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公開日 2025.04 .18

更新日 2025.09.18

特別教育を社内で実施する5つの手順とは?メリットや役立つツールも紹介

特別教育を社内で実施する5つの手順は?メリットや役立つツールも紹介

特別教育とは、危険または有害な業務について、安全な作業の進め方を従業員に教育するものです。労働災害を防止し、安全な職場環境を構築するために重要な役割を果たします。

本記事では、特別教育の定義や特別教育を社内で実施するための5つの手順、社内で実施する際のメリットやデメリット、社内での特別教育に役立つツールを解説します。製造業や建設業など、労働者を危険な作業に従事させる現場管理者の方は、労働災害を防ぐためにぜひ参考にしてください。

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目次

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特別教育とは

特別教育とは、労働安全衛生法で定められた安全衛生教育の一つで、危険または有害な業務に従事する労働者に対して、安全衛生に関する知識や技能を付与するための教育です。危険または有害な業務における労働災害を未然に防ぎ、労働者の安全と健康を確保することを目的としています。

特別教育が定められている労働安全衛生法第59条第3項では、次のように労働者を危険または有害な業務に就かせる場合、事業者は特別教育を実施しなければならないと記載があります。

事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。

出典:「労働安全衛生法」(e-Gov 法令検索)(https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000057#Mp-Ch_6

条文に記載されている、危険または有害な業務の具体的な内容は、次の章で紹介する労働安全衛生規則で別途定められています。

特別教育が必要な業務の一覧

特別教育が必要な業務には、アーク溶接機を用いて行う金属の溶接業務、制限荷重5トン未満の揚貨装置の運転の業務、チェーンソーを用いて行う立木の伐木業務などがあります。具体的には、労働安全衛生規則に記載されている次の41種類の業務が対象です。

番号

業務名

1

研削といしの取替え又は取替え時の試運転の業務

2

動力により駆動されるプレス機械(以下「動力プレス」という。)の金型、シヤーの刃部又はプレス機械若しくはシヤーの安全装置若しくは安全囲いの取付け、取外し又は調整の業務

3

アーク溶接機を用いて行う金属の溶接、溶断等(以下「アーク溶接等」という。)の業務

4

高圧(直流にあつては七百五十ボルトを、交流にあつては六百ボルトを超え、七千ボルト以下である電圧をいう。以下同じ。)若しくは特別高圧(七千ボルトを超える電圧をいう。以下同じ。)の充電電路若しくは当該充電電路の支持物の敷設、点検、修理若しくは操作の業務、低圧(直流にあつては七百五十ボルト以下、交流にあつては六百ボルト以下である電圧をいう。以下同じ。)の充電電路(対地電圧が五十ボルト以下であるもの及び電信用のもの、電話用のもの等で感電による危害を生ずるおそれのないものを除く。)の敷設若しくは修理の業務(次号に掲げる業務を除く。)又は配電盤室、変電室等区画された場所に設置する低圧の電路(対地電圧が五十ボルト以下であるもの及び電信用のもの、電話用のもの等で感電による危害の生ずるおそれのないものを除く。)のうち充電部分が露出している開閉器の操作の業務

4の2

対地電圧が五十ボルトを超える蓄電池を内蔵する自動車の整備の業務

5

最大荷重一トン未満のフオークリフトの運転(道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第二条第一項第一号の道路(以下「道路」という。)上を走行させる運転を除く。)の業務

5の2

最大荷重一トン未満のシヨベルローダー又はフオークローダーの運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務

5の3

最大積載量が一トン未満の不整地運搬車の運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務

5の4

テールゲートリフター(第百五十一条の二第七号の貨物自動車の荷台の後部に設置された動力により駆動されるリフトをいう。以下同じ。)の操作の業務(当該貨物自動車に荷を積む作業又は当該貨物自動車から荷を卸す作業を伴うものに限る。)

6

制限荷重五トン未満の揚貨装置の運転の業務

6の2

伐木等機械(伐木、造材又は原木若しくは薪炭材の集積を行うための機械であつて、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走できるものをいう。以下同じ。)の運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務

6の3

走行集材機械(車両の走行により集材を行うための機械であつて、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走できるものをいう。以下同じ。)の運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務

7

機械集材装置(集材機、架線、搬器、支柱及びこれらに附属する物により構成され、動力を用いて、原木又は薪炭材(以下「原木等」という。)を巻き上げ、かつ、空中において運搬する設備をいう。以下同じ。)の運転の業務

7の2

簡易架線集材装置(集材機、架線、搬器、支柱及びこれらに附属する物により構成され、動力を用いて、原木等を巻き上げ、かつ、原木等の一部が地面に接した状態で運搬する設備をいう。以下同じ。)の運転又は架線集材機械(動力を用いて原木等を巻き上げることにより当該原木等を運搬するための機械であつて、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走できるものをいう。以下同じ。)の運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務

8

チェーンソーを用いて行う立木の伐木、かかり木の処理又は造材の業務

9

機体重量が三トン未満の令別表第七第一号、第二号、第三号又は第六号に掲げる機械で、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走できるものの運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務

9の2

令別表第七第三号に掲げる機械で、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走できるもの以外のものの運転の業務

9の3

令別表第七第三号に掲げる機械で、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走できるものの作業装置の操作(車体上の運転者席における操作を除く。)の業務

10

令別表第七第四号に掲げる機械で、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走できるものの運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務

10の2

令別表第七第五号に掲げる機械の作業装置の操作の業務

10の3

ボーリングマシンの運転の業務

10の4

建設工事の作業を行う場合における、ジャッキ式つり上げ機械(複数の保持機構(ワイヤロープ等を締め付けること等によつて保持する機構をいう。以下同じ。)を有し、当該保持機構を交互に開閉し、保持機構間を動力を用いて伸縮させることにより荷のつり上げ、つり下げ等の作業をワイヤロープ等を介して行う機械をいう。以下同じ。)の調整又は運転の業務

10の5

作業床の高さ(令第十条第四号の作業床の高さをいう。)が十メートル未満の高所作業車(令第十条第四号の高所作業車をいう。以下同じ。)の運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務

11

動力により駆動される巻上げ機(電気ホイスト、エヤーホイスト及びこれら以外の巻上げ機でゴンドラに係るものを除く。)の運転の業務

12

削除

13

令第十五条第一項第八号に掲げる機械等(巻上げ装置を除く。)の運転の業務

14

小型ボイラー(令第一条第四号の小型ボイラーをいう。以下同じ。)の取扱いの業務

15

次に掲げるクレーン(移動式クレーン(令第一条第八号の移動式クレーンをいう。以下同じ。)を除く。以下同じ。)の運転の業務
イ つり上げ荷重が五トン未満のクレーン
ロ つり上げ荷重が五トン以上の跨線テルハ

16

つり上げ荷重が一トン未満の移動式クレーンの運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務

17

つり上げ荷重が五トン未満のデリツクの運転の業務

18

建設用リフトの運転の業務

19

つり上げ荷重が一トン未満のクレーン、移動式クレーン又はデリツクの玉掛けの業務

20

ゴンドラの操作の業務

20の2

作業室及び気こう室へ送気するための空気圧縮機を運転する業務

21

高圧室内作業に係る作業室への送気の調節を行うためのバルブ又はコツクを操作する業務

22

気こう室への送気又は気こう室からの排気の調整を行うためのバルブ又はコツクを操作する業務

23

潜水作業者への送気の調節を行うためのバルブ又はコツクを操作する業務

24

再圧室を操作する業務

24の2

高圧室内作業に係る業務

25

令別表第五に掲げる四アルキル鉛等業務

26

令別表第六に掲げる酸素欠乏危険場所における作業に係る業務

27

特殊化学設備の取扱い、整備及び修理の業務(令第二十条第五号に規定する第一種圧力容器の整備の業務を除く。)

28

エツクス線装置又はガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の業務

28の2

加工施設(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第十三条第二項第二号に規定する加工施設をいう。)、再処理施設(同法第四十四条第二項第二号に規定する再処理施設をいう。)又は使用施設等(同法第五十二条第二項第十号に規定する使用施設等(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令(昭和三十二年政令第三百二十四号)第四十一条に規定する核燃料物質の使用施設等に限る。)をいう。)の管理区域(電離放射線障害防止規則(昭和四十七年労働省令第四十一号。以下「電離則」という。)第三条第一項に規定する管理区域をいう。次号において同じ。)内において核燃料物質(原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)第三条第二号に規定する核燃料物質をいう。次号において同じ。)若しくは使用済燃料(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第二条第十項に規定する使用済燃料をいう。次号において同じ。)又はこれらによつて汚染された物(原子核分裂生成物を含む。次号において同じ。)を取り扱う業務

28の3

原子炉施設(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第二十三条第二項第五号に規定する試験研究用等原子炉施設及び同法第四十三条の三の五第二項第五号に規定する発電用原子炉施設をいう。)の管理区域内において、核燃料物質若しくは使用済燃料又はこれらによつて汚染された物を取り扱う業務

28の4

東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則(平成二十三年厚生労働省令第百五十二号。以下「除染則」という。)第二条第七項第二号イ又はロに掲げる物その他の事故由来放射性物質(平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により当該原子力発電所から放出された放射性物質をいう。)により汚染された物であつて、電離則第二条第二項に規定するものの処分の業務

28の5

電離則第七条の二第三項の特例緊急作業に係る業務

29

粉じん障害防止規則(昭和五十四年労働省令第十八号。以下「粉じん則」という。)第二条第一項第三号の特定粉じん作業(設備による注水又は注油をしながら行う粉じん則第三条各号に掲げる作業に該当するものを除く。)に係る業務

30

ずい道等の掘削の作業又はこれに伴うずり、資材等の運搬、覆工のコンクリートの打設等の作業(当該ずい道等の内部において行われるものに限る。)に係る業務

31

マニプレータ及び記憶装置(可変シーケンス制御装置及び固定シーケンス制御装置を含む。以下この号において同じ。)を有し、記憶装置の情報に基づきマニプレータの伸縮、屈伸、上下移動、左右移動若しくは旋回の動作又はこれらの複合動作を自動的に行うことができる機械(研究開発中のものその他厚生労働大臣が定めるものを除く。以下「産業用ロボツト」という。)の可動範囲(記憶装置の情報に基づきマニプレータその他の産業用ロボツトの各部の動くことができる最大の範囲をいう。以下同じ。)内において当該産業用ロボツトについて行うマニプレータの動作の順序、位置若しくは速度の設定、変更若しくは確認(以下「教示等」という。)(産業用ロボツトの駆動源を遮断して行うものを除く。以下この号において同じ。)又は産業用ロボツトの可動範囲内において当該産業用ロボツトについて教示等を行う労働者と共同して当該産業用ロボツトの可動範囲外において行う当該教示等に係る機器の操作の業務

32

産業用ロボツトの可動範囲内において行う当該産業用ロボツトの検査、修理若しくは調整(教示等に該当するものを除く。)若しくはこれらの結果の確認(以下この号において「検査等」という。)(産業用ロボツトの運転中に行うものに限る。以下この号において同じ。)又は産業用ロボツトの可動範囲内において当該産業用ロボツトの検査等を行う労働者と共同して当該産業用ロボツトの可動範囲外において行う当該検査等に係る機器の操作の業務

33

自動車(二輪自動車を除く。)用タイヤの組立てに係る業務のうち、空気圧縮機を用いて当該タイヤに空気を充てんする業務

34

ダイオキシン類対策特別措置法施行令(平成十一年政令第四百三十三号)別表第一第五号に掲げる廃棄物焼却炉を有する廃棄物の焼却施設(第九十条第五号の四を除き、以下「廃棄物の焼却施設」という。)においてばいじん及び焼却灰その他の燃え殻を取り扱う業務(第三十六号に掲げる業務を除く。)

35

廃棄物の焼却施設に設置された廃棄物焼却炉、集じん機等の設備の保守点検等の業務

36

廃棄物の焼却施設に設置された廃棄物焼却炉、集じん機等の設備の解体等の業務及びこれに伴うばいじん及び焼却灰その他の燃え殻を取り扱う業務

37

石綿障害予防規則(平成十七年厚生労働省令第二十一号。以下「石綿則」という。)第四条第一項に掲げる作業に係る業務

38

除染則第二条第七項の除染等業務及び同条第八項の特定線量下業務

39

足場の組立て、解体又は変更の作業に係る業務(地上又は堅固な床上における補助作業の業務を除く。)

40

高さが二メートル以上の箇所であつて作業床を設けることが困難なところにおいて、昇降器具(労働者自らの操作により上昇し、又は下降するための器具であつて、作業箇所の上方にある支持物にロープを緊結してつり下げ、当該ロープに労働者の身体を保持するための器具(第五百三十九条の二及び第五百三十九条の三において「身体保持器具」という。)を取り付けたものをいう。)を用いて、労働者が当該昇降器具により身体を保持しつつ行う作業(四十度未満の斜面における作業を除く。以下「ロープ高所作業」という。)に係る業務

41

高さが二メートル以上の箇所であつて作業床を設けることが困難なところにおいて、墜落制止用器具(令第十三条第三項第二十八号の墜落制止用器具をいう。第百三十条の五第一項において同じ。)のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業に係る業務(前号に掲げる業務を除く。)

出典:「労働安全衛生規則」(e-Gov 法令検索)(https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000032#Mp-At_36)をもとに作成

製造業や建設業、廃棄物処理業など、さまざまな業種において特別教育が必要になる可能性があります。労働者を危険な作業に従事させる際は、労働安全衛生規則を確認し、特別教育が必要な業務が含まれていないかを確認しましょう。

特別教育を実施しなかった場合の罰則

労働者を危険または有害な業務に従事させる際に、特別教育を実施しなかった場合、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。特別教育の不実施に関する罰則については、労働安全衛生法第119条に記載されています。

出典:「労働安全衛生法」(e-Gov 法令検索)(https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000057#Mp-Ch_12

第119条第1項内で挙げられている第59条第3項が、特別教育の実施を定めた条文を指しており、これに違反すると罰則が科される旨が示されています。

特別教育を実施しないことで法令違反になるだけでなく、労働災害のリスクが増加し、従業員が不慮の事故に巻き込まれる可能性が高まります。大切な従業員の身を守るためにも、特別教育は必ず実施しましょう。

特別教育と技能講習の違い

特別教育と技能講習の違いは、教育の内容と資格取得の有無です。技能講習の内容は特別教育より専門性が高く、修了することでより高度な知識や技術が身に付きます。技能講習を修了すると、講習の内容に応じて以下のどちらかが可能になります。

  • 労働者の指揮を行う作業主任者への就任

  • 労働安全衛生法で就業制限が設けられている業務への従事

また、特別教育と異なり、技能講習を修了すると資格保有者になれます。修了時に発行される技能講習修了証明書があれば、転職して会社が変わっても、再度講習を受けずに作業主任者の就任や就業制限がある業務への従事が可能です。

特別教育を実施する2つの方法(外部機関or社内実施)

特別教育を行う方法として、外部機関が行う特別教育を受講させるか、社内で実施するかの2通りがあります。法律上は、どちらの方法で特別教育を行っても問題ありません。

しかし、特別教育の講師は教習科目について十分な知識と経験を有することが求められます。そのため、社内で特別教育を実施する場合、講師に適した人物を慎重に選出することが重要です。

特別教育を実施する外部機関は、各都道府県の労働局への登録は不要です。しかし、労働局のホームページやパンフレットなどで特別教育を行っている機関が公表されている場合があるため、外部機関を利用する際は一度確認してみましょう。なお、外部機関での特別教育を修了した際に受け取れる修了証は、他社に転職しても有効です。

特別教育を社内で実施する5つの手順

特別教育を社内で実施する手順を把握しておくことで、参加者の理解を深め、スムーズかつ効果的な教育を行えます。ここからは、社内で特別教育を実施する際の手順を、以下の5つのステップに分けて紹介します。

  1. 特別教育を実施する講師を決める

  2. 特別教育のカリキュラムを実施する

  3. 確認テストを行う

  4. テストの合格者に修了証を発行する

  5. 特別教育の実施について記録を行う

従業員が安全に業務に従事できるように、社内で特別教育を実施する場合は事前に手順を確認しておきましょう。

1.特別教育を実施する講師を決める

特別教育を実施する講師は、十分な知識と経験を備えていることが求められます。特別な資格は必要ないため、社内のベテラン社員の中から適任者を選出するとよいでしょう。

ただし、十分な知識と経験を持っているものの、教えることに不慣れな場合は、外部機関のインストラクター養成コースの利用がおすすめです。東京安全衛生教育センターと大阪安全衛生教育センターでは、特別教育を実施するインストラクターの養成コースを受講できるため、必要に応じて講師を務める社員に受講させましょう。

2.特別教育のカリキュラムを実施する

特別教育を実施する講師が決まったら、日程を決めて特別教育を実施します。特別教育は、法令で定められた内容と時間数に基づいた実施が必要です。実施すべき内容と時間数は、労働者に従事させる業務に応じて異なります。

例えば、機械研削用砥石(といし)の取替えまたは取替え時の試運転の業務に関しては、特別教育で以下の内容を教える必要があります。

科目

範囲

時間数

機械研削用研削盤、機械研削用といし、取付け具等に関する知識

機械研削用研削盤の種類及び構造並びにその取扱い方法 機械研削用といしの種類、構成、表示及び安全度並びにその取扱い方法 取付け具 覆い 保護具 研削液

四時間

機械研削用といしの取付け方法及び試運転の方法に関する知識

機械研削用研削盤と機械研削用といしとの適合確認 機械研削用といしの外観検査及び打音検査 取付け具の締付け方法及び締付け力 バランスの取り方 試運転の方法

二時間

関係法令

法、労働安全衛生法施行令(昭和四十七年政令第三百十八号。以下「令」という。)及び安衛則中の関係条項

一時間

出典:「安全衛生特別教育規程(◆昭和47年09月30日労働省告示第92号)」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=74085000&dataType=0)を加工して作成

業務を安全に進めるための知識だけでなく、労働安全衛生法が制定された背景や罰則など、関係法令の知識も教えます。また、業務によっては学科だけでなく、実技科目の実施も必要です。必要なカリキュラムをよく確認した上で、講義の内容を決めましょう。

3.確認テストを行う

確認テストの実施は労働安全衛生法上の義務ではありません。しかし、テストを実施することで参加者の理解度を確認できます。間違った認識や不十分な部分を把握できれば、その場で補足、復習できます。特別教育の効果を高め、労働災害の発生リスクをより抑えるためにも、確認テストは実施することが望ましいです。

また、テストの結果を通じて講義内容のわかりにくい部分を見直し、次回の特別教育の質をさらに高めることも大切です。

さらに、万が一事故が発生した際には、従業員の理解度に応じた指導を行うために、確認テストの記録は保管しておきましょう。

4.テストの合格者に修了証を発行する

修了証は、参加者が特別教育を修了したことを証明する書類です。修了証の発行も安全衛生法で義務づけられてはいませんが、特別教育の受講歴の確認手段として有効であるため、対象者が危険な業務に従事できるかを判断する材料にもなります。特別教育を修了した参加者には修了証を発行し、保管を促しましょう。

修了証の様式や記載内容に法的な規定はありませんが、以下の項目を記載することで内容が明確になります。

  • 氏名

  • 生年月日

  • 性別

  • 特別教育の科目名

  • 修了した日時

  • 特別教育の責任者名

5.特別教育の実施について記録を行う

特別教育を実施した場合、実施記録を作成し、3年間保管する必要があります。特別教育に関する記録の作成と保管義務については、労働安全衛生規則の第38条に明記されています。

事業者は、特別教育を行なつたときは、当該特別教育の受講者、科目等の記録を作成して、これを三年間保存しておかなければならない。

出典:「労働安全衛生規則」(e-Gov 法令検索)(https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000032#Mp-Pa1-Ch4-At_38

記録の様式や、記載内容には特に規定がありません。また、書面または電磁的記録のどちらで保管するかの定めもなく、事業者が自由に決められます。

わかりやすい記録にするには、参加者一人ひとりの書類を作成し、特別教育の内容、受講日時、講師名を記載するのがおすすめです。参加者の氏名が変更になった場合は、特別教育の記録に記載されている氏名も変更する必要があるため、注意しましょう。

特別教育を社内で実施するメリット

新入社員が多い企業や、同じ内容の教育を繰り返す現場では、外部機関を利用せず、社内で特別教育を行うことでコストや手間を抑えつつ、実践的な教育を柔軟に行えます。社内で特別教育を実施することで得られる主なメリットを、以下の3つに分けて解説します。

  • 金銭的なコストを削減できる

  • オリジナルの内容をカリキュラムに盛り込める

  • 講師を務める社員のスキルアップにもつながる

特別教育を社内で実施するメリットを知ることで、社内で行うか、外部機関を利用するかを判断しやすくなります。教育体制を見直す際の参考にしてみてください。

金銭的なコストを削減できる

外部機関の特別教育を受講する場合、受講料が必要です。また、受講場所によっては、出張費や宿泊費が必要になる可能性もあります。特別教育を受けさせる従業員が多いと、受講料や出張費が大きくかさんでしまいます。

一方、社内で特別教育を実施すれば、受講料や出張費などのコストを削減可能です。特別教育を受ける従業員が多ければ多いほど、社内実施によるコスト削減の効果が大きくなります。

オリジナルの内容をカリキュラムに盛り込める

外部機関による特別教育は、他社からの参加者も含まれるため、あらゆる企業に共通する画一的な内容になりがちです。

一方、社内で特別教育を実施する場合、外部の教育機関では教えられないオリジナルの内容を盛り込めます。例えば自社の業務フローにおける注意点や、過去の事例などを含められるため、より実践的な特別教育の実施が可能です。

自社ならではの視点を盛り込むことで、教育効果をさらに高められます。

講師を務める社員のスキルアップにもつながる

社内で特別教育を実施する場合、社員が講師を務める必要があります。講義に向けて内容を整理したり、参加者に安全な業務の進め方をわかりやすく伝えたりするなかで、講師自身の知識も深まります。

また、複数人の前に立って講義を行う経験を積むことで、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力が向上する点もメリットです。将来的にマネジメントを担う人材の育成にもつながるため、企業と本人双方にとって価値のある経験となります。

特別教育を社内で実施するデメリット

社内で特別教育を実施する場合、講義の準備に時間と労力がかかる点がデメリットです。講師を務める社員は、各科目の教え方を考えながら教材を作成する必要があり、場合によってはインストラクター養成コースの受講も検討しなければなりません。

社員に過度な負担がかからないように、業務とのバランスを考慮しながら、社内での特別教育の実施可否を慎重に判断することが重要です。

社内で特別教育をするなら「カミナシ 教育」

特別教育を社内で実施する場合、動画教材の活用がおすすめです。実際の作業風景を撮影して教材化すれば、自社独自の注意点や手順を盛り込んだ、より実践的な教育が行えます。

映像による説明は視覚的に理解しやすく、参加者の習熟度向上にも効果的です。また、テストの実施や結果の記録をあわせて行うことで、理解度の把握や教育の質の改善にもつながります。

カミナシ 教育は、動画教材の作成からテストの実施・管理までを一元的に行えるツールです。教材は動画やPDFファイル、画像を組み合わせて、一目でわかりやすい内容にできます。スマートフォンのアプリを使って教材を配信すれば、講義前後の予習、復習を促せます。理解度チェックの機能を使うと確認テストも実施できるため、講義内容を定着させやすい点も魅力です。

カミナシ 教育の概要資料ダウンロード

また、QRコードを用いて特別教育の出欠管理を行うことで、参加者の受講状況をわかりやすく管理できます。事前に参加者にQRチケットを配布し、講義の際にスマートフォンでQRコードを読み取ってもらうだけで、出欠確認が完了します。各講習の出欠状況は一覧で確認でき、Excel形式での一覧表の出力も可能です。

社内で特別教育を実施して、業務を安全に進められる環境を整えよう

本記事では、特別教育の概要や社内で特別教育を実施する手順などを解説しました。

特別教育は、業務について十分な知識と経験を有する社員を講師に選任できるのであれば、社内で実施可能です。外部機関で特別教育を受けさせることもできますが、社内で実施することで金銭的なコスト削減をはじめ、多数のメリットが生まれます。十分な知識と経験を有する社員がいる場合は、社内での特別教育の実施を検討しましょう。

社内で特別教育を実施する際に、出欠管理や教育記録が残せる「カミナシ 教育」とマニュアルのデジタル化を進めて成功した企業の事例をまとめた「マニュアルDX3点セット」は、以下のボタンから無料でダウンロードできます。特別教育を社内で実施し、記録の管理をしたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

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執筆者:現場と人 編集部

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