カミナシ シリーズの導入で経験と国籍の壁を超える
2025.10.01
ケイ・エフ・ジーの課題
成果
自律的な現場づくりで生産性向上を目指す、老舗飲料メーカーの取り組み
島根県浜田市金城(かなぎ)町の良質な水を全国に供給する株式会社ケイ・エフ・ジー。1995年に創業した同社は、2022年に現社長が代表に就任して以来、業務改革に取り組む中でデジタル化に着手。24時間稼働する製造ラインを支える現場従業員の働きやすさを向上し、製造のロス削減や品質向上を実現させるために、「カミナシ 設備保全」と「カミナシ 従業員」を導入。国籍・年齢を問わずに従業員の働きやすさを追求することで、生産性の向上につなげている。

大手企業からの引き合いも多い島根県の老舗飲料水メーカー
中国山脈の麓、島根県浜田市で家業の水産業をルーツにもつ株式会社ケイ・エフ・ジー(以下ケイ・エフ・ジー)。1995年に金城町の町長から勧められてミネラルウォーターの製造・販売を開始し、世界的にも希少な“硝酸態窒素不検出”の安全性の高い、非加熱でボトリングした天然のアルカリイオン水を全国各地に提供している。
そんなケイ・エフ・ジーが社内の業務改革を推進し始めたのは、現社長が就任した2022年のこと。ケイ・エフ・ジーでは日々の消費者の生活を支える飲料水を製造しているため、徹底した品質管理はもちろんのこと、取引先からの供給に応えるための生産効率の向上は永遠の課題である。特に、全国チェーンのコンビニエンスストアや大手飲料メーカーといった企業との取引で成長してきたケイ・エフ・ジーにとっては、毎年の監査やトラブル発生時の迅速な対応が求められるため、その重要性はより一層高まっている。しかし、従来の紙ベースの管理や属人化された業務フローが常に課題となっていた。製造業として売上や生産性を追求すること、製造現場を守っている従業員がより働きやすい環境にすることを目的に、工場が一丸となり業務改革に着手する。

従業員への継続的な教育と生産体制の仕組み化が課題に
ケイ・エフ・ジーの製造拠点である島根県浜田市にある第一・第二工場で20年以上に渡って工場の運営を担っている専務取締役 生産本部長 兼 業務部部長の浜松氏は、感じていた課題について、次のように話す。
「長年、工場運営に携わっている中で、工場全体のレベルを底上げし『良い製品を効率よく、たくさん作る』という目標を共有し、従業員全体のスキルを上げ、全員が同じ方向を向いて仕事に取り組めるようにすることが非常に重要だと感じていました」(浜松氏)
ケイ・エフ・ジーでは多数の大手企業との取引があるため、毎年監査がある。その中での指摘事項はもちろんのこと、万が一のトラブルがあれば報告書を提出する必要があり、その対応の迅速さはもちろんのこと、トラブルの再発防止に徹底的に取り組む必要がある。浜田市の工場は長く運営していることもあり、様々な年代や国籍の従業員がいるため、従業員全体のスキルをいかにあげていくかが常に課題としてあった。目の前の作業をこなすことだけを考えてしまう従業員もいれば、自ら積極的にスキルアップを目指し、不良品を減らし、効率よく生産しようと努力する従業員もいるという。そういった環境の中でいかにして工場全体のレベルを底上げするかが、浜松氏にとって日々向き合うべき最大の課題だった。
「不良品を出さないためにはどうすべきか。そこを日々、従業員と共に考え、実行していますが、全員が同じ方向に向かって実行できるようになるには時間も手間もかかります。そこをいかに取りまとめて、品質管理と教育を徹底的に行うかが、一番大変なことでした」(浜松氏)
食品を扱う企業にとって、品質管理は生命線である。もし不良品や異物混入といった重大なトラブルが発生すれば、製品の回収にとどまらず、会社の存続自体に影響を及ぼしかねない。このようなリスクを未然に防ぐために、誰がやっても不良品を作らないようにシステムを作ること、そして継続的に教育を行うことが大事だと考えていた。
さらに、浜松氏が長年抱えてきたもう一つの大きな課題が、業務の属人化である。
「管理者は朝から夜遅くまで、時には休日も返上して仕事に取り組まなければならないこともあります。人や役割によっては何かあればすぐに会社に駆けつけるような体制になっていますが、会社としてはそのような状態は健全ではありません。誰か一人に業務が集中するのではなく、全ての情報が『見える化』され、誰でも代わりに業務を行えるようなシステムが必要だと強く感じていました」(浜松氏)

組織全体のレベルアップと従業員の働きやすさ追求のために「カミナシ シリーズ」の導入
浜松氏は以前より設備を集中管理するシステムの導入を検討しており、大手メーカーに見積もりを依頼するも、導入費用の高さから半ば諦めかけていた。
「水の製造はすべて機械装置で行っているため、機械に不具合があると生産は完全に止まってしまいます。人は何とか代わりを見つけられますが、機械が壊れたらどうしようもありません。だからこそ、機械の整備・管理をきちんと行い、設備管理ができる人材を育成する必要がありました。当初は、各機械からリアルタイムでデータを取得し、集中管理室のような場所でモニター監視できるシステムを考えていました。しかし、莫大な費用がかかるため、導入には至っていませんでした」(浜松氏)
そんな時に展示会でカミナシの話を聞いた社長から浜松氏に共有があり、直感的に操作ができそうなこと、低コストで導入できることが決め手となり「カミナシ シリーズ」の導入を進めることとなる。
「国籍も年代も様々な従業員で構成されており、ITリテラシーにもばらつきがある当工場にとって、マニュアル不要で使え、従業員が日常的に利用しているSNSのようなインターフェースで馴染みやすい、といったことが大きな決め手でした。また『カミナシ 従業員』はベトナム語の翻訳に対応しており、技能実習生にもスムーズに利用してもらえそうなこと、そして『カミナシ 設備保全』は当初想定していた集中管理システムと比べてはるかに低コストで導入できる点が魅力的でした」(浜松氏)
長年、ケイ・エフ・ジーの現場の設備を見てきた生産部・品質管理部の部長を務める嘉戸氏は「カミナシを活用して作業者のレベルアップを図っていきたい」と考えている。
「元々設備の稼働状況を一元管理するモニタリングシステムの導入を考えていたので、想定とは違ったのですが、カミナシの話を聞いて『これは使えるな』と感じましたし、保守履歴が設備ごとに一目で分かるようになったのは大きな効果だと感じています。当社では天然水をボトリングする一連の中で海外製の機械を使っていますが、過去には海外製のコンプレッサーの軸が折れるという重大なトラブルが発生したことがあります。部品の取り寄せに3週間かかるため、その間は生産を停止せざるを得ませんでした。機械で製造している以上、こういったリスクが常にあるため、予備部品がない場合の応急処置や電気系・制御系の複雑なトラブルに対応できるようになっておく必要がありますが、これまでは難しさから属人的な対応となっていました。現在は設備を担当している従業員とともに、iPadで写真付きの情報入力を積極的に行っており、情報を蓄積することで、難しい対応ができる従業員が増えつつあり、属人化から開放されることを期待しています」(嘉戸氏)
現場で嘉戸氏とともに設備管理に従事する西田氏は、カミナシに記録することで「後から参照したときに詳細な情報を把握しやすくなった」と感じている。
「未経験で設備保全の業務に携わり7年になりますが、まだまだ日々わからないことだらけだと感じています。トラブルが発生するとベテランの部長に頼ることが多く、自身の経験値不足に加え、過去のトラブルの情報が蓄積されておらず参照できないため、対応が難しいと感じることもありました。カミナシの運用を進める中で入力方法を工夫し、単なる事象の記録だけでなく詳細な状況や対応内容を写真付きで記録するようにしました。これによって、後から見返したときに状況が詳細に把握できるようになりました。特に、スマートフォンを利用して、写真撮影時には問題箇所にマル・バツをつけるなど視覚的な情報も追加することで、よりわかりやすい記録を目指しています。」(西田氏)
工場全体で多くの設備を有しているケイ・エフ・ジーでは、約2,000点の部品を保有しているという。これまで嘉戸氏の勘と経験で発注タイミングを決めていたが、カミナシで部品の在庫状況や使用履歴を管理していくことで、より効率的な部品管理ができることが期待される。設備カルテの構築と部品管理を徹底することで、西田氏は「部長の力を借りずに自分ひとりで対応できたときがモチベーションになるので、トラブルが起きないように自分で考えて対応ができるよう、カミナシを活用していきたい」と話す。

また、浜田第一工場の責任者を務める渡辺氏は、1日に何十枚もの日報や点検記録を扱っているので、電子化により作業が楽になることに期待をしていると話す。
「責任者として機械トラブル時の簡単な処置、在庫管理、従業員のみなさんの業務の調整など幅広い業務を担当しています。最も大変だと感じるのは突発的なトラブル対応です。過去には、ボトルが機械に噛み込み、タイミングがずれてしまい、その対応に丸一日を費やした経験もあります。設備点検のアプリ導入に関しては、特に過去の紙媒体の記録や記憶に頼っていた点検作業が楽になることに期待しています。また、第一工場ではベトナム国籍の従業員の方が多いため、これまで業務を教えるのにニュアンスの伝達が難しいと感じていました。『カミナシ 従業員』を利用することで業務指示やトラブル対応時のコミュニケーションが円滑になっていると感じます」(渡辺氏)
第二工場で特定技能実習生として従事するタム氏は、カミナシが導入されたことで「情報が早く得られるようになり、より働きやすくなったと感じる」と笑顔で話す。
「日本に来て7年目です。工場で働く皆さんが親切に教えてくださること、日々日本語を勉強しているので大体のことはわかるのですが、『カミナシ 従業員』で日本語とベトナム語が併記されていると、やはり安心します。日本に来た最初の頃は業務の指示を理解するのがとても難しく感じていたので、『カミナシ 従業員』が早くに導入されていたら、もっと早く業務のことが理解できていただろうと思います。これから来日する実習生(技能実習生)の方は、このツールが導入されているおかげで業務への不安が少ないだろうと思います」
(タム氏)

“情報の見える化”と“従業員の働きやすさの向上”により
一歩先の工場運営を目指す
「カミナシ」の導入は、現場の従業員の安心につながるだけでなく、意識改革にも繋がっている。これまでは設備担当者に任せきりだった機械のトラブル対応も、生産現場の従業員が「自分ごと」として捉え、データを確認しながら復旧作業を行うレベルにまで成長してきているという。浜松氏は、「以前は熟練の勘に頼る部分が大きかった『いつもと違う』という情報が、記録に残るようになったことで、次工程の作業者にも伝わりやすくなった」と語る。例えば、夜間の機械の異音や軽微な異常も記録として残り、翌日の担当者が確認することで、大きなトラブルへの発展を防ぐことが可能になった。これにより、機械の稼働状況やトラブル頻度を可視化し、適切なタイミングでの機械更新の判断材料にもなっている。
「メーカー推奨の更新時期は15年と言われていますが、きちんとしたメンテナンスがされれば、さらに長く使えるはずです。カミナシのデータがあれば、どの機械をいつ更新するか、より根拠に基づいた判断ができるようになるだろうと考えています。工場運営の課題となっていた『見える化』と『人づくり』が一歩ずつ進んでいると感じています」(浜松氏)
「カミナシ」の導入は、ケイ・エフ・ジーにとって単なるITツールの導入にとどまらない。長年の課題であった属人化からの脱却、従業員のスキルアップ、そして現場の自律性向上という、企業の根幹を揺るがす大きな変革のきっかけとなった。アナログな文化が根付いていた老舗企業が、テクノロジーの力を活用し、未来に向けて進化を続ける姿がそこにはある。



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外国人従業員とのコミュニケーション、設備保全
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カミナシ 従業員、カミナシ 設備保全
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