製造業やサービス業の現場では、文章と写真のみの手順書では伝えきれない作業が多くあります。手順書を読んでも理解が難しい作業は何度も繰り返して説明しなければならず、負担を感じている教育担当者も多いでしょう。
さらに、外国人従業員への指導に言葉の壁を感じている教育担当者も少なくないはずです。こうした課題を解決できるのが、作業手順の動画化です。
本記事では、動画による教育の効果や、専門知識がなくても動画編集が可能なツールやソフトの選び方を解説します。おすすめのツールやソフトも紹介するので、現場での教育を円滑に進めるための参考にしてください。
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目次- 作業手順を動画で伝えることで得られる効果
- 1.教育を効率化できる
- 2.教育内容を平準化できる
- 3.外国人従業員にも教育できる
- 動画化に向いている作業
- 作業手順書作成ツールと動画編集ソフトの違い
- 作業手順書作成ツールの選び方
- 作成時や閲覧時にスムーズに操作できるか
- 必要な機能がそろっているか
- 価格は適切か
- サポート体制があるか
- 作業手順を作成する際におすすめのソフト/ツール
- カミナシ 教育
- Teachme Biz
- Dojo
- iTutor
- VideoTouch
- 作業手順を動画で伝える際のコツ
- 伝えたいポイントを明確にする
- ありがちなミスも盛り込む
- 字幕は短くまとめ、ナレーションで補足する
- 記号を活用する
- 自社に合うソフト/ツールを選び、作業手順を動画で伝えよう
作業手順を動画で伝えることで得られる効果
作業手順の動画化は、教える側と教わる側の双方にうれしい効果をもたらします。ここでは、作業手順を動画で伝えることで得られる3つの効果について解説します。
教育を効率化できる
教育内容を平準化できる
外国人従業員にも教育できる
1.教育を効率化できる
言葉や写真だけでは説明が難しい複雑な作業手順も、動画であればわかりやすく伝えられるため、スムーズに教育を進められます。
従来の作業手順書では、細かな動きや力加減などのニュアンスを伝えきれず、教育担当者が何度も説明を繰り返す必要がありました。
しかし、作業手順を動画化すれば、複雑な作業もひと目で理解できるように伝えられます。一度作成した動画はいつでも何度でも視聴できるため、教育担当者の負担軽減にもつながります。
教育スピードが速まることで、より高度な技術の指導にも時間を割けるようになり、結果としてベテラン社員の技術継承が進むことも期待できます。
2.教育内容を平準化できる
動画を共通の教材として活用すれば、誰が教えても常に一定の正確な情報を伝えられるため、教育内容のばらつきを防げます。
指導者が異なると、強調するポイントや教え方に違いが生じ、作業品質にムラが出る原因になります。また、文章や写真による作業手順書は、読み手によって解釈が分かれることも少なくありません。
一方で、動画であれば実際の動きをそのまま共有できるため、現場全体で統一した理解を得やすくなります。
さらに、動画を共通の教材にすることで教育の質が均一になり、一部の社員だけに指導の負担が集中することもなくなります。
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3.外国人従業員にも教育できる
動画であれば動作を視覚で直感的に把握できるため、日本語に不慣れな外国人従業員でも言葉の壁を超えて教育が可能です。
来日して間もない外国人従業員にとって、テキストベースの作業手順書を理解することは容易ではありません。仕事をなかなか覚えられなければ、作業ミスが起きたり、現場になじめず孤立したりすることもあります。動画は作業イメージをつかみやすく、外国人従業員でも早期に戦力となることが期待できます。
昨今の労働力不足により、外国人の雇用を検討する事業者も増えています。日本語に依存しすぎない教育体制を整えておけば、外国人従業員を受け入れる際の心理的なハードルを下げることにもつながります。
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動画化に向いている作業
動画の撮影や編集の経験がなければ、「作業手順書を動画にする」と聞くと「大変そう」と感じるかもしれません。しかし、すべての作業手順を動画化する必要はありません。
動画での説明に向いているのは、次のような作業です。
複雑な手の動きや操作が求められる作業
動きを流れで理解する必要がある作業
まずは、動きや感覚が品質を左右する作業に絞って動画化を検討しましょう。例えば、特殊な工具の正しい使い方や、複雑な配線の取り回しなどが挙げられます。飲食の調理現場であれば、こね具合による生地の変化や、揚げ物の音で仕上がりを判断する作業などがわかりやすい例です。
一連の流れを把握する必要がある作業も、動画化に向いています。具体的には、機械の複雑な組み立てやメンテナンス時の部品の取り外しなどが該当します。
一方で、スイッチのオンオフや端末へのコード入力といった単純作業は、従来の文章と写真による手順書で十分です。最小限の手間で最大限の効果を得るために、動画にすべき作業を見極めましょう。
作業手順書作成ツールと動画編集ソフトの違い
手順書を動画化する際に知っておきたいのが、作業手順書作成ツールと動画編集ソフトの違いです。
作業手順書作成ツールとは、手順書の作成を目的としたシステムです。動画編集は機能の一部に組み込まれており、専門知識がなくても簡単な操作で動画のカットやつなぎ合わせ、テロップの挿入などの編集が可能です。
一方で、動画編集ソフトは動画の編集に特化したソフトウェアです。SNS投稿用の動画や映像作品など、本格的な映像制作を想定して設計されています。一般ユーザーからクリエイターまで、幅広い層を対象とした製品が数多く存在します。
このような特徴を踏まえると、動画編集の経験があまりない人が作業手順を動画化するなら、作業手順書作成ツールの利用がおすすめです。
作業手順書作成ツールの選び方
現在はさまざまな作業手順書作成ツールが提供されており、自社に合うものを選ぶためには比較検討が欠かせません。以下の4つのポイントを参考にツールを比較しましょう。
作成時や閲覧時にスムーズに操作できるか
必要な機能がそろっているか
価格は適切か
サポート体制があるか
ここでは、各ポイントについて詳しく解説します。
作成時や閲覧時にスムーズに操作できるか
動画の作成時や閲覧時に、誰でも迷わずに操作できるツールを選びましょう。作成時の操作が複雑であれば、作業に時間がかかり、本来の業務に支障をきたすおそれがあります。
また、更新作業が滞り、現場の実態と作業手順書の内容が食い違う原因にもなります。閲覧時の操作が煩雑だと、忙しい現場の従業員は次第に動画を見なくなり、作成に費やした時間やコストが無駄になってしまいます。
導入前に無料トライアルが利用できる場合は、実際に現場で使う従業員に試してもらい、ツールの操作感を確認しておきましょう。
必要な機能がそろっているか
作業手順書作成ツールの効果を最大限に引き出すためには、必要な機能がそろっている必要があります。
動画作成時は、動画から自動的に字幕を生成する機能やナレーション挿入機能、重要な箇所を強調できる再生スピード編集機能などがあると便利です。
動画を閲覧する場面では、目的の動画をすぐに見つけられる検索機能に加え、スロー再生や早送り機能があると使い勝手が高まります。
外国人従業員がいる現場では、多言語翻訳機能が重宝します。閲覧しやすいツールであれば、現場での作業手順書の利用も自然と促されます。
また、管理画面で公開範囲を設定できるか、閲覧状況を確認できるかも押さえておきましょう。機能が充実するほど使いやすくなる一方で、コストに影響する場合もあるため、自社に必要な機能を見極めることが大切です。
価格は適切か
作業手順書作成ツールの料金体系には、買い切り型とサブスクリプション型があります。現在は、月額や年額で利用料を支払うサブスクリプション型が主流です。
しかし、利用を続ける限りコストが発生することから、予算に見合うか検討する必要があります。
利用料金はアカウント数やツールに組み込む機能によって変動するケースが多いため、自社の利用規模や活用範囲を事前に想定しておきましょう。動画にしたい作業手順書の数が少ない場合は、無料ツールの活用も選択肢に入れてみてください。
サポート体制があるか
作業手順書作成ツールの導入支援や、トラブルや疑問が生じた際の迅速な対応など、サポート体制が整っていると安心です。加えて、現場への定着までフォローしてもらえれば、スムーズな運用につながります。
また、電話やメール、チャットなど、自社が利用しやすい連絡手段でサポートを受けられるかも確認しておきましょう。
サポートの費用体系にも注意が必要です。定期的に支払う利用料金内で何度でも相談できるのか、あるいは別途費用が発生するのかを事前に把握しておきましょう。
作業手順を作成する際におすすめのソフト/ツール
作業手順の動画化を効率よく進めるためには、自社に合ったツールを選ぶことが大切です。ここでは、製造業やサービス業などで多くの導入実績を持つ、代表的な5つのツールを紹介します。
カミナシ 教育
Teachme Biz
Dojo
iTutor
VideoTouch
それぞれの特徴について解説します。
カミナシ 教育
カミナシ 教育は、ITに不慣れな人でも直感的に操作可能な、動画マニュアルの作成から研修管理までを一括して行えるシステムです。現場での使いやすさも重視されており、アプリの登録などの手間をかけず、誰でもすぐに使い始められることも特徴です。

撮影した動画をアップロードするだけでテロップ付き(字幕付き)、音声読み上げ付きの動画マニュアルを作成できることが最大の強みです。

また、既存の作業手順書を取り込んで動画化する機能や、24言語に対応した字幕と音声の自動翻訳機能を備えるほか、理解度の確認や受講状況の管理も行えます。料金は初期費用と月額料金からなり、月額料金はサーバー費用込みでプランとID数に応じて変動します。
サポート面では、ヘルプサイトや各種マニュアル、チャットでの問い合わせなどが利用できます。さらに、専任担当者による運用定着までのフォローと活用支援プログラムも用意されており、導入後に現場で活用されないといった事態を防ぐ体制が整っています。
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Teachme Biz
Teachme Biz(ティーチミー ビズ)は、テンプレートに文字や画像、動画を挿入するだけで、ステップ形式のマニュアルを簡単に作成し、共有できるツールです。
動画のトリミングや字幕の追加、図形やテキストによる強調などの加工が、ツール上で手軽に行えます。パソコンの操作画面を動画で収録し、そのままマニュアルに追加できるため、操作手順書の作成も容易です。
費用は、プランに応じた利用料に加え、初期費用とオプション費用が発生します。担当者による導入から運用、定着までのサポートは無料です。トライアルも用意されているため、機能を試したうえで導入を検討できます。
Dojo
Dojo(ドージョー)は、パソコン操作のマニュアル作成に特化したツールです。パソコンでいつものように作業するだけで、操作画面が自動的に収録され、そのままマニュアルに活用できます。
PowerPointのような編集画面で、モザイクの追加やトリミング、一時停止などの加工が行えます。用途に応じてHTML5やMP4、PowerPointなど10種類のファイル形式で出力できる点も特徴です。
ライセンスとオプション機能は買い切りで、一度購入すれば追加費用は発生しません。ただし、保守とサポートに別途費用がかかります。契約後は、電話やメールなどで問い合わせ可能なヘルプデスクやユーザー向けサイト、導入を支援するカスタマーサポートなどが利用できます。
iTutor
iTutor(アイチューター)は、パソコン操作を記録して手順書や動画マニュアルを作成し、教育コンテンツとしても活用できるツールです。パソコン操作を収録すると、PowerPointのようなスライド形式で表示され、自在に編集できます。
パソコン操作は動画でも取り込み可能で、カット編集やエフェクトの追加などにより、特別なスキルがなくても完成度の高い動画に仕上げられます。操作画面を収録しながらWebカメラで操作者を撮影する機能も備わっており、操作と解説の同時録画も可能です。また、作成した手順書からテスト問題も簡単に作成できるため、教育にも活用できます。
料金はプランごとに価格が異なる買い切り型で、38万円から用意されています。サポートとしては、導入時のオンラインレクチャーや定期的なセミナー、メールによる問い合わせ対応などが提供されています。
VideoTouch
VideoTouch(ビデオタッチ)は、動画の作成から共有、学習までをカバーする研修向けツールです。直感的な操作で、誰でも研修動画を作成できます。
既存資料をもとに動画を作成できるほか、画面収録や動画アップロード、カット編集も対応しています。AIによる高精度な字幕やナレーションの自動生成機能も備わっており、編集した動画から学習コースを作成し、体系的な教育に活用できることも特徴です。
価格は利用規模に応じて異なります。ツール導入時は、わかりやすい研修動画の構成やツール活用のポイントについて、専属担当者からアドバイスを受けられます。また、電話やWeb会議、メール、チャットなど複数の手段によるサポートも対応しています。
作業手順を動画で伝える際のコツ
動画は視覚的に情報を伝えられる便利な手段ですが、撮影や編集の方法によっては要点がぼやけてしまうことがあります。現場の従業員に正しく理解してもらうために、以下の4点を意識しましょう。
伝えたいポイントを明確にする
ありがちなミスも盛り込む
字幕は短くまとめ、ナレーションで補足する
記号を活用する
伝えたいポイントを明確にする
動画を通じて何を理解してほしいのかを明確にしてから、撮影や編集に着手しましょう。
カメラのアングルは、重要なポイントが伝わるかどうかを基準に決めます。また、動画の長さにも注意が必要です。動画が長すぎると要点がわかりにくくなるため、不要なシーンをカットしたり分割したりして、適切な再生時間に調整しましょう。
ありがちなミスも盛り込む
正しい手順だけでなく、あえてよくあるミスも動画に盛り込みましょう。失敗パターンを示すことで、注意すべき点を具体的にイメージしやすくなります。
例えば、ボタンを長押しすべきところを短く押してエラーになる様子や、レバーを急に引いて部品に負荷がかかる場面などを映像で再現するとよいでしょう。正しい手順と失敗例をあわせて示すことで、動画の実用性がさらに高まります。
字幕は短くまとめ、ナレーションで補足する
動画の字幕は短文にまとめ、詳細な説明はナレーションで補うのが効果的です。
字幕が長文だと、視聴者が文字を追うことに集中し、作業の動きを見逃したり、字幕が動作にかぶって見にくくなったりすることがあります。動きを目で追い、補足情報をナレーションで耳から受け取ることで、情報をスムーズに理解できるようになります。
また、字幕やナレーションは専門用語を避け、経験の浅い従業員にもわかりやすい言葉を使うように心がけましょう。
記号を活用する
動画内で強調したいポイントや注意を促したい箇所には、丸やバツ、矢印などの記号を活用しましょう。例えば、ネジを回す向きやバルブの開閉方向を矢印で示すと、印象に残りやすくなります。
また、禁止事項の場面で大きくバツを表示することで、やってはいけない動作であることが視覚的に伝わります。
記号は直感的に情報を伝えられるため、外国人従業員への指導にも役立ちます。外国人従業員への教育を想定している場合は、言葉や文化の違いを超えて伝わるシンプルな記号を使うように意識しましょう。
自社に合うソフト/ツールを選び、作業手順を動画で伝えよう
作業手順を動画にすると、従業員教育の効率化や平準化が期待できます。また、視覚的に伝えられるため、外国人従業員への指導にも効果的です。作業手順書作成ツールを使えば、撮影や編集のスキルがなくても動画を簡単に作成できます。
今回紹介したツールの選び方やおすすめのソフトを参考に、自社の利用環境や現場のニーズに合った作業手順書作成ツールの導入を検討してみましょう。





















