予防保全型メンテナンスの導入では、「設備状態を把握し、最適なタイミングで点検・修理を行う」ことが目的です。そのためには、保全スケジュールの策定と、それに見合った人員配置の最適化が不可欠です。属人的な判断から脱却し、データに基づく計画立案と役割分担を実現することがカギになります。
まず、予防保全は“時間基準型”と“状態基準型”に分類されます。時間基準型では、使用時間・稼働日数に応じて定期点検や部品交換を行います。一方、状態基準型では、振動・温度・電流などの異常傾向をもとに、必要な時にだけ対応する方式です。現場での導入初期は、時間基準型から始めるケースが多く、そこにIoTやセンシング技術を組み合わせて段階的に高度化していく流れが主流です。
保全計画を立てる際は、まず過去の故障履歴・点検実績・設備の重要度をもとに「対象設備の選定と優先順位付け」を行います。すべての設備を同じ頻度で点検するのではなく、「故障のリスクが高い設備」「故障時の影響が大きい設備」に保全リソースを集中させる方針が合理的です。たとえば、ライン停止に直結する主要機械には月1回、予備機や影響の小さい設備は四半期ごと、というようにグループ分けしてメンテナンス頻度を調整することで、人員負荷の平準化と効果的な点検が両立できます。
そのためにも設備の稼働停止状況、「チョコ停」「ドカ停」の頻度、振動・温度・電流値の上昇傾向をデータとして管理しておき、保全計画に組み込んでいく必要があります。
設備が完全に故障してからではメンテナンスにも日数がかかりますし、最悪外注で修理を検討しないといけません。
計画は生産管理とも連携し、代用の設備(ライン)の確保や納期調整を依頼するようにしましょう。
人員配置の最適化においては、保全業務を「記録」「判断」「対応」に分解し、それぞれの工程に最適な人材を配置する視点が重要です。たとえば、点検記録は若手や派遣社員が行い、異常判定や対応方針は熟練者や技術スタッフが担うといった分担が有効です。
また、属人的な保全から脱却するには、点検基準・異常判断基準・部品交換ルールをマニュアル化し、デジタルで管理・共有できる体制を構築することが不可欠です。これにより、新人でも基準通りに点検でき、経験差による品質ばらつきが軽減されます。
さらに、保全業務の予実管理も重要です。「いつ、誰が、どの設備を、どの作業で、何時間使ったか」という情報を可視化することで、保全計画と実行のギャップがわかり、人員配置や教育内容の見直しにもつながります。
保全に使った部品の交換時間や劣化具合、交換サイクル、予備部品の事前手配など、すべて計画的に盛り込めるように、履歴をデータ化すると保全要員も余分な人員を増やさずに明確化しやすくなります。
最近では、モバイル端末を使った点検記録の電子化により、現場作業の負担軽減や履歴管理の効率化が進んでいます。紙では管理が煩雑だった履歴や対応実績も、デジタル化すれば設備単位で簡単に確認・分析でき、次回計画の根拠にもなります。
カミナシでは、タブレットでの点検・記録から異常報告、履歴管理、保全KPIの可視化までを一元化できる保全支援ソリューションを提供しています。点検基準の標準化、作業履歴の蓄積、担当者ごとの稼働状況の把握など、予防保全体制の構築と人員最適化の両立を支援しています。









