目指す

第2工場での圧倒的な成果を受け、生産本部の松井氏は、この成功体験をグループ全体へ横展開していく未来を見据えている。

「どの工場でも、日本人同士も含めたコミュニケーションの課題は必ず存在します。メールでいちいち宛先を探したり、CCを大量に入れたりする作業に時間を取られる時代は終わりにし、『カミナシ 従業員』のようなシンプルなツールで各部門がつながることは、他部門の知見を掛け合わせる『集合知』の観点からも非常に有効だと感じています。まずは生産部門の全工場、ゆくゆくは全社への展開を期待しています。現場でこうしたデジタルツールを導入しない企業は、今後は淘汰されていくのだろうという危機感もありますね」(松井氏)

第2工場では、今回の「カミナシ 従業員」の成功による現場の意識改革を足がかりに、さらにDXを推進するため、他のカミナシ製品の活用も検討している。

「弊社は費用対効果を厳しく見る風土があり、過去にペーパーレス化の視点だけでツールを提案した際は、印刷代などのコストメリットだけでは導入に至りませんでした。しかし今回、『カミナシ 従業員』を活用して『これだけ現場が変わり、クレームが減り、人が育つ』という、単なるコスト面だけではない成果を証明できました。この実績を足がかりにして、今度こそ工場全体のDXを推進していきたいです」(亀山氏)

情報の壁を取り払い、現場のすべての人の声を可視化することで、品質向上と人材育成を同時に成し遂げたイチビキ 第2工場。単なるツールの導入を超えて、働く人の可能性をどこまでも信じる、次世代の食品製造業のあり方を示している。

※本事例に記載の情報は、2026年6月取材時点のものです。

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イチビキ株式会社の企業ロゴです。

イチビキ株式会社

  • コミュニケーション

  • 外国人雇用

利用目的

コミュニケーション、外国人雇用

利用サービス

カミナシ 従業員

従業員規模

〜1000名

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