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公開日 2026.06 .23

更新日 2026.06.23

【図解あり】TPM活動の進め方|対象設備の選定からスケジュール作成・失敗対策まで

【図解あり】TPM活動の進め方|対象設備の選定からスケジュール作成・失敗対策まで

TPM導入を任されたものの、8本柱や16大ロスといった概念はわかっても「何から、どの順番で進めればよいのかがわからない」。TPM活動の推進を担当する方から、このような声は少なくありません。

TPM活動の進め方には、日本プラントメンテナンス協会(JIPM)が示す導入の7ステップという定石があります。また、活動の中核となる自主保全には、現場が守るべき原則があります。進め方の全体像を押さえれば、自社が今どの段階にいて、次に何をすべきかを整理できます。

本記事では、TPM活動の進め方を「会社として活動を立ち上げる導入の7ステップ」と「現場に根付かせる自主保全の3つの掟」の2つの軸で解説します。両者は階層の異なる手順のため、混同しないよう分けて整理します。

あわせて、現場が陥りがちな失敗とその対策、活動を定着させるコツも紹介します。自社のTPM活動を進める道筋を描けるようになります。

目次

TPM活動とは

TPM(Total Productive Maintenance)とは、設備の効率を最大化し、故障や不良などのロスを限りなくゼロに近づける全員参加の活動です。経営層から現場のオペレーターまでが一体となり、生産システム全体の効率化を目指します。

TPMは1971年に提唱された歴史の長い手法のため「時代遅れ」と言われることもあります。しかし、設備データの蓄積やIoTとの組み合わせによって、TPM活動は、現在も進化を続けています。人手不足が進む製造現場では、設備を全員で守るという考え方の重要性はむしろ高まっています。

TPMの定義や、防止すべき16大ロスの詳細は、「TPM活動とは」の記事で詳しく解説しています。

TPM活動の8つの柱

TPM活動は、以下の8つの柱で構成されます。

  1. 個別改善:設備のロスを分析し、効率を高める

  2. 自主保全:オペレーター自身が設備を点検、維持する

  3. 計画保全:保全部門が計画的に設備を保守する

  4. 品質保全:不良を出さない設備の条件を整える

  5. 教育訓練:設備に強い人材を育てる

  6. 初期管理:新設備の立ち上げを円滑にする

  7. 安全衛生環境:災害ゼロ、公害ゼロを目指す

  8. 管理、間接部門の保全活動:事務部門の効率化で生産を支える

8本柱の中でも活動の中核となるのが自主保全であり、本記事の後半で詳しく取り上げます。

TPM活動の進め方-導入の7ステップ-

TPM導入は、一部の部署だけで進めるものではなく、段階を踏んで全社で進めます。ここでは、日本プラントメンテナンス協会(JIPM)が示す導入ステップを基に、代表的な7つのステップを順に解説します。全体像は以下の表のとおりです。

ステップ

内容

1.トップの決意表明

経営トップがTPM導入を全社に正式表明する

2.導入教育・啓発

管理者から現場へ段階的に教育し、目的を共有する

3.推進組織の確立

推進委員会、専門部会、事務局を設置する

4.基本方針と目標設定

方針を定め、OEEや故障件数などのKPIで数値目標を置く

5.マスタープラン作成

キックオフから定着までの展開計画を立てる

6.キックオフ

全社で活動開始を宣言し、意識を揃える

7.展開と定着

8本柱を展開し、PDCAで改善を継続、定着させる

参考:保全の地位を向上させたい|公益社団法人日本プラントメンテナンス協会

1.経営トップによるTPM導入の決意表明

TPM導入の最初のステップは、経営トップによる正式な意思表明です。朝礼や社内報、文書などを通じて、TPMに全社で取り組む方針を社内に宣言します。

TPMは全員参加が前提の活動です。トップ自らが取り組む姿勢を示すことで現場の本気度を引き出し、一部の部署だけの活動になることを防ぎます。

2.TPM導入教育・啓発活動

方針を宣言したら、管理者層から現場まで段階的に教育を実施します。TPMの目的、進め方、期待できる効果を共有し「やらされ感」を防ぐことが狙いです。

教育は一度きりで終わらせず、活動の各段階で繰り返し実施します。管理者には推進の方法を、現場には日々の活動で必要となる知識を、階層別に伝えます。

管理者に伝える「推進の方法」の例

  • 目標・計画管理

  • 部門KPIの設定方法と、全社目標との連動のさせ方

  • マスタープランの読み方と、進捗管理の進め方

  • 現場支援・指導

  • 小集団活動(サークル活動)のファシリテーション方法

  • 現場が自走できるような、指示ではなく「問いかけ」で動かすコーチング的関わり方

  • 問題解決・改善推進

  • なぜなぜ分析やFMEAなど、ロス発見・原因分析の手法

  • 改善提案を評価・横展開する仕組みの運用方法

  • 動機づけ・文化醸成

  • 成果の見える化と社内表彰など、現場のモチベーションを維持する手法

  • 「やらされ感」が生まれるサインの見つけ方と対処法

現場に伝える「日々の活動で必要となる知識」の例

  • 自主保全の基礎

  • 清掃・点検・給油の手順と、異常の発見ポイント

  • 「清掃は点検」という考え方と、不具合を見逃さない目の養い方

  • 設備の基本知識

  • 自分が担当する設備の構造・動作原理の基礎

  • 劣化のサインや異音・異臭など、五感を使った点検方法

  • 改善活動の手法

  • ヒヤリハット・不具合の記録と報告の仕方

  • 4M(Man・Machine・Material・Method)視点での問題整理の基本

  • 安全・品質との関連

  • 設備不良が品質不良や労働災害につながるメカニズムの理解

  • 日常点検チェックシートの正しい記入・活用方法

3.TPM推進組織の確立

全社で活動を推進するための組織をつくります。推進委員会、8本柱ごとの専門部会、推進事務局を設置し、誰が旗を振り、誰が実務を担うかを明確にします。

あわせて、活動の起点となるモデル設備やモデルラインを選定します。最初から全設備を対象にするのではなく、成果を出しやすい設備で先行事例をつくる進め方が一般的です。

例えば、エンジンブラケット(エンジンを車体に固定する金属部品)を製造する工場に、以下のライン・設備があるとします。

ライン

設備

役割

プレスライン

順送プレス機

銅板を連続打抜き・成形

溶接ライン

スポット溶接機

部品の溶接で接合

検査ライン

三次元測定機・外観検査装置

寸法・品質の確認

例:エンジンブラケット(エンジンを車体に固定する金属部品)を製造する工場の場合

上記のラインがあるとするなら、以下の理由で最初のモデルラインには「スポット溶接ライン」を選ぶと良いでしょう。

  • 溶接機1台ごとに担当者が決まっており、自主保全の責任範囲が明確にしやすい

  • チップ交換・電極の清掃など、オペレーターが関わりやすい保全作業が存在する

  • 溶接不良(散り・打痕)と設備状態の因果関係がわかりやすく、改善効果を実感しやすい

  • 1台止まっても他の溶接機でカバーでき、ライン全体への影響が限定的

反対になぜ「順送プレス機」を最初のモデルにしなかったかというと、以下の理由が挙げられます。

  • 高圧・高速動作のため、手順変更時の安全リスクが高い

  • 金型交換・調整に専門知識が必要で、オペレーターだけで完結しにくい

  • プレスが止まると後工程の溶接・検査も全て止まる、ボトルネック設備

自動車部品工場では「不良を出してはいけない」プレッシャーが強いため、つい「一番重要な設備=モデルライン」と考えがちです。しかしTPM導入初期は、現場が成功体験を積める設備を選ぶことが、その後の全設備展開を加速させます。この点を踏まえて、設備の選定をおこなうのがポイントです。

以下の項目に自社のライン名、設備名、役割・用途を入力後、各ラインの特性にチェックを入れるだけで優先的に着手できるラインが判定できます。お名前・メールアドレスの登録は不要なので、お気軽にお試しください。

TPMモデルライン選定ツール

TPMモデルライン選定ツール

自社の設備情報を入力して、最初に着手すべきラインを診断します。

ライン名 設備名 役割・用途

ラインを追加するとチェック項目が表示されます

着手するラインが決まったら、次は「台帳整備」から始めましょう。

TPMの自主保全を現場で動かすには、設備台帳・点検計画表・日常点検チェックリストといった台帳類の整備が欠かせません。「何から作ればいいかわからない」という方のために、製造現場ですぐ使える記入例付きテンプレートをまとめた資料を無料で配布しています。是非ご活用ください。

▲ 画像をクリックで資料ダウンロードページへ遷移します。▲

4.TPM基本方針と目標の設定

TPMの基本方針を定め、現場が向かう方向を言語化します。方針だけでは行動につながらないため、故障件数、OEE(設備総合効率)、ロス削減率などのKPIで具体的な数値目標を設定します。

目標は「あるべき姿」から逆算するのではなく、まず現状のデータを把握することから始めます。直近の故障件数、OEE、ロス時間などの実績値を集め、「今がどこにいるか」を数字で確認します。現状が見えて初めて、どこまで改善できるかが議論できます。

数値目標を決める際の根拠は、主に比較・比較・逆算の工程を踏むのが良いでしょう。

  1. 自社の過去実績との比較

  2. 業界ベンチマークとの比較

  3. 経営課題からの逆算

4-1.自社の過去実績との比較

1つ目は、自社の過去実績との比較です。「昨年比で故障件数を30%削減」のように、自社のベースラインからの改善幅を目標にする方法で、現場が達成イメージを持ちやすい利点があります。

4-2.業界ベンチマークとの比較

2つ目は、業界ベンチマークとの比較です。同業他社や業界平均のOEEと自社を比べ、ギャップを埋める目標を設定します。「業界平均OEE85%に対して自社は72%」であれば、まず80%を目指すといった設定が現実的です。

4-3.経営課題からの逆算

3つ目は、経営課題からの逆算です。「生産コストを5%削減する」という経営目標があれば、そこから設備停止ロスをどれだけ減らすべきかをKPIに落とし込みます。現場の目標が経営と直結するため、活動の優先度が上がりやすくなります。

目標設定時の注意点は、高すぎる目標にしないことです。高すぎる目標は、現場の意欲をそぎ、低すぎる目標は活動が形骸化します。導入初期は「少し頑張れば届く」水準に設定し、達成を重ねながら段階的に引き上げるのが定着への近道です。

また、目標は設定したら終わりではなく、四半期ごとなど定期的に見直し、活動の進捗に応じて調整します。

5.TPM展開のマスタープラン作成

キックオフから定着までのスケジュールを立てます。8本柱の展開順序、モデル設備での試行、教育計画、達成確認のタイミングを盛り込みます。

短期間で詰め込みすぎない計画にすることが大切です。現場が通常業務と両立しながら回せるペースに設定し、活動の中だるみや形骸化を防ぎます。

以下のよう各項目ごとのやること挙げ、スケジュールや進捗を可視化できるようにするのがおすすめです。

TPM活動を進める際のキックオフから定着までのスケジュール例

6.TPMキックオフ

準備が整ったら、全社で活動開始を宣言するキックオフを実施します。トップ、管理者、現場が一体となり、活動への意識を揃える場です。

キックオフ後すぐにモデル設備で活動を始められるよう、事前に体制と計画を整えておきます。宣言だけで終わらせず、行動につなげることが目的です。

キックオフのミーティングを行う際は以下のアジェンダ(議題)を参考にしてみてください。

内容

担当

所要時間

開会・趣旨説明

推進事務局

5分

経営トップによるTPM導入宣言

代表取締役

15分

TPM活動の概要説明(目的・進め方・KPI)

推進委員長

20分

マスタープランの共有

推進事務局

15分

モデル設備・推進組織の紹介

推進事務局

10分

質疑応答

全員

10分

閉会・記念撮影

推進事務局

5分

TPMキックオフミーティングのアジェンダ(議題)例

また、事前に社内メンバーへ周知する際は、メールやチャット、朝会・夕会などで周知しておくと当日の進行がスムーズになります(開催を周知する際のメッセージ例は以下)。

件名:【ご案内】TPM活動キックオフのご参加のお願い

お疲れ様です。TPM推進事務局です。

このたび、全社でのTPM活動をスタートするにあたり、キックオフを開催します。

代表からの導入宣言と活動計画の共有を予定しています。
現場改善の第一歩となる大切な場ですので、ぜひご参加ください。

日時: ○月○日(○)00:00〜00:00
場所: ○○会議室 / オンライン(URL:○○)
対象: 全管理職・各ライン担当者

ご不明な点は推進事務局(○○)までお気軽にご連絡ください。
どうぞよろしくお願いします。

7.TPM活動の展開と定着

キックオフ後は8本柱を順次展開し、自主保全、計画保全、個別改善を回していきます。達成確認(審査)を挟みながら、PDCAで改善を継続します。

成果は全社で共有し、活動を企業文化として定着させます。導入して終わりではなく、ここからが活動の本番です。

自主保全を強固にする3つの掟

導入の7ステップと並ぶもう1つの軸が、自主保全です。導入の7ステップが「会社として活動を立ち上げる手順」であるのに対し、自主保全は「現場のオペレーター、一人ひとりが、自分の設備を自分で守る日常の活動」を指します。階層が異なる活動のため、本記事では分けて解説します。

JIPMは自主保全の進め方として7つのステップを定めています。本記事では、TPM活動を進める文脈に合わせ、その7ステップを現場が守るべき原則として「設備の基本条件を整える」「設備に強いオペレーターを育てる」「標準化と自主管理で定着させる」の3つの掟に整理して解説します。全体像は以下の表のとおりです。

主な活動

狙い

1.設備の基本条件を整える

初期清掃、発生源・困難箇所対策、自主保全仮基準の作成

劣化を防ぐ

2.設備に強いオペレーターを育てる

総点検、自主点検

劣化を測る

3.標準化と自主管理で定着させる

標準化、自主管理の徹底

維持して自走する

参考:保全の地位を向上させたい|公益社団法人日本プラントメンテナンス協会

掟1:設備の基本条件を整える

最初の掟は、清掃、給油、増し締めという設備の基本条件を整えることです。初期清掃では、清掃を通じて設備に直接触れ、不具合、劣化、発塵源を顕在化させます。「清掃は点検である」という考え方を現場で共有することが出発点です。

続いて、汚れやゴミの発生源を断ち、清掃や点検がしにくい箇所を改善して、作業時間を短縮します。その上で、清掃、給油、増し締めについて、誰が、どこを、どの頻度で行うかを定めた仮基準を現場自身が作ります。

基準を与えられるのではなく自分たちで作ることで、現場が守れる基準になり、活動の自分ごと化が進みます。

掟2:設備に強いオペレーターを育てる

設備の基本条件が整ったら、次はオペレーターの点検技能を高めます。

教育を通じて設備の機能や構造を理解した上で、総点検により劣化部位を洗い出し、不具合を復元します。さらに自主点検では仮基準を見直し、点検項目を絞り込んで、ムリ、ムラ、ムダのない効率的で確実な点検の仕組みに整えます。

オペレーターが設備を使うだけではなく、異常の兆候を自分で見抜けるようになることが、この掟の狙いです。

掟3:標準化と自主管理で定着させる

最後の掟は、活動を一過性で終わらせず、現場に定着させることです。

清掃、給油、点検の方法を標準化し、あわせて定位置管理や表示などの職場管理も標準化します。誰がやっても同じ結果になる状態を整えた上で、現場が自分たちで目標を持ち、自主的に改善を続ける自主管理へと移行します。

TPMが現場に定着し、指示がなくても自走する状態がゴールです。なお、自主保全では各段階で達成確認(審査)を経てから次へ進むことで、活動の後戻りを防ぎます。

TPM活動で現場が陥りがちな失敗とその対策

進め方の手順がわかっても、実行の段階でつまずく現場は少なくありません。ここでは、TPM活動で現場が陥りがちな失敗を、原因と対策のセットで紹介します。

清掃活動だけで終わり形骸化する

初期清掃は変化が目に見えるため、インパクトの大きい活動です。その分、清掃の達成感で満足してしまい、発生源対策以降の活動が進まなくなる現場があります。

対策としては、各段階に達成確認(審査)を設け、次へ進む基準を明確にすることが有効です。「きれいになった」で終わらせず、「不具合を何件見つけ、何件復元したか」という成果で活動を評価します。

失敗パターンのきっかけから陥りがちな失敗、対策

現場の負担が増えて続かない

TPM活動は通常業務に上乗せされるため、業務が忙しくなると活動が後回しになりやすい構造があります。点検や記録の時間が確保できない状態が続くと、活動は自然消滅に向かいます。

対策は、活動時間をあらかじめ業務に組み込むこと、対象設備を絞って小さく始めること、記録の手間を減らすことです。特に記録のデジタル化は、点検表の記入や集計の手間を減らし、活動を続けやすくします。

効果が見えずモチベーションが下がる

成果が数値で見えないと、現場は活動を続ける意義を感じにくくなります。「やっても変わらない」という空気が広がると、活動は形だけになります。

対策として、OEE(設備総合効率=時間稼働率×性能稼働率×良品率)や故障件数を、対策前後で比較できるように可視化します。数値の改善が見えれば、活動の手応えが現場に伝わります。

TPM活動を定着させるコツ

陥りがちな失敗を踏まえた上で、活動を長く続け、定着させるためのコツを紹介します。導入前の推進体制づくりは既存記事「TPM活動とは」で解説しているため、ここでは導入後に活動を立て直し、再活性化する観点でまとめます。

経営層が継続的に関与する

トップの関与がキックオフだけで途切れると、現場での活動の優先度は下がっていきます。

定例報告の場を設ける、経営層が現場を巡回する、改善成果に経営層が反応を返すなど、関心を持ち続けていることが現場に伝わる仕組みをつくることが重要です。

小さな成功体験を積み重ねる

全設備で一斉に成果を出そうとせず、モデル設備で成果を出して横展開する進め方が定着への近道です。

成功事例を社内で共有することで、「自分たちの職場でもできそうだ」という納得感が生まれ、活動が広がっていきます。

点検・保全記録をデジタル化して可視化する

紙の点検表による運用は、記入、回収、集計のそれぞれに手間がかかり、形骸化や記録の分散を招きやすくなります。

点検や保全の記録をデジタル化すると、点検実施率、異常の傾向、OEEの推移を可視化でき、改善と定着の両方につながります。設備保全システムを活用すれば、QRコードを使った点検報告や、設備ごとの履歴の一元管理も可能です。「カミナシ 設備保全」も、こうした記録のデジタル化を支援するサービスの1つです。

TPM活動の進め方を実践した事例

TPMの実現に向けて、設備保全のデジタル化を進めている事例として、株式会社東芝 府中事業所の取り組みを紹介します。

同事業所のスイッチギヤ部では、約150台の大型製造設備のメンテナンス履歴を紙とExcelで管理していました。設備が停止した際に、過去の履歴をすぐに参照できないことが課題でした。

スイッチギヤ部では150台もの設備を用いて製造を行っており、これま設備修理の履歴をExcelで残す運用だった

そこで点検や修理の記録をデジタル化し、現場で入力する運用に変更しました。設備情報が体系的に蓄積される仕組みが整い、デジタルを前提とした現場の意識づくりや、経営インパクトを測る指標の設定にも取り組めるようになっています。

設備ごとにQRコードを貼り、モバイル端末で読み取り記録を開始する様子

同社は「工場運営において、人の次に大事なものが設備です」と位置づけ、設備情報の蓄積を通じたTPMの実現を目指しています。

参考:東芝が実践する、紙とExcelから脱却する設備保全DX

手順を踏んでTPM活動を進め、ロスのない現場をつくろう

TPM活動の進め方を、導入の7ステップと自主保全の3つの掟という2つの軸で解説しました。

会社としては、経営トップの決意表明から始まり、教育、組織づくり、目標設定、計画、キックオフ、展開と定着という7つのステップで活動を立ち上げます。現場では、設備の基本条件を整え、設備に強いオペレーターを育て、標準化と自主管理で定着させるという3つの掟で自主保全を根付かせます。

TPM活動は形骸化との戦いでもあります。陥りがちな失敗に対策を打ちながら、記録のデジタル化などの仕組みで現場の負担を減らし、効果を可視化することが、長く続くTPM活動につながります。

TPM活動を進める中で、現場が最も悩むのが設備の突発停止です。短時間の停止(チョコ停)が積み重なるだけで、OEEは大きく落ちます。チョコ停・ドカ停の原因分類から具体的な対策事例まで、現場改善のヒントをまとめた資料を無料で配布しています。

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執筆者:現場と人 編集部

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