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公開日 2026.07 .29

更新日 2026.07.29

【チェックリスト付】設備管理システムに必要な機能とは?自社に必須な要件の見つけ方を紹介

【チェックリスト付】設備管理システムに必要な機能とは?自社に必須な要件の見つけ方を紹介

設備管理システムとは、工場やプラントの設備情報、点検、保全計画、修理履歴などを一元的に管理し、保全業務を支えるシステムです。保全業務(点検・修理・保全計画)の管理を中核に、製品によっては稼働分析や在庫管理まで担い、CMMS(Computerized Maintenance Management System:設備保全システム)とも呼ばれます。紙やExcelで分散していた設備の情報を、一つの仕組みに集約します。

いざ導入を検討すると、製品によって搭載される機能は幅広く、台帳管理から保全計画、点検記録、在庫管理、データ分析まで多岐にわたります。機能の数が多いほど高機能に見えますが、現場で使わない機能が多ければ操作は煩雑になり、コストも膨らみます。自社にはどの機能が必要なのかが判断できないまま製品比較に進むと、選定の軸が定まりません。

機能は数の多さではなく、自社の課題に効くかどうかで見極めることが大切です。本記事では設備管理システムの主な機能を一覧で整理したうえで、自社に必要な機能かどうかをその場で判断できるチェックリストを用意しました。製品比較やランキングではなく、機能の見極めに的を絞って解説します。

目次

設備管理システムの主な機能一覧

設備管理システムが備える主な機能を、下の表で一覧にまとめました。機能名だけを眺めても自社への必要性は判断しにくいため、各機能に役割と「活用シーン(課題例)」の列を添えています。

まず右端の「活用シーン(課題例)」から、自社で起きている困りごとに近いものを探し、そこから必要な機能を逆引きする読み方をおすすめします。例えば、紙の点検表が形だけになっているのであれば点検記録、過去の修理対応が追えないのであれば保全履歴、というように、課題を起点に機能を絞り込めます。

機能を一つずつ知るだけでなく、自社の課題と照らし合わせながら読み進めてください。

機能

役割

活用シーン(課題例)

台帳管理

設備情報を一元管理

情報が分散している

保全計画

点検・整備の計画を立てる

計画的な保全ができていない

点検記録

点検結果を記録

紙の点検表が形骸化

保全履歴

修理・整備の履歴を蓄積

過去の対応が追えない

修理案件管理

修理依頼の進捗を管理

対応漏れ・遅延

予備品・在庫管理

部品在庫を管理

欠品・過剰在庫

報告書作成

帳票を自動作成

転記の手間

分析

稼働率・故障傾向を分析

改善の打ち手が不明

図書管理

図面・手順書を保管

書類が探せない

設備管理システム/設備保全システムの主な機能一覧

とくに使用頻度が高く、導入効果が出やすいのが、次の7つの機能です。

  1. 設備台帳・点検履歴の一元管理

  2. 点検・保全スケジュールの管理(予防保全)

  3. 点検報告の電子化

  4. 作業指示・修理案件の管理

  5. 部品・在庫の管理

  6. 故障・修理履歴の蓄積

  7. 故障データ分析と活用

1.設備台帳・点検履歴の一元管理

設備台帳とは、保有する設備の型式、メーカー、設置日、設置場所、保全履歴といった情報をまとめて記録したものです。これらの情報が紙の管理台帳やExcelファイル、担当者の頭の中に分散していると、いざ修理や点検が必要になったときに、その設備をいつ導入したのか、前回どんな部品を交換したのかを探すだけで時間がかかります。設備が数十台、数百台と増えるほど、情報を探す手間は無視できなくなります。

カミナシ 設備保全で使用している設備を一覧化。設備名や故障内容をテキストで検索することが可能

設備管理システム(設備保全システム)で設備毎の情報を一覧化したもの

図面や取扱説明書、点検手順書といった図書も同様に保管しておけば、必要な書類を設備ページからたどれるため、ファイルサーバーやキャビネットを探し回る手間がなくなります。

設備管理システムで台帳と点検履歴を一元管理すると、設備ごとのページに基本情報と過去の点検・修理の記録がひも付き、必要な情報をその場で呼び出せます。

例えば、故障対応の現場で、スマートフォンから設備の名称を入力すれば過去の交換部品や処置内容を確認でき、原因の見当をつけやすくなります。情報を探す時間が一件あたり数分でも、対応件数が積み重なれば月単位で大きな差になります。他にも日々の点検時に、以上があればすぐに記録、情報の集約も可能になります。

カミナシ 設備保全で異常の報告を実施、チョコ停・ドカ停のリスクを未然に防止

日常点検時に異常があれば、スマートフォンで報告が可能に。

一元管理が効くのは情報検索の効率化だけではありません。設備保全の現場では、長年その設備を見てきたベテランの経験や勘に頼る場面が多く、異音から疑う部品を当てる、季節ごとに詰まりやすい箇所を見抜くといった判断が個人の暗黙知になりがちです。担当者が異動や退職をすると、その知見ごと失われます。

点検時の所見や処置の内容、判断の理由をシステムに記録として残していけば、こうした暗黙知をデータとして蓄積し、熟練者の経験に依存していた判断を標準化して次の担当者へ引き継げます。

属人化の解消と技能伝承の両面で、台帳・履歴の一元管理は他の機能を活かす前提となる機能です。

2.点検・保全スケジュールの管理(予防保全)

点検・保全スケジュールの管理は、日常点検、定期点検、部品交換といった保全作業の予定を登録し、期限が近づくとリマインドする機能です。毎週金曜にこのラインを点検、3カ月ごとにこのモーターを交換といったルールを設定しておくと、対象の設備と作業内容、担当者が自動で一覧化され、実施漏れを減らせます。

カミナシ 設備保全で計画保全を管理

設備管理システムで設備毎の保全計画を管理

この機能の本質は、保全のやり方を事後保全から予防保全へ移行させる点にあります。事後保全は、設備が壊れてから直す進め方で、突発停止による生産ロスや、緊急対応に伴う残業、休日出勤を招きやすい状態です。これに対して予防保全は、故障が起きる前に計画的に点検・部品交換を行い、設備を安定して動かし続ける進め方を指します。突発停止が年に十数件発生していた現場でも、計画的な点検で前兆を捉えられるようになれば、停止件数の減少が期待できます。

紙の管理表やカレンダーだけで予防保全を回そうとすると、設備の数だけ予定が増え、誰がいつ何をやるのかの管理が追いつかなくなります。スケジュール管理機能を使えば、点検周期に沿って予定が自動生成され、実施状況も記録に残ります。

計画に対する実施率が見えるようになるため、計画した予防保全が実際に回っているかを後から検証できます。予防保全の考え方や進め方は「予防保全とは?予知/事後保全との違いやデメリット、具体的な対策を紹介」で詳しく解説しています。

3.点検報告の電子化

点検報告の電子化は、現場での点検結果を紙ではなくスマートフォンやタブレットで記録する機能です。従来は紙のチェックシートに記入し、事務所に戻ってからExcelに転記する流れが一般的でした。

紙で記録し、転記するやり方では、記入と転記に手間がかかるうえ、転記ミスや報告の遅れも起こりやすくなります。点検箇所が多い現場では、転記だけで月に十数時間を費やすことも珍しくありません。

電子化すると、現場の担当者はその場で点検結果を入力できます。チェック項目に沿って入力する形式なら、記入漏れもその場で気づけます。設備に貼ったQRコードを読み取って該当の点検表を開いたり、異常箇所を写真で残したりする運用もできます。

入力した結果は、そのまま帳票や報告書の形で出力できます。点検記録を別途清書したり、月次の報告書を手作業でまとめたりする工程がなくなり、点検の記録が抜けや遅れなくデータとして積み上がっていきます。

4.作業指示・修理案件の管理

作業指示・修理案件の管理は、保全担当者への作業の指示と、修理依頼の進捗をデジタルで管理する機能です。点検で異常が見つかったとき、その報告から修理の依頼へ、対応の完了までを一連の流れとして扱います。

点検時に異常が見つかった場合は、写真を添えて報告し、そのまま修理の依頼として起票できます。修理を担当する保全員には作業指示が届き、対応が終われば処置内容や交換部品、停止時間が記録として残ります。

点検で見つかった不具合が、報告から修理依頼、対応完了まで一本の記録としてつながると、報告したのに対応されていない、直したつもりが記録に残っていないといった抜けを防げます。指示と報告がデジタルで結びつくことで、現場と管理側のやり取りが記録として積み上がっていきます。

5.部品・在庫の管理

部品・在庫の管理は、設備の修理や交換に使う補修部品の在庫数、保管場所、入出庫を管理する機能です。保全の現場では、いざ部品を使おうとしたときに在庫が切れていると、部品の手配を待つあいだ設備を止めることになります。特に納期の長い部品や特注品では、欠品が数日単位の設備停止に直結します。

これを避けようと余分に在庫を抱えると、今度は保管スペースと購入費用がかさみ、使われないまま劣化する部品も出てきます。欠品による設備停止と、過剰在庫によるコスト増という二つのムダを、どちらも抑えることがこの機能の狙いです。

カミナシ 設備保全で予備品(在庫品)を管理

設備管理システムによる在庫品(予備品)管理

在庫管理機能(予備品管理機能)を使うと、部品ごとの在庫数をシステム上で把握し、あらかじめ設定した下限を下回ったら発注を促すことも可能です。どの設備にどの部品を使ったかを保全履歴とひも付ければ、消費のペースが見えるため、適正な在庫量を判断しやすくなります。在庫が見える状態になることで、勘に頼った発注から、実績に基づく発注へ切り替えられます。

6.故障・修理履歴の蓄積

故障・修理履歴の蓄積は、いつ、どの設備で、どんな故障が起き、どう対処したかを記録として積み上げる機能です。台帳、点検記録、修理対応の記録がそろって初めて、意味のあるデータの集まりになります。

まず、故障・修理の一件ごとに、発生日時、対象設備、故障の内容、原因、処置、停止していた時間、交換した部品を記録します。一件一件は単なる作業ログですが、半年、一年と積み上がると、設備ごとの傾向が見えるデータの集まりに変わります。

カミナシ 設備保全で設備別の故障件数を集計したもの

設備管理システムで故障件数の集計・見える化

どの設備にトラブルが集中しているか、回復までに時間がかかる故障がどれかといった傾向は、記録が少ないうちは見えず、ある程度の期間と件数がそろって初めて浮かび上がってきます。

7.故障データ分析と活用

蓄積したデータからは、複数の切り口で分析ができます。例えば設備別に故障の回数や停止時間を集計すると、次のような形で全体像が見えてきます。

設備

故障件数(半年)

停止時間合計

主な故障内容

充填ラインA

8件

14時間

ベアリング摩耗

包装機B

3件

5時間

センサー誤検知

コンプレッサーC

1件

6時間

エア漏れ

故障データの集計例

この集計から、件数の多い充填ラインAと、一件あたりの停止が長いコンプレッサーCでは、打つべき手が違うと判断できます。

トラブルの多い設備、つまり優先して手を打つべき設備が特定でき、故障の内容で分類すれば、同じ部品が繰り返し壊れている、特定の時期に同種のトラブルが集中するといったパターンも浮かび上がります。MTBF(平均故障間隔)やMTTR(平均修理時間)といった指標を出せば、設備の信頼性や復旧の速さを数値で追えるようになります。

こうした分析は、保全のやり方を改善し、予防保全の精度を上げることにつながります。例えば、ある部品が平均して半年で故障するとデータからわかれば、壊れる前に交換するスケジュールを組めます。停止時間の長い故障の原因を分析すれば、設計の見直しや予備品の常備といった対策の優先順位を判断できます。

カミナシ 設備保全でAIによる分析

設備のデータを集めることで、分析から次の打ち手がわかるように。

勘や経験だけに頼っていた、次にどこを直すべきか、どの保全に投資すべきかという判断を、実績データで裏づけられるようになります。記録を残すこと自体が目的ではなく、残したデータを改善の打ち手につなげるところまでが、データ分析の役割です。

自社に必要な機能を見極めるチェックリスト

機能の中身を理解したら、次は自社にとってどの機能が必要かを見極めます。すでに製品比較を進めている方は、このチェックリストで必須機能を確定させてから、設備保全システムを10個比較した記事で候補を絞り込むと選定がスムーズです。すべての機能を一度にそろえる必要はなく、いま現場で起きている課題に直結する機能から優先して導入します。

下の表は、よくある現場の課題と、それを解決する機能、優先度、優先度を判断する目安をまとめたチェックリストです。このチェックリストを使えば、自社で当てはまる課題の行を確認するだけで、必要な機能の見当を数分でつけられます。

自社に必要な設備管理システムの機能を見極めるチェックリスト

自社に必要な設備管理システムの機能を見極めるチェックリスト

優先度が高い課題は、放置すると日々の業務や設備の安定稼働に直接響くものです。点検が形だけになっていると異常の見落としにつながり、過去の対応が追えないと故障時の復旧が遅れます。

例えば、保全の担当者が2名以下で台帳の更新が特定の人に依存しているなら、台帳・履歴の一元管理は優先して手を打つべき領域です。

優先度が中の課題は、土台が整ったあとに取り組むと効果が積み上がりやすい領域です。計画保全、在庫の最適化、データ分析は、点検と履歴の記録がそろっているほど成果を出しやすいため、段階的に広げていきます。

この表はあくまで一般的な目安なので、同じ課題でも、設備の台数や保全体制、現場の人数によって優先順位は変わってきます。複数の課題が当てはまる場合は、停止したときの損失が大きい設備や、対応に追われている業務から優先度を判断しましょう。

機能の優先順位とあわせて、機能以外の条件も確認しておくと、製品選定の段階でミスマッチを防げます。次の観点は、どの製品を選ぶかを左右する実務的なチェックポイントです。

設備管理システムの機能以外の面で確認すべきことチェックリスト

機能以外の条件で確認すること

これらは機能の有無と同じくらい、導入後の定着を左右します。機能要件と並べて、確認の対象に加えておきます。

機能要件の整理の進め方

必要な機能の見当がついたら、製品を選ぶ前に機能要件を整理します。要件があいまいなまま製品比較に入ると、機能の多さや価格に目を奪われ、自社に合わない製品を選んでしまいます。要件整理は、①現場の課題の洗い出し、②必要機能の優先順位づけ、③社内への共有という3段階で進めます。

最初の段階は、現場の課題の洗い出しです。保全の担当者や現場のオペレーター、管理者など、立場の異なるメンバーから、いま困っていることを集めます。ここで大切なのは、あるべき姿から逆算するのではなく、現状を数値で把握することです。次のような項目を設備ごとに書き出すと、課題の大きさが具体的に見えてきます。

設備名

直近半年の停止回数

1回あたりの停止時間

点検記録の月間転記工数

充填ラインA

8回

約1.8時間

約4時間

包装機B

3回

約1.7時間

約3時間

※上記は記載の仕方を示すための一例です。実際には自社の設備ごとに、この形式で実測値を書き出してみましょう。

こうした実測値を書き出すと、後の優先順位づけがしやすくなり、導入後に効果を測る基準にもなります。

次の段階は、洗い出した課題への必要機能の優先順位づけです。前章のチェックリストを使い、各課題に対応する機能を並べ、それぞれの影響の大きさで順位をつけます。

ここで整理した機能を、必須機能と追加機能の二つに分けます。必須機能は、これがないと導入の目的が達成できない機能です。追加機能は、あると業務がより楽になるものの、初期にはなくても運用が回る機能を指します。仕分けの例を挙げると、次のように整理できます。

機能

区分

判断の理由

点検記録

必須

点検の形骸化が最大の課題で、外せない

保全履歴・台帳管理

必須

過去の対応を追えず復旧が遅れている

分析

追加

記録が貯まってから着手すれば足りる

必須機能と追加で必要とされる機能の判断例

すべてを必須にすると製品の選択肢が狭まり、コストも上がるため、この線引きが選定の精度を左右します。

最後の段階は、整理した要件を社内の関係者へ共有することです。設備管理システムは保全部門だけでなく、現場、情報システム部門、経営層など複数の立場が関わります。

必須機能と追加機能、想定する効果を文書にまとめて共有しておくと、製品選定の途中で要望が後出しされる事態を避けられ、導入後の認識のずれも減ります。

要件が整ったら、いよいよ製品の比較です。同じ設備管理システムでも、得意とする領域や対応する設備の種類、料金体系は製品ごとに異なります。機能要件に加えて、前章で挙げた機能以外の選定軸(既存システムとの連携、モバイル対応、カスタマイズ・拡張性、サポート体制)も、このタイミングで製品ごとに確認します。

整理した必須機能を満たすかどうかを軸に、複数の製品を並べて比べると判断しやすくなります。製品ごとの特徴や選び方は、設備保全システムを10個比較した記事で整理しているので、比較検討の入り口として参考にしてください。

最後に、整理した機能が実際の現場でどう連動するかを、一日の流れでイメージしてみます。朝、担当者が設備のQRコードを読み取って点検表に入力し、あるモーターの温度の異常をその場で検知して写真付きで報告します。

報告から修理依頼が起票され、対応の処置内容や交換部品が記録に残ります。蓄積された記録は月末の分析に生き、繰り返す温度上昇から定期交換の周期を見直すなど、一日の点検が次の保全計画へとつながっていきます。

必要な機能を見極めて設備管理システムを選ぼう

設備管理システムの機能は、台帳や点検記録といった記録を残す機能から、保全計画・在庫管理・故障分析といった記録を活かす機能まで幅広くありますが、大切なのは機能の数ではなく、自社の課題に合った機能を見極めて選ぶことです。

まずは現場の困りごとを数値で洗い出し、本記事のチェックリストで必要な機能を必須と追加に整理したうえで、その要件を軸に製品を比較するという順番で進めれば、自社に合った一つにたどり着けます。

執筆者:鎌田 大輝

食品や飲料、機械製造業に関するテーマの記事執筆・編集を多く担当。公式情報に基づいた、誰でもわかりやすい表現での情報発信を心がける。

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