教育工数削減とサービス品質向上を両立。生産性向上で従業員の待遇改善へ
2025.07.25
いわくにバス株式会社の課題
成果
岩国市の地域交通を支える、いわくにバスが「カミナシ 教育」を導入した理由とは
山口県岩国市において路線バスなどの事業を展開するいわくにバス株式会社は、法で義務付けられている運転士への教育業務の効率化に「カミナシ 教育」を導入。従来の所要時間を半減する効果が出ている。「従業員教育はバス事業の要。『カミナシ 教育』はなくてはならないツールです。今後はカミナシシリーズ製品をフル活用し、サービス品質や生産性、従業員待遇のさらなる向上を目指したい」と話す、代表取締役の上田純史氏に、導入の経緯や現在の活用状況を聞いた。

慢性的な人手不足を打開するため、デジタルツールに活路を見出した
いわくにバスは、山口県岩国市に本拠を置くバス事業者。路線バスや高速バス、スクールバスを運行し、「安心・安全・やさしさ・選ばれる」バスサービスを提供している。主軸事業である路線バスの1日の乗降客数は約4,000人にのぼる。また、岩国市内には日本三大名橋の「錦帯橋」が所在するほか、宮島などの人気観光地とも近いことから、地元住民だけでなく、観光客の利用も多い。
一方で、他のバス事業者と同様に、人手不足の解消が目下の課題だ。全従業員69名のうち運転士は約50名。例えば、1日約250本運行する路線バスは30名ほどの運転士で支えているが、慢性的な人手不足感は拭えない。
そのため、同社では、運転士の業務負担軽減を目的に、デジタルツールの活用を進めている。代表取締役の上田氏は「バス業界はまだアナログな文化が根強いですが、だからこそ、デジタル化の効果は大きいと見込んでいます。何より人手不足解消に業務負担の軽減は欠かせません。実際にデジタルツールを導入したことで、業務効率の向上を実感しています。そうした理由から、デジタル化を経営上の最重要事項の一つと位置付け、各種デジタルツールの活用を推進しています」(上田氏)

「従業員教育はバス事業の要」。非効率な対面教育のデジタル化を目指した
こうしたなか、いわくにバスは2025年から「カミナシ 教育」を導入し、従業員教育に活用している。「カミナシ 教育」導入により、どのような問題の解決を狙ったのか。上田氏は以前から定期的に実施していた「運転士への対面での教育」にまつわる課題を挙げる。
「バス事業者には、運転士に対して安全などに関する教育の実施義務があります。いわくにバスでも月に1回、この教育を実施していました。しかし、特に路線バスの運転士はシフト勤務で出退勤時間が異なるため、集合研修を行うことができません。そのため、一人ずつ対面で、紙の資料を用いて教育を行っていたのです。この対応には、少なからぬ手間がかかっていました。さらに、実施記録の保存も法律で義務づけられているため、紙に記録した内容を正確にExcelへ転記する必要もあったのですが、このやり方ではどうしても記入の抜け漏れを避けきれません。そうした課題を解消したい思いがありました」(上田氏)
上田氏は「従業員教育はバス事業の要です」と話す。近年、いわゆる「2024年問題」の影響などもあり、運転士の採用は難易度が高い。なかでも、運転士経験者の採用は困難なため、いわくにバスでも未経験者の採用が増えている。未経験者は、大型二種免許は保有しているものの、現地の地理の知識、運転上の注意点、会社固有のルールなどは都度レクチャーしなければならない。従業員への教育業務の効率化は、人材の早期戦力化やサービス品質向上のためにも必要だった。

「汎用的でない、自社独自の教育資料を作成できるのが『カミナシ 教育』の魅力」
「カミナシ 教育」の導入は、先行して利用していたカミナシシリーズ製品の現場帳票システム「カミナシ レポート」がきっかけだった。以前から、いわくにバスでは「カミナシ レポート」で車両点検表などをデジタル化しており、そのUIや操作性が従業員間で好評を博していた。そのため「カミナシ 教育」も現場で使いやすいシステムだろうと信頼感を持ち、導入した。
また「カミナシ 教育」の、教育資料に自社独自のルールを反映しやすい点も魅力に感じたという。
「バス運転士向けのデジタル教育ツールはあるにはあるのですが、それらはあくまで基礎的な知識を習得するためのもので、自社独自の教育は行えません。ですが、『カミナシ 教育』では現地の地理情報や社内ルールなど、自社独自で教育が必要な内容も簡単にマニュアル化できるます。現場ごとの実情に応じた運用がしやすい点が大きな強みだと思います」(上田氏)
従業員教育の負担は半減。「カミナシ 教育」はサービス品質向上にも効果あり
「カミナシ 教育」を導入したいわくにバスは、第一弾として毎月実施していた運転士への対面教育のデジタル化に取り組んだ。これにより、受講する運転士は自身の都合がいいタイミングで、共用のタブレットで教育資料を確認するだけで十分になった。上田氏は、この変化に大きな手応えを感じているという。
「以前は、運転士約50名に対して、紙の資料を用いて対面で実施していた説明がほとんど不要になったわけですから、業務負担は大幅に減っています。毎月費やしていた従業員教育の時間を、少なくとも半分以下には削減できているはずです。また、紙に行っていた実施記録をExcelシートに転記する作業なども削減されていることから、導入効果はさらに大きいと感じています」(上田氏)
そして現在、さらなる活用を進め、運転士向けの業務マニュアルなども「カミナシ 教育」でデジタル化を進めている。バスの車両は、メーカーや車種、年式などによって運転や操作の方法が微妙に異なる。そのため、従来は車両の操作方法をレクチャーする際には、指導担当者も指導を受ける運転士も施設内の駐車場に足を運んで、実際の車両内で行わなければいけなかった。しかし「カミナシ 教育」では、撮影したレクチャー動画を簡単にマニュアルにできるので、車両まで赴いたり、指導担当者が都度対応したりする必要はなくなる。そして、指導を受ける運転士は動画マニュアルを見るだけで操作方法を習得できるようになる。
「例えば、車椅子利用のお客さまへの対応です。車椅子を利用するお客さまが乗降する際には、乗降口にスロープを掛けるなどの所定の対応が求められます。しかし、車両によってスロープの保管位置や設置位置などが異なるため、そのすべてのパターンを都度レクチャーするのに時間と労力を要していました。しかし、現在は『カミナシ 教育』に車両ごとのマニュアルをアップロードしておけば、運転士たちは必要に応じて車両ごとの操作方法などを確認できます。これは指導担当者・運転士たちの負担を減らしているのはもちろん、サービス品質の向上にもつながっていると思います」(上田氏)

今後は「カミナシ」シリーズ製品のフル活用でより生産性を向上させ、従業員のさらなる待遇改善を図る
今後、いわくにバスは「カミナシ 教育」の活用を事務や整備などの業務にも広げていく方針で、直近ではドライブレコーダーの映像を盛り込んだ安全教育のコンテンツを作成する予定だ。実際のヒヤリハット事案の映像を用いることで、より真に迫った教育コンテンツを作成できると期待しているという。
最後に今後の展望について尋ねると、上田氏は「最終的な目標は従業員にとって働きやすい環境の構築です」と回答。「カミナシ 教育」をはじめ、「カミナシ」シリーズの製品ををフル活用し、業務効率化を通じた従業員の待遇改善を推進したいと話した。
「おかげさまで、ここ数年は黒字決算が続いており、給与増も実現できています。しかし、人手不足を解消するには、働きやすい環境を築くなど、総合的な観点で従業員の待遇を改善しなければいけません。そのためには、業務の生産性向上が何よりの方策でしょう。いわくにバスでは『カミナシ 教育』だけでなく、『カミナシ レポート』や従業員と業務連絡などのやりとりが行える『カミナシ 従業員』も導入していますが、その理由はカミナシ社がそうした当社の思いに共感し、伴走・支援してくれるからです。今後も『カミナシ 教育』をはじめとした各製品をさらに活用しながら、よりよい就業環境を築いていきたいと思っています。その歩みに寄り添ってサポートしていただくことを、カミナシ社の皆さんには期待しています」(上田氏)


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